局方品・局方名とは
日本薬局方は、医薬品の品質や規格を定めた公的な基準書であり、医薬品としての適正な品質を保証するために用いられる。
- 日本薬局方・・・厚生労働省
局方名とは、日本薬局方(局方)に収載されている医薬品の正式な名称のこと。日本薬局方や添付文書に記載されている。

局方品とは、その一般的名称が局方名である医薬品そのもののこと。(例:プロペトは局方品で、一般的名称と局方名は白色ワセリン、ムコスタ錠100㎎は局方品で、一般的名称と局方名はレバミピド錠)
成分が同じでも、口腔内崩壊錠と普通錠では一般的名称は異なるため、普通錠が局方品でも口腔内崩壊錠も局方品とは限らない。(例:アクトス錠15は局方品だが、アクトスOD錠15は局方品ではない)
局方名処方への対応
局方名処方とは、ピオグリタゾン塩酸塩・メトホルミン塩酸塩錠や、レバミピド錠、白色ワセリンと言った局方名が処方箋に記載されている場合のこと。
局方名を調べるには添付文書を見るのが一番簡単でわかりやすい。
メタクトのように規格が複数(HDとLD)あるような場合は疑義紹介が必要となりますが、レバミピド錠や白色ワセリンのように規格が一つしかない場合は、同じ局方名の医薬品であれば自由に調剤が可能であるという認識。
ムコスタは局方品(先発)、レバミピド錠は局方名、レバミピド錠100㎎は統一名(後発)、細かい違いに注意。
局方品処方への対応
その医薬品が局方品であるかどうか、先発・後発かを調べるには厚労省のHPの薬価基準を見るとわかる。

なお、薬価基準において、白色ワセリンやレバミピド錠100㎎は統一名を記載しているにすぎず、局方名を記載しているわけではないです。そのため、「局」の文字は入っていません。ここに掲載されているメーカー以外の白色ワセリンは局方品ではないということです。局方品は薬価が優遇されるため、局方品メーカー以外の白色ワセリンは価格も安く設定されています。
局方品には、
- 先発品である場合(ムコスタ錠100㎎、アクトス錠15等)
- 後発品である場合(レバミピド錠100㎎、ピオグリタゾン15mg「DSEP」等)
- どちらでもない場合(プロペト、アミトリプチリン塩酸塩錠等)
の3種類ある。
これらは後発医薬品の変更ルールに従い変更することが可能です。
上記例のおいて、変更不可処方箋でない場合、以下のように変更できる。
- ムコスタ錠100㎎とアクトス錠15は先発・後発全て調剤可能
- レバミピド錠100㎎は後発医薬品の統一名処方なので、後発のみ調剤可能(現下の医療用医薬品の供給状況における変更調剤の取扱いについてにより先発も調剤可能に)
- ピオグリタゾン15mg「DSEP」は、後発のみ調剤可能
- プロペトは、後発でも先発でもないので自由に変えることはできず、プロペト以外を出す場合疑義紹介が必要
- アミトリプチリン塩酸塩錠は、後発でも先発でもないが統一名収載品なので、トリプタノール錠10もアミトリプチリン塩酸塩錠10㎎「サワイ」もどちらも調剤可能
局方品の含量規格変更
チラーヂンは後発でも先発でもない局方品であるため、チラーヂンS錠100μg 1T→チラーヂンS錠50μg 2Tはもちろん、レボチロキシン100μg→チラーヂン50μg 2Tの含量変更は不可
ジゴキシンも後発でも先発でもない局方品であるため、ジゴキシン錠0.25→ハーフジゴキシン錠0.125×2Tの含量変更も不可。
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