抗ヒスタミン薬の作用機序

ヒスタミン受容体にはH1受容体とH2受容体の2つがありますが、アトピーに関係するのは主としてH1受容体です。

ヒスタミンが血管平滑筋、気管支平滑筋らのH1受容体に結合すると下図のような一連の反応により、血管拡張が起こり、その影響で内皮細胞の間隙が増大して血管透過性亢進作用が起こります。

その他、ヒスタミンは知覚神経(求心性)を刺激し、かゆみ、痛みを脳へと伝えます。なお、知覚神経刺激が軸索分岐(脳への方向と血管への方向)から通常であれば中枢へ通じるところ、皮膚血管へと伝えられて血管内皮細胞による内皮細胞由来弛緩因子(EDRF)を介して間接的に血管に作用する血管拡張作用もある(軸策反射)。

ヒスタミン受容体は、刺激がない状態では全て非活性型をとっている通常の受容体とは異なり、活性型と非活性型が絶えず切り替わっていて(平衡状態)、活性型の状態ではヒスタミンによる刺激がなくてもシグナルが伝達されている(恒常的活性)。

ヒスタミンが結合できるのはヒスタミン受容体が活性型となっているときのみであり、活性型に結合することで平衡状態を活性側へとシフトする。

ビラノアをはじめとして抗ヒスタミン薬にはインバースアゴニスト作用と呼ばれる、競合阻害をするアンタゴニストとは異なる、逆側、すなわち抑制側へと進行させるアゴニスト作用を持っている。インバースアゴニストは非活性型へ結合して、平衡状態を非活性型へとシフトさせるため、恒常的活性化と活性型への変化を抑えて、ヒスタミンが結合しにくい予防効果を示すといわれる。

中枢側では覚醒と食欲に関わっています。よって抗ヒスタミン薬は副作用として眠気を生じます。
H2受容体は主として胃粘膜に存在しますが、Th2にも存在するため、H2遮断薬も抗アレルギー作用を示します(適応外)。

また、ヒスタミン受容体は樹状細胞にも発現しています。

第二世代の抗ヒスタミン薬にはヒスタミン受容体を遮断する作用以外にも、肥満細胞からケミカルメディエーターの遊離を阻害する作用も持ちます。そのため、第二世代以降の抗ヒスタミン薬は肥満細胞の膜を強化してヒスタミンなどのケミカルメディエーターを外に出しにくくするといった予防的効果も兼ね備えています

<付加作用>
ザジテン、セルテクトには好酸球機能抑制作用、アゼプチンには活性酸素遊離抑制作用がある。


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記事No1827 題名:Re 管理人tera様 投稿者:タカヒコ 投稿日:2021-11-03 19:54:32

ご回答ありがとうございます!
大変勉強になりました。


記事No1826 題名:Re:タカヒコ様 投稿者:管理人tera 投稿日:2021-11-02 13:12:09

細かい機序まではメモしていなかったため、再度調べてみましたが、
通常の受容体は非活性型の受容体に結合して活性型へと変化してシグナルが伝達するわけですが、
ヒスタミンや一部の受容体は、活性型受容体の方に結合してその作用を示すような図があったりするのでそうなるのかなと思っています。逆に抗ヒスタミン薬は活性型受容体への競合阻害に加えて、インバースアゴニストとして非活性型受容体の方に結合することになるかと思います。


記事No1825 題名:質問です 投稿者:タカヒコ 投稿日:2021-10-30 21:55:41

続けての質問申し訳ありません。教科書確認したところ活性型、非活性型の切り替えは解決したのですがそこで新たな疑問が出てきました。ヒスタミンなどは非活性型にひっつきそして活性型に変わるという理解なのですが上記の内容だと逆になっています。ファストメッセンジャーとしてヒスタミンが引っ付くのは不活性型の理解は間違いでしょうか?


記事No1824 題名:質問です 投稿者:タカヒコ 投稿日:2021-10-30 20:48:43

活性型と非活性型が常に入れ替わってるとありますがどういった機序で入れ替わってるのでしょうか?勉強不足の質問で申し訳ありませんがご回答お願いいたします。


記事No749 題名:ヒスタミン薬 投稿者:渡辺 投稿日:2018-10-12 21:15:31

ヒスタミンのGABAの応用が必要です、
PETセンターが終了長谷川中止、
仙台の谷内は嘘ばかり、


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