女性医療・更年期について

女性医療に関するメモをひとまず羅列。乳がんについてはがんページ。

視床下部から分泌されるGnRH(ゴナドトロピン)は脳下垂体前葉のゴナドトロピン受容体に結合して、FSHとLHを放出させる。

FSHは卵巣内の卵胞細胞の発育を促し、卵胞はエストロゲンを分泌する。FSHは精巣内のセルトリ細胞からのインヒビンの分泌を促し、インヒビンは下垂体前葉に負のフィードバックをかけてFSH放出を抑制する。

LHは卵胞内からの卵子の放出(排卵)を促し、卵子がなくなった卵胞は黄体へと変わり、黄体はプロゲステロンを分泌する。LHは精巣内のライディッヒ細胞からのアンドロゲン(主としてテストステロン)の分泌を促し、副腎皮質由来のテストステロンと共に脂肪細胞等でアロマターゼによってエストロゲンへと変換される。

GnRHによるFSHの分泌がまずはじめに起こり、卵胞のFSH受容体へ結合、卵胞が成熟してエストロゲンを分泌(この時点は低温期)、その後、エストロゲンの視床下部弓状核へのorインヒビンによる下垂体前葉への負のフィードバックによってFSHの分泌が抑制され、エストロゲンレベルが下がる。その後エストロゲンによる視床下部前腹側室周囲核への正のフィードバックが起こり、LHサージが起こって卵胞からの排卵が誘発され、黄体からはプロゲステロンが分泌される(この時点は高温期)。その後プロゲステロンレベルが下がり、生理のときには体温がまた下がるが、妊娠していればプロゲステロンが維持され高温期が持続する。

エストロゲンは子宮内で子宮内膜の肥厚、プロゲステロンは肥厚後の子宮内膜の着床環境を整える等、妊娠準備を行う。着床しなかった場合、生理(子宮内膜の剥離)が起こる。

エストロゲン受容体は、乳がんの原因となる乳腺細胞や骨粗鬆症の原因の破骨細胞等に発現している。乳がんの治療の際は、閉経前の女性の場合、乳がん細胞のエストロゲン受容体に拮抗する薬を使用する。閉経後の女性の場合は、副腎皮質由来のテストステロンからの経路で産生されるエストロゲンを抑える目的で、主としてアロマターゼ阻害薬を用いる。

その他、FSH分泌の大本になっているGnRHが下垂体前葉の受容体へと結合するのを抑える、GnRHアゴニストとGnRHアンタゴニストも用いられる。アンタゴニストは単純に受容体拮抗薬であるが、アゴニストの方は継続的な受容体刺激によるダウンレギュレーションによって、FSHやLHの分泌が抑制されるという機序である。 黄体ホルモン製剤のヒスロンHは、プロゲステロンレベルを維持してエストロゲンレベルを下げて乳がんを抑える。

拮抗作用とは逆に、エストロゲンを出させたり、エストロゲンを補給したりする薬は、排卵誘発や更年期障害に用いて、プロゲステロンを補給する方は早産防止、両方の配合剤は月経異常や避妊用に用いる(プロゲステロンレベルが高ければ新たな排卵を抑えることができる)。

また男性ホルモンであるアンドロゲンの分泌を促すLHレベルを下げる効果のあるGnRHアゴニストやアンタゴニストは、アンドロゲン受容体拮抗する抗アンドロゲン薬とともに前立腺疾患にも用いられる。

エストロゲンの作用

  • 20~40歳のエストロゲンが重要。エストロゲンが減少すると破骨細胞が活発になる。
  • エストロゲンは血中遊離脂肪酸の上昇を抑える(ホルモン感受性リパーゼ↑、リポ蛋白リパーゼ↓)
  • ピル(ヤーズなど)は血栓が起きやすい。40歳以上でリスク上昇。血栓予防にアスピリンを使うことも。
  • エストロゲンは子宮内膜を厚くする。更年期で性器大出血を起こすことも。最後には子宮を摘出することを考える。

