タバコ、喫煙と関連薬
ニコチンはタバコの葉から分離されたアルカロイドで、タバコの葉に2~8%含有される。
ニコチンはアセチルコリン受容体に作用してドパミン放出を促進することにより快感を上昇させる。ドパミンの過剰はシナプス前ニューロンに負のフィードバックをかけ、シナプス後ニューロンのドパミン受容体数を減少させることでシナプスの機能不全(離脱症状)を引き起こす。
タバコの種類
タバコには一般的によく知られている紙巻きたばこ以外にもいくつかある。
- 紙巻きたばこ・・・従来からのたばこ、メビウスやセブンスター等
- 加熱式たばこ・・・タバコの葉を使っている。IQOS、gloTM、Ploom等
- 電子タバコ・・・タバコの葉を使っていない。DR、VAPE、Juul等
- 水たばこ・・・シーシャ
加熱式タバコ
タバコの葉に熱を加えてニコチンなどを含んだエアロゾルを発生させる方式。
たばこ事業法によりタバコとして管理されている。
IQUSやgloTMはタバコの葉を含むスティックを200~400℃に加熱する一方で、Ploomeは粉末のたばこの葉を含むカプセルにグリセロールやプロピレングリコール等含む溶液を加熱して発生させたエアロゾルを通し、吸引させる。
紙巻きたばこの燃焼温度が500~900℃で喫煙するため、燃焼による有害化学物質(CO、ベンゼン、ベンゾ[a]ピレン)の発生量が削減されるが、150℃程度で放出されるニコチンやアクリルアミドの量は変わらないとされている。
電子タバコ
吸引気に溶液を入れ、加熱して生じたエアロゾルを吸い込む方式。
ニコチン入りの電子タバコは薬機法により規制されているため販売は出来ないが、個人使用を目的とした海外からの輸入は規制されていない。ニコチンが含まれない電子タバコは未成年であっても禁止されていない。
水タバコ
はちみつ、香料等を含む半ペースト状のタバコ葉を住で加熱して発生した煙を、水にくぐらせてから吸入する方式。
紙巻きタバコが1本5分程度であるのに対して、水たばこは1回の喫煙が1時間以上かかる。水たばこであっても紙巻きタバコと同様に有害物質に曝露される。
喫煙の薬物に対する影響
タバコの煙に含まれる多環芳香族炭化水素(PAH)のベンゾ[a]ピレンが各内受容体の芳香族炭化水素受容体(AhR)に結合し、転写因子を活性化してCYP1A2を過剰に発現させることが知られている。
喫煙による影響が報告されている薬物としては、CYP1A2で代謝される、抗精神病薬(オランザピン、クロザピン、ハロペリドール)、抗うつ薬(デュロキセチン、フルボキサミン)、テオフィリン、β遮断薬(プロプラノロール)などが上がれられる。
禁煙補助薬
ニコチン製剤のニコチンガム、ニコチネルパッチと、非ニコチン製剤のチャンピックス(バレニクリン)がある。
2種のニコチン製剤はガムやパッチに含有させたニコチンを体内にゆっくりと吸収させ依存性を起こさずに禁煙に導く方法である。ガムはかみ方によって効果に差が出るのが難点。
バレニクリンはα4β2ニコチン受容体に選択的に作用し、ニコチンの結合を遮断してドパミンの放出を抑制するとともに、少量のドパミンを放出させることで離脱症状を軽減させる。
(参考文献:調剤と情報2024.8)
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