帯状疱疹
帯状疱疹は、幼少期に罹患した水痘ウイルスが、治った後も体内(顔面三叉神経節、脊髄後根神経節、坐骨神経等)に残り、加齢やストレス、披露、感染症、免疫抑制剤や抗がん剤などの薬剤がきっかけで、体内に潜んでいた水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が再活動するためにできる皮膚病です。
活性化したウイルスは神経を伝わり皮膚にでて炎症を引き起こす。
その際に神経細胞と神経線維を傷つけるために、強い神経痛を伴います。神経線維のまわりの髄鞘(ミエリン鞘)が失われると神経線維の絶縁が不十分になって他の感覚神経と接触(エファプス)し、皮膚に軽く触れただけでも痛みを感じるようになる(アロディニア)が起こることがある。
このエファプスが感覚神経だけでなく交感神経とも形成されてしまうと、自発的かつ持続的な刺激が引き起こされるため、できるだけ髄鞘が失われる前の早い時期に治療することが望まれる。
炎症は抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル)の内服ですぐに消えますが、帯状疱疹神経痛は割と長く残ることが多いです。特に顔面の神経痛は他の部位よりも痛みが残りやすく、60歳以上の患者さんでも高率に痛みが残ります(長いときは1年以上)。
抗ウイルス薬はいずれも腎臓から排泄される薬剤であるため、腎機能低下患者については投与量を減量する必要がある。
帯状疱疹神経痛には、第一選択として、
- Caチャネルα2δリガンド(プレガバリン、ガバペンチン)
- 三環系抗うつ薬(ノルトリプチリン、アミトリプチリン、イミプラミン)
- SSRI(デュロキセチン)
第二選択には、
- ノイロトロピン
- トラマドール
第三選択には、
- オピオイド(フェンタニル、モルヒネ、オキシコドン等)
が使用される。
三叉神経から枝分かれした鼻毛様体神経で炎症が起こると、目の合併症が生じ、失明に発展する恐れもある。
予防は水痘ワクチンで、2016.3に50歳以上に対する帯状疱疹予防の効能が追加された。生ワクチン(弱毒水痘ウイルス)。
基本的には、1生涯に1回だが、2回以上なる人もいる。
(参考・引用元:クレデンシャル2017.3)
コメントor補足情報orご指摘あればをお願いします。
- << 前のページ
- 次のページ >>