HRT(ホルモン補充療法)

  • HRT(ホルモン補充療法);エストロゲン欠乏による血管作動性の症状(ほてり、発汗、性交痛、骨粗鬆症、集中力低下、コレステロール上昇等)を抑える。子宮を有する場合黄体ホルモン剤を併用(エストロゲンだけだと子宮内膜が厚くなるので)。内服、塗り薬(ル・エストロジェル等)、貼り薬がある。これらの治療は閉経後10年以上立ってからやっても、逆に心筋梗塞などの可能性が上がるためだめ。

子宮内膜症

  • 子宮内膜症:原因は不明だが、月経血が再度逆流するのが原因?卵巣にできると卵巣チョコレート嚢胞、直腸と子宮の間の腹膜腔にできるとダグラス窩。子宮内膜の組織が増殖(一般的に良性だが、ガンににてる)。卵巣、腹膜、腸管らで増殖し出血を伴う。毎回月経のために出血が起こり、痛みを伴う。1%が卵巣がんへ悪性化(Fe2+→Fe3+への酸化が原因?)。40歳以上、4mm以上はがん化の可能性のため手術。閉経前は、ホルモンで閉経に追い込む。LEP製剤、排卵抑制。
  • エストロゲンは子宮内膜を厚くする。更年期で性器大出血を起こすことも。最後には子宮を摘出することを考える。

泌尿器疾患・過活動膀胱

骨盤底は腹腔下の骨盤の底に当たる部分で、筋肉や線維組織でできており、恥骨から尾てい骨に至る領域に張り巡らされている。骨盤内の膀胱、尿道、子宮、膣、直腸、肛門といった骨盤臓器を正しい位置に保持している。

女性の場合、骨盤に支給があって、骨盤底を子宮が貫いている。このことから、お産時に胎児が通り抜ける時、骨盤底の支持組織や膣に接する臓器や神経などが強い力で損傷をうけると骨盤底筋の機能低下が起こる。

出産直後など尿意や排出能力が不十分な条件では、通常の膀胱平滑筋と尿道平滑筋による排尿ではなく、腹圧による排尿様式が活用されることが多く、この排尿が習慣化してしまうと腹圧性尿失禁の原因となる。

腹圧性尿失禁は、走ったり、くしゃみをしたりといった日常生活でお腹に力が入った時に少しずつ尿が漏れるもの。

また、子宮筋腫など子宮の増大を伴う良性子宮疾患が腹圧性尿失禁の発症に関与する。ただし、子宮筋腫が原因の尿もれで、子宮筋腫をとったとしても単純に尿もれは解消されない。

