健康保険法

第一条(目的)

この法律は、労働者の業務外の事由による疾病、負傷若しくは死亡又は出産及びその被扶養者の疾病、負傷、死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。

第三条(定義)

この法律において「被保険者」とは、適用事業所に使用される者及び任意継続被保険者をいう。ただし、次の各号のいずれかに該当する者は、日雇特例被保険者となる場合を除き、被保険者となることができない。

  • 一  船員保険の被保険者(船員保険法 (昭和十四年法律第七十三号)第十九条ノ三 の規定による被保険者を除く。)
  • 二  臨時に使用される者であって、次に掲げるもの(イに掲げる者にあっては一月を超え、ロに掲げる者にあってはロに掲げる所定の期間を超え、引き続き使用されるに至った場合を除く。)
    • イ 日々雇い入れられる者
    • ロ 二月以内の期間を定めて使用される者
  • 三  事業所又は事務所(第八十八条第一項及び第八十九条第一項を除き、以下単に「事業所」という。)で所在地が一定しないものに使用される者
  • 四  季節的業務に使用される者(継続して四月を超えて使用されるべき場合を除く。)
  • 五  臨時的事業の事業所に使用される者(継続して六月を超えて使用されるべき場合を除く。)
  • 六  国民健康保険組合の事業所に使用される者
  • 七  保険者又は共済組合の承認を受けた者(健康保険の被保険者でないことにより国民健康保険の被保険者であるべき期間に限る。)

2  この法律において「日雇特例被保険者」とは、適用事業所に使用される日雇労働者をいう。ただし、次の各号のいずれかに該当する者として社会保険庁長官の承認を受けたものは、この限りでない。

  • 一  適用事業所において、引き続く二月間に通算して二十六日以上使用される見込みのないことが明らかであるとき。
  • 二  任意継続被保険者であるとき
  • 三  その他特別の理由があるとき

3  この法律において「適用事業所」とは、次の各号のいずれかに該当する事業所をいう。

  • 一  次に掲げる事業の事業所であって、常時五人以上の従業員を使用するもの
    • イ 物の製造、加工、選別、包装、修理又は解体の事業
    • ロ 土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊、解体又はその準備の事業
    • ハ 鉱物の採掘又は採取の事業
    • ニ 電気又は動力の発生、伝導又は供給の事業
    • ホ 貨物又は旅客の運送の事業
    • ヘ 貨物積卸しの事業
    • ト 焼却、清掃又はとさつの事業
    • チ 物の販売又は配給の事業
    • リ 金融又は保険の事業
    • ヌ 物の保管又は賃貸の事業
    • ル 媒介周旋の事業
    • ヲ 集金、案内又は広告の事業
    • ワ 教育、研究又は調査の事業
    • カ 疾病の治療、助産その他医療の事業
    • ヨ 通信又は報道の事業
    • タ 社会福祉法 (昭和二十六年法律第四十五号)に定める社会福祉事業及び更生保護事業法 (平成七年法律第八十六号)に定める更生保護事業
  • 二  前号に掲げるもののほか、国、地方公共団体又は法人の事業所であって、常時従業員を使用するもの

4  この法律において「任意継続被保険者」とは、適用事業所に使用されなくなったため、又は第一項ただし書に該当するに至ったため被保険者(日雇特例被保険者を除く。)の資格を喪失した者であって、喪失の日の前日まで継続して二月以上被保険者(日雇特例被保険者、任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であったもののうち、保険者に申し出て、継続して当該保険者の被保険者となった者をいう。ただし、船員保険の被保険者である者は、この限りでない。

5  この法律において「報酬」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいう。ただし、臨時に受けるもの及び三月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。

6  この法律において「賞与」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのもののうち、三月を超える期間ごとに受けるものをいう。

7  この法律において「被扶養者」とは、次に掲げる者をいう。

  • 一  被保険者(日雇特例被保険者であった者を含む。以下この項において同じ。)の直系尊属、配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下この項において同じ。)、子、孫及び弟妹であって、主としてその被保険者により生計を維持するもの
  • 二  被保険者の三親等内の親族で前号に掲げる者以外のものであって、その被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの
  • 三  被保険者の配偶者で届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるものの父母及び子であって、その被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの
  • 四  前号の配偶者の死亡後におけるその父母及び子であって、引き続きその被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの

8  この法律において「日雇労働者」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。

  • 一  臨時に使用される者であって、次に掲げるもの(同一の事業所において、イに掲げる者にあっては一月を超え、ロに掲げる者にあってはロに掲げる所定の期間を超え、引き続き使用されるに至った場合(所在地の一定しない事業所において引き続き使用されるに至った場合を除く。)を除く。)
    • イ 日々雇い入れられる者
    • ロ 二月以内の期間を定めて使用される者
  • 二  季節的業務に使用される者(継続して四月を超えて使用されるべき場合を除く。)
  • 三 臨時的事業の事業所に使用される者(継続して六月を超えて使用されるべき場合を除く。)

9  この法律において「賃金」とは、賃金、給料、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、日雇労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいう。ただし、三月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。

10  この法律において「共済組合」とは、法律によって組織された共済組合をいう。

第三十五条(資格取得の時期)

被保険者(任意継続被保険者を除く。以下この条から第三十八条までにおいて同じ。)は、適用事業所に使用されるに至った日若しくはその使用される事業所が適用事業所となった日又は第三条第一項ただし書の規定に該当しなくなった日から、被保険者の資格を取得する。

第三十六条(資格喪失の時期)

被保険者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(その事実があった日に更に前条に該当するに至ったときは、その日)から、被保険者の資格を喪失する。

  • 一  死亡したとき。
  • 二  その事業所に使用されなくなったとき。
  • 三  第三条第一項ただし書の規定に該当するに至ったとき。
  • 四  第三十三条第一項の認可があったとき。

第三十七条(任意継続被保険者)

第三条第四項の申出は、被保険者の資格を喪失した日から二十日以内にしなければならない。ただし、保険者は、正当な理由があると認めるときは、この期間を経過した後の申出であっても、受理することができる。

2  第三条第四項の申出をした者が、初めて納付すべき保険料をその納付期日までに納付しなかったときは、同項の規定にかかわらず、その者は、任意継続被保険者とならなかったものとみなす。ただし、その納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めたときは、この限りでない。

第三十八条(任意継続被保険者の資格喪失)

任意継続被保険者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(第四号又は第五号に該当するに至ったときは、その日)から、その資格を喪失する。

  • 一  任意継続被保険者となった日から起算して二年を経過したとき。
  • 二  死亡したとき。
  • 三  保険料(初めて納付すべき保険料を除く。)を納付期日までに納付しなかったとき(納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めたときを除く。)。
  • 四  被保険者となったとき
  • 五  船員保険の被保険者となったとき。

第三十九条(資格の得喪の確認)

被保険者の資格の取得及び喪失は、保険者の確認によって、その効力を生ずる。ただし、第三十六条第四号に該当したことによる被保険者の資格の喪失並びに任意継続被保険者の資格の取得及び喪失は、この限りでない。

2  前項の確認は、第四十八条の規定による届出若しくは第五十一条第一項の規定による請求により、又は職権で行うものとする。

3  第一項の確認については、行政手続法 (平成五年法律第八十八号)第三章 (第十二条及び第十四条を除く。)の規定は、適用しない。

第五十二条(保険給付の種類)

被保険者に係るこの法律による保険給付は、次のとおりとする。

  • 一  療養の給付並びに入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費及び移送費の支給
  • 二  傷病手当金の支給
  • 三  埋葬料の支給
  • 四  出産育児一時金の支給
  • 五  出産手当金の支給
  • 六  家族療養費、家族訪問看護療養費及び家族移送費の支給
  • 七  家族埋葬料の支給
  • 八  家族出産育児一時金の支給
  • 九  高額療養費の支給

第五十五条(他の法令による保険給付との調整)

