薬剤師の義務

麻薬向精神薬覚せい剤原料毒・劇薬毒・劇物の取り扱いは別項(医薬品の取り扱い)を参照してください。

薬剤師の任務薬剤師法第1条

薬剤師は、調剤、医薬品の供給をするだけでなく、21世紀の高齢化社会へ向けた医療の担い手として、国民の健康な生活を確保する必要があります。

薬剤師の免許

1、免許の取得 (薬剤師法2条3条4条5条6条7条則1条則2条

薬剤師国家試験に受かり、薬剤師名簿に登録することによって、初めて免許か取得できます。単に国家試験に受かっただけでは、薬剤師ではなく、専属的業務としての調剤を行うことはできません。

2、薬剤師名簿・免許の変更(薬剤師法施行令3条5条

薬剤師は、結婚等により薬剤師名簿と免許証の記載事項(本籍都道府県名、氏名、生年月日、性別)に変更が生じたときは、30日以内に都道府県知事を経由して、厚生労働大臣に届け出なければなりません

結婚による氏名変更では、薬剤師免許証の書き換えと、保険薬剤師の登録証の書き換えまずはじめに行い、その後、体制省令と、保険薬剤師の登録変更届を提出します。

薬剤師免許証の書き換えは、基本的には最寄りの保健所(結婚する前の住所のある保健所)で、

  1. 書換交付申請書(保健所にある)
  2. 戸籍抄(謄)本(発行から6ヶ月以内のもので、変更内容がわかるもの
      。結婚等により戸籍を複数回移動している場合は、除籍(謄)抄本が必要になります)
  3. 薬剤師免許証(原本)
  4. 手数料
    収入印紙(郵便局などで販売しています)
    免許証書換 2,750円分
    籍訂正  変更1件につき1,000円分
    (結婚等により、名前と本籍地と両方が変更になる場合は2,000円分になります)
    ※登録免許税の取扱いに関する審査請求に対し、国税不服審判所より「1通の申請書により、1つの資格に係る登録事項の変更の登録を受ける場合の登録免許税の額は、変更の登録を受ける登録事項の数にかかわらず千円となる」旨の裁決がなされたため、医師、歯科医師、薬剤師等医療関係職種における登録免許税の取扱いが見直されました。
    婚姻等により氏名、本籍地(都道府県名)等に変更があった場合、従来の取扱いでは、例えば、氏名の訂正で千円、本籍地の訂正で千円、合計2千円分の収入印紙を申請書に添付していました。しかし、今回の見直し後は、訂正する登録事項の数にかかわらず、1通の訂正申請につき千円の登録免許税となります。
    これまでに1通の申請書で2ヵ所以上の登録事項の訂正を申請し、2千円以上の登録免許税を納付した方であって、「還付請求期間」の請求期間内に過誤納金の還付請求をされた方は、登録免許税法第31条の規定に基づき、過誤納金の還付を受けることができます。該当する方は、「還付通知請求書」に必要事項を記載の上、厚生労働省まで提出してください。
    過誤納金の還付を請求することができる期間は、薬剤師名簿等の訂正の登録が完了した日から5年を経過する日までとなります。
    (引用:日薬サイト
  5. 遅延理由書(変更後30日以内に申請できなかった場合に必要になります)

を持っていくことで行います。

保険薬剤師の登録変更(記載要領)は、関東信越厚生局のサイトで確認してください。書類(変更届、登録票、戸籍抄本)が準備できたら、窓口持参もしくは郵送で提出します。

もちろん、免許の再交付が変更後30日を超えてしまった場合の体制省令等の変更に関しても、遅延理由書を添付します。

3、薬剤師名簿・免許の削除(薬剤師法施行令4条7条

薬剤師名簿削除の申請及び免許証の返納は、いずれも都道府県知事を経由して、厚生労働大臣に届け出ます。

4、決定事項の届出(薬剤師法第9条則7条

薬剤師は、2年ごとの12月31日現在における、氏名、住所、性別、年月日、本籍、薬剤師名簿登録番号を、都道府県知事を経由して厚生労働大臣に届け出なければなりません。