腹圧性尿失禁の治療は、TVT手術とTOT手術などの中部尿道スリング手術が第一選択。両者はテープを通す経路が異なる。

女性ホルモン関連薬

  • アリミデックス(アナストロゾール)・・・アロマターゼ阻害。閉経後乳がん
  • アロマシン(エキセメスタン)・・・アロマターゼ阻害。閉経後乳がん
  • フェマーラ(レトロゾール)・・・アロマターゼ阻害。閉経後乳がん
  • ノルバデックス(タモキシフェン)・・・エストロゲン受容体拮抗薬。乳がん
  • フェアストン(トレミフェン)・・・エストロゲン受容体拮抗薬。閉経後乳がん
  • フェソロデックス(フルベストラント)・・・エストロゲン受容体拮抗薬。閉経後乳がん
  • ヒスロンH(メドロキシプロゲステロン)・・・黄体ホルモン。乳がん、子宮体がん
  • ゾラデックス(ゴセレリン)・・・GnRHアゴニスト。子宮内膜症、閉経後乳がん、前立腺がん
  • リープリン(リュープロレリン)・・・GnRHアゴニスト。子宮内膜症、子宮筋腫、閉経後乳がん、前立腺がん
  • ゴナックス(デガレリクス)・・・GnRHアンタゴニスト。前立腺がん
  • チオデロン(メピチオスタン)・・・エストロゲン受容体拮抗薬(競合阻害)。乳がん
  • ゴナピュール(hMG)・・・下垂体性GnRH(FSH:LHを取り除いたもの)。排卵誘発
  • フォリスチム(フォリトロピンベータ)・・・GnRH。排卵誘発
  • ゴナールエフ(ホリトロピンアルファ)・・・GnRH。排卵誘発
  • HCG・・・胎盤性GnRH(LH:FSHを取り除いたもの)。排卵誘発
  • クロミッド(クロミフェン)・・・弱エストロゲン作用。GnRHの正のフィードバック→LHサージ→排卵誘発
  • セキソビット(シクロフェニル)・・・弱エストロゲン作用。
  • ガニレスト(ガニレリクス)・・・GnRHアンタゴニスト。早期排卵防止
  • セトロタイド(セトロレリクス)・・・GnRHアンタゴニスト。早期排卵防止
  • テルロン(テルグリド)・・・D2作動によるプロラクチン分泌抑制。高PRL性排卵障害治療。
  • ジュリナ、ディビゲル他(エストラジオール)・・・エストロゲン製剤。更年期障害
  • ホーリン、エストリオール(エストリオール)・・・エストロゲン製剤。更年期障害
  • プレマリン(結合型エストロゲン)・・・エストロゲン製剤。更年期障害。
  • プロセキソール(エチニルエストラジオール)・・・エストロゲン製剤。前立腺がん、閉経後末期乳がん。
  • プロスタール、ルトラール(クロルマジノン)・・・黄体ホルモン製剤。無月経、前立腺がん、前立腺肥大
  • デュファストン(ジドロゲステロン)・・・黄体ホルモン製剤。早産、無月経、子宮内膜症
  • ノアルテン(ノルエチステロン)・・・黄体ホルモン製剤。無月経、月経周期変更
  • プロゲデポー(ヒドロキシプロゲステロン)・・・黄体ホルモン製剤。無月経、早産
  • プロゲホルモン、ルテウム(プロゲステロン)・・・黄体ホルモン製剤。無月経、早産
  • ルティナス、ウトロゲスタン、ワンクリノン(プロゲステロン)・・・黄体ホルモン製剤。黄体補充
  • ヒスロン、プロベラ(メドロキシプロゲステロン)・・・黄体ホルモン製剤。無月経、早産
  • ウェールナラ(エストラジオール・レボノルゲストレル)・・・卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合剤。閉経後骨粗鬆症
  • メノエイド(エストラジオール・酢酸ノルエチステロン)・・・卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合剤。更年期障害等に伴う血管運動神経症状
  • ルナベル(エチニルエストラジオール・ノルエチステロン)・・・卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合剤。月経困難症
  • ルテジオン(クロルマジノン・メストラノール)・・・卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合剤。無月経、月経周期変更
  • ヤーズ(ドロスピレノン・エチニルエストラジオール)・・・卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合剤。月経困難症
  • ソフィア(ノルエチステロン・メストラノール)・・・卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合剤。無月経、月経異常
  • プラノバール(ノルゲストレル・エチニルエストラジオール)・・・卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合剤。子宮出血、月経困難、子宮内膜症
