目次
加算料(一包化加算)
概要(調剤報酬点数表)
2剤以上の内服薬又は1剤で3種類以上の内服薬を服用時点ごとに一包化を行った場合には、一包化加算として、当該内服薬の投与日数に応じ、次に掲げる点数を所定点数に加算する。
- イ 42日分以下の場合投与日数が7又はその端数を増すごとに34点を加算して得た点数
- ロ 43日分以上の場合240点
※ 1~7日:34点、8~14日:68点、43日以上:240点
補足(調剤報酬点数表に関する事項)
ク 一包化加算の取扱いは、以下のとおりとすること。
- ① 一包化加算は、処方箋の受付1回につき1回算定できるものであり、投与日数が42日分以下の場合には、一包化を行った投与日数が7又はその端数を増すごとに34点を加算した点数を、投与日数が43日分以上の場合には、投与日数にかかわらず240点を所定点数に加算する。
- ② 一包化とは、服用時点の異なる2種類以上の内服用固形剤又は1剤であっても3種類以上の内服用固形剤が処方されているとき、その種類にかかわらず服用時点ごとに一包として患者に投与することをいう。なお、一包化に当たっては、錠剤等は直接の被包から取り出した後行うものである。
- ③ 一包化は、多種類の薬剤が投与されている患者においてしばしばみられる薬剤の飲み忘れ、飲み誤りを防止すること又は心身の特性により錠剤等を直接の被包から取り出して服用することが困難な患者に配慮することを目的とし、治療上の必要性が認められる場合に、医師の了解を得た上で行うものである。
- ④ 薬剤師が一包化の必要を認め、医師の了解を得た後に一包化を行った場合は、その旨及び一包化の理由を調剤録等に記載する。
- ⑤ 患者の服薬及び服用する薬剤の識別を容易にすること等の観点から、錠剤と散剤を別々に一包化した場合、臨時の投薬に係る内服用固形剤とそれ以外の内服用固形剤を別々に一包化した場合等も算定できるが、処方箋の受付1回につき1回に限り算定する。
- ⑥ 同一薬局で同一処方箋に係る分割調剤(「区分番号00」の調剤基本料の「注6」又は「注7」に係る分割調剤に限る。)をした上で、2回目以降の調剤について一包化を行った場合は、1回目の調剤から通算した日数に対応する点数から前回までに請求した点数を減じて得た点数を所定点数に加算する。
- ⑦ 一包化加算を算定した範囲の薬剤については、自家製剤加算(「区分番号01」の「注6」に規定する加算をいう。以下同じ。)及び計量混合調剤加算(「区分番号01」の「注7」に規定する加算をいう。以下同じ。)は算定できない
レセプト摘要欄(調剤報酬請求書及び調剤報酬明細書に関する事項)
以下関連事項抜粋。
(配合禁忌等の理由により内服薬を別剤とした場合)
「調剤技術上の必要性」、「内服用固形剤と内服用液剤」、「服用方法が異なる」又は「その他」から最も当てはまる理由をひとつ記載すること。「その他」を選択した場合は、具体的な理由を記載すること。
(同一の保険医療機関で一連の診療に基づいて同一の患者に対して交付され、受付回数1回とされた異なる保険医の発行する処方箋に係る調剤については、同一調剤であっても、それぞれ別の「処方」欄に記載することとされているが、このことにより、一包化加算、自家製剤加算及び計量混合調剤加算を算定した場合であって「処方」欄の記載内容からは加算理由が不明のとき)
その事由を記載すること。
一包化加算について(関東信越厚生局集団指導資料より)
- 一包化加算の算定対象となる患者は大きく分けて2つある。1つは多種類の医薬品を服用している患者で、薬剤の飲み忘れ、飲み誤りの恐れが考えられる患者と、もう1つは心身の特性により錠剤などを調節の被包から取り出して服用することが困難な患者(例えばリウマチ、パーキンソン病)である。
- 服用時点の異なる2種以上の内服用固形剤、又は3種以上の内服用固形剤が処方されている時、その種類にかかわらず服用時点ごとに一包化して患者に投与する場合算定できる。
以下不適切な例
- 一包化加算の算定は医師の指示とともに一包化の必要性を薬剤服用歴の表書きに記載するよう務めること。
- 患者より治療上の必要性(飲み忘れ、飲み誤り、心身の特性)を確認(一包化の必要性が乏しい一包化調剤でない等の確認)。患者の希望(医師に治療上の必要性がないのにお願い)による。
