薬剤調製料(内服用固型剤・内服用液剤)

内服薬(概要)(調剤報酬点数表

内服薬(湯煎薬及び湯薬、頓服薬を除く)の薬剤調製料(1剤につき)。

  • 24点

注1 服用時点が同一であるものについては、投与日数にかかわらず、1剤として算定する。なお、4剤分以上の部分については、算定しない

注2 嚥下困難者に係る調剤について、当該患者の心身の特性に応じた剤形に製剤して調剤した場合は、嚥下困難者用製剤加算として、80点を所定点数に加算する。


注1 1の内服薬について、内服用滴剤を調剤した場合は、1調剤につき10点を算定する。

内服薬(補足)(調剤報酬点数表に関する事項

  • ア 内服薬(浸煎薬及び湯薬を除く。以下同じ。)の薬剤調製料については、内服用滴剤とそれ以外の内服薬とは所定単位及び所定点数が異なる。(内服用滴剤は薬剤調製料の「注1」による。)
  • イ 内服薬(内服用滴剤以外のもの)についての薬剤調製料及び薬剤料の算定はそれぞれ「1剤」及び「1剤1日分」を所定単位とし、内服用滴剤についての薬剤調製料及び薬剤料は「1調剤」を所定単位として算定するが、この場合の「1剤」とは、薬剤調製料の算定の上で適切なものとして認められる単位をいうものであり、次の点に留意する。
    • (イ) 1回の処方において、2種類以上の薬剤を調剤する場合には、それぞれの内服薬を個別の薬包等に調剤しても、服用時点が同一であるものについては、1剤して算定する。
    • (ロ) 服用時点が同一である薬剤については、投与日数にかかわらず1剤として算定する。
    • (ハ) (イ)及び(ロ)における「服用時点が同一である」とは、2種類以上の薬剤について服用日1日を通じて服用時点(例えば「朝食後、夕食後服用」、「1日3回食後服用」、「就寝前服用」、「6時間ごと服用」等)が同一であることをいう。また、食事を目安とする服用時点については、食前、食後及び食間の3区分とすることとし、服用時点が「食直前」、「食前30分」等であっても、薬剤調製料の算定にあっては、「食前」とみなし、1剤として扱う
    • (ニ) (イ)及び(ロ)にかかわらず、次の場合は、それぞれを別剤として算定できる。
      • ① 配合不適等調剤技術上の必要性から個別に調剤した場合
      • ② 内服用固形剤(錠剤、カプセル剤、散剤等)と内服用液剤の場合
      • 内服錠とチュアブル錠又は舌下錠等のように服用方法が異なる場合
    • (ホ) 同一有効成分であって同一剤形の薬剤が複数ある場合は、その数にかかわらず1剤として算定する。
  • ウ 内服薬のは、1回の処方箋受付について、4剤以上ある場合についても、3剤として算定する。ただし、この場合、内服用滴剤は剤数に含めないが、浸煎薬又は湯薬を同時に調剤した場合には、当該浸煎薬又は湯薬の調剤数を内服薬の剤数に含めることとする。
  • エ 同一薬局で同一処方箋を分割調剤(調剤基本料の「注9」の長期保存の困難性等の理由による分割調剤又は「注10」の後発医薬品の試用のための分割調剤に限る。)した場合は、1回目の調剤から通算した日数に対応する点数から前回までに請求した点数を減じて得た点数により算定する。
  • オ ドライシロップ剤を投与する場合において、調剤の際に溶解し、液剤(シロップ剤)にして患者に投与するときは内服用液剤として算定し、散剤としてそのまま投与するときは内服用固形剤として算定する。また、ドライシロップ剤を水に溶かして同時服用の他の液剤と一緒に投与する場合は1剤として算定し、ドライシロップ剤を散剤として、同時服用の他の固形剤(錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等)と一緒に投与する場合も1剤として算定する。

    なお、「処方箋に記載された医薬品の後発医薬品への変更について」(平成24年3月5日保医発0305第12号)に基づき、ドライシロップ剤の医薬品から類似する別剤形の後発医薬品に変更して調剤する場合又は類似する別剤形の医薬品からドライシロップ剤の後発医薬品に変更して調剤する場合は、同通知の第3の5を参照すること。
  • カ 嚥下困難者用製剤加算の取扱いは、以下のとおりとすること。
    • (イ) 嚥下困難者用製剤加算は、嚥下障害等があって、薬価基準に収載されている剤形では薬剤の服用が困難な患者に対し、医師の了解を得た上で錠剤を砕く等剤形を加工した後調剤を行うことを評価するものである。
    • (ロ) 剤形の加工は、薬剤の性質、製剤の特徴等についての薬学的な知識に基づいて行わなければならない。
    • (ハ) 嚥下困難者用製剤加算は、処方箋受付1回につき1回算定できる。
    • (ニ) 1剤として取り扱われる薬剤について、自家製剤加算は併算定できず、また、剤形を加工したものを用いて他の薬剤と計量混合した場合には、計量混合調剤加算を併算定することはできない。
    • (ホ) 嚥下困難者用製剤加算を算定した場合においては、外来服薬支援料2は算定できない。
    • (ヘ) 薬剤師が剤形の加工の必要を認め、医師の了解を得た後剤形の加工を行った場合は、その旨調剤録等に記載する。
    • (ト) 個々の患者に対し薬価基準に収載されている医薬品の剤形では対応できない場合は、嚥下困難者用製剤加算を算定できない。
  • キ 内服用滴剤を調剤した場合の薬剤調製料は、投薬日数にかかわらず、1調剤につき10点を算定する。この場合の内服用滴剤とは、内服用の液剤であって、1回の使用量が極めて少量(1滴ないし数滴)であり、スポイト、滴瓶等により分割使用するものをいう。なお、当該薬剤の薬剤料は、1調剤分全量を1単位として薬剤料の項により算定するものであり、1剤1日分を所定単位とするものではない。