保健所から人数分送られてくる薬剤師届出票に記入後、まとめて送り返します。

薬剤師の業務

1、調剤(薬剤師法第19条21条22条23条24条25条26条、薬剤師法施行規則第14条15条16条、健康保険法施行規則第53条54条、薬局業務運営ガイドライン)

薬剤師でない者は、販売又は授与の目的で調剤してはいけません・させてはいけません(事務の調剤の禁止、医師の例外あり)。

調剤に従事する薬剤師は、調剤の求めがあった場合、正当な理由がなければこれを拒んではいけません(たらいまわしの禁止)。患者が医薬品を取り寄せてからでも良いと納得した場合は、調剤を行わなければなりません。

正当な理由というのは、薬剤師が不在中のとき、自身が重病のとき、早急に調剤薬を交付する必要があるが、備蓄医薬品がなく、医薬品の調達に時間を要するとき、災害や事故などにより物理的に調剤不能のときなどです。

薬剤師は、薬局以外の場所で販売又は授与の目的で調剤してはいけません。

薬剤師は、処方箋によらなければ、販売又は授与の目的で調剤していけません。また、その処方箋を処方した医師の同意を得た場合を除き、これを変更してはいけません。

薬剤師は、処方箋中に疑わしい点があるときは、その処方箋を交付した医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ調剤してはいけません。

薬袋には、患者の氏名、用法・用量に加えて、調剤年月日、調剤した薬剤師の名前、調剤した薬局の名称及び所在地を記載する。

薬局の名称と所在地は、もともと薬袋に記載しておいてあると思うので、調剤のたびに患者氏名と用法用量が書かれたシールなどを貼って、”調剤した人の名前”と調剤年月日が同時に入ったハンコを押せばよい。

薬剤師は、調剤したときは、その処方箋の該当する欄に、調剤済みの旨、調剤年月日、調剤した薬局の名称・所在地、疑義照会した場合はその内容を記名押印しなければなりません。いつも押しているハンコのことです。

また、調剤録にも、規定の項目を記載しなければなりませんが、処方箋の記載事項と兼用できるため、処方箋への記載事項に加えて、健康保険法(保険発第57号)で定められた以下の項目(重複部分は除いてあります)、

  • 患者の被保険者記号番号、被保険者、被扶養者の別
  • 当該薬局で調剤した薬剤についての、薬剤料、調剤手数料、請求点数及び患者負担金額

を調剤済み処方箋に別途記載して調剤録とします。

保険証や高齢者受給者証の確認をしたい場合に、確認したい相手が療養の給付(薬剤の交付)を受ける人か、また、保険証を見せれないやむをえない理由がないかを確認した上で、失礼のないように見せてもらいます。

患者さんには、保険薬局から提出を求められた場合には保険証や高齢者受給者証を見せなければならない義務がありますが、やむをえない理由がある場合はこれを拒むことができます。

2、情報提供(法第77条薬剤師法第25条の2

薬剤師は、販売又は授与の目的で調剤したときは、患者又は現にその介護にあったっているものに対し、調剤した薬剤の適正な使用のために必要な情報を提供しなければなりません。 薬剤師法第25条の2の規定は「調剤薬」についての情報提供義務であり、「OTC薬」の場合の情報提供義務(薬事法第77条の3第4項の規定)とは異なります。

医療関係者は、医薬品の適正な使用を確保するため、医薬品販売業者や卸売業者から提供される情報の活用、その他必要な情報の収集、検討及び利用を行うことに勤めなければなりません。

薬局などの医薬品販売業者は、医薬品を購入し、又は使用するものに対し、医薬品の適正な使用のために必要な情報を提供するよう努めなければなりません。

その他、薬局医薬品、一般用医薬品の情報提供方法については下記を参照

3、薬剤服用歴管理指導料を算定する場合(薬剤服用歴管理料

薬剤服用歴管理指導料は、基準調剤加算を算定する時には、かならず算定し、またその規定に従った指導をきちんと行わなければなりません。

投薬の際は、薬情の薬剤師印の空白に投薬した薬剤師の印を押し、薬情を渡します。

薬の服用の簡単な説明と注意を伝えたら、規定の項目に抜けがないように薬歴に記載します。

くわしくは薬歴の書き方を参照してください。

4、後発医薬品への変更(後発医薬品への変更について

先発医薬品から後発医薬品への変更調剤が可能な処方せん又は一般名処方に係る処方せんを受け付けた保険薬局の保険薬剤師は、患者に対して後発医薬品に関する説明を適切に行うとともに、後発医薬品を調剤するよう努めなければならないものであること。