被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費、傷病手当金、埋葬料、家族療養費、家族訪問看護療養費、家族移送費若しくは家族埋葬料の支給は、同一の疾病、負傷又は死亡について、労働者災害補償保険法 (昭和二十二年法律第五十号)、国家公務員災害補償法 (昭和二十六年法律第百九十一号。他の法律において準用し、又は例による場合を含む。)又は地方公務員災害補償法 (昭和四十二年法律第百二十一号)若しくは同法 に基づく条例の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には、行わない。

2  被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費の支給は、同一の疾病又は負傷について、介護保険法 の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には、行わない。

3  被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費、家族療養費、家族訪問看護療養費若しくは家族移送費の支給は、同一の疾病又は負傷について、他の法令の規定により国又は地方公共団体の負担で療養又は療養費の支給を受けたときは、その限度において、行わない。

第五十八条(不正利得の徴収等)

偽りその他不正の行為によって保険給付を受けた者があるときは、保険者は、その者からその給付の価額の全部又は一部を徴収することができる。

2  前項の場合において、事業主が虚偽の報告若しくは証明をし、又は第六十三条第三項第一号に規定する保険医療機関において診療に従事する第六十四条に規定する保険医若しくは第八十八条第一項に規定する主治の医師が、保険者に提出されるべき診断書に虚偽の記載をしたため、その保険給付が行われたものであるときは、保険者は、当該事業主、保険医又は主治の医師に対し、保険給付を受けた者に連帯して前項の徴収金を納付すべきことを命ずることができる。

3  保険者は、第六十三条第三項第一号に規定する保険医療機関若しくは保険薬局又は第八十八条第一項に規定する指定訪問看護事業者が偽りその他不正の行為によって療養の給付に関する費用の支払又は第八十五条第五項(第八十五条の二第五項及び第八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第八十八条第六項(第百十一条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第百十条第四項の規定による支払を受けたときは、当該保険医療機関若しくは保険薬局又は指定訪問看護事業者に対し、その支払った額につき返還させるほか、その返還させる額に百分の四十を乗じて得た額を支払わせることができる。

第五十九条(文書の提出等)

保険者は、保険給付に関して必要があると認めるときは、保険給付を受ける者(当該保険給付が被扶養者に係るものである場合には、当該被扶養者を含む。第百二十一条において同じ。)に対し、文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問若しくは診断をさせることができる。

第六十条(診療録の提示等)

厚生労働大臣は、保険給付を行うにつき必要があると認めるときは、医師、歯科医師、薬剤師若しくは手当を行った者又はこれを使用する者に対し、その行った診療、薬剤の支給又は手当に関し、報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。

2  厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費の支給を受けた被保険者又は被保険者であった者に対し、当該保険給付に係る診療、調剤又は第八十八条第一項に規定する指定訪問看護の内容に関し、報告を命じ、又は当該職員に質問させることができる。

3  第二十七条第二項の規定は前二項の規定による質問について、同条第三項の規定は前二項の規定による権限について準用する。

第六十一条(受給権の保護)

保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。

第六十二条(租税その他の公課の禁止)

租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として、課することができない。

第六十三条(療養の給付)

被保険者(老人保健法 (昭和五十七年法律第八十号)の規定による医療を受けることができる者を除く。以下この条、第八十五条、第八十六条、第八十八条及び第九十七条において同じ。)の疾病又は負傷に関しては、次に掲げる療養の給付を行う。

  • 一  診察
  • 二  薬剤又は治療材料の支給
  • 三  処置、手術その他の治療
  • 四  居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
  • 五  病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護

2  次に掲げる療養に係る給付は、前項の給付に含まれないものとする。

  • 一  食事の提供である療養であって前項第五号に掲げる療養と併せて行うもの(医療法 (昭和二十三年法律第二百五号)第七条第二項第四号 に規定する療養病床(以下「療養病床」という。)への入院及びその療養に伴う世話その他の看護であって、当該療養を受ける際、七十歳に達する日の属する月の翌月以後である被保険者(以下「特定長期入院被保険者」という。)に係るものを除く。以下「食事療養」という。)
  • 二  次に掲げる療養であって前項第五号に掲げる療養と併せて行うもの(特定長期入院被保険者に係るものに限る。以下「生活療養」という。)
    • イ 食事の提供である療養
    • ロ 温度、照明及び給水に関する適切な療養環境の形成である療養
  • 三  厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養であって、前項の給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養として厚生労働大臣が定めるもの(以下「評価療養」という。)
  • 四  被保険者の選定に係る特別の病室の提供その他の厚生労働大臣が定める療養(以下「選定療養」という。)

3  第一項の給付を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる病院若しくは診療所又は薬局のうち、自己の選定するものから受けるものとする。

  • 一  厚生労働大臣の指定を受けた病院若しくは診療所(第六十五条の規定により病床の全部又は一部を除いて指定を受けたときは、その除外された病床を除く。以下「保険医療機関」という。)又は薬局(以下「保険薬局」という。)
  • 二  特定の保険者が管掌する被保険者に対して診療又は調剤を行う病院若しくは診療所又は薬局であって、当該保険者が指定したもの
  • 三  健康保険組合である保険者が開設する病院若しくは診療所又は薬局

4  第一項の給付(厚生労働大臣が定める療養に係るものを除く。)は、介護保険法第四十八条第一項第三号 に規定する指定介護療養施設サービスを行う同法第八条第二十六項 に規定する療養病床等に入院している者については、行わない。

第六十四条(保険医又は保険薬剤師)

保険医療機関において健康保険の診療に従事する医師若しくは歯科医師又は保険薬局において健康保険の調剤に従事する薬剤師は、厚生労働大臣の登録を受けた医師若しくは歯科医師(以下「保険医」と総称する。)又は薬剤師(以下「保険薬剤師」という。)でなければならない

第六十五条(保険医療機関又は保険薬局の指定)

第六十三条第三項第一号の指定は、政令で定めるところにより、病院若しくは診療所又は薬局の開設者の申請により行う

2  前項の場合において、その申請が病院又は病床を有する診療所に係るものであるときは、当該申請は、医療法第七条第二項 に規定する病床の種別(第四項第二号及び次条第一項において単に「病床の種別」という。)ごとにその数を定めて行うものとする。

3  厚生労働大臣は、第一項の申請があった場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、第六十三条第三項第一号の指定をしないことができる。

  • 一  当該申請に係る病院若しくは診療所又は薬局が、この法律の規定により保険医療機関又は保険薬局に係る第六十三条第三項第一号の指定を取り消され、その取消しの日から五年を経過しないものであるとき。
  • 二  当該申請に係る病院若しくは診療所又は薬局が、保険給付に関し診療又は調剤の内容の適切さを欠くおそれがあるとして重ねて第七十三条第一項(第八十五条第九項、第八十五条の二第五項、第八十六条第四項、第百十条第七項及び第百四十九条において準用する場合を含む。)の規定による指導を受けたものであるとき。
  • 三  当該申請に係る病院若しくは診療所又は薬局の開設者又は管理者が、この法律その他国民の保健医療に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
  • 四  当該申請に係る病院若しくは診療所又は薬局の開設者又は管理者が、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
  • 五  前各号のほか、当該申請に係る病院若しくは診療所又は薬局が、保険医療機関又は保険薬局として著しく不適当と認められるものであるとき。

4  厚生労働大臣は、第二項の病院又は診療所について第一項の申請があった場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、その申請に係る病床の全部又は一部を除いて、第六十三条第三項第一号の指定を行うことができる。

