かゆみの種類

かゆみには中枢性のかゆみと末梢性のかゆみの二種類あり、中枢性のかゆみはオピオイドが関与し、末梢性のかゆみは知覚神経C線維からのSPや肥満細胞からのヒスタミンが関与します。

そして、これらの物質は、自由神経終末の受容体に結合し、知覚神経C線維を伝って、大脳皮質へと投射され、かゆみとして認識されます。

ここでは、中枢性のかゆみと末梢性のかゆみの違いとそのメカニズムを出来る限り詳しく解説するつもりですが、 現在のところかゆみのメカニズムはまだまだ完全解明には程遠く、ヒスタミンとオピオイドだけでは 説明の付かないかゆみの機序が存在しているのも確かでして、深いところまでは解説できないことをあらかじめお詫びいたします。

ヒスタミンの関与しない、かゆみ機序の解明が待たれます。

中枢性のかゆみ

中枢性のかゆみは内因性のTyr―Gly―Gly―Pheを共通アミノ酸配列として持つ、オピオイドペプチド類が関与します。

オピオイドといえば、モルヒネが有名で、μ受容体に結合することで強力な鎮痛作用を示します。

オピオイドペプチドというのは、内因性のモルヒネ様物質を指し、μ受容体を刺激するβエンドルフィン、δ受容体を刺激するロイシン-エンケファリン、κ受容体を刺激するダイノルフィン の3つに分類され、鎮痛効果や鎮静効果を発現します。

このように、オピオイドペプチド類は一般的には痛みを抑制することで知られていますが、かゆみに関してβエンドルフィンなどのμオピオイドは増強し、κオピオイドは抑制することが、 ナロキソン(μ拮抗薬)やナルブフィン(κ活性薬)を使った例にて示されています。

オピオイドの前駆物質としましては、プロオピオメラノコルチン(POMC)、プロエンケファリン、プロダイノルフィンの3つに大きく分類でき、かゆみを増強させるβエンドルフィン は、ストレス時に放出されるCRHが脳下垂体のACTH産生細胞らに働きかけることで活性化されるエンドプロテアーゼが、POMCを分解することにより産生される。

POMCは表皮ケラチノサイトからも産生されていることが示されていること、ケラチノサイトの細胞膜にもオピオイド受容体が存在することが示され、皮膚におけるかゆみ病変への関与が示唆される。

(プロエンケファリンはロイシン-エンケファリンの前駆物質、プロダイノルフィンはダイノルフィンの前駆物質である)

産生されたβエンドルフィンは、脊髄後角や脳内βエンドルフィンニューロンの神経終末にあるμ受容体に結合して、かゆみを増強する。

これが、ストレス時に無意識に頭を掻く要因となるが、アトピーの場合は嗜癖的掻破行動と混ざって非常に判断しにくいが、胆汁うっ滞や透析患者のかゆみ抑制には著効するという。

末梢性のかゆみ

末梢性のかゆみを引き起こす物質としては、ヒスタミンがよく知られているが、アトピー性皮膚炎に限らず、抗ヒスタミン薬の効かない例が多々存在するため(私も・・) 、ヒスタミン以外の痒み誘発物質の存在も考えられている。

ヒスタミンを刺激物質としてかゆみが誘発される機序は、アレルギー反応によって活性化された肥満細胞から放出されたヒスタミンが、表皮まで侵入してきている 自由神経終末末端のヒスタミン受容体に結合することで、DRGに存在する?痒み受容器によりその刺激が電気信号に変えられ、知覚神経C線維を伝わり、脊髄後角 で二次ニューロンとシナプスを形成し、二次ニューロンは視床で三次ニューロンとシナプスを形成し、大脳皮質でかゆみとして認識される。

また、C線維の一次ニューロンは多方向に分岐しており、軸索反射を介して、別のC線維神経終末からSPやNKA、CGRPなどのタキキニンを放出し、タキキニンは肥満細胞の NK-1受容体を介して脱顆粒を促進しかゆみの増悪に寄与する。

現在のところ、ヒスタミンに変わって、プロスタグランジンやセロトニン、IL-2/6、トリプターゼ、アセチルコリンらが痒みを引き起こすと言われるが、

これらの物質が直接的に自由神経終末を刺激してかゆみを引き起こすのか?

慢性的な刺激によりかゆみニューロンの感作が起こり、一般的には高いと言われている、かゆみ閾値が低下して、他の機械・温熱刺激や他のかゆみ以外の神経による反射的 な神経の興奮がかゆみを起こしているのか?

コリン性蕁麻疹に代表される、交感神経の興奮が皮膚のムスカリン受容体を刺激して発汗を促し、 汗刺激による刺激が知覚神経を伝って大脳皮質へと投射した後、反射的に遠心性の迷走神経(副交感神経)により気道や皮膚でのアセチルコリンの放出が促され、 アセチルコリンは肥満細胞を活性化しアレルギー反応を進行させる機序のように、 アセチルコリン自体が知覚神経に働きかけるのではなく、肥満細胞からのヒスタミンやブラジキニンを介してかゆみや痛みを引き起こすのか?

(IgEもコリン作動性神経からのアセチルコリンの過放出を促す)

未だ明確なメカニズムは解明されていません。


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