基礎的医薬品
基礎的医薬品制度は平成28年度の薬価改定から試行的に始まった制度で、採算が取れない医薬品の中で一番販売額が大きい銘柄の薬価を維持する試み。
- 基礎的医薬品について
- 基礎的医薬品対象品目一覧(2024.4.1~)
- 基礎的リスト(2024.4.1)(後発の対象となるもの)(最新版は薬価基準収載品目リストのページ下部より)
※【後発医薬品と同様に変更調剤が認められる基礎的医薬品等の一覧について】
基礎的医薬品であって、それらが基礎的医薬品に指定される以前に変更調剤が認められていたもの(「診療報酬における加算等の算定対象となる後発医薬品」等)については、従来と同様に変更調剤を行うことができます。令和6年度薬価基準改定における「基礎的医薬品」等の対象品目のうち、対象となる以前に「診療報酬における加算等の算定対象となる後発医薬品」の区分であったものの一覧は上の基礎的リストになります。
つまり、基礎的医薬品対象品目一覧のうち、基礎的リストに掲載されているものは、以前に後発医薬品の区分であったため、後発医薬品のように変更調剤が可能ということ。なお、基礎的医薬品は後発医薬品調剤体制加算の計算式の分母と分子からは除外されている。
例えば、L-ケフレックス顆粒(薬価:80.90)、セファレキシン複合顆粒500mg「トーワ」(薬価:80.90)を比べてみた時に、上リンクの基礎的医薬品対象品目一覧で両者ともに基礎的医薬品に該当することがわかり、上リンクの基礎的リストで後者は前者の後発医薬品扱いとなることがわかる。
令和6年調剤報酬改定
令和6年調剤報酬改定で基礎的医薬品対象品目に追加された数百種類の医薬品のうち、有名どころをピックアップすれば、
- サワシリン(アモキシシリン)カプセル
- ファロム錠/DS
- カロナール細粒
- クラリスロマイシン錠/DS
- アンテベート(サレックス、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル)軟膏/Cr
- フロモックス(セフカペンピボキシル)錠/細粒
- オキシコドン徐放錠/カプセル
- エリスロマイシン錠
- フェンタニルテープ
- メプチン吸入液/エアー
- ボラザG軟膏/坐剤
らが上げれる。
基礎的医薬品対象品目になると後発医薬品(クラリスロマイシン等)は後発品の指定が外れて、後発でも先発でもない医薬品となってしまうが、先発医薬品(サワシリンやフロモックス等)は先発医薬品でもあるし基礎的医薬品対象品目でもあるという形になる。
上記の基礎的医薬品対象品目のうち、以前、後発医薬品区分であって、変更調剤が可能な基礎的リストの医薬品は(先発は自動的にのぞかれるので)、
- アモキシシリンカプセル
- カロナール細粒
- クラリスロマイシン錠/DS
- (サレックス/ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル)軟膏/Cr
- セフカペンピボキシル錠/細粒
- オキシコドン徐放錠/カプセル
- エリスロマイシン錠
- フェンタニルテープ
が該当する。
さらに詳しく見てみると、クラリスロマイシン錠のうち、「CH、EMEC、タカタ、杏林、フェルゼン」が基礎的医薬品対象品目にはないものの基礎的リストには存在しており、「CH、EMEC、タカタ、杏林、フェルゼン」は基礎的医薬品対象品目としてではなく統一名(局方品)として収載されていることがわかる。
これらを踏まえれば、令和6年に基礎的医薬品対象品目であり基礎的リスト掲載医薬品になったクラリスロマイシン錠200mg「トーワ」は後発医薬品ではなくなったが、先発医薬品であるクラリスから変更調剤可能、ただし、クラリスロマイシン錠200mg「トーワ」は後発医薬品調剤体制加算の計算式には含まれないが、クラリスは先発品なので含まれる点には注意する。
つまり、薬価基準で後発品と書いていない場合は、一度基礎的リストを確認してみて、そこに記載されていれば後発品と同じように変更調剤が可能、でも後発体制加算の計算式に含めないということです。
コメントor補足情報orご指摘あればをお願いします。
記事No2732 題名:回答をありがとうございました 投稿者:ほいみ 投稿日:2024-06-04 20:41:56
