薬学管理料(吸入薬指導加算)

  • 吸入薬指導加算・・・30点(3月に1回)

概要(調剤報酬点数表R7改定分1R7改定分2

喘息又は慢性閉塞性肺疾患の患者であって、吸入薬の投薬が行われているものに対して、当該患者若しくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じて、当該患者の同意を得た上で、文書及び練習用吸入器等を用いて、必要な薬学的管理及び指導を行うとともに、保険医療機関に必要な情報を文書により提供した場合には、吸入薬指導加算として、3月に1回に限り30点を所定点数に加算する。

この場合において、区分番号15の5に掲げる服薬情報等提供料は算定できない。

補足(調剤報酬点数表に関する事項

(1) 吸入薬指導加算は、喘息又は慢性閉塞性肺疾患の患者が吸入薬を適切に使用し、治療効果の向上や副作用の回避に繋がるよう、以下のア及びイを行った場合に3月に1回に限り算定する。ただし、当該患者に対し他の吸入薬が処方された場合であって、必要な吸入指導等を別に行ったときには、前回の吸入薬指導加算の算定から3月以内であっても算定できる。

  • ア 文書及び練習用吸入器等を用いて、吸入手技の指導を行い、患者が正しい手順で吸入薬が使用されているか否かなどの確認等を行うこと。
  • イ 保険医療機関に対し、吸入指導の結果等を文書により情報提供を行うこと。

(2) 当該加算に係る指導は以下のア又はイの場合に、患者の同意を得て行うものであること。

  • ア 保険医療機関からの求めがあった場合
  • イ 患者若しくはその家族等の求めがあった場合等、吸入指導の必要性が認められる場合であって、医師の了解を得たとき

(3) 当該加算に係る吸入指導を行うにあたっては、日本アレルギー学会が作成する「アレルギー総合ガイドライン」等を参照して行うこと。

(4) (1)の「吸入指導の結果等を文書により情報提供を行うこと」とは、吸入指導の内容や患者の吸入手技の理解度等について、保険医療機関に情報提供することであり、文書の他、手帳により情報提供することでも差し支えない。ただし、患者への吸入指導等を行った結果、患者の当該吸入薬の使用について疑義等がある場合には、処方医に対して必要な照会を行うこと。なお、保険医療機関に情報提供した文書等の写し又はその内容の要点等を薬剤服用歴等に添付又は記載すること。

(5) 当該加算は、かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料を算定している患者については算定できない。また、当該加算の算定に関する保険医療機関への情報提供については、服薬情報等提供料は算定できない。

(6) 当該加算は、特別調剤基本料Aを算定している保険薬局において、当該保険薬局と不動産取引等その他特別な関係を有している保険医療機関へ情報提供を行った場合は算定できない

レセプト摘要欄(調剤報酬請求書及び調剤報酬明細書に関する事項

(前回の吸入薬指導加算の算定から3月以内に再度算定する場合)
当該期間の算定年月日(初回の場合は初回である旨)及び吸入薬の名称を全て記載すること。

(吸入薬が処方されていない月に算定した場合)
対象となる吸入薬の調剤年月日及び吸入薬の名称を記載すること。

  • 850100480 吸入薬の調剤年月日(吸入薬指導加算);(元号)yy“年”mm“月”dd“日”
  • 830100446 吸入薬の名称(吸入薬指導加算);******

「当該期間の算定年月日(初回の場合は初回である旨)及び吸入薬の名称を全て記載すること。」の意味

吸入薬Aが処方された後、3か月以内に吸入薬Bが処方された場合、レセプト摘要欄に記載する事項は以下(吸入薬Bの名称は処方欄に記載されていることで足りる)。

  • 吸入薬の名称(吸入薬指導加算):A
  • 初回(吸入薬指導加算)
  • 算定年月日(吸入薬指導加算):令和○年○月○日(Aの加算を算定した日)

さらに吸入薬Cが処方(ABCは全て3か月以内の処方)された場合、レセプト摘要欄に記載する事項は以下(吸入薬AとCの名称や算定年月日は記載せず直近の吸入薬についてのみ記載)。

  • 吸入薬の名称(吸入薬指導加算):B
  • 算定年月日(吸入薬指導加算):令和○年△月△日(Bの加算を算定した日)

当該期間(3か月以内)の算定年月日及び吸入薬の名称を全て記載の「全て」の意味が不明だが、上記でOKとのこと(厚生局確認済 コメントNo2062参照)。

(吸入薬が処方されていない月に算定した場合)対象となる吸入薬の調剤年月日及び吸入薬の名称を記載すること。の意味

下記QA No2088参照。

補足(解決)

