発電機とモータの仕組み

発電機

発電機とは電磁誘導の仕組みを利用して、力と磁場(磁束密度の変化)により、電気を生み出す機械のこと。

磁場の中でコイルを回転させると、コイルを貫く磁束密度が変化するので電場が発生し電流が流れる。(実際は磁石のほうを回転させている)

図では1巻のコイルを示している。こうした四角く巻いたコイルを方形コイルといい、通常中に鉄心を入れて使用される。

鉄心は損失を抑えるために積層構造になっていて、デットポイント(始動できない回転位置)を解消するために3個以上の電気子コイルが使わる。

直流電流では回転するコイルにより電流の向きが変わるのを防ぐために、整流子とブラシが使われる。

整流子が180度回転するごとに、ブラシが接触する部分が交互に切り替わり、電流の方向が切り替わる(転流)。

ブラシには摩耗しにくい素材が選ばれているが、摩耗はゼロにはならないので定期的なブラシ交換が必要になる。摩耗で発生した粉を取り除く清掃も必要になる。

整流子は、導電率が高く摩耗しにくい銅、または銀を混入した銅の合金で作られる。

ブラシはブラシホルダーに備えられ、内蔵されたスプリングなどの力でブラシを整流子に押し付ける。素材はカーボンが使われる。

こうして、交流電流の正の部分だけが取り出され、この脈流をコンデンサなどで平滑して直流電流に整える。

交流発電機は整流器、ブラシは必要なく、そのまま取り出すことができる。

発電所で作られる交流は、3つの単相交流を3本のケーブルで送られている(三相交流)ため、120°ずらした状態でコイルを配置して、中の磁石を1回転するごとに1/3ずつ位相のずれた3つの電流を取り出す。

モータ

モータとはローレンツ力(向きはフレミングの左手の法則)の仕組みを利用して、磁場と電流により、力を生み出す機械のこと。

磁場の中にあるコイルに電流を流してコイルを回転させることで動力を得る。

仕組みは、発電機の逆なので、装置の基本構造は同じである。

簡単モーターの作り方は、磁石を使って一番かんたんなモーターを作ってみよう!で紹介されている。

説明補足すると、電池のマイナス極にくっつける磁石は、N極をつけてもS極をつけてもかまわない。電池のマイナス極は極性がないのでどちらの極でもくっつく。

Nをくっつけたなら、磁界は上向きであるので、フレミングの左手の法則により、電流の向きと力の向きが水平方向に90°離れた状態で配置される。電流がコイルの中を通るということは、水平の状態で360度回転していくという事なので、力も90°離れた状場所で回転していくということ。

つまり、磁界が上向きなら電流は反時計回りに、力は90°遅れた位置を反時計回りに回るという事。

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