- 一包化の算定で、医師の指示がなく、薬剤師の判断で行われている場合の対応不備
- 処方箋に一包化の指示がなく、薬剤師が一包化の必要性を判断した場合、医師の了解を得ること。また、一包化の必要性、医師の了解を調剤録に記載して残しておくこと。
- 薬剤師が一包化の必要性から医師が了解した場合で、処方箋に長期に渡り一包化の指示がない場合は、「医師は治療上必要と認めていない可能性がある」とかんがえられるため再度確認すること。
- 一包化薬は一包化という技術全体を評価したものであり、自家製剤加算、計量混合加算は合わせて算定できない。
- 一包化加算と計量混合調剤加算を同時に算定・・・服用時点が重なるものは算定不可(同一処方箋において重ならないものは算定可能)。
- 一包化調剤を行っている診療科と一包化調剤を行っていない診療科のある場合の理由についての記載がない。
- 関節リウマチの診療科では一包化していないが、耳鼻科では一包化している。
補足(その他)
- 同一保険医療機関の異なる診療科から交付された2枚の処方箋を同時に受け付けたケースにおいて、1枚の処方箋だけでは一包化加算の要件を満たさないが、2枚の処方箋を合わせれば要件を満たすような場合には、一包化加算を算定しても差し支えないが、異なる保険医療機関からの交付された処方箋を同時に受け付けた場合は算定不可、異なる保健医療機関の薬でも片方は既に服用中の残薬であれば受付時に外来服薬支援料1を取れるが、この場合は一包化加算は算定できない。(下記QAのまとめ)
- 2剤以上の内服薬で、朝食後と夕食後のように服用時点がかぶらない場合は算定できない。朝食後と朝夕食後のような場合のみ。
- 一包化加算は内服用固形剤を対象とするものである。内服用固形剤とは、錠剤やカプセルだけでなく散剤も該当する。しかし、同用法の散剤が3種類以上でていた場合は、一包化加算ではなく計量混合加算を算定する。同用法の散剤2種と錠剤1種を混ぜて一包化する場合は一包化加算を算定する。
- 上記のように種類以上の散剤の一包化は計量混合加算が妥当であるが、一包化算定要件を満たしていれば一包化加算を算定することもできる。一包化加算を算定する場合は、患者の服薬や服薬薬剤の識別を容易にするための工夫のほか、服薬カレンダーなどを活用した支援をするなど患者の状態を踏まえたものであることが明確であることが必要(下記H20年Q&A参照)
- 一包化加算を算定した剤については、自家製剤加算や計量混合調剤加算は算定できないが、一包化加算を算定していない剤(軟膏のミックスなど)に対して算定することは可能。自家製剤加算や計量混合調剤加算は1調剤行為に対して算定できる。
- 一包化に適さない錠剤(一部のOD錠。OD錠の一包化可否は県により異なる。例えばプロマックDは不可の県もあれば通ってしまう県もある)を含む一包化加算は算定することはできない。
- 一包化する際は、処方箋に一包化の指示があることが必要であるとともに、一包化した理由を薬歴及び調剤録に、医師の指示による一包化の旨をレセプトに記載する。
- 同一医療機関、複数診療科の処方箋をまとめて一包化した場合、双方の診療科の医師に了解を得られていれば、まとめて一包化加算が算定できるのであれば、算定可能。(H30保険調剤QA Q55他)
- 加算が算定できる行為(錠剤の粉砕に限らず、一包化とかも)は、費用を患者から徴収する場合は必ず医師の指示が必要になる。後発医薬品の含量変更(10㎎を20㎎半錠)や、無料での一包化や粉砕であれば、医師の指示は必要ではない。(完全に管理人の主観。意見ある方コメント欄にぜひ)
加算同時算定の関係(内服薬の場合)
嚥下困難加算 | 一包化加算 | 自家製剤加算 | 計量混合加算 | |
---|---|---|---|---|
嚥下困難加算 | × | × | ○ | ○ |
一包化加算 | × | × | ○ | ○ |
自家製剤加算 | ○ | ○ | ○ | ○ |
計量混合加算 | ○ | ○ | ○ | ○ |
注)上記は、同一処方箋の別剤において算定する場合に限る(同一剤の場合は、いずれも不可)(H26保険調剤QAQ58等)