  • 一  当該病院又は診療所の医師、歯科医師、看護師その他の従業者の人員が、医療法第二十一条第一項第一号 又は第二項第一号 に規定する厚生労働省令で定める員数を勘案して厚生労働大臣が定める基準により算定した員数を満たしていないとき。
  • 二  当該申請に係る病床の種別に応じ、医療法第七条の二第一項 に規定する地域における保険医療機関の病床数が、その指定により同法第三十条の四第一項 に規定する医療計画において定める基準病床数を勘案して厚生労働大臣が定めるところにより算定した数を超えることになると認める場合(その数を既に超えている場合を含む。)であって、当該病院又は診療所の開設者又は管理者が同法第三十条の十一 の規定による都道府県知事の勧告を受け、これに従わないとき。
  • 三  その他適正な医療の効率的な提供を図る観点から、当該病院又は診療所の病床の利用に関し、保険医療機関として著しく不適当なところがあると認められるとき。

第六十六条(保険医療機関の指定の変更)

前条第二項の病院又は診療所の開設者は、第六十三条第三項第一号の指定に係る病床数の増加又は病床の種別の変更をしようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該病院又は診療所に係る同号の指定の変更を申請しなければならない。

2  前条第四項の規定は、前項の指定の変更の申請について準用する。

第六十七条(地方社会保険医療協議会への諮問)

厚生労働大臣は、保険医療機関に係る第六十三条第三項第一号の指定をしないこととするとき、若しくはその申請に係る病床の全部若しくは一部を除いて指定(指定の変更を含む。)を行おうとするとき、又は保険薬局に係る同号の指定をしないこととするときは、地方社会保険医療協議会の議を経なければならない。

第六十八条(保険医療機関又は保険薬局の指定の更新)

第六十三条第三項第一号の指定は、指定の日から起算して六年を経過したときは、その効力を失う

2  保険医療機関(第六十五条第二項の病院及び診療所を除く。)又は保険薬局であって厚生労働省令で定めるものについては、前項の規定によりその指定の効力を失う日前六月から同日前三月までの間に、別段の申出がないときは、同条第一項の申請があったものとみなす

第六十九条(保険医療機関又は保険薬局のみなし指定)

診療所又は薬局が医師若しくは歯科医師又は薬剤師の開設したものであり、かつ、当該開設者である医師若しくは歯科医師又は薬剤師のみが診療又は調剤に従事している場合において、当該医師若しくは歯科医師又は薬剤師について第六十四条の登録があったときは、当該診療所又は薬局について、第六十三条第三項第一号の指定があったものとみなす。ただし、当該診療所又は薬局が、第六十五条第三項又は第四項に規定する要件に該当する場合であって厚生労働大臣が同号の指定があったものとみなすことが不適当と認められるときは、この限りでない。

第七十条(保険医療機関又は保険薬局の責務)

保険医療機関又は保険薬局は、当該保険医療機関において診療に従事する保険医又は当該保険薬局において調剤に従事する保険薬剤師に、第七十二条第一項の厚生労働省令で定めるところにより、診療又は調剤に当たらせるほか、厚生労働省令で定めるところにより、療養の給付を担当しなければならない。

2  保険医療機関又は保険薬局は、前項(第八十五条第九項、第八十五条の二第五項、第八十六条第四項、第百十条第七項及び第百四十九条において準用する場合を含む。)の規定によるほか、船員保険法 、国民健康保険法 (昭和三十三年法律第百九十二号)、国家公務員共済組合法 (昭和三十三年法律第百二十八号。他の法律において準用し、又は例による場合を含む。)又は地方公務員等共済組合法 (昭和三十七年法律第百五十二号)(以下「この法律以外の医療保険各法」という。)による療養の給付並びに被保険者及び被扶養者の療養並びに老人保健法 による医療、入院時食事療養費に係る療養、入院時生活療養費に係る療養及び保険外併用療養費に係る療養を担当するものとする。

第七十一条(保険医又は保険薬剤師の登録)

第六十四条の登録は、医師若しくは歯科医師又は薬剤師の申請により行う。

2  厚生労働大臣は、前項の申請があった場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、第六十四条の登録をしないことができる。

  • 一  申請者が、この法律の規定により保険医又は保険薬剤師に係る第六十四条の登録を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者であるとき。
  • 二  申請者が、この法律その他国民の保健医療に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
  • 三  申請者が、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
  • 四  前三号のほか、申請者が、保険医又は保険薬剤師として著しく不適当と認められる者であるとき。

3  厚生労働大臣は、保険医又は保険薬剤師に係る第六十四条の登録をしないこととするときは、地方社会保険医療協議会の議を経なければならない。

4  第一項又は第二項に規定するもののほか、保険医及び保険薬剤師に係る第六十四条の登録に関して必要な事項は、政令で定める。

第七十二条(保険医又は保険薬剤師の責務)

保険医療機関において診療に従事する保険医又は保険薬局において調剤に従事する保険薬剤師は、厚生労働省令で定めるところにより、健康保険の診療又は調剤に当たらなければならない。

2  保険医療機関において診療に従事する保険医又は保険薬局において調剤に従事する保険薬剤師は、前項(第八十五条第九項、第八十五条の二第五項、第八十六条第四項、第百十条第七項及び第百四十九条において準用する場合を含む。)の規定によるほか、この法律以外の医療保険各法又は老人保健法 による診療又は調剤に当たるものとする。

第七十三条(厚生労働大臣の指導)

保険医療機関及び保険薬局は療養の給付に関し、保険医及び保険薬剤師は健康保険の診療又は調剤に関し、厚生労働大臣の指導を受けなければならない。

2  厚生労働大臣は、前項の指導をする場合において、必要があると認めるときは、診療又は調剤に関する学識経験者をその関係団体の指定により指導に立ち会わせるものとする。ただし、関係団体が指定を行わない場合又は指定された者が立ち会わない場合は、この限りでない。

第七十四条(一部負担金)

第六十三条第三項の規定により保険医療機関又は保険薬局から療養の給付を受ける者は、その給付を受ける際、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該給付につき第七十六条第二項又は第三項の規定により算定した額に当該各号に定める割合を乗じて得た額を、一部負担金として、当該保険医療機関又は保険薬局に支払わなければならない。

  • 一  七十歳に達する日の属する月以前である場合 百分の三十
  • 二  七十歳に達する日の属する月の翌月以後である場合(次号に掲げる場合を除く。) 百分の十
  • 三  七十歳に達する日の属する月の翌月以後である場合であって、政令で定めるところにより算定した報酬の額が政令で定める額以上であるとき 百分の三十

2  保険医療機関又は保険薬局は、前項の一部負担金(第七十五条の二第一項第一号の措置が採られたときは、当該減額された一部負担金)の支払を受けるべきものとし、保険医療機関又は保険薬局が善良な管理者と同一の注意をもってその支払を受けることに努めたにもかかわらず、なお療養の給付を受けた者が当該一部負担金の全部又は一部を支払わないときは、保険者は、当該保険医療機関又は保険薬局の請求に基づき、この法律の規定による徴収金の例によりこれを処分することができる。

第七十五条

前条第一項の規定により一部負担金を支払う場合においては、同項の一部負担金の額に五円未満の端数があるときは、これを切り捨て、五円以上十円未満の端数があるときは、これを十円に切り上げるものとする。

第七十五条の二(一部負担金の額の特例)

保険者は、災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情がある被保険者であって、保険医療機関又は保険薬局に第七十四条第一項の規定による一部負担金を支払うことが困難であると認められるものに対し、次の措置を採ることができる。

  • 一  一部負担金を減額すること。
  • 二  一部負担金の支払を免除すること。
  • 三  保険医療機関又は保険薬局に対する支払に代えて、一部負担金を直接に徴収することとし、その徴収を猶予すること。

2  前項の措置を受けた被保険者は、第七十四条第一項の規定にかかわらず、前項第一号の措置を受けた被保険者にあってはその減額された一部負担金を保険医療機関又は保険薬局に支払うをもって足り、同項第二号又は第三号の措置を受けた被保険者にあっては一部負担金を保険医療機関又は保険薬局に支払うことを要しない。

3  前条の規定は、前項の場合における一部負担金の支払について準用する。

第七十六条(療養の給付に関する費用)

