尋常性疣贅(イボ)

イボの病理

イボは、ウイルス性と非ウイルス性の2種類に大別することができるが、多くはヒト乳頭腫ウイルス(ヒトパピローマウイルス:HPV)が、皮膚の傷口より感染して引き起こされた良性の腫瘍です。正常皮膚には感染せず、小さな傷から皮膚内へ侵入して、表皮の一番深い層にある基底細胞へと感染します。

ウイルス性のいぼの原因となるHPVは、皮膚の傷口から侵入するため、皮膚を清潔に保つとともに外傷を受けることが多い手足や膝、手荒れや髭剃り後等の肌荒れに対して、保湿等スキンケアを心がける。 また、HPVは、プールで感染することがあるので、プールに入った後は手足の指の間までよく洗い、汗や汚れを落とすこと。

非ウイルス性のいぼは、紫外線による皮膚の劣化が原因でおこるため、外出時は日焼け止めを塗る等紫外線対策をするとよい。

イボの治療

イボは、1~2年で自然に治癒するため、特に治療の必要性はないですが、気になる場合や早く治癒させたい場合に内服薬(ヨクイニン等)や外用剤(オキサロール+スピール膏等)を用います。また、感染細胞をすべて取り除くために、液体窒素冷却法により感染細胞を冷凍破壊して取り除く方法もよく使用されます。

イボの治療法は、ほかにもグルタルアルデヒド塗布法、接触免疫療法、シメチジンの内服レーザー治療などがあります。

イボの治療薬

一般用医薬品の角質軟化薬はサリチル酸を主成分とした外用薬が用いられる。

種類 分類 成分 作用
外用薬 角質軟化薬 サリチル酸 角質軟化、防腐殺菌
乳酸 角質軟化、古くなった皮膚の再生
皮膚形成剤 コロジオン 薄い耐水性の皮膚を作り、サリチル酸を患部に固着
局所麻酔薬 ジブカイン塩酸塩 痒みの感覚を抑制
内用薬 生薬 ヨクイニン 全身的な免疫賦活

サリチル酸の腐蝕作用を利用して、角質を軟化させるため、表面がザラザラした角質化いぼに使用する。

皮膚軟化薬の貼付剤は1~5日間貼付、液剤、ジェル剤は2~5日感連続で塗布した後、白くなった角質部分を痛みを感じない程度に取り除く。なお、患部が完全に取り除けなかった場合は、さらに貼付または塗布を続ける。入浴後や蒸しタオルで患部を暖めると、皮膚がふやけて薬剤が浸透しやすい。

妊婦が使用する場合は、サリチル酸の経口投与に催奇形性が報告されているため、念のため医師への相談。乳幼児が使用する場合も、サリチル酸が血中へ移行して全身性の副作用が発現するおそれがあるため、頭痛、めまいなどが現れた場合、医師へ相談。

ヨクイニンは単独でイボを治療することが難しいため、全身的な免疫賦活を目的に角質軟化薬と併用する。ヨクイニンは、体内への吸収を高めるため、食前または食間の空腹時に服用する。ヨクイニンを1~3ヶ月使用しても改善が見られない場合は、服用を中止し、医師へ相談。

参考・引用(ENIFニュース 16 Vol22)

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