はじめに

調剤報酬の計算方法は、調剤報酬点数表に基づいて計算される。

以下、計算における大前提。

  • 1剤とは、投与日数にかかわらず、服用方法が同じものいう
  • 1調剤とは、内服・屯服にあっては服用方法と日数(回数)が同じもの、外用にあっては薬の種類ごとをいう ※1
  • 7日分につき30点とは、1~7日分は30点、7~14日分は60点の意味
  • 五捨五超入とは、5は切り捨て5を超える数は切り上げること。(例:1.5なら1、1.51なら2、1.50000001も2)
  • 点を円に直すときは10円未満四捨五入。(15点は1割だと20円、3割だと50円)

※1 1調剤の定義について根拠となる文献が見当たらないが、概ね上記の解釈で問題ないと思われる。A軟膏×B軟膏のMixとA軟膏が出ていた時は、2調剤とする(QAより)。

概ねとした理由は、レセコン上での入力によって決まるためで、

  • Rp1:A錠 1T
      B錠 1T
        1日1回 就寝前 14日分

と入力すると1調剤(外用の混合や頓服も同じ考え方)

  • Rp1:A錠 1T
        1日1回 就寝前 14日分
    Rp2:B錠 1T
        1日1回 就寝前 14日分

と入力すると服用方法・投与日数が同じでも2調剤になってしまうからである(内服の場合、後者のケースは自動的に前者のケースとして処理されるので。通常2調剤となることはないですが、頓服では2調剤カウントになるため、あくまで考え方として記載)

調剤基本料

調剤基本料を算定しなければ、その加算である基準調剤加算、後発医薬品調剤体制加算は算定できない。条件を満たした薬局は、その薬局で応需する処方箋全てに算定できる。

薬剤調整料/調剤管理料

内服薬

内服薬の薬剤調整料や調剤管理料は、1剤につき、3剤まで算定できる。

  • 服用時点が同一である薬剤については、投与日数にかかわらず1剤として算定する。
  • 食事を目安にした服用方法(朝昼夕)と時間を目安にした服用方法(12時間毎、分3:9時,16時,22時等)は別剤として算定できる。
  • 食前・食後・食間は区別するが、食直前・食前30分は食前に、食直後は食後とみなして1剤でカウントする。
  • 空腹時と就寝前や食間は別剤として算定できる。(H30保険調剤QA Q44他)
  • 同日、同一医療機関、複数診療科の処方箋を受け付けた場合、受付回数1回となり、調剤基本料や薬剤服用歴管理指導料だけでなく、薬剤調整料や調剤管理料も合算で3剤までしか算定できない。(H30保険調剤QA Q39他)
  • 次の場合は別剤として算定できる。
    • 配合不適等調剤技術上の必要性から個別に調剤した場合
    • 内服用固形剤(錠剤、カプセル、散剤等)と内服用液剤の場合
    • 内服錠とチュアブル錠又は舌下錠のように服用方法が異なる場合
  • ドライシロップを水に溶かしてシロップにした時は液剤、そのまま散剤としたときは固形剤としてカウントする。
  • エンシュア・リキッド等経口栄養剤やアーガメイトゼリー(液剤ではないが)は内服用液剤として算定する。
  • 週1投与、隔日投与は、実際に服用する日数で計算する。(例:ベネットは2日分で計算)
  • アマリール1mgと3mgのような同一成分・規格が異なる薬が複数でた場合、剤をまとめ、レセプトは1つの枠にまとめる。レセプトで別枠にすると剤ごとに計算する「薬剤料」が変わることがあるので適切ではない。
  • 同一有効成分であって同一剤形の薬剤が複数ある場合は、その数にかかわらず1剤として算定する。(H28年度調剤報酬改定で公文追加。追加の経緯は先発品と後発品が同一成分であっても別剤として算定できていたため。)
  • リウマトレックスの月曜(2-0-0)火曜(1-0-0)投与は、連日の投与日数と錠数を合算し、特別な1剤としてカウントする。(H30保険調剤QA Q45他)(ただし、別剤として算定したところ調剤管理料減算の返戻あり。埼玉。H28.8.4)(日薬の講習会で埼玉県国民健康保険診療報酬審査委員の小島氏の診療報酬請求に関する注意点の説明の中では特別な1剤としてOKとのこと。R5.9.10)
  • チャンピックスの初回パッケージの投与(0.5mg分1→0.5mg分2→1mg分2)も同様に、連日の投与日数を合算して調剤管理料を算出する。オテズラも同様。
  • ダイオウは便秘症の効能があるが、単独では薬効がないため、「薬剤調整料や調剤管理料」の算定は認められない。「薬剤料」は算定できる。加工ブシ末やコウジン等も同様。
  • 単シロップ、乳糖、プラスチベース等が単独で処方された場合は、効能が矯味等のため、薬剤調整料や調剤管理料の算定はせず、薬剤料のみを算定する。
  • シダトレンスギ花粉舌下液の薬剤調整料や調剤管理料は1週目及び2週目(ボトル製剤)は「内服用滴剤」、3週目以降(パック製剤)は「内服薬」として算定する。
  • ヤーズ配合錠の調剤管理料は28日分の内服薬として計算する。取り扱いについては、使用薬剤の薬価等の一部改正について(平成22年9月17日保医発第0917第1号)参照
  • イメンドカプセルは125mgと80mgのカプセルと、それらがセットになったものの2つが薬価収載されている。処方箋の書き方がどちらであっても、調剤管理料は3日分(内服薬)とし、薬剤料については「イメンドカプセル125mg」と「イメンドカプセル80mg」の薬価を用いて1日分の薬価を計算したうえで薬剤料を算定する。(H28保険調剤QA Q165)
  • ロンサーフ配合錠(5日服薬→2日休薬→5日服薬)は10日分の調剤管理料を算定する。
  • 糖尿病の低血糖用に処方されるブドウ糖(経口)は、薬価収載されているので薬剤料を請求できるが、調剤料は請求できない(効果・効能の経口的栄養補給に低血糖時の糖質補給は含まれない。ブドウ糖注射には低血糖時の適応有)。ただし、武田等から無料でもらえるブドウ糖を使用する場合は薬剤料も算定できない。そのため、ブドウ糖の処方に対して無料でもらえるブドウ糖を処方し、薬剤料を請求するのはもちろん好ましくない。監査を逃れるために、念のため無料ではないブドウ糖を備蓄しておくというのも良くない。
  • 分割調剤は別項参照(長期投薬後発医薬品医師指示
 例:
  • Rp1:アムロジン 1日1回 朝食後 14日分
  • Rp2:メバロチン 1日1回 夕食後 7日分
  • Rp3:ザイロリック 1日1回 夕食後 14日分
  • Rp4:ベネット 1日1回 起床時 2日分
  • Rp5:リウマトレックス 1日2回 朝夕食後 4日分
       リウマトレックス 1日1回 朝食後 4日分