保険者は、療養の給付に関する費用を保険医療機関又は保険薬局に支払うものとし、保険医療機関又は保険薬局が療養の給付に関し保険者に請求することができる費用の額は、療養の給付に要する費用の額から、当該療養の給付に関し被保険者が当該保険医療機関又は保険薬局に対して支払わなければならない一部負担金に相当する額を控除した額とする。

2  前項の療養の給付に要する費用の額は、厚生労働大臣が定めるところにより、算定するものとする。

3  保険者は、保険医療機関又は保険薬局との契約により、当該保険医療機関又は保険薬局において行われる療養の給付に関する第一項の療養の給付に要する費用の額につき、前項の規定により算定される額の範囲内において、別段の定めをすることができる。この場合において、保険者が健康保険組合であるときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。

4  保険者は、保険医療機関又は保険薬局から療養の給付に関する費用の請求があったときは、第七十条第一項及び第七十二条第一項の厚生労働省令並びに前二項の定めに照らして審査の上、支払うものとする。

5  保険者は、前項の規定による審査及び支払に関する事務を社会保険診療報酬支払基金法 (昭和二十三年法律第百二十九号)による社会保険診療報酬支払基金(第八十八条第十一項において単に「基金」という。)又は国民健康保険法第四十五条第五項 に規定する国民健康保険団体連合会(第八十八条第十一項において「国保連合会」という。)に委託することができる。

6  前各項に定めるもののほか、保険医療機関又は保険薬局の療養の給付に関する費用の請求に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める

第七十七条(薬価調査等についての厚生労働大臣の権限)

厚生労働大臣は、前条第二項の定めのうち薬剤に関する定めその他厚生労働大臣の定めを適正なものとするため、必要な調査を行うことができる。

第七十八条(保険医療機関又は保険薬局の報告等)

厚生労働大臣は、療養の給付に関して必要があると認めるときは、保険医療機関若しくは保険薬局若しくは保険医療機関若しくは保険薬局の開設者若しくは管理者、保険医、保険薬剤師その他の従業者であった者(以下この項において「開設者であった者等」という。)に対し報告若しくは診療録その他の帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、保険医療機関若しくは保険薬局の開設者若しくは管理者、保険医、保険薬剤師その他の従業者(開設者であった者等を含む。)に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは保険医療機関若しくは保険薬局について設備若しくは診療録、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

2  第二十七条第二項及び第七十三条第二項の規定は前項の規定による質問又は検査について、第二十七条第三項の規定は前項の規定による権限について準用する。

第七十九条(保険医療機関等の指定の辞退又は保険医等の登録の抹消)

保険医療機関又は保険薬局は、一月以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができる。

2  保険医又は保険薬剤師は、一月以上の予告期間を設けて、その登録の抹消を求めることができる。

第八十条(保険医療機関又は保険薬局の指定の取消し)

厚生労働大臣は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該保険医療機関又は保険薬局に係る第六十三条第三項第一号の指定を取り消すことができる。

  • 一  保険医療機関において診療に従事する保険医又は保険薬局において調剤に従事する保険薬剤師が、第七十二条第一項(第八十五条第九項、第八十五条の二第五項、第八十六条第四項、第百十条第七項及び第百四十九条において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき(当該違反を防止するため、当該保険医療機関又は保険薬局が相当の注意及び監督を尽くしたときを除く。)。
  • 二  前号のほか、保険医療機関又は保険薬局が、第七十条第一項(第八十五条第九項、第八十五条の二第五項、第八十六条第四項、第百十条第七項及び第百四十九条において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。
  • 三  療養の給付に関する費用の請求又は第八十五条第五項(第八十五条の二第五項及び第八十六条第四項において準用する場合を含む。)若しくは第百十条第四項(これらの規定を第百四十九条において準用する場合を含む。)の規定による支払に関する請求について不正があったとき。
  • 四  保険医療機関又は保険薬局が、第七十八条第一項(第八十五条第九項、第八十五条の二第五項、第八十六条第四項、第百十条第七項及び第百四十九条において準用する場合を含む。次号において同じ。)の規定により報告若しくは診療録その他の帳簿書類の提出若しくは提示を命ぜられてこれに従わず、又は虚偽の報告をしたとき。
  • 五  保険医療機関又は保険薬局の開設者又は従業者が、第七十八条第一項の規定により出頭を求められてこれに応ぜず、同項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき(当該保険医療機関又は保険薬局の従業者がその行為をした場合において、その行為を防止するため、当該保険医療機関又は保険薬局が相当の注意及び監督を尽くしたときを除く。)。
  • 六  この法律以外の医療保険各法による療養の給付若しくは被保険者若しくは被扶養者の療養又は老人保健法 による医療、入院時食事療養費に係る療養、入院時生活療養費に係る療養若しくは保険外併用療養費に係る療養に関し、前各号のいずれかに相当する事由があったとき。
  • 七  保険医療機関又は保険薬局の開設者又は管理者が、この法律その他国民の保健医療に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者に該当するに至ったとき。
  • 八  保険医療機関又は保険薬局の開設者又は管理者が、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者に該当するに至ったとき。
  • 九  前各号に掲げる場合のほか、保険医療機関又は保険薬局の開設者が、この法律その他国民の保健医療に関する法律で政令で定めるもの又はこれらの法律に基づく命令若しくは処分に違反したとき。

第八十一条(保険医又は保険薬剤師の登録の取消し)

厚生労働大臣は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該保険医又は保険薬剤師に係る第六十四条の登録を取り消すことができる

  • 一  保険医又は保険薬剤師が、第七十二条第一項(第八十五条第九項、第八十五条の二第五項、第八十六条第四項、第百十条第七項及び第百四十九条において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。
  • 二  保険医又は保険薬剤師が、第七十八条第一項(第八十五条第九項、第八十五条の二第五項、第八十六条第四項、第百十条第七項及び第百四十九条において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定により出頭を求められてこれに応ぜず、第七十八条第一項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
  • 三  この法律以外の医療保険各法又は老人保健法 による診療又は調剤に関し、前二号のいずれかに相当する事由があったとき。
  • 四  保険医又は保険薬剤師が、この法律その他国民の保健医療に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者に該当するに至ったとき。
  • 五  保険医又は保険薬剤師が、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者に該当するに至ったとき。
  • 六  前各号に掲げる場合のほか、保険医又は保険薬剤師が、この法律その他国民の保健医療に関する法律で政令で定めるもの又はこれらの法律に基づく命令若しくは処分に違反したとき。

第八十二条(社会保険医療協議会への諮問)

厚生労働大臣は、第七十条第一項若しくは第七十二条第一項(これらの規定を第八十五条第九項、第八十五条の二第五項、第八十六条第四項、第百十条第七項及び第百四十九条において準用する場合を含む。)の厚生労働省令を定めようとするとき、又は第六十三条第二項第三号若しくは第四号若しくは第七十六条第二項(これらの規定を第百四十九条において準用する場合を含む。)の定めをしようとするときは、中央社会保険医療協議会に諮問するものとする。ただし、第六十三条第二項第三号の定めのうち高度の医療技術に係るものについては、この限りでない。

2  厚生労働大臣は、保険医療機関若しくは保険薬局に係る第六十三条第三項第一号の指定を行おうとするとき、若しくはその指定を取り消そうとするとき、又は保険医若しくは保険薬剤師に係る第六十四条の登録を取り消そうとするときは、政令で定めるところにより、地方社会保険医療協議会に諮問するものとする。

第八十三条(処分に対する弁明の機会の付与)

厚生労働大臣は、保険医療機関に係る第六十三条第三項第一号の指定をしないこととするとき、若しくはその申請に係る病床の全部若しくは一部を除いて指定(指定の変更を含む。)を行おうとするとき、若しくは保険薬局に係る同号の指定をしないこととするとき、又は保険医若しくは保険薬剤師に係る第六十四条の登録をしないこととするときは、当該医療機関若しくは薬局の開設者又は当該保険医若しくは保険薬剤師に対し、弁明の機会を与えなければならない。この場合においては、あらかじめ、書面で、弁明をすべき日時、場所及びその事由を通知しなければならない。

