C型肝炎とは
肝がんの原因の約65%はC型肝炎ウイルスによるもの。高齢になるほど肝がんになる可能性が高くなる。
肝炎は自覚症状が殆ど無い。
C型肝炎ウイルスに感染すると、体がそれを排除しようと肝臓を攻撃するために、肝臓が炎症を起こし肝炎となる。2,3割は自然軽快するが、残りは慢性化(慢性肝炎)し、その後10年スパンで肝硬変→肝がんへと移行する。
C型肝炎の感染ルートは、感染している人の血液を用いた輸血、血液製剤や、汚染された注射器や注射針による医療行為であり、母子感染の感染率は低いし、性行為も生理中でなければ問題ない(薬が精子中に移行する可能性はある)。
C型肝炎ウイルス(HCV)に感染しているかどうかは、血液検査で検査可能。
C型肝炎の検査
- HCV抗体・・・C型肝炎ウイルスに感染すると作られる抗体。現在感染しているか、過去に感染していたことがあるかがわかる。
- HCV-RNA・・・C型肝炎ウイルスの遺伝子を調べる。ウイルスの種類(ジェノタイプとセログループ)を調べる定性検査とウイルスの量を調べる定量検査がある。
セログループ | ジェノタイプ | 頻度 | 治療 |
---|---|---|---|
1 | 1a | まれ | インターフェロン+抗ウイルス薬1~2種 インターフェロン単剤 抗ウイルス薬1~2種 |
1b | 70% | ||
2 | 2a | 20% | インターフェロン+抗ウイルス薬1種 インターフェロン単剤 抗ウイルス薬1~2種 |
2b | 10% | ||
その他 | 3,4,5,6 | 不明 | 抗ウイルス薬1~2種 |
検査の流れ:HCV抗体の有無→有なら→HCV-RNAの検査→陽性なら→C型肝炎として定性検査/定量検査及び、肝機能検査(血液、エコー、CT、MRI、腹腔鏡検査、肝生検等)。
C型肝炎の治療
ウイルスを完全に排除する方法として、インターフェロン(ウイルスを攻撃する物質)を用いる方法と、直接ウイルスを攻撃する抗ウイルス薬を使用する方法がある。
完全排除をできない場合は、インターフェロンの少量長期投与や肝庇護剤、瀉血薬で進行を遅らせる。
過剰な鉄は、肝炎ウイルスが感染している自己細胞の活性酸素によるアポトーシスを助長する。また、肝臓が産生するヘプシジン(鉄抑制因子)が低下してフェリチンとして肝臓に蓄えられる鉄量が増大する。ので、控えること。
コペガス(orレベトール)*ソバルディ併用療法
- コペガスはソバルディと一緒に使用することにより、ウイルスの増殖抑制効果が期待できる。
- ソバルディはウイルスの合成を直接阻害することにより、体内のウイルスを排除する。
- セログループ2の人は12週、セログループ1またはセログループ2以外の人は24週治療する。
- 副作用は、貧血またはヘモグロビン減少が見られることがあるので、同期や息切れ、めまい、頭痛、疲労感に注意する。
- コペガスは体重により服用する量が異なる。
- コペガスはインターフェロンアルファ-2a(ペガシス)かソバルディ併用で、HCV-RNAが陽性でなければならない。
- 本剤とPEG-IFNとの併用により、本剤並びにPEG-IFNの抗ウイルス作用が増強され、その程度は相加的~準相乗的であった。本剤の詳細な作用機序は明らかではないが、HCV由来RNA依存性RNAポリメラーゼの阻害作用と、ヘルパーT細胞のバランスを変動させる免疫調節作用とが抗HCV作用を示すと考えられる。
体重 | 1日投与量 | 朝食後 | 夕食後 |
---|---|---|---|
60kg以下 | 600mg | 200mg | 400mg |
60kgを超え80kg以下 | 800mg | 400mg | 400mg |
80kgを超える | 1,000mg | 400mg | 600mg |
医療費助成制度
別ページ参照
参考:わかりやすいC型肝炎のおはなし(泉並木氏)他
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