嚥下困難加算は1剤1種類でも算定可能で、他の剤については一包化加算以外の加算を算定可能だが、他の剤についても飲みやすい状態になっていなければならない。
一包化加算は1剤3種類以上、2剤服用時点がかぶる場合かつ、内服用固形剤(錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等)に限り算定可能で、他の剤については嚥下困難加算以外の加算を算定は可能。
一包化の可否
Q&A(群馬県 社会保険委員会Q&Aより)
A:この場合は、理由が明確であると考えられるので「一包化加算」が算定できる。
A:施設入居者への「一包化加算」については、明確な規定はないが、実際には算定要件を満たしていないにもかかわらず一律に点数を算定していたケースが目立つことから、認められない場合が多い。
A:2枚の処方箋の処方内容を併せて「一包化加算」の算定要件を満たしている場合(2剤以上の内服薬又は1剤で3種類以上の内服薬)は、算定して差し支えない。
A:この場合、それぞれ別に調剤し、「一包化加算」を別々に算定するのが一般的だと考えられる。なお、どうしても全部をまとめる必要があるならば、それぞれの処方医に確認し、「外来服薬支援料」を算定すべきである。→同時受付の場合は算定できないと思われる。服薬中の薬の対する評価のため(主観)
A:「外来服薬支援料」を算定するのであれば、「一包化加算」は算定できない。
処方)
1)デプロメール錠25mg 分2 朝夕食後 2錠 28日分
2)アリセプトD錠5mg 分1 夕食前 1錠 28日分
3)デプロメール錠25mg 分1 朝食後 1錠 28日分
以上一包化
以下余白
A:「一包化加算」は算定できない。※同一銘柄は規格違いであっても剤はまとめるが、種類はまとめない。この場合、朝夕食後と夕食前の2剤カウント。
処方)
リスパダール錠1mg 1T
リスパダール錠2mg 1T
セロクエル25mg錠 2T
セロクエル100mg錠 1T
1日1回 夕食後 30TD
以上、一包化
A:4種類と考えられる。「一包化加算」も算定できると考えられる。2種類となり算定不可。
Q&A(H26年調剤報酬改定)
(答)算定して差し支えない。
この場合、一包化をしなかった薬剤及びその理由を調剤録等に記録しておくことが望ましい。
(答)貴見のとおり。
Q&A(H22年度診療報酬改定)
処方1 A錠、B錠 1日3回毎食後 × 14日分
処方2 C錠、D錠 1日2回朝夕食後 × 14日分
処方3 E散、F散 1日1回就寝前 × 14日分
A:算定可能。
自家製剤加算及び計量混合調剤加算は、原則として1調剤行為に対して算定することとしている。質問の例においては、処方1と処方2で一包化加算の算
定要件を満たしており、処方1又は処方2のいずれかで一包化加算を算定することになるが、処方3は、一包化加算の算定対象となる処方1及び処方2のい
ずれとも服用時点の重複がなく、一包化加算の算定対象とならないことから、処方3について計量混合調剤加算の算定が可能である。
処方1 A錠、B錠、C錠 1日3回毎食後 × 14日分
処方2 D錠、E錠、F錠 1日1回就寝前 × 14日分
A: 算定不可。
一包化加算と嚥下困難者用製剤加算は、いずれも原則として処方箋中のすべての内服薬について一包化又は剤形の加工を行うことを前提とし、当該技術全体を評価したものであり、処方箋受付1回につき1回の算定としている。したがって、2つの処方における服用時点の重複の有無にかかわらず、1枚の処方箋について、一包化加算と嚥下困難者用製剤加算はいずれか一方しか算定できない。
A:その通り。
処方1 1日3回毎食後×14日分
処方2 1日1回朝食後×14日分
処方3 1日1回就寝前×14日分(薬剤は2種類以下)
→いずれも内服用固形剤が処方されているものと仮定。
処方1と処方2を一包化。処方3は、処方1・処方2のいずれにも重複する服用時点はないが、自家製剤または計量混合に該当する行為有り。
A:上記例の場合、一包化加算の算定対象となるのは処方1と処方2のみであり、処方3は一包化加算の対象とならない。したがって、処方3において自家製剤加算または計量混合加算を算定しても差し支えない。