大変助かりました。追加情報もありがとうございます。調べものや勉強でいつもお世話になっていますのでこの場をお借りして感謝申し上げます。
記事No2731 題名:Re:ほいみ様 投稿者:管理人tera 投稿日:2024-06-03 10:30:03
はじめまして。
(1)クラリスは基礎的医薬品ではなく先発医薬品なので調剤数を減らしたほうがいいです。
(2)ご指摘ありがとうございます。修正がうまくいっていなかったので☆や★が表示されるように修正しました。
(3)クラリスは先発医薬品なので、後発品の有無の欄は無視してください。
(4)基礎的医薬品は先発でも後発でもないため、分子にも分母にも入りませんのでGE率計算においてはさほど影響はないかと思いますが、カットオフの値に影響をかなり与えるということで、令和6年度薬価改定を踏まえた診療報酬上の臨時的な取扱いについて(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001256050.pdf)で緊急に出されました。
記事No2729 題名:GE率計算について 投稿者:ほいみ 投稿日:2024-05-31 16:51:58
いつもお世話になっております。基礎的医薬品ページの「さらに詳しくみてみると~」の辺りが難しく感じました。
(1)クラリスは先発品で計算式に含まれるのでGE率上げるためには調剤数を減らした方が良い、ということで合っていますか。
(2)薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和6年5月28日情報追加)より、※後発医薬品の数量シェア(置換え率)=〔後発医薬品の数量〕/(〔後発医薬品のある先発医薬品の数量〕+〔後発医薬品の数量〕)、 =〔3で分類される品目の数量(★を除く)〕/(〔2で分類される品目の数量(☆を除く)〕+〔3で分類される品目の数量(★を除く)〕)とあります。管理薬剤師.comさんの医薬品検索では「2」「3」だけ確認すれば良いですか。☆(白い星)は表示されない?ので疑問に感じています。参照しているリストが「薬価基準収載・内服薬」ということですか。 例)ムコスタ錠100mg☆
(3)GE率計算のためには上記厚労省ページの「5.その他(各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報)」のファイルで「2」「3」「★」「☆」を確認すれば十分ということでよろしいでしょうか。このリストでクラリス錠200mgは「空欄」?なので分母に入らず?質問(1)と矛盾して分からなくなりました。クラリスは(「後発品」が無い)基礎的医薬品/または基礎リスト薬が在る先発品、だと思うのですが、その場合分母に入るということですか。
(4)結局、GE率計算のためにどのリストをどの様に確認したら良いですか。基礎的医薬品は先発でも後発でも無く分かりにくいです。・・・何か根本的に勘違いでしたら申し訳ないのですが教えて頂けましたら幸いです。(とりあえず(4)だけでも確認できますと助かります。)※「後発医薬品調剤体制加算~計算方法に関する補足」も読みました。
記事No2700 題名:Re:eskisaray様 投稿者:管理人tera 投稿日:2024-04-24 11:53:28
うーん。具体的な医薬品名がわかるとよいのですが、例えばアモキシシリンカプセルは今後発医薬品でも先発医薬品でのないので、理由を求められても困ってしまいますね。。。
あと、別ページでご質問頂いた後発の切り替えですが、今更読み直したところ、eskisarayさんのおっしゃる通りでムコダイン錠をムコダインDSに変えることはできないと思いました。→修正しました。
記事No2698 題名:理由を求められても・・・・ 投稿者:eskisaray 投稿日:2024-04-22 19:20:31
レセコンにもよるのでしょうか?
元後発品の基礎的医薬品を選択すると
「後発品ではない」イコール先発品であると
認識するようで、
後発品にしない理由を求められるのです。
(うまく説明できない・・)
そんなことありませんか?
レセコンにもよるのでしょうか?
変な質問してすみません。
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