第八十四条(保険者が指定する病院等における療養の給付)

第六十三条第三項第二号及び第三号に掲げる病院若しくは診療所又は薬局において行われる療養の給付及び健康保険の診療又は調剤に関する準則については、第七十条第一項及び第七十二条第一項の厚生労働省令の例による。

2  第六十三条第三項第二号に掲げる病院若しくは診療所又は薬局から療養の給付を受ける者は、その給付を受ける際、第七十四条の規定の例により算定した額を、一部負担金として当該病院若しくは診療所又は薬局に支払わなければならない。ただし、保険者が健康保険組合である場合においては、規約で定めるところにより、当該一部負担金を減額し、又はその支払を要しないものとすることができる。

3  健康保険組合は、規約で定めるところにより、第六十三条第三項第三号に掲げる病院若しくは診療所又は薬局から療養の給付を受ける者に、第七十四条の規定の例により算定した額の範囲内において一部負担金を支払わせることができる。

第八十五条(入院時食事療養費)

被保険者(特定長期入院被保険者を除く。以下この条において同じ。)が、厚生労働省令で定めるところにより、第六十三条第三項各号に掲げる病院又は診療所のうち自己の選定するものから同条第一項第五号に掲げる療養の給付と併せて受けた食事療養に要した費用について、入院時食事療養費を支給する。

2  入院時食事療養費の額は、当該食事療養につき食事療養に要する平均的な費用の額を勘案して厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該食事療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事療養に要した費用の額)から、平均的な家計における食費の状況を勘案して厚生労働大臣が定める額(所得の状況その他の事情をしん酌して厚生労働省令で定める者については、別に定める額。以下「食事療養標準負担額」という。)を控除した額とする。

3  厚生労働大臣は、前項の基準を定めようとするときは、中央社会保険医療協議会に諮問するものとする。

4  厚生労働大臣は、食事療養標準負担額を定めた後に食費の状況その他の事情が著しく変動したときは、速やかにその額を改定しなければならない。

5  被保険者が第六十三条第三項第一号又は第二号に掲げる病院又は診療所から食事療養を受けたときは、保険者は、その被保険者が当該病院又は診療所に支払うべき食事療養に要した費用について、入院時食事療養費として被保険者に対し支給すべき額の限度において、被保険者に代わり、当該病院又は診療所に支払うことができる。

6  前項の規定による支払があったときは、被保険者に対し入院時食事療養費の支給があったものとみなす。

7  被保険者が第六十三条第三項第三号に掲げる病院又は診療所から食事療養を受けた場合において、保険者がその被保険者の支払うべき食事療養に要した費用のうち入院時食事療養費として被保険者に支給すべき額に相当する額の支払を免除したときは、入院時食事療養費の支給があったものとみなす。

8  第六十三条第三項各号に掲げる病院又は診療所は、食事療養に要した費用につき、その支払を受ける際、当該支払をした被保険者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、領収証を交付しなければならない。

9  第六十三条第四項、第六十四条、第七十条第一項、第七十二条第一項、第七十三条、第七十六条第三項から第六項まで、第七十八条及び前条第一項の規定は、第六十三条第三項各号に掲げる病院又は診療所から受けた食事療養及びこれに伴う入院時食事療養費の支給について準用する。

第八十五条の二(入院時生活療養費)

特定長期入院被保険者が、厚生労働省令で定めるところにより、第六十三条第三項各号に掲げる病院又は診療所のうち自己の選定するものから同条第一項第五号に掲げる療養の給付と併せて受けた生活療養に要した費用について、入院時生活療養費を支給する。

2  入院時生活療養費の額は、当該生活療養につき生活療養に要する平均的な費用の額を勘案して厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該生活療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に生活療養に要した費用の額)から、平均的な家計における食費及び光熱水費の状況並びに病院及び診療所における生活療養に要する費用について介護保険法第五十一条の二第二項第一号 に規定する食費の基準費用額及び同項第二号 に規定する居住費の基準費用額に相当する費用の額を勘案して厚生労働大臣が定める額(所得の状況、病状の程度、治療の内容その他の事情をしん酌して厚生労働省令で定める者については、別に定める額。以下「生活療養標準負担額」という。)を控除した額とする。

3  厚生労働大臣は、前項の基準を定めようとするときは、中央社会保険医療協議会に諮問するものとする。

4  厚生労働大臣は、生活療養標準負担額を定めた後に勘案又はしん酌すべき事項に係る事情が著しく変動したときは、速やかにその額を改定しなければならない。

5  第六十三条第四項、第六十四条、第七十条第一項、第七十二条第一項、第七十三条、第七十六条第三項から第六項まで、第七十八条、第八十四条第一項及び前条第五項から第八項までの規定は、第六十三条第三項各号に掲げる病院又は診療所から受けた生活療養及びこれに伴う入院時生活療養費の支給について準用する。

第八十六条(保険外併用療養費)

被保険者が、厚生労働省令で定めるところにより、第六十三条第三項各号に掲げる病院若しくは診療所又は薬局(以下「保険医療機関等」と総称する。)のうち自己の選定するものから、評価療養又は選定療養を受けたときは、その療養に要した費用について、保険外併用療養費を支給する。

2  保険外併用療養費の額は、第一号に掲げる額(当該療養に食事療養が含まれるときは当該額及び第二号に掲げる額の合算額、当該療養に生活療養が含まれるときは当該額及び第三号に掲げる額の合算額)とする。

  • 一  当該療養(食事療養及び生活療養を除く。)につき第七十六条第二項の定めを勘案して厚生労働大臣が定めるところにより算定した費用の額(その額が現に当該療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に療養に要した費用の額)から、その額に第七十四条第一項各号に掲げる場合の区分に応じ、同項各号に定める割合を乗じて得た額(療養の給付に係る同項の一部負担金について第七十五条の二第一項各号の措置が採られるべきときは、当該措置が採られたものとした場合の額)を控除した額
  • 二  当該食事療養につき第八十五条第二項に規定する厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該食事療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事療養に要した費用の額)から食事療養標準負担額を控除した額
  • 三  当該生活療養につき前条第二項に規定する厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該生活療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に生活療養に要した費用の額)から生活療養標準負担額を控除した額

3  厚生労働大臣は、前項第一号の定めをしようとするときは、中央社会保険医療協議会に諮問するものとする。

4  第六十三条第四項、第六十四条、第七十条第一項、第七十二条第一項、第七十三条、第七十六条第三項から第六項まで、第七十七条、第七十八条、第八十四条第一項及び第八十五条第五項から第八項までの規定は、保険医療機関等から受けた評価療養及び選定療養並びにこれらに伴う保険外併用療養費の支給について準用する。

5  第七十五条の規定は、前項の規定により準用する第八十五条第五項の場合において第二項の規定により算定した費用の額(その額が現に療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に療養に要した費用の額)から当該療養に要した費用について保険外併用療養費として支給される額に相当する額を控除した額の支払について準用する。

第八十七条(療養費)

保険者は、療養の給付若しくは入院時食事療養費、入院時生活療養費若しくは保険外併用療養費の支給(以下この項において「療養の給付等」という。)を行うことが困難であると認めるとき、又は被保険者が保険医療機関等以外の病院、診療所、薬局その他の者から診療、薬剤の支給若しくは手当を受けた場合において、保険者がやむを得ないものと認めるときは、療養の給付等に代えて、療養費を支給することができる。

2  療養費の額は、当該療養(食事療養及び生活療養を除く。)について算定した費用の額から、その額に第七十四条第一項各号に掲げる場合の区分に応じ、同項各号に定める割合を乗じて得た額を控除した額及び当該食事療養又は生活療養について算定した費用の額から食事療養標準負担額又は生活療養標準負担額を控除した額を基準として、保険者が定める。