補足(その他)

内服用固形剤と内服用液剤のどちらに分類してよいか悩む剤形として、ゼリー剤(アリセプト内服ゼリー、アーガメイト等)、半固形剤(ラコール等)がある。

  • アーガメイトゼリーは、2012.9以降は、内用液剤から経口ゼリー剤へ区別変更(日本薬局方の液剤の定義が変わり該当しなくなったため)されたが、内服薬調剤料の時の剤としての分類は、内服用固形剤ではなく内服用液剤である。そのため、調剤料の計算の際には、内服用固形剤とは別剤(液剤)として算定できる。
  • 単位が個だと固形剤、gだと液剤と言った単位を目安に剤を決める方法もあるが、アーガメイトの薬価基準上の単位がgから個に変わったのが2010年(この時点はgと個が混在)であり、2012.4のIFでは内服用液剤となっていたことからアーガメイトはこれには属さない。
  • 液剤として算定はできるが、配合はできないので他の液剤(シロップ等)との計量混合加算は算定できないし、配合不適の薬剤扱いとして、他の液剤とは別剤として算定可能。
  • アーガメイト以外の内服用ゼリー剤は内服用固形剤に入るが、内服用固形剤とは全く剤形が異なるので、一般名処方の際の後発医薬品剤形変更時にゼリー剤以外の剤形からゼリー剤に変更はできない。
    内服薬の場合、薬価基準収載医薬品コード(厚生労働省の薬価基準のページでDL可能)で、A~E:散剤、F~L:錠剤、M~P:カプセル、Q~S:液剤、T,X:その他の分類に従うため、Qに該当するゼリー剤は全て液剤扱いとなる。

レセプト摘要欄(調剤報酬請求書及び調剤報酬明細書に関する事項

(配合禁忌等の理由により内服薬を別剤とした場合)
「配合不適等調剤技術上の必要性から個別に調剤した場合」、「内服用固形剤(錠剤、カプセル剤、散剤等)と内服用液剤の場合」、「内服錠、チュアブル錠及び舌下錠等のように服用方法が異なる場合」又は「その他」から最も当てはまる理由をひとつ記載すること。「その他」を選択した場合は、具体的な理由を記載すること。

Q&A(H28年調剤報酬改定)

(問2)内服薬と外用薬の調剤料の取扱いについて、同一の有効成分であって同一剤形の薬剤が複数ある場合は、その数にかかわらず1剤(1調剤)とされているが、「同一剤形」の範囲はどのように考えたらよいか。

(答)下記の剤形については、それぞれ別剤形として取り扱う。
○内用薬
錠剤、口腔内崩壊錠、分散錠、粒状錠、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、末剤、液剤、シロップ剤、ドライシロップ剤、経口ゼリー剤、チュアブル、バッカル、舌下錠

○外用薬
軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、液剤、スプレー剤、ゼリー、パウダー剤、ゲル剤、吸入粉末剤、吸入液剤、吸入エアゾール剤、点眼剤、眼軟膏、点鼻剤、点耳剤、耳鼻科用吸入剤・噴霧剤、パップ剤、貼付剤、テープ剤、硬膏剤、坐剤、膣剤、注腸剤、口嗽剤、トローチ剤(参考:「薬価算定の基準について」(平成28年2月10日保発0210第1号)の別表1)
なお、本取扱いは、内服薬と外用薬に係る調剤料における考え方であり、例えば、調剤時の後発医薬品への変更に関する剤形の範囲の取扱いとは異なることに留意すること。

※後発医薬変更に関する剤形の範囲の取り扱い=内服のみ類似する別剤形であれば変更可能(参考)
類似する別剤形の医薬品とは、内服薬であって、次の各号に掲げる分類の範囲内の他の医薬品をいうものであること。(例:アムロジピン錠(5)→アムロジピンOD錠(5)への変更は可。ゼリーやシャンプーはその剤形のみでの変更)