4、服薬指導加算を算定する場合(服薬指導加算

基本的なコンセプトは特別指導加算と同じく、個別指導(その患者さんにあった指導)を心がける。

5、薬剤情報提供料を算定する場合(薬剤情報提供料

手帳か健康手帳に規定の事項を記載した場合に算定できるので、手帳を忘れた場合にシールだけ渡す場合は算定できない。

老人の健康手帳は、老人保健法で療養を受けるときには提出する旨が示されているので、75歳以上の老人にはコチラから求めても構わないと思われる。

初めて手帳を作るときは薬局の名前と連絡先を記載し、患者の名前や副作用歴、生年月日などは欄がある必要はあるが、コチラで記載しなくてもよい。

また、薬剤情報提供料を算定したときは、薬歴にその旨を記載しなければならない。

保険薬剤師

1、保険薬局の指定
(保険医療機関及び保険薬局の指定並びに保険医及び保険薬剤師の登録に関する政令:第1条、2条
保険医療機関及び保険薬局の指定並びに保険医及び保険薬剤師の登録に関する省令:第1条
健康保険法:第63条65条68条69条70条78条79条80条
老人保健法施行規則:17条
老人保健法の規定による医療並びに入院時食事療養費及び特定療養費に係る療養の取扱い及び担当に関する基準を定める件:24条25条26条27条28条29条
国民健康保険法:第36条40条
保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則:2条の3
保険医療機関及び保険医療養担当規則の一部改正等に伴う実施上の留意事項について:第1項第2項

保険薬局の指定・取り消しは、薬局の所在地を管轄する社会保険事務局長が行う。

保険薬局の指定を受けるときは、様式1号の指定申請書、管理薬剤師以外の保険薬剤師の氏名などを記載した書類を提出する。

保険薬局指定の有効期限は基本的には6年ですが、 薬局開設者が薬剤師で、かつ開設者がその薬局の管理者として調剤に従事する場合は、保険薬剤師の登録を済ませていれば、保険薬局の指定が自動的になされる(それ以外の場合は更新の申請が必要となる)。

保険薬剤師は調剤及び療養の給付を行わなければなりません。

保険薬局は、一月以上の予告期間を設けて保険薬局の指定を辞退することができます。

保険薬局は、医療機関と一体的な経営(資本が同一、近親者)を行うことは禁止されている。また、医療機関から特定の保険薬局に誘導する措置や金品などを使った取引は禁止されている。

2、保険薬剤師の指定
( 保険医療機関及び保険薬局の指定並びに保険医及び保険薬剤師の登録に関する政令:第3条~8条21条
保険医療機関及び保険薬局の指定並びに保険医及び保険薬剤師の登録に関する省令:第6条9条
健康保険法:第64条71条72条81条
老人保健法:第17条
老人保健法の規定による医療並びに入院時食事療養費及び特定療養費に係る療養の取扱い及び担当に関する基準を定める件:30条31条32条33条
保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則:1条2条3条4条の28条9条10条
保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(昭和32年厚生省令第16号)の一部改正に関する事項

保険薬剤師の登録の権限は、その者の住所地を管轄する地方社会保険事務局長が行う。2以上の保険薬局に勤務する保険薬剤師の指定の権限も社会保険事務局長にある。

その他、法律、政令、省令、告示を参照

3、保険証・処方箋(健康保険法施行規則53条54条、老人保健法施行規則16条)

その他、法律、政令、省令、告示を参照

4、保険薬剤師業務(療養担当規則第7条の28条)

保険薬局は後発医薬品の備蓄に関する体制その他の後発医薬品の調剤に必要な体制の確保に努めなければなりません。

保険薬剤師は、調剤を行う場合は、患者の服薬状況及び薬剤服用歴を確認しなければならない。

保険薬剤師は、処方せんを発行した保険医等が後発医薬品への変更を認めているときは、患者に対して、後発医薬品に関する説明を適切に行わなければならない。この場合において、保険薬剤師は、後発医薬品を調剤するよう努めなければならない。

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