麻薬の取扱い

全て直轄の保健所に提出。法人の場合、印は法人の印(登記印)、届出者は法人の住所と名前です。

〒123-4567
○○県○○市○○○
株式会社○○○○
代表取締役 ○○ ○○

のようなハンコは一つ作っておくとよいでしょう。

麻薬の免許

1、免許の申請(法第3条

調剤薬局など麻薬小売業者の免許申請を行う際には、以下の書類が必要です。

  • 麻薬小売業者免許申請書・・・記載例(埼玉)
  • 診断書
  • 組織図
  • 収入証紙(手数料)(現金可)

免許申請書は、免許の申請書右上の「No.の欄」に、現在の麻薬小売業者免許番号を記入。

診断書は、精神機能の障害、及び麻薬中毒又は覚せい剤の中毒について診断したもの
(申請書の提出時点で診察日から3ヶ月以内のもの、なるべく申請書の裏面の様式を使用する)
法人の場合は業務を行う役員全員の診断書が必要(麻薬関係業務を行う役員とは、合名会社は社員全員、合資会社は無限責任社員全員、有限又は株式会社は代表取締役及び免許に関わる業務を担当する取締役、民法法人は理事全員)。
役員が複数名いても、薬務に関わらない役員の診断書を提出する必要はない。代表取締役の診断書は絶対必須。

組織図(法人の場合)は、麻薬関係業務を行う役員の範囲を示す書面で代表者の記名押印により証明されたもの

手数料は、3900円(栃木)、収入証紙又は現金

次の場合は、診断書、組織図を省略することができる。

診断書を省略できる場合
申請書の提出時点で診断日から3ヶ月以内のものが、薬事法又は麻薬及び向精神薬取締法に基づく手続きにおいて県内の健康福祉センターに提出されている場合で、申請書の備考欄に申請年月日、申請先が記載されている場合

組織図を省略できる場合
薬事法又は麻薬及び向精神薬取締法に基づく手続きにおいて県内の健康福祉センターに提出されている場合で、申請書の備考欄に申請年月日、申請先が記載されている場合

申請書の備考欄には、「業務を行う役員の診断書は、○月○日、○○薬局より○○保健所へ提出済みにつき、添付省略」と記載する。

2、免許の有効期間(法第4条法第5条

免許の有効期間は、免許の日から翌年翌々年の12月31日までです。

提出期限は県によって様々ですが、栃木県の場合(H19年)、9月3日に健康福祉センターより書類が届き、提出期限は免許申請書が10月12日、免許証返納届が翌年の 1月15日までとなっていました。

3、業務廃止の届出(法第7条

免許証の有効期間中に麻薬に関する業務を廃止したとき、または薬局の廃止などで麻薬免許の絶対要件(法第3条第二項5号)となる資格を失ったときは、15日以内に 麻薬小売業者免許証を添えて、「業務廃止届」により保健所に届け出なければならない。

なお、「業務廃止届」の提出とあわせて、「麻薬所有量届」により現に所有する麻薬の品名、数量を15日以内に保健所へ届け出なければならない。

4、免許証の返納(法第8条

免許証の有効期間が満了したとき、または免許が取り消されたときは、15日以内に「免許証返納届」により免許証を保健所に提出しなければならない。

5、免許証の記載事項の変更届(法第9条

免許証の記載事項に変更が生じたときには、15日以内に「免許証記載事項変更届」により、麻薬小売業者免許証を添えて、保健所に届け出なければならない。

記載事項変更届は、住所、氏名、業務所の名称の変更に限られる。業務所の移転や法人化する場合には、業務を廃止し、新たに免許を取得する必要がある。

地番変更や市町村合併については、変更届は必要ない。

6、免許証の再交付(法第10条

麻薬小売業者は免許証を棄損し、または亡失したときは15日以内に「免許証再交付申請書」により、その事由を記載し、かつ、棄損した場合には その免許証を添えて保健所に、免許証の再交付を申請しなければならない。

麻薬の譲受・譲渡

1、譲受(法第24条法第26条法第32条

麻薬小売業者が麻薬を購入できる相手先は、基本的には同一都道府県内の麻薬卸売業者に限定されている(特例として薬局間の取引あり)

麻薬卸売業者より麻薬を譲り受ける場合には、「麻薬譲渡証」及び「麻薬譲受証」の交換が必要(譲受証のひな形は卸に頼めば作ってもらえます)。

  • 麻薬譲渡証(見本)
  • 麻薬譲受証(見本)

麻薬譲受証をあらかじめ麻薬卸売業者に交付するか、あるいは同時交換でなければ麻薬を受け取ることはできない。

麻薬譲受証の押印は、法人にあっては代表者印または麻薬専用印(他の用途と併用する印は×、ただし覚せい剤原料の印を除く)