剤は、朝食後、夕食後、起床時、リウマトの4つ。3剤までしか算定できないので、額が高い順に算定する。その際、日数が短いもの(メバロチン)は長いもの(ザイロリック)に打ち消される。

結果、薬剤調整料は3剤分(24点×3)=72点、調剤管理料はRp1(5528点)とRp3(5528点)、Rp5(5528点)=84点で算定すれば良いことになる。(リウマトはあわせて8日分カウントに注意)

 例:
  • Rp1:アマリール1mg 1t 1日1回 朝食後 14日分
  • Rp2:アマリール3mg 1t 1日1回 夕食後 14日分
  • Rp3:メトグルコ 2t 1日2回 朝夕食後 14日分

剤をまとめる必要が有るため、剤は3つ(朝、夕、朝夕食後)ではなく、1つ(朝夕食後)になる(薬剤調整料=24点、調剤管理料=5528点)。

Q:(関東信越厚生局へ)
  • Rp1:【般】グリメピリド錠1mg 1t 朝食後
  • Rp2:【般】グリメピリド錠3mg 1t 夕食後

となっていた場合において、Rp1は、グリメピリド錠1mgへ、Rp2はグリメピリドOD錠3mgに変更したとする。
普通錠と口腔内崩壊錠は同一剤形ではないので、2剤分算定できるのか。
同様に、粉やシロップについても同一剤形でないので、同一成分であっても複数の剤として算定可能か?