Q&A(H20年度診療報酬改定)
A:処方箋の指示の具体的内容及び患者の状態(治療上、一包化が必要か否か)にもよるが、基本的には、1剤で3種類の散剤を計量し、かつ、混合して、服用時点ごとに一包化した場合には、計量混合加算を算定する。ただし、患者の状態が一包化加算の算定要件を満たしており、かつ、処方箋における一包化の指示が当該患者の状態を踏まえたものであることが明確である場合には、一包化加算を算定することができる。
A:差し支えない。なお、異なる医療機関から交付された2枚の処方箋の場合は、一包化加算を算定できない。
A:別々にしたもの同士をテープや輪ゴムでまとめるなど、一包化加算の目的(薬剤の飲み忘れや飲み誤りの防止、または、薬剤を直接の被包から取り出すことが困難な患者への配慮)を十分踏まえた調剤が行われていれば、算定しても差し支えない。
Q&A(H16年度診療報酬改定)
A:その通り。隔日投与の場合であっても実際に一包化した調剤日数分となる。
A:一包化の目的を考えた場合、別々にして患者に交付することは好ましいことではないが、数種類の錠剤と1回数gの散剤を一包化することによって、患者の服薬及び服用する薬剤の識別が今なんな場合などは、別々に一包化することが可能である。その際は、別に一包化した理由を調剤録等に記載すること。
また一包化が医師の指示によるものであった場合には、別々に一包化する理由を処方医に伝えて了解を得た上で、その旨も合わせて調剤録に記載すること。
コメントor補足情報orご指摘あればをお願いします。
記事No2880 題名:一包化加算の支Bについて 投稿者:ちかぽ 投稿日:2024-11-19 10:34:15
返信遅れてしまい申し訳ありません。ご回答いただき有難うございました。先日個別指導の指導官に、一包化加算をしている剤と、それ以外の一包化している剤にも全て支Bをつけるのが正しいとのご回答いただきました。審査機関が人間で目視で確認しているそうで、一包化している剤全てに支Bをつけないと、判断がよくわからなくなってしまうケースがあるそうです。個別指導前だったので、管理人様のご回答大変助かりました。有難うございました。
記事No2877 題名:Re:ちかぽ様 投稿者:管理人tera 投稿日:2024-11-12 21:44:52
普段一包化している剤に関しては全て支Bをつけてしまっているので、必要最低限の薬のみに支Bをつける可否については正直わかりません。
ただ、就寝前の薬だけ一包化しないことはよくあることなので、これだけ支Bをつけないというのは特に違和感はないとは思います。
毎食後3種類1剤と朝食後1種類1剤だったりすると、薬の種類によっては全てに支Bつけないと少し不自然かもしれませんね。
記事No2875 題名:一包化加算(旧名称)の支Bについて 投稿者:ちかぽ 投稿日:2024-11-11 15:50:51
加算がとれない剤にも、一包化をしている場合は支Bは付けた方いいのでしょうか?
例)A剤 B剤 C剤毎食後14日分
D錠 就寝前 14日分
この場合、毎食後の剤で加算はとっています。就寝前の剤も一包化をしていますが、支Bはつけたほうがいいでしょうか?
個別指導の時は、加算がとれる剤に一か所支Bをつけ忘れていて指摘されました。
お忙しいところ恐縮ですが、教えて頂けると幸いです。
記事No2803 題名:Re:me様 投稿者:管理人tera 投稿日:2024-09-17 10:47:07
返事遅れてすいません。
摘要欄へ算定理由は必須ではありませんが、念のため記載しておいた方が万が一返戻になった場合の手間を考えればいいかと思います。
記事No2801 題名:一包化加算のレセ摘要欄への記載について 投稿者:me 投稿日:2024-09-13 10:13:17
一包化加算について同一の保険医療機関で2つの診療科の薬を一包化にする場合、レセプト摘要欄への算定理由は必要でしょうか?
2つの科とも一包化の指示はありますが、各々の診療科だけでは一包化の要件は満たせていません。
宜しくお願いい致します。
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