一番望ましいのは、代表者の印で、各店舗で使いまわしが大変な場合に、麻薬専用の印を作成(法人名と麻薬専用及び麻薬及び覚せい剤原料専用」の文字が入った印でなく、法人名だけでも専用の印であれば可→法的規制はなし)

麻薬譲受証に記載した事項を訂正する場合は、譲受人の欄に押印した印とおなじ印を使用する。

余白部分には、斜線を引くか、「以下余白」と記載する。(通常は斜線)

万が一譲受後、使用の際に開封した時、数量の不足、破損などを発見した場合、麻薬小売業者が事故届を提出する。

麻薬の容器には証紙による封が施されているかどうかを確認する。

患者からの麻薬の返納

麻薬の交付を受けた患者、又はその家族から不要になった麻薬を譲り受けた場合、管理薬剤師が他の従事者の立会いの下に、焼却もしくは酸・アルカリによる分解など麻薬の回収が困難な方法で廃棄し、廃棄後、帳簿に廃棄した麻薬の品名・数量・年月日を記載し、30日以内に「調剤済麻薬廃棄届」を保健所に提出する。

2、譲渡(法第24条法第25条法第7条法第36条

業務廃止にや法人の解散の際に所有している麻薬は、業務廃止後50日以内であれば、同一都道府県内のほかの麻薬営業者(薬局開設者)、麻薬診療施設の開設者に譲り渡すことができる。

この場合、譲渡した日から15日以内に「麻薬譲渡届」を保健所に提出する。

譲渡しない場合は、50日以内に「麻薬廃棄届」を保健所に提出して、当該職員の立会いの下に廃棄する。

3、譲受・譲渡の特例について(施行規則第9条の2一部を改正する省令

薬局での在庫不足が発生した際に、近隣の薬局から不足分の麻薬を譲り受けることを可能とする。(譲り渡すことが出来るのは不足分の麻薬に限られる)

いわば、緊急避難的な処置が特例として可能となる。(常時ではなく、在庫不足の条件下に限る)

同一都道府県内の二つ以上の麻薬小売業の許可を有する薬局が別紙に示す申請書に届出事項記載の上事前に届出をすることにより、届け出た麻薬小売業者間でのみ麻薬の譲渡が許可されることになります。

この許可を「麻薬小売業者間譲渡許可」といい、何軒かの薬局がグループを組んで届出を行い許可を受けることによって、そのグループの中だけに限り麻薬の譲渡を許可するという決まり。譲渡側と譲受側ともに許可を受けている必要がある。

麻薬小売業者譲渡許可を受けた麻薬小売業者には、許可申請の書類に記載した事項が記載された「麻薬小売業者間譲渡許可証明書」が地方厚生局長名で発行される。

この許可証は有効期間が許可の日から1年間とされ、毎年12月31日をもって効力を失う。

麻薬小売業者間譲渡許可書は、許可を受けた日から3年間保存する。

譲渡・譲受時の注意点は以下(H26保険薬局Q&A Q77より)。

  • 麻薬処方箋の写し及び譲受人が作成した譲受確認書の交付を受けた後、麻薬を交付し、同時に譲渡確認書を譲受人に交付すること
  • 法第38条の規定による麻薬帳簿への記載を行うこと
  • 麻薬帳簿の備考欄に譲渡・譲受の相手方の名称を記載すること
  • 特例を利用した譲渡についても法第47条第2号の届(年間報告)として、毎年11月30日までに都道府県知事に届け出ること
  • 品目ごとに許可業者間における譲渡・譲受に係る数量の合計を算出し、合計欄に内数としてカッコ書きで併記すること

詳しくは、麻薬及び向精神薬取締法施行規則の一部を改正する省令を参照(色々決まりごとはあるようです)

Q&A(埼玉県薬剤師会vol.5)

Q:薬局が廃業した場合、麻薬や覚醒剤原料を他の薬局に譲り渡すことは可能か。

A:麻薬は50日以内に他の麻薬営業者に、覚醒剤原料は30日以内に他局の開設者に渡すことが可能である。

麻薬の保管(法第34条

麻薬小売業者の場合、薬剤師である薬局開設者が行うか、管理薬剤師が行う。

麻薬は、薬局内に設けた鍵をかけた堅固な設備内に保管する。堅固な設備とは容易に移動できない金庫で、施錠設備のあるもの。

麻薬処方箋(法第27条

麻薬処方箋の記載事項は、その大部分が一般の医薬品と同じですが、以下の2項目が一般処方箋に追加される形になります。

  • 患者の住所
  • 麻薬施用者の免許番号

麻薬と麻薬以外の医薬品を別に分けて発行する必要はない(麻薬と麻薬以外の医薬品を一緒に処方することの可否まで規定されていない)。もちろん別々の処方箋にて交付してもらうことは可能です。(H26保険調剤Q&A Q181)