  • ア 錠剤(普通錠)、錠剤(口腔内崩壊錠)、カプセル剤、丸剤
  • イ 散剤、顆粒剤、細粒剤、末剤、ドライシロップ剤(内服用固形剤として調剤する場合に限る。)
  • ウ 液剤、シロップ剤、ドライシロップ剤(内服用液剤として調剤する場合に限る。)

なお、外用薬は、処方医への確認を要しない変更調剤の対象外とする。

※自家製剤加算における「同一剤形」=変更後の剤形と同一剤形及び同一規格を有する医薬品が薬価基準に収載されていて加算を算定できるか否かの判断(参考)
内服薬の下記の剤形については、それぞれ別剤形として取り扱うこと。その他については、内服薬及び外用薬における「同一剤形」の取扱いと同様である。(例:錠剤をつぶして散剤したら、顆粒剤が薬価収載されていても別剤形として算定可。錠剤をつぶしてカプセル剤にした場合は、錠剤は別剤形とみなし算定可?。)

  • ○内用薬
    • ① 錠剤、口腔内崩壊錠、分散錠、粒状錠、カプセル剤、丸剤
    • ② 散剤、顆粒剤、細粒剤、末剤
(問3)上記の問に関連して、例のように濃度を変更するなどの目的で、2種類以上の薬剤の比率を変えて混合した処方が複数ある場合は、それぞれの処方を別調剤として取り扱った上で、計量混合調剤加算を算定できるか。

例)
Rp.1 A剤10g、B剤20g(混合)
Rp.2 A剤20g、B剤20g(混合)

(答)2種類の薬剤を計量し、かつ、混合した処方が複数ある場合は、それぞれについて計量混合調剤加算を算定できる。(例の場合は、Rp.1とRp.2のそれぞれについて、調剤料と計量混合調剤加算を算定できる)

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記事No1830 題名:同一有効成分の処方日数が違う場合の調剤料 投稿者:みなみ 投稿日:2021-11-05 12:20:28

管理人tera様
お返事ありがとうございます。とても分かりやすい説明で勉強になりました。
またよろしくお願いいたします。


記事No1829 題名:Re:みなみ様 投稿者:管理人tera 投稿日:2021-11-04 17:56:43

はじめまして。
処方日数が異なる場合は、朝夕食後の不均等で処理できないので、自分なら漸増は使わず状況により力業で調剤料を付けたり外したりして処理するかなと思います。
処方が①と②のみであれば、朝食後の調剤料を算定し、夕食後は外して請求します。
処方が①と②以外に③朝食後28日分の薬があったなら、③朝食後の28日分と②夕食後20日分の調剤料、①の調剤料は力業で削除して請求しますね。


記事No1828 題名:同一有効成分の処方日数が違う場合の調剤料 投稿者:みなみ 投稿日:2021-11-04 12:17:53

既出でしたらすみません。初めて質問させていただきます。
同一有効成分は用法をまとめて入力をしているのですが、処方日数が違う場合はどのように処理したら良いか悩んでおります。
例えば、

①アムロジピン錠(2.5)1T
 1日1回 朝食後   28日分

②アムロジピン錠(5)1T
 1日1回 夕食後   20日分

※残薬調整により処方日数が異なっている

上記のような処方があった場合、漸増で処理をした方がいいのか、そのままでレセプト請求して良いのか・・・説明が足りなかったらすみません。アドバイスいただけるとありがたいです。


記事No1582 題名:Re:カバ様 投稿者:管理人tera 投稿日:2021-01-14 23:07:39

ペンタサ8g多いですね・・・。というのはおいておいて、
1つめの漸減の例は、錠数に関係なく、プレドニゾロンが朝食後に35日分として計算します。そのため、クエン酸と同一なのでまとめて、ペンタサと合わせて2剤カウント。
2つ目の漸減の例は、リウマトレックスやチャンピックスと同様に特別な一剤としてカウントするため、カロナールと合わせて2剤カウントします。


記事No1578 題名:漸減療法の調剤点数について 投稿者:カバ 投稿日:2021-01-12 17:02:24

以下の処方について教えてください。
ペンタサ顆粒94% 8g
分2朝夕食後 35日分

クエン酸第一鉄Na錠50mg 2錠
分1朝食後 35日分

プレドニゾロン錠「タケダ」5mg 4錠
分1朝食後 7日分
プレドニゾロン錠「タケダ」5mg 3錠
分1朝食後 14日分
プレドニゾロン錠「タケダ」5mg 2錠
分1朝食後 14日分
(漸減療法)

この場合は調剤料はどのような計算になりますでしょうか。
漸減療法の場合、錠数が変わっていることにより別で算定できるのか、服用時点が同一のため算定できないのか気になりました。

また、
プレドニゾロン錠「タケダ」5mg 3錠
分3毎食後 7日分
プレドニゾロン錠「タケダ」5mg 2錠
分2朝夕食後 21日分
プレドニゾロン錠「タケダ」5mg 1錠
分1朝食後 21日分
(漸減療法)

カロナール200mg 2錠
分2朝夕食後 14日分

この場合の調剤料の計算についても確認させてください。宜しくお願い致します。


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