高血圧の薬(降圧薬)

高血圧の病理については、高血圧の治療方法を参照。

高血圧の薬の種類

高血圧の薬は作用機序の違いで下記のように大きく7種類に分類することができます。

その全てが血管を広げて血圧を下げることには変わりがないですが、カルシウム拮抗薬であれば最終的に血管を広げるスイッチを阻害するし、α遮断薬とβ遮断薬であれば血圧を上げるノルアドレナリンがくっつく受容体をそれぞれ遮断して、ARBとACEは腎臓で腎血流を維持するための生理物質が血圧を上げてしまうのでそれを遮断、利尿薬は血液中の水分を外にだすことで血管に掛かる負荷を軽減することで血圧を下げます。

このように、高血圧の薬は作用機序が異なれば作用点が異なるため、全ての種類の薬を重ねて使用することができます。

重ねて使用することができるゆえ、複数の高血圧の薬を配合した配合剤が近年続々と製薬メーカーから販売されています。配合剤を使用するメリットは、服用する数を減らすことばかりでなく、2種類のうちの1種類の薬の値段がゼロになりもう一種類に組み込まれる形になるため、値段的にもお得です。

高血圧の薬の使い方

  1. 単剤で低用量から開始する。
  2. 1日1回服用でよい長時間作用型の降圧剤を使用する。
  3. 2~3ヶ月以内に降圧目標に達することを目指す。
  4. 到達しない場合は、他の種類の降圧剤を併用する。
  5. 利尿薬の少量投与は他の降圧剤の作用を強めるので3剤目に利尿薬を用いることを原則とする。

(図:大日本住友 JSH2009概要より引用)

急な血圧上昇への推奨薬

急な血圧上昇への第一選択は速攻型のアダラートカプセルではない(反跳性の血圧上昇)。噛んで服用は適応外。なるべく中時間型の薬剤。おすすめはコニールやアダラートL。CRだとやや長いか。ノルバスクはない。

高血圧積極的適応

Ca拮抗薬 ARB/ACE阻害薬 サイアザイド β遮断
左室肥大
心不全
頻脈
(非DHP系)
狭心症
心筋梗塞後
CKD
(蛋白尿-)

(蛋白尿+も)
脳血管障害
糖尿病

合併症を有する場合

<糖尿病を合併する場合>
糖尿病を合併する場合は、高血圧のみの場合に比べて心血管系の病気のリスクが2~3倍に増加するため、上記で述べたように130/80mmHg以下を目標とします。

第一選択薬は臓器(心・腎)保護作用インスリン抵抗性改善作用をもつACE阻害剤(アンジオテンシン転換酵素阻害薬)、ARB(アンジオテンシンAT1拮抗薬)であり、糖尿病性腎症を持っている場合は特に、これらの薬剤が有する糸球体輸出細動脈拡張作用が生きる。ただし、糖尿病性神経症がある場合は、起立性低血圧に注意する。

<高脂血症を合併する場合>
高脂血症を合併する場合は、脂質代謝改善作用(血清コレステロール減少、HDL増加作用)を有するα遮断薬が適する。

<前立腺肥大を合併する場合>
前立腺のα受容体も遮断して、排尿困難症状を改善するα遮断薬が適する。

<脳血管障害を合併する場合>
血圧が上昇すると脳血流量が上昇するが、血圧が低下すると反対に血流量が減少して虚血(酸素不足)によるめまい、ふらつき感を生じる。

脳血管に障害があると、血流量の自動調節能が狂い、わずかな血圧低下でも血流量が減少して虚血を招く。よって、脳血管障害がある場合は、安易に降圧剤を使用しない。血流改善薬とCa拮抗薬の併用がベター?。

<狭心症を合併する場合>
安静時(冠攣縮)狭心症には、長時間型のCa拮抗薬を第一選択として用い、労作性狭心症にはISA(-)のβ遮断薬(が適する。

<心不全を合併する場合>
利尿をはかり前負荷を軽減することが最も重要なので、利尿薬が第一選択。ACE阻害薬、ARBも使用する(心保護)。重症心不全を合併する場合は、アルドステロン拮抗薬が適する。

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