3  前項の費用の額の算定については、療養の給付を受けるべき場合においては第七十六条第二項の費用の額の算定、入院時食事療養費の支給を受けるべき場合においては第八十五条第二項の費用の額の算定、入院時生活療養費の支給を受けるべき場合においては第八十五条の二第二項の費用の額の算定、保険外併用療養費の支給を受けるべき場合においては前条第二項の費用の額の算定の例による。ただし、その額は、現に療養に要した費用の額を超えることができない。

第八十八条(訪問看護療養費)

被保険者が、厚生労働大臣が指定する者(以下「指定訪問看護事業者」という。)から当該指定に係る訪問看護事業(疾病又は負傷により、居宅において継続して療養を受ける状態にある者(主治の医師がその治療の必要の程度につき厚生労働省令で定める基準に適合していると認めたものに限る。)に対し、その者の居宅において看護師その他厚生労働省令で定める者が行う療養上の世話又は必要な診療の補助(保険医療機関等又は介護保険法第八条第二十五項 に規定する介護老人保健施設若しくは同条第二十六項 に規定する介護療養型医療施設によるものを除く。以下「訪問看護」という。)を行う事業をいう。)を行う事業所により行われる訪問看護(以下「指定訪問看護」という。)を受けたときは、その指定訪問看護に要した費用について、訪問看護療養費を支給する。 2  前項の訪問看護療養費は、厚生労働省令で定めるところにより、保険者が必要と認める場合に限り、支給するものとする。

3  指定訪問看護を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、自己の選定する指定訪問看護事業者から受けるものとする。

4  訪問看護療養費の額は、当該指定訪問看護につき指定訪問看護に要する平均的な費用の額を勘案して厚生労働大臣が定めるところにより算定した費用の額から、その額に第七十四条第一項各号に掲げる場合の区分に応じ、同項各号に定める割合を乗じて得た額(療養の給付に係る同項の一部負担金について第七十五条の二第一項各号の措置が採られるべきときは、当該措置が採られたものとした場合の額)を控除した額とする。

5  厚生労働大臣は、前項の定めをしようとするときは、中央社会保険医療協議会に諮問するものとする。

6  被保険者が指定訪問看護事業者から指定訪問看護を受けたときは、保険者は、その被保険者が当該指定訪問看護事業者に支払うべき当該指定訪問看護に要した費用について、訪問看護療養費として被保険者に対し支給すべき額の限度において、被保険者に代わり、当該指定訪問看護事業者に支払うことができる。

7  前項の規定による支払があったときは、被保険者に対し訪問看護療養費の支給があったものとみなす。

8  第七十五条の規定は、第六項の場合において第四項の規定により算定した費用の額から当該指定訪問看護に要した費用について訪問看護療養費として支給される額に相当する額を控除した額の支払について準用する。

9  指定訪問看護事業者は、指定訪問看護に要した費用につき、その支払を受ける際、当該支払をした被保険者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、領収証を交付しなければならない。 10  保険者は、指定訪問看護事業者から訪問看護療養費の請求があったときは、第四項の定め及び第九十二条第二項に規定する指定訪問看護の事業の運営に関する基準(指定訪問看護の取扱いに関する部分に限る。)に照らして審査の上、支払うものとする。

11  保険者は、前項の規定による審査及び支払に関する事務を基金又は国保連合会に委託することができる。

12  指定訪問看護は、第六十三条第一項各号に掲げる療養に含まれないものとする。

13  前各項に定めるもののほか、指定訪問看護事業者の訪問看護療養費の請求に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。

第八十九条(指定訪問看護事業者の指定)

前条第一項の指定は、厚生労働省令で定めるところにより、訪問看護事業を行う者の申請により、訪問看護事業を行う事業所(以下「訪問看護事業所」という。)ごとに行う。

2  指定訪問看護事業者以外の訪問看護事業を行う者について、介護保険法第四十一条第一項 本文の規定による指定居宅サービス事業者(訪問看護事業を行う者に限る。次項において同じ。)の指定又は同法第五十三条第一項 本文の規定による指定介護予防サービス事業者(訪問看護事業を行う者に限る。次項において同じ。)の指定があったときは、その指定の際、当該訪問看護事業を行う者について、前条第一項の指定があったものとみなす。ただし、当該訪問看護事業を行う者が、厚生労働省令で定めるところにより、別段の申出をしたときは、この限りでない。

3  介護保険法第七十条の二第一項 の規定による指定居宅サービス事業者の指定の失効若しくは同法第七十七条第一項 若しくは第百十五条の二十九第六項 の規定による指定居宅サービス事業者の指定の取消し若しくは効力の停止又は同法第百十五条の八第一項 若しくは第百十五条の二十九第六項 の規定による指定介護予防サービス事業者の指定の取消し若しくは効力の停止若しくは同法第百十五条の十 において準用する同法第七十条の二第一項 の規定による指定介護予防サービス事業者の指定の失効は、前項本文の規定により受けたものとみなされた前条第一項の指定の効力に影響を及ぼさないものとする。

4  厚生労働大臣は、第一項の申請があった場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、前条第一項の指定をしてはならない。

  • 一  申請者が地方公共団体、医療法人、社会福祉法人その他厚生労働大臣が定める者でないとき。
  • 二  当該申請に係る訪問看護事業所の看護師その他の従業者の知識及び技能並びに人員が、第九十二条第一項の厚生労働省令で定める基準及び同項の厚生労働省令で定める員数を満たしていないとき。
  • 三  申請者が、第九十二条第二項(第百十一条第三項及び第百四十九条において準用する場合を含む。)に規定する指定訪問看護の事業の運営に関する基準に従って適正な指定訪問看護事業の運営をすることができないと認められるとき。
  • 四  申請者が、この法律の規定により指定訪問看護事業者に係る前条第一項の指定を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者であるとき。
  • 五  申請者が、この法律その他国民の保健医療に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
  • 六  申請者が、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
  • 七  前各号のほか、申請者が、指定訪問看護事業者として著しく不適当と認められる者であるとき。

第九十条(指定訪問看護事業者の責務)

指定訪問看護事業者は、第九十二条第二項に規定する指定訪問看護の事業の運営に関する基準に従い、訪問看護を受ける者の心身の状況等に応じて自ら適切な指定訪問看護を提供するものとする。 2  指定訪問看護事業者は、前項(第百十一条第三項及び第百四十九条において準用する場合を含む。)の規定によるほか、この法律以外の医療保険各法による被保険者及び被扶養者の指定訪問看護並びに老人保健法 による医療を受けることができる者の指定老人訪問看護を提供するものとする。

第九十一条(厚生労働大臣の指導)

指定訪問看護事業者及び当該指定に係る訪問看護事業所の看護師その他の従業者は、指定訪問看護に関し、厚生労働大臣の指導を受けなければならない。

第九十二条(指定訪問看護の事業の運営に関する基準)

指定訪問看護事業者は、当該指定に係る訪問看護事業所ごとに、厚生労働省令で定める基準に従い厚生労働省令で定める員数の看護師その他の従業者を有しなければならない。

2  前項に規定するもののほか、指定訪問看護の事業の運営に関する基準は、厚生労働大臣が定める。

3  厚生労働大臣は、前項に規定する指定訪問看護の事業の運営に関する基準(指定訪問看護の取扱いに関する部分に限る。)を定めようとするときは、中央社会保険医療協議会に諮問するものとする。

第九十三条(変更の届出等)

指定訪問看護事業者は、当該指定に係る訪問看護事業所の名称及び所在地その他厚生労働省令で定める事項に変更があったとき、又は当該指定訪問看護の事業を廃止し、休止し、若しくは再開したときは、厚生労働省令で定めるところにより、十日以内に、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。

第九十四条(指定訪問看護事業者等の報告等)