A:公文の同一剤形は先発と後発で別剤算定できていたのをできなくするために追加した文であり、同一有効成分であれば普通錠とOD錠であったとしても剤をまとめる必要がある。(H28.4.26.AM8:50に訂正のTelあり。厚生労働省に流したところQAで見解が示されたため、そちらを順守するようにとのこと)
(問2)内服薬と外用薬の調剤料の取扱いについて、同一の有効成分であって同一剤形の薬剤が複数ある場合は、その数にかかわらず1剤(1調剤)とされているが、「同一剤形」の範囲はどのように考えたらよいか。

(答)下記の剤形については、それぞれ別剤形として取り扱う。
○内用薬
錠剤、口腔内崩壊錠、分散錠、粒状錠、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、末剤、液剤、シロップ剤、ドライシロップ剤、経口ゼリー剤、チュアブル、バッカル、舌下錠
なお、本取扱いは、内服薬と外用薬に係る調剤料における考え方であり、例えば、調剤時の後発医薬品への変更に関する剤形の範囲の取扱いとは異なることに留意すること。

5 類似する別剤形の医薬品とは、内服薬であって、次の各号に掲げる分類の範囲内の他の医薬品をいうものであること。(内服剤形の参考:後発医薬品の変更調剤を行う留意点についてより)→QAにてこちらの剤形の考え方は後発医薬品変更の時のみ

  • ア 錠剤(普通錠)、錠剤(口腔内崩壊錠)、カプセル剤、丸剤
  • イ 散剤、顆粒剤、細粒剤、末剤、ドライシロップ剤(内服用固形剤として調剤する場合に限る。)
  • ウ 液剤、シロップ剤、ドライシロップ剤(内服用液剤として調剤する場合に限る。)

 例:
  • Rp1:クラリス200 2t 1日2回 朝夕食後 最初の7日分
  • Rp2:クラリス200 1t 1日1回 朝食後 7日目以降
 例:
  • Rp1:プレドニン5mg 4t 1日2回 朝昼食後 5日分(1~5日目)
  • Rp2:プレドニン5mg 2t 1日2回 朝昼食後 5日分(6~10日目)
  • Rp2:プレドニゾロン1mg 4t 1日1回 朝食後 4日分(11~14日目)
 例:
  • Rp1:フェブリク10mg 1t 1日1回 朝食後 最初の7日分
  • Rp2:フェブリク20mg 1t 1日1回 朝食後 7日目以降

上記3つの例に共通で、連続した1つの医薬品として、1剤で14日分の調剤管理料を算定する。チャンピックス、リウマトレックスと同様の考え方。

服用時点が異なるクラリスとプレドニンについは特別な1剤としてカウントする。他に朝食後の薬が28日分出ていたとしても、これらの薬の朝食後部分はかぶらず、1剤14日分に加えてさらに1剤28日分の合計2剤で算定する。(これで返戻が起きたのはリウマトレックスのみ)

 例:
  • Rp1:アムロジピン5mg 1t 1日1回 朝食後 7日分
  • Rp2:ラシックス10mg 1t 1日1回 朝食後 7日分
  • Rp2:アジルバ10mg 1t 1日1回 朝食後 7日分
  • Rp2:アムロジピン2.5mg 1t 1日1回 夕食後 7日分
  • Rp2:クレストール5mg 1t 1日1回 夕食後 7日分

アムロジピンは朝夕で1剤カウントして、調剤管理料を3剤、7日分としてカウント。28+28+28=84点4+4+4=16点。

 例:
  • Rp1:パリエット10mg 1t 1日1回 夕食後 7日分
  • Rp2:ガスター20mg 1t 1日1回 夕食後 7日分(Rp1の後に)

調剤管理料を2剤、7日分としてカウント。28+28=56点4+4=8点。両者が同一有効成分(規格違い含む)であったなら漸減含め1剤。(服用するタイミングが異なれば=同時に服用しないような場合、別剤として算定できる。H30保険調剤QAQ29等)

 例:
  • Rp1:クラリス200mg 2t 1日2回 朝夕食後 30日分
  • Rp2:クラリス200mg 1t 1日1回 夕食後 10日分(Rp1の後に)
  • Rp3:ミヤBM 4t 1日2回 朝夕食後 30日分

下記コメントNo2478の事例となります。Rp1+Rp2で1剤、Rp3で1剤の計2剤で請求したところ増減点連絡書で減点されて1剤で処理されたとのことです(40日と30日は点数が同じなのでどちらが削除されたかは不明)。

