ディレグラ配合錠の作用機序

ディレグラ配合錠

背景

アンケート調査により78%以上が鼻閉症状を有すると言われる。名前の由来:decongestant(充血をとる)。

適応

アレルギー性鼻炎のみ(鼻閉が中等度以上)

用法用量

用法は、12歳以上の小児に1回2錠(2錠にアレグラ1個分と塩酸プソイドエフェドリン120mgを含有)を朝と夕の空腹時に服用する。

1回2錠かつ1錠がアレグラの1錠より大きい理由は、1錠中のプソイドエフェドリンの含有量が10%を超えると覚せい剤原料になってしまうため。大変だけど大きい粒を朝2個、夕2個で1日計4個服用する。

空腹時である理由は、空腹時のほうが吸収が良いからとのこと。空腹時とは、食事の直前でも食間でも大丈夫。

重要な基本的注意にて、鼻閉症状が強い場合のみの最小限の期間にとどめ、鼻閉症状の緩解が見られた場合には速やかに抗ヒスタミン剤単独療法等への切り替えを考慮すること。「本剤を2週間以上投与した時の有効性及び安全性は検討されていない」とあるが、メーカー曰く長期連用でもリバウンドは起こらないとのこと。

薬効薬理

ディレグラ=フェキソフェナジン+プソイドエフェドリン

薬理作用としては、アレグラによる抗ヒスタミン+ケミカルメディエーター阻害作用に加えて、塩酸プソイドエフェドリンのα交感神経刺激作用により血管を収縮して鼻閉を抑え(鼻にはα1受容体がある。βはない)、分泌物の排泄を促進する。

ディレグラ配合錠の作用機序

エフェドリンの作用

エフェドリンの作用は、交感神経終末部において、

  • 1、アミントランスポーターによって取り込まれNE遊離作用(間接作用、α1作用
  • 2、受容体に直接作用する(直接作用、β1,2作用

がある(混合型NE作用薬)。

エフェドリンの昇圧作用は、1の作用によってNEを遊離して血管平滑筋のα1受容体に作用して血管収縮することによる。一方、気管支拡張作用は、2のβ2受容体刺激作用ということになる。

エフェドリンの頻回投与によって、神経終末のNEが枯渇することによってタキフィラキシー(速成耐性)を示す。

また、血液―脳関門を通過し、中枢を興奮させる。MAOにより分解を受けにくい。

メチルエフェドリンの作用

カフコデ等に入っているdl-メチルエフェドリンは、エフェドリンと類似のαβ作用を示すが、気管支拡張作用はエフェドリンより強く、中枢性の鎮咳作用があるため、主として咳止めとして利用される。

プソイドエフェドリンの作用

指定第二類医薬品で、ディレグラ配合錠以外にプソイドエフェドリンを含有する医療用医薬品はない。

エフェドリンに比べるとα1、β1作用及び中枢作用は弱く、β2作用はほぼ同等と言われる。そのため、エフェドリンのα1作用のようなリバウンドは起こらないといわれる。

禁忌

簡単に羅列すると、

  • MAO阻害薬投与中・・・MAOによる分解を受けにくいため血中濃度上昇
  • 重篤の高血圧がある・・・エフェドリン系のα刺激作用の血圧上昇
  • 重篤の冠動脈疾患がある・・・上に同じ
  • 狭隅角緑内障がある・・・α刺激作用は、毛様体平滑筋のα受容体を介して毛様体筋を収縮させることで、ぶどう膜強膜流出路からの眼房水排出を抑制する。β刺激作用は眼房水を産生を高める。緑内障
  • 尿閉がある・・・α1刺激作用は、前立腺を収縮させ、膀胱の緊張を高める。前立腺肥大
  • エフェドリン系アレルギーがある
  • 交感神経刺激薬のSE歴がある

の7つです。

鼻閉を引き起こす物質

オノンのようなロイコトリエン拮抗薬と併用できる。

ロイコトリエンは血管拡張作用や好酸球の増多作用を持つ(LTC4、LTD4は気管支収縮、血管透過性亢進作用)。好酸球はLTC遊走活性を持つため鼻閉症状を増悪させる。

コメントor補足情報orご指摘あればをお願いします。

(件名or本文内でキーワード検索できます)



記事No91 題名:Re:伊海公子さまへ 投稿者:管理人tera 投稿日:2015-04-17 22:15:01

>>ディレグラを飲むと、歩行時の不安が解消されるについて
ディレグラの成分は抗アレルギー薬とαβ刺激(交感神経刺激)作用しかないので、普通はそのような作用が起こることはないかと思います。作用機序で説明はつかないということです。
副作用についてはプソイドエフェドリンの作用ですかね。覚醒とか便秘、口渇全て大体はプソイドエフェドリンです。今起きてないならそんなに気にする必要ないと思いますが・・・。
何にしろディレグラ自体長期に服用しないほうがいいと思いますので、他の代替薬があればいいんですが。。。

http://goo.gl/RZQsqk
のURLにあるようにプソイドエフェドリンが入った市販の医薬品も沢山あるので、そちらを試してみて効果があればそのせいかもっていう感じでふるいにかけてみるってのもありですね。


記事No89 題名:ディレグラ配合錠の作用についての質問 投稿者:伊海公子 投稿日:2015-04-16 20:23:24

この度、鼻炎によいお薬があると紹介され試しに服用しましたところ、以前から気になっていた左首筋の腫れも引きました。また、歩行時にどうしても左足だけ不安定になり、不安だったものがディレグラ錠の服用時には改善され、不安が解消されます。しかし、睡眠障害や便秘や鳩尾の不快感、薬を飲まなかった時の左右耳の後ろの痛み(肩からの)など、副作用があります。薬剤師さんと相談したところ、1回1錠で症状を見ながら1日1回など試しています。歩行時の不安解消がどのような作用によるものなのか、このまま飲んでもよいかなどお尋ね致します。  


ページトップへ