TNF受容体

TNF-αやリンフォトキシンα(=TGF-β)はTNFRⅠ、またはTNFRⅡに結合します。

TNFRから進むシグナルは、TLR(Toll-like-receptor)とIL-1Rから進むシグナルとかなり密接にクロストークしているため、非常にわかりにくいです。 よって、TLRについては先の項で述べるので、ここではTNFRからの伝達のみに注目して説明していきます。

TNF-α/βの作用はは一言で言えばアポトーシスの誘導NF-κBの活性化(アポトーシスの抑制) です。TNFRⅠとTNFRⅡはデスドメインと呼ばれる領域を持つかどうかで区別されます。

TNFRⅠはデスドメインを持ち、いくつかのタンパク質がデスドメイン同士で結合しあって、カスパーゼの活性化からアポトーシス誘導、とTRAF2からのNF-κB活性化を引き起こします。

カスパーゼはアスパラギン残基を切断するタンパク分解酵素で、アポトーシスに深く関与します。活性型カスパーゼ8、カスパーゼ2はカスパーゼ3、7を活性化して アポトーシスを進行させます。

一方、TNFRⅡはデスドメインを持っておらず、TNF-αの結合によりTRAF2のルートのみが活性化されて、NF-κBが活性化されます。

下の図はTNF-α/βがTNFRⅠ受容体に結合したときのシグナル伝達(主にアポトーシス経路)を示しています。

受容体の結合によるシグナルがデスドメインを介してカスパーゼ8を活性型に変えると、活性化したカスパーゼ8はカスパーゼ3/6を活性化して DNAを分解→アポトーシスを進行させると共に、Bidの活性化からカスパーゼ9を活性化し、最終的にカスパーゼ3/6/7を活性化してアポトーシスを進行させる。

また、TNF-α/βはアポトーシスを誘導するのみならず、NF-κBを活性化してアポトーシスを抑制し、生存・分化・増殖にも関与する。

TNFRからのNF-κB活性化機序は下の図の通りである。

TNFRⅠ、TNFRⅡともにTRAF2(TNF receptor-associated factor 2)と呼ばれるアダプタータンパク質を介して 、NIK(NF-κB inducing kinase)がリン酸化され、MAP3K14であるNIKはIKKs(IKKα/β/γ:IκBキナーゼファミリー)をリン酸化して活性化させる。

IKKsはIκBをリン酸化するタンパク質であり、実際にリン酸化作用を持つIKKα(IKK1)とIKKβ(IKK2)とアダプター分子であるIKKγ(NEMO)の三量体構造を とっている。

NEMOはRIPに結合した状態で存在しているが、リン酸化されないため?活性化されていないが、NIKによるリン酸化が起こると活性化されてそのシグナルをIKKα/β まで伝える。

NF-κBは不活性な状態では、その核移行シグナル(NLS)がIκBによってマスクされている(IκBのアンキリンリピート(アミノ酸の繰り返し配列)でNF-κBのRHDに会合 し、NF-κBのNLSをマスクする)が、IKKα/βによってIκBのセリン残基がリン酸化されると、E2ユビキチントランスフェラーゼがIκBをポリユビキチン化し、ついで これを認識した26SリボソームがIκBを分解することで、NF-κBのNLSが露出し、NF-κBが核へと移行する。(NF-κBについてはNF-κBの項を参照してください)

また、TRAF2からのシグナルはNIKだけでなく、MEKK1やGCK、ASK1も活性化する。

MEKK1やGCKはその下流でMAPKのJNKを活性化して、c-JunなどのAP-1に関与する転写因子を活性化する。

ASK1はストレス応答(酸化・UV・浸透圧など)に関与するタンパク質であり、最終的にp38α/β/γを活性化して、免疫反応の増強を引き起こします。 ASK1は、通常C末端のコイルドコイル領域を介してホモオリゴマーを形成しているが、ROS(活性酸素)によりASK1活性阻害因子であるTrx(Thioredoxin)が 解離し、TRAF2やTRAF6の結合が起こって、シグナル伝達が進行する。

Trxは、ASK1のN末端側に存在するコイルドコイル領域をかいしたホモオリゴマー形成を阻害することによりその活性を負に制御していると言う。

<補足>
NIKはMAP3K14のNF-κB inducing kinaseとMAP4KのNCK interacting kinaseの二つあるので名前に注意する。また、TRAF2はTRAF1とヘテロ2量体を形成しRIPに結合しているが 、TRAF5ともbindingしている。そして、共に単体でNIKを活性化すると共に、TRAF5はAsk1も活性化する経路を持つ。 c-IAPはRIP1に結合してアポトーシスを抑制する。FLIPはFADDを抑制しアポトーシスを抑制する。

キラーT細胞から出されるFasはFas受容体に結合し、活性型カスパーゼ8を介してアポトーシスを誘導する。


コメントor補足情報orご指摘あればをお願いします。



  • << 前のページ
  • 次のページ >>
ページトップへ