その後、再審査請求したところ、Rp1+Rp2の漸減40日分の薬剤調製料24点及び調剤管理料60点を増点してもらうことができたとのことです。

内服用滴剤

内服用滴剤の薬剤調整料は、1調剤につき10点を算定。調剤管理料は、1調剤につき4点(他に内服が出ていない場合)を算定。

内服用滴剤は内服薬薬剤調整料の3剤までとは別に算定できる。

1調剤なので、服用方法と日数が同じものは2種類であっても10点になる。ラキソベロンくらいしか思い浮かばないが・・・。

 例:
  • Rp1:ラキソベロン液 20ml 1回10滴 1日1回 寝る前 1日分
    or ラキソベロン液 10ml 1回10滴 1日1回 寝る前 2日分

1調剤のため、日数、処方量に関わらず、10点。

病院上の都合で、上記処方に14日分とか、14回分をつける(1滴が0.05mlとしても200滴、20日分となるため)のも問題ないが、レセコン入力の際には1日量が適当量になるように入力し、内滴で処理する。(病院側は、内服の書き方でも、頓服、外用の書き方でも問題無いということ。)

頓服薬

頓服薬の薬剤調整料は、調剤数・日数によらず、1処方箋に対して1回21点を算定する。調剤管理料は、処方箋受付1回につき4点(他にない服が出ていない場合)を算定。

外用薬

外用薬の薬剤調整料は、1調剤につき10点、3調剤まで算定できる。

基本3つでてたら30点、4つ出てたら30点のようなカウント。

H28年調剤報酬改定にて追加になった公文「同一有効成分で同一剤形の外用薬が複数ある場合には、その数にかかわらず、1調剤として取り扱う。」に従う。

公文追加の経緯は今までは部位が異なれば同一成分であっても別剤として算定できていたため

トローチは外用薬だが、フロリードは内服薬。モーラステープとモーラステープLやロキソニンテープ50と100等同時調剤は1調剤カウント。ボルサポ25とボルサポ50が一緒にでた場合とか1調剤カウント。プロペトと白色ワセリンも1調剤カウント。

規格違いのもの(アドエア250と500等)が両方出ていた場合の薬剤調整料は、2剤分として算定する。

 例:
  • Rp1:ロコイド20g×ヒルドイド50g(混合)

混合しなければ、薬剤調整料はロコイドとヒルドイドで2調剤分だが、混合すると1剤分+計量混合加算。

 例:
  • Rp1:ロコイド20g×ヒルドイド50g(混合)
  • Rp2:ロコイド10g×ヒルドイド10g(混合)
  • Rp2:ロコイド5g×ヒルドイド15g(混合)

以前は部位が異なれば3調剤だったが、H28年より同一有効成分、同一剤形にて1調剤カウント、計量混合加算も、1調剤行為につきなので、1剤分算定。→後日訂正が入ったため、3調剤分で計量混合加算も3調剤分。

(問2)内服薬と外用薬の調剤料の取扱いについて、同一の有効成分であって同一剤形の薬剤が複数ある場合は、その数にかかわらず1剤(1調剤)とされているが、「同一剤形」の範囲はどのように考えたらよいか。

(答)下記の剤形については、それぞれ別剤形として取り扱う。
○外用薬
軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、液剤、スプレー剤、ゼリー、パウダー剤、ゲル剤、吸入粉末剤、吸入液剤、吸入エアゾール剤、点眼剤、眼軟膏、点鼻剤、点耳剤、耳鼻科用吸入剤・噴霧剤、パップ剤、貼付剤、テープ剤、硬膏剤、坐剤、膣剤、注腸剤、口嗽剤、トローチ剤(参考:「薬価算定の基準について」(平成28年2月10日保発0210第1号)の別表1)
なお、本取扱いは、内服薬と外用薬に係る調剤料における考え方であり、例えば、調剤時の後発医薬品への変更に関する剤形の範囲の取扱いとは異なることに留意すること。

(問3)上記の問に関連して、例のように濃度を変更するなどの目的で、2種類以上の薬剤の比率を変えて混合した処方が複数ある場合は、それぞれの処方を別調剤として取り扱った上で、計量混合調剤加算を算定できるか。

例)
Rp.1 A剤10g、B剤20g(混合)
Rp.2 A剤20g、B剤20g(混合)

(答)2種類の薬剤を計量し、かつ、混合した処方が複数ある場合は、それぞれについて計量混合調剤加算を算定できる。(例の場合は、Rp.1とRp.2のそれぞれについて、調剤料と計量混合調剤加算を算定できる)

 例:
  • Rp1:リンデロン点眼・点耳・点鼻液 1日3回 点耳
  • Rp2:リンデロン点眼・点耳・点鼻液 1日3回 点鼻

この2種類処方の場合は、2調剤として算定できる(平成24年調剤報酬Q&A Q59)

