薬剤師法施行規則の一部を改正する省令の施行について

1.改正の経緯

第1 改正の趣旨 薬剤師法(昭和 35 年法律第 146 号。以下「法」という。)第 22 条の規定及びこれに基づく薬剤師法施行規則(昭和 36 年厚生省令第5号。以下「規則」という。)の規定において、薬剤師は、災害の場合など厚生労働省令で定める特別の事情がある場合を除き、原則として、薬局以外の場所で販売・授与の目的で調剤してはならないこととされている。

また、その例外として、薬剤師は、医療を受ける者(以下「患者」という。)の居宅等において医師又は歯科医師が交付した処方箋に基づき調剤する場合には、処方箋中に疑わしい点があるかどうかを確認し、処方箋中に疑わしい点があるときは、その処方箋を交付した医師又は歯科医師(以下「処方医」という。)に問い合わせて、その疑わしい点を確かめること(以下「疑義照会」という。)ができることとされている。

今般、現在の在宅での薬剤師の業務の実情を踏まえ、薬剤師が居宅等で行うことができる調剤の業務として、患者に処方された薬剤に飲み残しがある場合等に、処方医に疑義照会した上で、患者の居宅等で調剤量を減らすことができることを追加する等のため、規則を改正する。

1.改正の経緯

第2 改正の内容

1 患者の居宅等において薬剤師が行うことのできる調剤の業務

  • (1)薬剤師が、患者の居宅等において処方医が交付した処方箋に基づき、当該居宅等において薬剤師が行うことができる調剤の業務について、処方医への疑義照会に加え、以下の業務を行えることとした(改正省令による改正後の規則(以下「新規則」という。)第 13 条の2関係)。
    • 薬剤師が、処方医の同意を得て、当該処方箋に記載された医薬品の数量を減らして調剤する業務(調剤された薬剤の全部若しくは一部が不潔になり、若しくは変質若しくは変敗するおそれ、調剤された薬剤に異物が混入し、若しくは付着するおそれ又は調剤された薬剤が病原微生物その他疾病の原因となるものに汚染されるおそれがない場合に限る。)
  • (2)また、患者が負傷等により寝たきりの状態にあり、又は歩行が困難である場合、患者又は現にその看護に当たっている者が運搬することが困難な物が処方された場合その他これらに準ずる場合についても、薬剤師が、その者の居宅等を訪問して、同様の業務を行えることとした(新規則第 13 条の3第2号関係)。
  • (3)薬剤師は、(1)及び(2)の業務に当たっては、患者の居宅等に飲み残された薬剤等が引き続き適正に使用できるものであることを確認した上で、実施する必要がある。
  • (4)薬剤師が患者の居宅等において、以下に掲げる業務を行うことは、従前のとおり、差し支えない。
    • ① 処方箋を受領すること
    • ② 処方箋が偽造でないこと又はファクシミリ等で電送された処方内容に基づいて薬剤の調製等を行った際に処方箋がファクシミリ等で電送されたものと同一であることを確認すること
    • ③ 薬剤を交付すること
  • (5)調剤の業務のうち、薬剤の計量、粉砕、混合等の調製行為は、従前のとおり、薬局において行う必要がある。

2 調剤の場所の特例に関する特別の事情(新規則第 13 条の3関係)

  • (1)これまで、法第 22 条ただし書きの厚生労働省令で定める特別の事情として、「災害により薬剤師が薬局において調剤することができない場合」を規定していたが、これを「災害その他特殊の事由により薬剤師が薬局において調剤することができない場合」に改めた。
  • (2)ここでいう「特殊の事由」とは、患者の状態が居宅等で急変した場合など特に緊急の場合であって、その者を救命するためには、当該居宅等において新規則第 13 条の2に基づき、薬剤師が患者の居宅等で行うことができる調剤の業務以外の調剤の業務を行う以外に手段がないと処方医及び薬剤師が判断した場合である。

3 施行期日

改正省令は、平成 26 年4月1日から施行する。

薬剤師法施行規則等の一部を改正する省令の概要

1.改正の経緯

○ 薬剤師法(昭和35 年法律第146 号。以下「法」という。)第22 条及びこれに基づく薬剤師法施行規則(昭和36 年厚生省令第5号。以下「規則」という。)の規定において、薬剤師は、災害の場合など厚生労働省令で定める特別の事情がある場合を除き、原則として、薬局以外の場所で調剤することは禁止されている。

ただし、その例外として、患者の居宅等において医師又は歯科医師が交付した処方箋により調剤する場合には、当該居宅等において、処方箋中に疑わしい点があるか確認し、処方箋中に疑わしい点があるときは、その処方医に問い合わせて確かめること(以下「疑義照会」という。)ができるとされている。

○ 今般、現在の在宅での薬剤師の業務の実情を踏まえ、患者に処方された薬剤に飲み残しがある場合等に、処方医に疑義照会した上で、患者の居宅等において薬剤師が調剤量を変更できるようにするなど、規則を改正する。

2.改正の概要

○ 法第22 条に規定する、患者の居宅等において医師又は歯科医師が交付した処方箋により、薬剤師が行うことのできる調剤の業務について、疑義照会に加えて、以下の業務を行えることとする(規則第13 条の2関係)。また、処方医が居宅等で処方箋を交付していない場合であっても、患者が負傷等により寝たきりの状態である場合等については、薬剤師が、その者の居宅等で、同様の業務を行えることとする(規則第13 条の3関係)。

・薬剤師が、処方医の同意を得て、当該処方箋に記載された医薬品の数量を減らして調剤する業務(当該業務により、

    ①調剤された薬剤の全部・一部が、不潔になるおそれ又は変質・変敗するおそれがある場合、 ②調剤された薬剤に異物が混入したり、付着したりするおそれがある場合、 ③調剤された薬剤が病原微生物その他疾病の原因となるものにより汚染されるおそれがある場合

のいずれにも当たらない場合に限る。)

○ 患者の状態が居宅で急変した場合など特に緊急の場合であって、その者を救命するためには、当該居宅等において調剤行為を行う以外に手段がないと処方医及び薬剤師が判断した場合に、当該居宅等で薬剤師が調剤できるようにするため、法第22 条ただし書きに規定する厚生労働省令で定める特別の事情として、災害その他特殊の事由により薬剤師が薬局において調剤することができない場合を規定し、上記の緊急時に薬局以外の場所で薬剤師が調剤業務を行えることとする(規則第13 条の3関係)。

3.施行予定日

公布日(平成26年4月)

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