インフルエンザA型・B型・C型とは

インフルエンザの原因は細菌ではなく、直径100nmの多核性のオルソミクソウイルス科に属するRNAウイルスです。

内部たんぱく質の抗原性の違いによりA型、B型、C型の3つに大別されます。

さらにA型はHA(赤血球凝集素)NA(ノイラミニダーゼ)という糖タンパクの種類により複数の亜型が存在します。

A型 B型 C型
亜型多い
(HA15種類、NA9種類)
亜型1つ
(HA1種類、NA1種類)
亜型1つ
(HE1種類)
Aソ連型(H1N1)
A香港型(H3N2)
A型の中でもH1、H2、H3は人の間で感染が起こり流行株になる
人に感染(流行株) 人に感染(非流行株)

インフルエンザウイルスは患者さんのくしゃみ、咳などで吐き出される微粒子を介して飛末感染します。

まず、鼻腔、咽頭粘膜の上皮細胞表面にあるレセプター(シアル酸)にHAが結合します。

そして、 エンドサイトーシスにより細胞内に取り込まれた後、HAの構造に変化が生じ、ウイルス膜とエンドソーム膜が融合します。

その後、M2(イオンチャネルとして働くたんぱく質で、ウイルスの脱穀に関与する)を介して、 エンドソーム内の水素イオンがウイルス粒子内に流入するとRNAが細胞質内に放出されます(脱穀)。

核にてRNAが複製されたあと、ウイルスのHAとNAの末端にはシアル酸が結合しているため、 NAはこれらのシアル酸を切り離し、ウイルス同士が凝集して感染性を失うのを防ぎます。

インフルエンザウイルスの抗原変異には以下の2つがあります。

連続変異 A、B型に関与し、HAとNAのアミノ酸配列の点変異によって抗原性がわずかに変化し、抗体の結合能が低下する
不連続変異 遺伝子再集合により、HA、NAのまったく別の亜型をもつウイルスが出現する。A型に関与。新型インフルエンザが出現し、世界的大流行を引き起こす。

関連ページ

コメントor補足情報orご指摘あればをお願いします。

(件名or本文内でキーワード検索できます)



  • << 前のページ
  • 次のページ >>
ページトップへ