注射薬

注射薬の薬剤調整料は、調剤数・日数によらず、1処方箋に大して1回26点を算定する。

特定保険医療材料

特定保険医療材料の調剤料はない。

薬剤調整料の加算

麻薬・向精神薬・覚せい剤原料、毒薬加算は1調剤につき所定の点数を算定。

 例:
  • Rp1:レンドルミン 1日1回 就寝前 14日分
  • Rp2:マイスリー 1日1回 就寝前 14日分

これらは、1調剤なので2種類であっても8点を算定。

2区分以上(麻薬+その他=70点、麻薬以外2区分=8点)は単純に合算しないことに注意する。

自家製剤加算を算定した場合には、計量混合調剤加算は算定できない。

嚥下困難者用製剤加算を算定(頓服薬には算定できない)した場合においては、一包化加算及び自家製剤加算は算定できない。

一包化加算を算定した場合においては、自家製剤加算及び計量混合調剤加算は算定できない。

すなわち、自家製剤と計量混合、嚥下困難、一包化を同時には算定せず、屯服がきたら嚥下困難でなく自家製剤ということになるのでしょうか。

夜間・休日等加算は調剤料の加算であるので、調剤料を算定しない場合算定できない。

薬学管理料

麻薬管理指導加算、重複投薬防止加算、特定薬剤管理指導加算、乳幼児服薬指導加算は薬剤服用歴管理料を算定していない場合は算定できない。

薬剤料

15円以下の場合は1点、15円を超える場合は10円又はその端数を増すごとに1点。

つまり、内服で言えば1剤1日分薬価が著しく低い場合(4.8円とかは0.48点となるため)、五捨五超入すると0点になってしまうが、15円以下なので1点にするということ。

内服薬

内服薬の薬剤料は1剤・1日分ごとに計算した後、五捨五超入して、服薬日数を乗して求める。

 例:
  • Rp1:レンドルミン(0.25) 1T 1日1回 就寝前 14日分 (27.5/錠)
  • Rp2:マイスリー(10) 2T 1日1回 就寝前 14日分 (78.7/錠)
  • Rp3:アムロジン(5) 1T 1日1回 朝食後 14日分 (57.5/錠)
  • Rp4:ペリアクチンSyr 2ml 1日3回 毎食後 7日分 (17.8/10ml)
       ムコダインSyr 7ml 1日3回 毎食後 7日分 (6.0/ml)

Rp1とRp2はあわせて1剤なので、1日分合計は、(1*27.5+2*78.7)/10=18.49点、五捨五超入して18点、14日分合計は18*14=252点。

Rp3は単体で1剤なので、1日分合計は、1*57.5/10=5.75、五捨五超入して6点、14日分合計は6*14=84点。

Rp4はあわせて1剤なので、1日分合計は、(2*1.78+7*6)/10=4.556点、五捨五超入して5点、7日分合計は5*7=35点。

両者を合計すれば薬剤料が求まる。(252+84+35=371点)

内服用滴剤

内服用滴剤の薬剤料は1調剤分ごとに計算した後、五捨五超入して、足し合わせる。

 例:
  • Rp1:ラキソベロン内用液 10ml 1日1回 就寝前 1日分 (27/ml)
  • Rp2:A内服液 5ml 1日1回 就寝前 1日分 (10/ml)

1調剤分だから、(10*1*27+5*1*10)/10=32を合計してから、五捨五超入して32点。

頓服薬

頓服薬の薬剤料は1調剤分ごとに計算した後、五捨五超入して、足し合わせる。(補足:下記コメント記事No733)

 例:
  • Rp1:カロナール200 3T  疼痛時 5回分 (8.6/錠)
  • Rp1:ロキソニン(60) 1T  疼痛時 5回分 (18.6/錠)

用法・日数共に同じなので2調剤でなく、1調剤分で、(3*5*8.6+1*5*18.6)/10=22.2を合計してから、五捨五超入して22点。

外用薬・注射薬

外用薬と注射薬の薬剤料は1調剤分ごとに計算した後、五捨五超入して、足し合わせる。

 例:
  • Rp1:ボルタレンサポ(50) 疼痛時 5個 (66.2/個)
  • Rp2:アルピニー坐剤(200) 疼痛時 5個 (30.8/個)
  • Rp3:ノボリンN注フレックスペン 1本 朝夕食前(朝8:昼0:夕4:寝る前0) (2073/本)