  • ルテスデポー(ヒドロキシプロゲステロンカプロン酸エステル・エストラジオール安息香酸エステル)・・・卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合剤。子宮出血
  • EPホルモンデポー(ヒドロキシプロゲステロンカプロン酸エステル・エストラジオールプロピオン酸エステル)・・・卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合剤。子宮出血、無月経
  • オーソ、シンフェーズ(エチニルエストラジオール・ノルエチステロン)・・・低用量ピル。卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合剤。避妊
  • アンジュ(エチニルエストラジオール・レボノルゲストレル)・・・低用量ピル。卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合剤。避妊
  • マーベロン(デソゲストレル・エチニルエストラジオール)・・・低用量ピル。卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合剤。避妊
  • ミレーナ(レボノルゲストレル)・・・黄体ホルモン放出製剤。避妊、月経困難症
  • ノルレボ(レボノルゲストレル)・・・緊急避妊薬
  • ボセルモン(テストステロン・エストラジオール)・・・卵胞ホルモン・アンドロゲン配合剤。更年期障害
  • ボセルモンデポー(テストステロン・エストラジオール)・・・卵胞ホルモン・アンドロゲン配合剤。更年期障害、骨粗鬆症
  • プリモジオアン・デポー(テストステロンエナント酸エステル・吉草酸エストラジオール)・・・卵胞ホルモン・アンドロゲン配合剤。更年期障害、卵巣欠落、骨粗鬆症
  • ザイティガ(アビラテロン)・・・抗アンドロゲン。プレドニゾロンと併用。空腹時。去勢抵抗性前立腺がん
  • イクスタンジ(エンザルタミド)・・・抗アンドロゲン。去勢抵抗性前立腺がん
  • カソデックス(ビカルタミド)・・・抗アンドロゲン。前立腺がん
  • オダイン(フルタミド)・・・抗アンドロゲン。前立腺がん
  • エルゴメトリン(エルゴメトリン)・・・子宮収縮薬。弱いα遮断も血管と平滑筋は収縮させる。人工妊娠中絶、帝王切開、流産他
  • メチルエルゴメトリン、メテルギン(メチルエルゴメトリン)・・・子宮収縮薬。人工妊娠中絶、流産他
  • アトニン(オキシトシン)・・・子宮収縮薬。人工妊娠中絶、流産他
  • プレグランディン(ゲメプロスト)・・・子宮収縮薬。PGE1製剤。妊娠中期における治療的流産
  • プロスタルモン(ジノプロスト)・・・子宮収縮薬。PGF2α製剤。妊娠末期における陣痛誘発他
  • プロスタグランジンE2(ジノプロストン)・・・子宮収縮薬。PGE2製剤。妊娠末期における陣痛誘発
  • マグネゾール、マグセント(硫酸マグネシウム)・・・子宮収縮抑制薬
  • ウテメリン(リトドリン)・・・子宮収縮抑制薬。β2刺激薬。早産
  • ディナゲスト(ジエノゲスト)・・・プロゲステロン受容体作動薬。子宮内膜症
  • ボンゾール(ダナゾール)・・・子宮内膜症治療薬
  • ナサニール(ナファレリン)・・・子宮内膜症治療薬
  • スプレキュア(プセレリン)・・・子宮内膜症治療薬

エクエル(エクオール含有健康食品)

  • エクオール:エクオールはエストロゲン類似物質(クロミッドとかと同じ)であり1/500程度の作用。エストロゲン様作用、抗アンドロゲン作用、抗酸化作用(アンチエイジング効果)。不要な部分は尿へ、蓄積性がない。これから閉経を迎える女性に良い。やめるとまた戻る。12wでも効果実感(肩こり、ホットフラッシュ、シワ、コレステロール低下)。血中のホルモン濃度に変化なし。40代50代が適齢。1日量(エクエル4粒)は、納豆1パック、豆腐2/3換算だが、大豆イソフラボンと知られる3種(ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン)のうちダイゼインが腸内でエクオールを産生する腸内細菌によって代謝されてエクオールとなってその作用を示すため、エクオール産生菌が少ない人は、大豆イソフラボンを摂ったとしてもそのまま体内に吸収されてしまう。大塚製薬のエクエルは大豆のダイゼイン類を、エクオール産生乳酸菌(ラクトコッカス20-92)で代謝させてエクオールにし、エクオールを直接摂取できるようにしたもの。

  • 大塚製薬 エクエル 112粒

(参考・引用元:クレデンシャル2017.10)

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