DNAワクチン療法

DNAワクチン療法とは、Th1を優先的に誘導して、Th1/Th2のアンバランスを是正してアレルギー反応を抑制する治療法である。

ただ、ダニなどのアレルゲン特異的Th2細胞に対して、全てのTh1細胞が抑制的に作用するというわけではなく、例えば、ダニ特異的Th2細胞の抑制には同じくダニ特異的なTh1細胞の活性化を必要とするというように、 抑制したいTh2細胞が感受性を持つアレルゲンと同じアレルゲンに反応するTh1細胞を誘導する必要がある。

具体的には、対応するアレルゲンの遺伝情報を持ち、かつCpG配列(immunostimulatory sequences:ISS)を含むDNAを、ベクターであるRプラスミドに組み込んで、プラスミドを樹状細胞などの抗原提示細胞に 取り込ませる。

この時、アレルゲンとCpG配列を同時に含むDNAを用いるのは、CpG配列のみを含むDNAだとアレルゲン非選択的なTh1細胞が誘導してしまうためである。

その後は、DNAからアレルゲンが翻訳・合成され、アレルゲンは抗原提示細胞によってペプチドへと分解されて、T細胞へと引き渡される。

樹状細胞の活性化は上記のように、IL-12の産生を促進、T細胞のIL-12受容体の発現を増強して、Th1への分化を促すことで、Th2優位な状態からシフトさせる。

なお、図のように過剰なPGE2やヒスタミンなどが存在すると、IL-12の産生は抑制されてTh1への分化は抑制される。

※CpG配列とは、中心部にシトシン(C)とグアニン(G)が並び、合計で6塩基からなる特殊な塩基配列のことである。哺乳類にはこの配列は認められないため、哺乳類にとってCpG配列は非自己として認識される。


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