屯服や滴剤と違って多種類が合算されることはないため、1種類ごとに計算→五捨五超入で全部を足しあわせればよい。

5*66.2/10=33.2→33点。5*30.8/10=15.4→15点。1*2073/10=207.3→207点。15+33+207=255点。

特定保険医療材料

特定保険医療材料料は全量を計算した後、四捨五入して、足し合わせる。

 例:
  • Rp1:ペンニードル32g 28本 (17/本)

28*17/10=47.6を四捨五入して、48点。

合計点数

全ての点数を足し合わせて10倍した後、1割なら0.1倍、3割なら0.3倍し、10円未満を四捨五入する。(2022.10~3年間の2割負担後期高齢者の配慮措置では高額療養費制度に従い、四捨五入せず1円単位での計算)

その他

検査薬として処方されているもの(内視鏡検査10~15時間前に20ml飲ませるラキソベロン液、それに付随して出される酸化マグネシウムやガスコン、ナウゼリン等、処置後出血防止のトラネキサム酸)は、保険処方箋に一緒に記載することはできない。また、検査薬に対しては、「薬剤料」のみが算定でき、「処方料」、「調剤料」、「処方箋料」「調剤技術基本料」は別に算定できないとされている。(薬局でいえば、「調剤基本料」及び「薬学管理料」が算定できない。)

※ 検査に当たって施用した薬剤の費用は別に算定できるが、第2章第5部投薬の部に掲げる処方料、調剤料、処方箋料及び調剤技術基本料並びに同第6部注射の部に掲げる注射料は、別に算定できない。なお、検査に当たって施用される薬剤(検査用試薬を含む。)は、原則として医薬品として承認されたものであることを要する。(医科点数表 第3部 通則 2項より)

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記事No2643 題名:ありがとうございました 投稿者:makkii 投稿日:2024-02-17 15:00:51

お返事が遅れ申し訳ございません。
最近の査定は機械的に「加工ブシ末を1剤とカウントする」という話を聞き、お伺いした次第です。
保険査定に関しては県により差がありますからね。
お手数をお掛けしました。


記事No2641 題名:Re:makkii様 投稿者:管理人tera 投稿日:2024-02-07 21:05:49

補足していただきすいません。
理解しました。
例えば、
Rp1)葛根加朮附湯
Rp2)加工ブシ
であれば、1剤
Rp1)葛根加朮附湯
   加工ブシ
   上記混合
も1剤
Rp1)葛根加朮附湯
Rp2)葛根加朮附湯
   加工ブシ
   上記混合
なら2剤ですかね。


記事No2639 題名:加附子 投稿者:makkii 投稿日:2024-02-07 14:06:04

言葉足らずで失礼しました。
漢方処方で附子が入っている商品、例えば「葛根加朮附湯」や「当帰芍薬散加附子」といった類です。
これら商品には商品名にもあるように附子が入っております。
この附子の量をもう少し多くして作用を高めたいときに、附子製剤(単独)を加えるのですが、ある商品のひとつの製剤の一成分を加えるというのは、この「3剤」というカウントではどうなのだろうか、という素朴な疑問でした。
言葉足らずで申し訳ございません。


記事No2636 題名:Re:makkii様 投稿者:管理人tera 投稿日:2024-02-06 22:05:03

漢方製剤に詳しくないので今能書を見てみようと検索したんですが、加附子という商品が検索で出てこないため、加附子と加工附子+αが同じか否かが判断できず、結果、1剤が2剤か判断できず。
加工ブシ末は剤カウントできないのは仰る通りで、混合するαの薬が加附子と同じでなければ、もしくはα+加工ブシ末=加附子になってしまうのでもなければ2剤カウントできそうな気もします。


記事No2632 題名:3剤の捉え方 投稿者:makkii 投稿日:2024-02-05 13:41:58

「内服薬の薬剤調整料や調剤管理料は、1剤につき、3剤まで算定できる」の部分で、同じ服用方法で漢方薬の「加附子」とある製品と「加工ブシ末」が処方されている場合、別物として2剤と捉えるのでしょうか?
加工ブシ末は「他剤と配合して服用する」とあるので、単独での処方はありませんが、同じブシを含む製剤と同じ服用方法で処方された場合です。
それぞれに薬価が付いているので2剤としてカウントすればいいのか、それとも「併用するよう」指示書きがあるので、二つ合わせて1剤とみなすのでしょうか?


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