掌蹠膿庖症
掌蹠膿庖症は、手の平や足の裏に無菌性の膿庖が多発し、寛解と増悪を繰り返しながら経過する疾患です。かゆみはあっても軽度です。
水庖内にはリンパ球(好中球)の浸潤がみられますが、細菌は認められません。病因の究明は、まず乾癬、特に膿庖性乾癬でないかを確かめ、乾癬でなければ病巣感染(慢性扁桃腺炎、歯周病、副鼻腔炎)、金属アレルギーがないかを確かめます。およそ3割のひとがここまででどれかには該当します。他7割のヒトは原因不明のまま対症療法を受けることとなります。これまでの症例では、およそ3~7年でほとんどのひとが自然治癒するとは言われています。
病巣感染の場合は、耳鼻科、歯科にいき適切な治療を受けます。金属アレルギーの場合は、その多くは歯科金属に原因があることが多いです。金以外の金属はその一部が消化管より吸収され、汗、尿、乳汁、髪中に排泄されます。掌蹠は体中で汗器官が最も密に分泌し、汗中の金属濃度が最も高い部位ですのでここに好発します。私生活では、ネックレス、指輪など金属類は身につけない、水道水は流し始めの5分は使用しない、缶詰など缶製品は使用しないなどに気をつけるように。
掌蹠膿庖症の治療は、まずはステロイドの外用、それでも効果がないようならば、ビタミンD3の外用、抗生剤の内服(好中球遊走抑制作用のあるもの)、ビオチン、ビタミンA製剤、免疫抑制薬、コルヒチンを併用します。
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