厚生労働大臣は、訪問看護療養費の支給に関して必要があると認めるときは、指定訪問看護事業者又は指定訪問看護事業者であった者若しくは当該指定に係る訪問看護事業所の看護師その他の従業者であった者(以下この項において「指定訪問看護事業者であった者等」という。)に対し報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、指定訪問看護事業者若しくは当該指定に係る訪問看護事業所の看護師その他の従業者(指定訪問看護事業者であった者等を含む。)に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該指定訪問看護事業者の当該指定に係る訪問看護事業所について帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

2  第二十七条第二項の規定は前項の規定による質問又は検査について、同条第三項の規定は前項の規定による権限について準用する。

第九十五条(指定訪問看護事業者の指定の取消し)

厚生労働大臣は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該指定訪問看護事業者に係る第八十八条第一項の指定を取り消すことができる。

  • 一  指定訪問看護事業者が、当該指定に係る訪問看護事業所の看護師その他の従業者について、第九十二条第一項の厚生労働省令で定める基準又は同項の厚生労働省令で定める員数を満たすことができなくなったとき。
  • 二  指定訪問看護事業者が、第九十二条第二項(第百十一条第三項及び第百四十九条において準用する場合を含む。)に規定する指定訪問看護の事業の運営に関する基準に従って適正な指定訪問看護事業の運営をすることができなくなったとき。
  • 三  第八十八条第六項(第百十一条第三項及び第百四十九条において準用する場合を含む。)の規定による支払に関する請求について不正があったとき。
  • 四  指定訪問看護事業者が、前条第一項(第百十一条第三項及び第百四十九条において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定により報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命ぜられてこれに従わず、又は虚偽の報告をしたとき。
  • 五  指定訪問看護事業者又は当該指定に係る訪問看護事業所の看護師その他の従業者が、前条第一項の規定により出頭を求められてこれに応ぜず、同項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき(当該指定に係る訪問看護事業所の看護師その他の従業者がその行為をした場合において、その行為を防止するため、当該指定訪問看護事業者が相当の注意及び監督を尽くしたときを除く。)。
  • 六  この法律以外の医療保険各法による被保険者若しくは被扶養者の指定訪問看護又は老人保健法 による医療を受けることができる者の指定老人訪問看護に関し、第二号から前号までのいずれかに相当する事由があったとき。
  • 七  指定訪問看護事業者が、不正の手段により指定訪問看護事業者の指定を受けたとき。
  • 八  指定訪問看護事業者が、この法律その他国民の保健医療に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者に該当するに至ったとき。
  • 九  指定訪問看護事業者が、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者に該当するに至ったとき。
  • 十  前各号に掲げる場合のほか、指定訪問看護事業者が、この法律その他国民の保健医療に関する法律で政令で定めるもの又はこれらの法律に基づく命令若しくは処分に違反したとき。

第九十八条(被保険者が日雇労働者又はその被扶養者となった場合)

被保険者が資格を喪失し、かつ、日雇特例被保険者又はその被扶養者となった場合において、その資格を喪失した際に療養の給付、入院時食事療養費に係る療養、入院時生活療養費に係る療養、保険外併用療養費に係る療養、療養費に係る療養若しくは訪問看護療養費に係る療養若しくは老人保健法 の規定による医療、入院時食事療養費に係る療養、入院時生活療養費に係る療養、保険外併用療養費に係る療養、医療費に係る療養若しくは老人訪問看護療養費に係る療養又は介護保険法 の規定による居宅介護サービス費に係る指定居宅サービス(同法第四十一条第一項 に規定する指定居宅サービスをいう。第百二十九条第二項第二号において同じ。)、特例居宅介護サービス費に係る居宅サービス(同法第八条第一項 に規定する居宅サービスをいう。第百二十九条第二項第二号及び第百三十五条第一項において同じ。)若しくはこれに相当するサービス、施設介護サービス費に係る指定施設サービス等(同法第四十八条第一項 に規定する指定施設サービス等をいう。第百二十九条第二項第二号において同じ。)、特例施設介護サービス費に係る施設サービス(同法第八条第二十三項 に規定する施設サービスをいう。第百二十九条第二項第二号及び第百三十五条第一項において同じ。)、介護予防サービス費に係る指定介護予防サービス(同法第五十三条第一項 に規定する指定介護予防サービスをいう。第百二十九条第二項第二号において同じ。)若しくは特例介護予防サービス費に係る介護予防サービス(同法第八条の二第一項 に規定する介護予防サービスをいう。第百二十九条第二項第二号及び第百三十五条第一項において同じ。)若しくはこれに相当するサービスのうち、療養に相当するものを受けているときは、当該疾病又は負傷及びこれにより発した疾病につき、当該保険者から療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費若しくは移送費の支給を受けることができる。

2  前項の規定による療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費若しくは移送費の支給は、次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、行わない。

  • 一  当該疾病又は負傷について、次章の規定により療養の給付若しくは入院時食事療養費、特定療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費、家族療養費、家族訪問看護療養費若しくは家族移送費の支給を受けることができるに至ったとき、又は老人保健法 の規定により医療若しくは入院時食事療養費、特定療養費、医療費、老人訪問看護療養費若しくは移送費の支給(次項後段の規定に該当する場合における医療又は入院時食事療養費、特定療養費、医療費、老人訪問看護療養費若しくは移送費の支給を除く。)を受けることができるに至ったとき。
  • 二  その者が、被保険者若しくは船員保険の被保険者若しくはこれらの者の被扶養者又は国民健康保険の被保険者となったとき。
  • 三  被保険者の資格を喪失した日から起算して六月を経過したとき。

3  第一項の規定による療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費若しくは移送費の支給は、当該疾病又は負傷について、次章の規定により特別療養費(第百四十五条第六項において準用する第百三十二条の規定により支給される療養費を含む。)又は移送費若しくは家族移送費の支給を受けることができる間は、行わない。老人保健法第二十五条第一項 各号に掲げる者であって、第百四十五条第一項の規定に該当するものが、当該疾病又は負傷について、同法 の規定により医療又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、医療費、老人訪問看護療養費若しくは移送費の支給を受けることができる間も、同様とする。

4  第一項の規定による療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費若しくは訪問看護療養費の支給は、当該疾病又は負傷について、介護保険法 の規定によりそれぞれの給付に相当する給付を受けることができる場合には、行わない。

第百条(埋葬料)

被保険者が死亡したときは、その者により生計を維持していた者であって、埋葬を行うものに対し、埋葬料として、政令で定める金額を支給する。

2  前項の規定により埋葬料の支給を受けるべき者がない場合においては、埋葬を行った者に対し、同項の金額の範囲内においてその埋葬に要した費用に相当する金額を支給する。

第百一条(出産育児一時金)

被保険者が出産したときは、出産育児一時金として、政令で定める金額を支給する。

第百二条(出産手当金)

被保険者が出産したときは、出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前四十二日(多胎妊娠の場合においては、九十八日)から出産の日後五十六日までの間において労務に服さなかった期間、出産手当金として、一日につき、標準報酬日額の三分の二に相当する金額(その金額に、五十銭未満の端数があるときはこれを切り捨てるものとし、五十銭以上一円未満の端数があるときはこれを一円に切り上げるものとする。)を支給する。

第百十条(家族療養費)

被保険者の被扶養者(老人保健法 の規定による医療を受けることができる者を除く。以下この条から第百十二条までにおいて同じ。)が保険医療機関等のうち自己の選定するものから療養を受けたときは、被保険者に対し、その療養に要した費用について、家族療養費を支給する。

2  家族療養費の額は、第一号に掲げる額(当該療養に食事療養が含まれるときは当該額及び第二号に掲げる額の合算額、当該療養に生活療養が含まれるときは当該額及び第三号に掲げる額の合算額)とする。

