チアゾリジン薬

チアゾリジン薬の作用機序

PPARγ(核内受容体型転写因子で脂肪、肝臓、血管壁などに存在して、脂肪細胞分化、脂肪酸の取り込みなどの役割を果たす。)に結合することにより、大型脂肪細胞(TNF-αを分泌)の分化誘導を促進して、インスリン感受性の高い小型脂肪細胞(アディポネクチンとPPARαを分泌)を増やす。

TNF-αは骨格筋などの末梢組織における糖の取り込みを阻害するが、アディポネクチンは肝・骨格筋に作用してAMPキナーゼを活性化させて、肝臓では糖新生を、骨格筋では糖の取り込み(GULT4のtranslocation)を促進する。

脂肪細胞 生理物質 作用
小型 アディポネクチン 糖尿病や高血圧、動脈硬化を防ぐ
大型 TNF-α 糖尿病や動脈硬化を招く
アンジオテンシノーゲン 血圧を高める
プラスミノーゲン活性化抑制因子 血液を固まりやすくする
HBEGP 血管壁の細胞を増やし動脈硬化を招く

PPARαはフィブラートにて活性化される。

※AMPキナーゼ:細胞内エネルギーセンサーとして機能するセリンスレオニンキナーゼの一種で、インスリン経路と独立して糖代謝、脂質代謝に働く


(調剤と情報より一部改変)

チアゾリジン薬の種類

朝食時に飲み忘れた場合は昼食時に服用する。それ以降の場合は服用しない

  • アクトス(ピオグリタゾン)・・・ ①食事療法、運動療法のみの場合及び食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤又はα-グルコシダーゼ阻害剤若しくはビグアナイド系薬剤を使用する場合
    通常、成人には15~30mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、性別、年齢、症状により適宜増減するが、45mgを上限とする。

    ②食事療法、運動療法に加えてインスリン製剤を使用する場合
    通常、成人には15mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、性別、年齢、症状により適宜増減するが、30mgを上限とする。

浮腫

浮腫の頻度は女性で有意に高く発現する。浮腫のメカニズムは完全に解明されていないが、チアゾリジン誘導体により、腎集合管に高発現しているPPARγを活性化しNaチャネルの発現を誘導し、Na再吸収が促進し貯留することにより体内の水分量が増えて浮腫が生じると考えられている。

浮腫への対応は、トリアムテレン、スピロノラクトンの利尿剤、減塩、チアゾリジン誘導体の減量・中止などが挙げられる。

(糖尿病性)黄斑浮腫が発症または増悪したとの報告がある。視力低下があらわれた場合には黄斑浮腫の可能性を考慮すること。

体重増加

体重増加には浮腫と脂肪組織増加の二つの原因が考えられるが、機序は未だ不明である。

チアゾリジン誘導体投与により、平均1.38kgの体重増加がみられ、約3年間の投与で3~4kg増加を認める場合がある。特にSU剤に併用した場合に体重増加がみられた。

浮腫や心不全がなければ脂肪量の増加(特に皮下脂肪)や食欲亢進作用などが考えられるため、生活習慣を見直して、食事療法の徹底を図る。

心不全

浮腫と体重増加をきたす症例に心不全を合併する率が高いとされている。

定期的に心電図検査などを行い、服用中の浮腫、急激な体重増加、症状(息切れ、動悸、心胸比増大、胸水等)の変化に注意して異常がみられた場合には直ちに本剤の服用を中止し、受診するよう患者を指導する。

浮腫の対処にはループ利尿剤(フロセミド等)の投与等が行われる。

骨折

チアゾリジン系薬は動物実験で骨密度を低下させるとの結果が出ている。骨折のリスクは用量依存性である。

糖尿病の薬の種類


コメントor補足情報orご指摘あればをお願いします。



  • << 前のページ
  • 次のページ >>
ページトップへ