新感染症・指定感染症・1~5類感染症(感染症法)
感染症の予防と蔓延を防止し、患者への医療を行い、公衆衛生の向上と増進を図ることを目的とした制度。
この法律において「感染症」とは、一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症、五類感染症、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症及び新感染症をいう。
指定
感染症法の規定に基づいて、都道府県知事が指定した薬局。3~5類感染症は公費対象外なので、指定を受ける必要はない。
届出
1~4類は患者が発生するたび、5類は特定の医療機関が診断した医師が、最寄りの保健所に届け出。
給付
新感染症(公費番号29)は原則全額公費。
1類、2類、指定感染症(公費番号28)は入院医療のみ、医療保険優先の残りが公費負担。
それ以外は公費負担の対象外。
新感染症
「新感染症」とは、人から人に伝染すると認められる疾病であって、既に知られている感染性の疾病とその病状又は治療の結果が明らかに異なるもので、当該疾病にかかった場合の病状の程度が重篤であり、かつ、当該疾病のまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいう。
指定感染症
「指定感染症」とは、既に知られている感染性の疾病(一類感染症、二類感染症、三類感染症及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)であって、第三章から第七章までの規定の全部又は一部を準用しなければ、当該疾病のまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあるものとして政令で定めるものをいう。
すなわち、1~3類と同等の扱いが必要となったものとされる。
- 該当なし(H30.12現在)
新型インフルエンザ等感染症
「新型インフルエンザ等感染症」とは、次に掲げる感染性の疾病をいう。
一 新型インフルエンザ(新たに人から人に伝染する能力を有することとなったウイルスを病原体とするインフルエンザであって、一般に国民が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいう。)
二 再興型インフルエンザ(かつて世界的規模で流行したインフルエンザであってその後流行することなく長期間が経過しているものとして厚生労働大臣が定めるものが再興したものであって、一般に現在の国民の大部分が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいう。)
1類感染症
極めて危険であり、直ちに届け出が必要。
- エボラ出血熱
- クリミア・コンゴ出血熱
- 痘瘡
- 南米出血熱
- ペスト
- マールブルグ病
- ラッサ熱
2類感染症
危険であり、直ちに届け出が必要。
- 急性灰白髄炎(ポリオ)
- 結核
- ジフテリア
- 鳥インフルエンザ(H5N1)
- 重症急性呼吸器症候群(SARS)
3類感染症
直ちに届け出が必要。
- コレラ
- 細菌性赤痢
- O-157
- 腸チフス
- パラチフス
4類感染症
直ちに届け出が必要。
- E型肝炎
- A型肝炎
- 黄熱
- Q熱
- 狂犬病
- 炭疽
- 鳥インフルエンザ(特定鳥インフルエンザを除く。)
- ボツリヌス症
- マラリア
- 野兎病
- 他(ウエストナイル熱、エキノコックス症、オウム熱、オムスク出血熱、回帰熱、キャサヌル森林病、コクシジオイデス症、サル痘、ジカウイウルス感染症、重症熱性血小板減少症候群(病原体がフレボウイルス属SFTSウイルスであるものに限る。)、腎症候性出血熱、西部ウマ脳炎、ダニ媒介脳炎、チクングニア熱、つつが虫病、デング熱、東部ウマ脳炎、ニパウイルス感染症、日本紅斑熱、日本脳炎、ハンタウイルス肺症候群、Bウイルス病、鼻疽、ブルセラ症、ベネズエラウマ脳炎、ヘンドラウイルス感染症、発しんチフス、ライム病、リッサウイルス感染症、リフトバレー熱、類鼻疽、レジオネラ症、レプトスピラ症、ロッキー山紅斑熱)
5類感染症
侵襲性髄膜炎菌感染症、風しん及び麻しんは直ちに届出をお願いします。その他の感染症は7日以内に届出
以下、5類感染症の一部(届出必要なもの)
小児科定点届出(小児科医療機関のみ届出)
- RSウイルス感染症
- 咽頭結膜熱
- A群溶血性レンサ球菌咽頭炎
- 感染性胃腸炎
- 水痘
- 手足口病
- 伝染性紅斑
- 突発性発しん
- ヘルパンギーナ
- 流行性耳下腺炎
インフルエンザ定点届出(内科・小児科医療機関、病床数300以上の医療機関)
- インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)
眼科定点届出(眼科医療機関)
- 急性出血性結膜炎
- 流行性角結膜炎
性感染症定点届出(産婦人科等医療機関)
- 性器クラミジア感染症
- 性器ヘルペスウイルス感染症
- 尖圭コンジローマ
- 淋菌感染症
基幹定点届出(病床数300以上の医療機関)
- 感染性胃腸炎(病原体がロタウイルスであるものに限る。)
- クラミジア肺炎(オウム病を除く)
- 細菌性髄膜炎(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌を原因として同定された場合を除く。)
- マイコプラズマ肺炎
- 無菌性髄膜炎
- ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
- 薬剤耐性緑膿菌感染症
類似症定点届出(内科・小児科医療機関)
- 摂氏38度以上の発熱及び呼吸器症状(明らかな外傷又は器質的疾患に起因するものを除く)
- 発熱及び発しん又は水疱
(参考サイト:厚生労働省)
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