薬学管理料(在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料)

在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料は、管理料であり、在宅患者訪問薬剤管理指導料の加算ではない。そのため、居宅療養管理指導と一緒に算定することも可能

概要(調剤報酬点数表

  • イ 残薬調整に係るもの以外の場合・・・40点
  • ロ 残薬調整に係るものの場合・・・30点
  • 1 処方箋に基づき処方医に処方内容を照会し、処方内容が変更された場合
    • イ 残薬調整に係るもの以外の場合・・・40点
    • ロ 残薬調整に係るものの場合・・・20点
  • 2 患者へ処方箋を交付する前に処方医と処方内容を相談し、処方に係る提案が反映された処方箋を受け付けた場合
    • イ 残薬調整に係るもの以外の場合・・・40点
    • ロ 残薬調整に係るものの場合・・・20点

注1 区分番号15に掲げる在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者その他厚生労働大臣が定める患者に対して、薬剤服用歴に基づき、重複投薬、相互作用の防止等の目的で、処方医に対して照会を行い、処方箋の処方内容に係る照会又は患者へ処方箋を交付する前に処方内容に係る提案を行った結果、処方に変更が行われた場合に、処方箋受付1回につき所定点数を算定する。ただし、区分番号00に掲げる調剤基本料の注2に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局(特別調剤基本料Bを算定する保険薬局)は、算定できない。

注2 区分番号10の2に掲げる調剤管理料の注3に規定する重複投薬・相互作用等防止加算、区分番号10の3に掲げる服薬管理指導料、区分番号13の2に掲げるかかりつけ薬剤師指導料又は区分番号13の3に掲げるかかりつけ薬剤師包括管理料を算定している患者については、算定しない。

補足(調剤報酬点数表に関する事項

(1) 在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料は、薬剤服用歴等又は患者及びその家族等からの情報等に基づき、>処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。ただし、複数項目に該当した場合であっても、重複して算定することはできない。

(2) 「イ 残薬調整に係るもの以外の場合」は、次に掲げる内容受け付けた処方箋についてについて、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。には「1」を算定し、処方箋の交付前に処方しようとする医師へ処方に係る提案を行い、当該提案に基づく処方内容の処方箋を受け付けた場合には「2」を算定する。

(3) 「1」のイ及び「2」のイにおける「残薬調整に係るもの以外の場合」とは、次に掲げる内容が該当する。

  • ア 併用薬との重複投薬(薬理作用が類似する場合を含む。)
  • イ 併用薬、飲食物等との相互作用
  • ウ そのほか薬学的観点から必要と認める事項

(4) 「残薬調整に係るものの場合」は、残薬に関し、受け付けた処方箋について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。には「1」の「ロ」を算定し、処方箋の交付前に処方医への残薬に関連する処方に係る提案を行い、当該提案が反映された処方箋を受け付けた場合には「2」の「ロ」を算定する。なお、当該加算を算定する場合においては、残薬が生じる理由を分析するとともに、必要に応じてその理由を処方医に情報提供すること。

(5) 在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の対象となる事項について、受け付けた処方箋に基づき実施した場合は、処方医に連絡・確認を行った内容の要点、変更内容を薬剤服用歴等に記載する。

(6) 在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の対象となる事項について、患者へ処方箋を交付する前に処方内容に係る提案を実施した場合は、処方箋の交付前に行った処方医への処方提案の内容(具体的な処方変更の内容、提案に至るまでに薬学的見地から検討した内容及び理由等)の要点及び実施日時を薬剤服用歴等に記載する。この場合において、医療従事者間のICTを活用した服薬状況等の情報共有等により対応した場合には、処方提案等の行為を行った日時が記録され、必要に応じてこれらの内容を随時確認できることが望ましい

(7) 同時に複数の処方箋を受け付け、複数の処方箋について薬剤を変更した場合であっても、1回に限り算定する。

(8) 服薬情報等提供料は、特別調剤基本料Bを算定している保険薬局は算定できない。

特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件

十三 在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の注1に規定する患者

(1)在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料を算定している患者

(2)在宅患者緊急時等共同指導料を算定している患者

(3)指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準に規定する居宅療養管理指導費(薬局の薬剤師が行う場合に限る。)を算定している患者

(4)指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準に規定する介護予防居宅療養管理指導費(薬局の薬剤師が行う場合に限る。)を算定している患者

レセプト摘要欄(調剤報酬請求書及び調剤報酬明細書に関する事項

処方医に連絡・確認を行った内容の要点、変更内容を記載すること。

Q&A(H28年調剤報酬改定)

(問16)調剤基本料の「注8」の医師の指示に伴う分割調剤について、例えば2回目の調剤時に、残薬や副作用が確認され、医師に疑義照会して2回目以降の処方内容が変更された場合、重複投薬・相互作用等防止加算又は在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の算定は可能と理解してよいか。

(答)貴見のとおり。
なお、当該分割調剤時に算定できる点数は、重複投薬・相互作用等防止加算又は在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料を含んだ技術料の合計の2分の1又は3分の1の点数を算定する。

(問30)重複投薬・相互作用等防止加算及び在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の算定対象の範囲について、「そのほか薬学的観点から必要と認める事項」とあるが、具体的にはどのような内容が含まれるのか。

(答)薬剤師が薬学的観点から必要と認め、処方医に疑義照会した上で処方が変更された場合は算定可能である。具体的には、アレルギー歴や副作用歴などの情報に基づき処方変更となった場合、薬学的観点から薬剤の追加や投与期間の延長が行われた場合は対象となるが、保険薬局に備蓄がないため処方医に疑義照会して他の医薬品に変更した場合などは当てはまらない。

(問31)これまでの「重複投薬・相互作用防止加算」では、同一医療機関の同一診療科の処方箋について処方変更があったとしても算定できないとされていたが、平成28年度診療報酬改定で見直した「重複投薬・相互作用等防止加算」及び「在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料」については、同一医療機関の同一診療科から発行された処方箋であっても、重複投薬、相互作用の防止等の目的で、処方医に対して照会を行い、処方に変更が行われた場合は算定可能と理解してよいか。

(答)「重複投薬・相互作用等防止加算」及び「在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料」は、薬学的観点から必要と認められる事項により処方が変更された場合には算定可能としているので、上記の内容も含め、これまで算定できないとされていた「薬剤の追加、投与期間の延長」等であっても、要件に該当するものについては算定可能である。

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