  • 一  当該療養(食事療養及び生活療養を除く。)につき算定した費用の額(その額が現に当該療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に療養に要した費用の額)に次のイからニまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからニまでに定める割合を乗じて得た額
    • イ 被扶養者が三歳に達する日の属する月の翌月以後であって七十歳に達する日の属する月以前である場合 百分の七十
    • ロ 被扶養者が三歳に達する日の属する月以前である場合 百分の八十
    • ハ 被扶養者(ニに規定する被扶養者を除く。)が七十歳に達する日の属する月の翌月以後である場合 百分の九十
    • ニ 第七十四条第一項第三号に掲げる場合に該当する被保険者その他政令で定める被保険者の被扶養者が七十歳に達する日の属する月の翌月以後である場合 百分の七十
  • 二  当該食事療養につき算定した費用の額(その額が現に当該食事療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事療養に要した費用の額)から食事療養標準負担額を控除した額
  • 三  当該生活療養につき算定した費用の額(その額が現に当該生活療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に生活療養に要した費用の額)から生活療養標準負担額を控除した額

3  前項第一号の療養についての費用の額の算定に関しては、保険医療機関等から療養(評価療養及び選定療養を除く。)を受ける場合にあっては第七十六条第二項の費用の額の算定、保険医療機関等から評価療養又は選定療養を受ける場合にあっては第八十六条第二項第一号の費用の額の算定、前項第二号の食事療養についての費用の額の算定に関しては、第八十五条第二項の費用の額の算定、前項第三号の生活療養についての費用の額の算定に関しては、第八十五条の二第二項の費用の額の算定の例による。

4  被扶養者が第六十三条第三項第一号又は第二号に掲げる病院若しくは診療所又は薬局から療養を受けたときは、保険者は、その被扶養者が当該病院若しくは診療所又は薬局に支払うべき療養に要した費用について、家族療養費として被保険者に対し支給すべき額の限度において、被保険者に代わり、当該病院若しくは診療所又は薬局に支払うことができる。 5  前項の規定による支払があったときは、被保険者に対し家族療養費の支給があったものとみなす。

6  被扶養者が第六十三条第三項第三号に掲げる病院若しくは診療所又は薬局から療養を受けた場合において、保険者がその被扶養者の支払うべき療養に要した費用のうち家族療養費として被保険者に支給すべき額に相当する額の支払を免除したときは、被保険者に対し家族療養費の支給があったものとみなす。

7  第六十三条、第六十四条、第七十条第一項、第七十二条第一項、第七十三条、第七十六条第三項から第六項まで、第七十八条、第八十四条第一項、第八十五条第八項、第八十七条及び第九十八条の規定は、家族療養費の支給及び被扶養者の療養について準用する。

8  第七十五条の規定は、第四項の場合において療養につき第三項の規定により算定した費用の額(その額が現に療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に療養に要した費用の額)から当該療養に要した費用について家族療養費として支給される額に相当する額を控除した額の支払について準用する。

第百十五条

療養の給付について支払われた一部負担金の額又は療養(食事療養及び生活療養を除く。次項において同じ。)に要した費用の額からその療養に要した費用につき保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費として支給される額に相当する額を控除した額が著しく高額であるときは、その療養の給付又はその保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費の支給を受けた者に対し、高額療養費を支給する。

2  高額療養費の支給要件、支給額その他高額療養費の支給に関して必要な事項は、療養に必要な費用の負担の家計に与える影響及び療養に要した費用の額を考慮して、政令で定める。

第百十六条

被保険者又は被保険者であった者が、自己の故意の犯罪行為により、又は故意に給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、行わない。

第百十七条

被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によって給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、その全部又は一部を行わないことができる。

第百十八条

被保険者又は被保険者であった者が、次の各号のいずれかに該当する場合には、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付(傷病手当金及び出産手当金の支給にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)は、行わない。

  • 一  少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき。
  • 二  刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されたとき。

2  保険者は、被保険者又は被保険者であった者が前項各号のいずれかに該当する場合であっても、被扶養者に係る保険給付を行うことを妨げない。

第百十九条

保険者は、被保険者又は被保険者であった者が、正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、保険給付の一部を行わないことができる。

第百二十条

保険者は、偽りその他不正の行為により保険給付を受け、又は受けようとした者に対して、六月以内の期間を定め、その者に支給すべき傷病手当金又は出産手当金の全部又は一部を支給しない旨の決定をすることができる。ただし、偽りその他不正の行為があった日から一年を経過したときは、この限りでない。

第百二十一条

保険者は、保険給付を受ける者が、正当な理由なしに、第五十九条の規定による命令に従わず、又は答弁若しくは受診を拒んだときは、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。

第百二十二条

第百十六条、第百十七条、第百十八条第一項及び第百十九条の規定は、被保険者の被扶養者について準用する。この場合において、これらの規定中「保険給付」とあるのは、「当該被扶養者に係る保険給付」と読み替えるものとする。

第百五十条

保険者は、健康教育、健康相談、健康診査その他の被保険者及びその被扶養者(以下この条において「被保険者等」という。)の健康の保持増進のために必要な事業を行うように努めなければならない。

2  保険者は、被保険者等の療養のために必要な費用に係る資金若しくは用具の貸付けその他の被保険者等の療養若しくは療養環境の向上又は被保険者等の出産のために必要な費用に係る資金の貸付けその他の被保険者等の福祉の増進のために必要な事業を行うことができる。

3  保険者は、前二項の事業に支障がない場合に限り、被保険者等でない者に当該事業を利用させることができる。この場合において、保険者は、当該事業の利用者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、利用料を請求することができる。

4  厚生労働大臣は、健康保険組合に対し、厚生労働省令で定めるところにより、第一項又は第二項の事業を行うことを命ずることができる。

5  厚生労働大臣は、第一項の規定により保険者が行う健康の保持増進のために必要な事業に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。

6  前項の指針は、健康増進法 (平成十四年法律第百三号)第九条第一項 に規定する健康診査等指針と調和が保たれたものでなければならない。

第百九十三条(時効)

保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、二年を経過したときは、時効によって消滅する。 2  保険料その他この法律の規定による徴収金の納入の告知又は督促は、民法 (明治二十九年法律第八十九号)第百五十三条 の規定にかかわらず、時効中断の効力を有する。

第百九十四条(期間の計算)

この法律又はこの法律に基づく命令に規定する期間の計算については、民法 の期間に関する規定を準用する。

第百九十五条(印紙税の非課税)

健康保険に関する書類には、印紙税を課さない。

第二百九条

事業主以外の者が、正当な理由がなくて第百九十八条第一項の規定による当該職員の質問に対して、答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したときは、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

第二百十条

被保険者又は被保険者であった者が、第六十条第二項(第百四十九条において準用する場合を含む。)の規定により、報告を命ぜられ、正当な理由がなくてこれに従わず、又は同項の規定による当該職員の質問に対して、正当な理由がなくて答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたときは、三十万円以下の罰金に処する。

第二百十五条

医師、歯科医師、薬剤師若しくは手当を行った者又はこれを使用する者が、第六十条第一項(第百四十九条において準用する場合を含む。)の規定により、報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を命ぜられ、正当な理由がなくてこれに従わず、又は同項の規定による当該職員の質問に対して、正当な理由がなくて答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたときは、十万円以下の過料に処する。

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記事No2189 題名:解決しました 投稿者:教えてください 投稿日:2022-06-23 17:55:49

先ほどの質問は解決しました。
お騒がせしました。


記事No2188 題名:Re:教えてください様 投稿者:管理人tera 投稿日:2022-06-23 17:55:29

窓口負担は、特定疾病療養受療証に記載された限度額(1万か2万)までとされ、もし負担額が上限を超えていない場合はマル長を適用しなくてもよいですが、レセプトへの「長」や「長2」の記載は必須です。


記事No2186 題名:マル長について 投稿者:教えてください 投稿日:2022-06-23 12:47:05

窓口の負担はどのようになりますか?
限度額の取り扱いはどのようにしたらよろしいでしょうか?


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