Q&A(埼玉県薬剤師会vol.5)

Q:麻薬処方箋は、一般の処方箋と分けて保存しなければならないのか。

A:分けて保存しなければならないという規定はないが、分けておくと便利である。

麻薬帳簿の記録(法第38条

麻薬管理者は麻薬の帳簿を備えて

  • 譲渡、譲受、事故、廃棄した麻薬の品名、数量、年月日
    (譲渡のみ:コデイン、ジヒドロコデイン、エチルモルヒネ及びこれらの塩類を患者に渡す場合の記載義務はない)

を記載する。

廃棄、事故については、届出年月日を備考欄に記載する。

帳簿は、品名、剤型、規格別に講座を設けて記載する(原末から倍散を調整した場合も別に設け、備考欄に「原末から調整」と記載する)。

リン酸コデインの100倍散を麻薬である原末から調整する場合、原末の口座の払出の項と備考欄に「100倍散 ○g調整」と記載し、100倍散の口座を別に作り、 受入の項と備考欄に「原末から調整」と記載する。

帳簿の形式は本のようなものでも、1枚の紙でもかまわない。 記載には、万年筆やボールペンなどの字が消えないものを使用し、訂正は二重線にて行う。

帳簿は最終記載の日から2年間保存することが義務づけられている。

麻薬の廃棄(法第29条法第35条

麻薬の廃棄には、期限切れ(5年目安)、調剤ミスにより使えなくなった場合と、調剤された麻薬を患者より返却されたものを廃棄する場合がある。

  • 期限切れ・調剤ミスの場合・・・”あらかじめ”「麻薬廃棄届」を保健所に届け出た後、当該職員立会いの下に廃棄
  • 返却された場合・・・管理薬剤師が、他の職員の立会いの下に廃棄、”廃棄後”30日以内に「調剤済麻薬廃棄届」を保健所に提出

麻薬廃棄届と調剤済麻薬廃棄届は用紙が区別されるので注意したい。

廃棄の方法は、錠剤は「粉砕後、放流」、粉は「放流」、テープは「細断」と記載。ディロテップは半分にシール部分が重なるように折ってから、はさみで細かく切って、医療廃棄物へ。

廃棄届と一緒に帳簿を一旦預ける形になるので、帳簿はノートよりも紙のほうが望ましいと思います。(保健所が残量を0にしてくれたあと返却されます)。

麻薬の事故届(法第35条

麻薬が、減失、盗失、破損、所在不明などの事故が生じた場合、「麻薬事故届」により保健所に届け出る。

また、麻薬を盗失された場合は、別途警察への連絡が必要。

麻薬帳簿記載の際には、事故届の写しも保管しておく。

麻薬の年間報告(法第47条

麻薬小売業者は、毎年11月30日までに、「年間麻薬譲渡・譲受届」を保健所に提出する。

1年間麻薬の動きがない場合や、所有している麻薬がない場合も報告する。所有している麻薬がない場合は医薬品名等の空欄に、「取り扱いなし」と記載する。なお、開いたスペースは斜線を引くと良い。

麻薬小売業者間譲渡許可を受けて、他の許可業者との間で譲渡・譲受を行った場合は、品名ごとに許可業者間における譲渡・譲受に関わる数量の合計を算出し、 合計欄に内数として括弧書きで併記する。

年間届は2部作成して、そのうち1部を提出、1部は控えとする。

医療用麻薬の海外への携帯

治療目的であったとしても、医療用麻薬を海外に持ち出すためには、地方厚生局麻薬取締部のウェブサイトで「麻薬携帯輸入(輸出)許可申請書」をDLして印刷し、医療用麻薬の薬剤名や数量、使用目的、出国する理由などを記入する。

これに医師の診断書を添えて、渡航の2週間前までに地方厚生局に提出する。

申請が許可されれば、麻薬携帯輸入(輸出)許可書が日本語、英語で各一通ずつ患者に交付される。出入国時は、税関でこれらの許可書を提示する必要がある。

コメントor補足情報orご指摘あればをお願いします。



記事No143 題名:Re:中尾様 投稿者:管理人tera 投稿日:2015-08-12 17:55:43

ご指摘及びその根拠を示して頂きありがとうございます。
この記載につきましては言葉足らずの所がありまして、正確には「麻薬譲受書のひな形」は卸に頼めば作ってもらえるということです。
購入した麻薬の名前や数量は納品の際に手書きで書くことになります。


記事No142 題名:麻薬譲受書 投稿者:中尾恵美子 投稿日:2015-08-12 11:36:53

麻薬の譲受書は「卸に依頼すると作成してくれる」の記載がありますが、麻薬向精神薬取締法では、譲受書を注文書と位置づけており、サービスの一環として麻薬卸業者が作成しないようにとなっています。


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