この法律は、日本国憲法第二十五条 に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。
保護の種類は、次のとおりとする。
2 前項各号の扶助は、要保護者の必要に応じ、単給又は併給として行われる。
医療扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。
医療扶助は、現物給付によつて行うものとする。但し、これによることができないとき、これによることが適当でないとき、その他保護の目的を達するために必要があるときは、金銭給付によつて行うことができる。
2 前項に規定する現物給付のうち、医療の給付は、医療保護施設を利用させ、又は医療保護施設若しくは第四十九条の規定により指定を受けた医療機関にこれを委託して行うものとする。
3 前項に規定する医療の給付のうち、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律 (昭和二十二年法律第二百十七号)又は柔道整復師法 (昭和四十五年法律第十九号)の規定によりあん摩マツサージ指圧師又は柔道整復師(以下「施術者」という。)が行うことのできる範囲の施術については、第五十五条の規定により準用される第四十九条の規定により指定を受けた施術者に委託してその給付を行うことを妨げない。
4 急迫した事情がある場合においては、被保護者は、前二項の規定にかかわらず、指定を受けない医療機関について医療の給付を受け、又は指定を受けない施術者について施術の給付を受けることができる。
5 医療扶助のための保護金品は、被保護者に対して交付するものとする。
厚生労働大臣は、国の開設した病院若しくは診療所又は薬局についてその主務大臣の同意を得て、都道府県知事は、その他の病院、診療所(これらに準ずるものとして政令で定めるものを含む。)若しくは薬局又は医師若しくは歯科医師について開設者又は本人の同意を得て、この法律による医療扶助のための医療を担当させる機関を指定する。
前条の規定により指定を受けた医療機関(以下「指定医療機関」という。)は、厚生労働大臣の定めるところにより、懇切丁寧に被保護者の医療を担当しなければならない。
2 指定医療機関は、被保護者の医療について、都道府県知事の行う指導に従わなければならない。
指定医療機関は、当該指定医療機関の名称その他厚生労働省令で定める事項に変更があつたとき、又は当該指定医療機関の事業を廃止し、休止し、若しくは再開したときは、厚生労働省令で定めるところにより、十日以内に、その旨を第四十九条の指定をした厚生労働大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
指定医療機関は、三十日以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができる。
2 指定医療機関が、第五十条の規定に違反したときは、厚生労働大臣の指定した医療機関については厚生労働大臣が、都道府県知事の指定した医療機関については都道府県知事が、その指定を取り消すことができる。
指定医療機関の診療方針及び診療報酬は、国民健康保険の診療方針及び診療報酬の例による。
2 前項に規定する診療方針及び診療報酬によることのできないとき、及びこれによることを適当としないときの診療方針及び診療報酬は、厚生労働大臣の定めるところによる。
都道府県知事は、指定医療機関の診療内容及び診療報酬の請求を随時審査し、且つ、指定医療機関が前条の規定によつて請求することのできる診療報酬の額を決定することができる。
2 指定医療機関は、都道府県知事の行う前項の決定に従わなければならない。
3 都道府県知事は、第一項の規定により指定医療機関の請求することのできる診療報酬の額を決定するに当つては、社会保険診療報酬支払基金法 (昭和二十三年法律第百二十九号)に定める審査委員会又は医療に関する審査機関で政令で定めるものの意見を聴かなければならない。
4 都道府県、市及び福祉事務所を設置する町村は、指定医療機関に対する診療報酬の支払に関する事務を、社会保険診療報酬支払基金又は厚生労働省令で定める者に委託することができる。
5 第一項の規定による診療報酬の額の決定については、行政不服審査法 (昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立てをすることができない。
厚生労働大臣又は都道府県知事は、診療内容及び診療報酬請求の適否を調査するため必要があるときは、指定医療機関の管理者に対して、必要と認める事項の報告を命じ、又は当該職員に、当該医療機関について実地に、その設備若しくは診療録その他の帳簿書類を検査させることができる。
2 第二十八条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による検査について準用する。