  • 服薬情報等提供料2(患者等への情報提供のみ)が次回来局時に算定なのに対して、吸入薬指導加算は投薬時(情報提供する前)に算定可能。医療機関への情報提供については、文書のほか、患者のお薬手帳による方法でも差し支えない。その場合は、次回の受診時に処方医へ必ずお薬手帳を提示するよう伝えることが必要。(調剤と情報2020.10)
  • 吸入薬指導加算は地域支援体制加算の算定要件には含まれないため、地域支援体制加算を算定している薬局は吸入薬指導加算ではなく服薬情報等提供料で算定したほうがいいのかもしれない。→どちらを算定しても構わない。(下記コメNo1613)

補足(未解決のこと等)

  • 吸入薬指導加算と服薬情報等提供料の併算定については上記表の※1をどう解釈するかで違ってくる。例えば、
    • アドエアに吸入薬指導加算を算定したら、その後3か月間はアドエアで吸入薬指導加算を算定できず、服薬情報等提供料も算定できないが、吸入薬以外の薬剤についての情報提供があればそれに対して服薬情報等提供料を算定できると解釈するのか
    • 吸入薬指導加算を算定した時は服薬情報等提供料は算定できないが、一緒でなければ算定可能なのか(3か月の初めの1月は吸入薬指導加算、残りの2か月は服薬情報等提供料といったとり方や、吸入薬指導加算を算定した後に、その吸入薬の緊急安全性情報が出てそれを伝えた時に服薬情報等提供料は算定できるのか
    • 他のハイリスク加算2や調剤後薬剤管理指導加算等の※1注釈が付いた加算を見てみると、継続したモニタリングが必要な加算かつ、月1回算定可能にもかかわらず〇※1となっているので、やはり吸入薬の算定に関わる情報提供以外の情報提供は〇ということでいいのか
    と言った疑問点は未だ解決できていない。
  • ハイリスク加算2の公文では、「当該加算の算定時に行う保険医療機関への文書による情報提供については、服薬情報等提供料は算定できない。」とあるものの、「抗悪性腫瘍剤等に関する患者の服用状況及び副作用の有無等の確認を行う際に、他の保険医療機関又は他の診療科で処方された薬剤に係る情報を得た場合には、必要に応じて、患者の同意を得た上で、当該他の保険医療機関等に情報提供を行うこと。この場合において、所定の要件を満たせば服薬情報等提供料を算定できる。」ともあり、他の医療機関への情報提供であれば併算定可能ともとれる。
  • 調剤後薬剤管理指導加算の公文では、「当該加算の算定時に行う保険医療機関への文書による情報提供については、服薬情報等提供料は算定できない。 」のみ書かれている。
  • 服用薬剤調整支援料2の公文では、「当該加算の算定に係る保険医療機関、患者又はその家族等への情報提供については、服薬情報等提供料を別途算定できない。」とのみ書かれている。
  • 地域の薬剤師会に確認してみたが明確な回答は得られず。(2020.6.9)

Q&A(R2年度調剤報酬改定)

問 14 かかりつけ薬剤指導料を算定する患者に対して吸入薬指導加算は算定できないが、同一月内にかかりつけ薬剤指導料を算定した患者に対し、当該保険薬局の他の保険薬剤師が吸入指導を実施した場合には吸入薬指導加算を算定できるか。

(答)算定できない。

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記事No1531 題名:同時算定について 投稿者:おじょーちゃ 投稿日:2020-11-05 17:49:57

>服薬情報等提供料2(患者等への情報提供のみ)が次回来局時に算定なのに対して、吸入薬指導加算は投薬時(情報提供する前)に算定可能なのか。→算定可能であるという認識

当薬局にて、上記のような事例があり、算定しました。保険請求先から連絡があり、患者の求めに応じて等、患者に対してと分かるよう記載があれば算定可能とのことでした。


記事No1438 題名:吸入指導加算に、ついて 投稿者:わさび 投稿日:2020-08-27 00:26:40

ありがとうございました!
いろんな方にきいても、確かな答えがなかったのでたすかりました。


記事No1437 題名:Re:わさび様 投稿者:管理人tera 投稿日:2020-08-26 12:29:44

はじめまして。
公文を読む限りでは、初回指導から3か月経過していれば、同じ吸入薬の指導であったとしても加算が算定できると解釈できます。
よって加算を算定可能と考えます。


記事No1436 題名:吸入指導加算に、ついて 投稿者:わさび 投稿日:2020-08-24 22:48:12

はじめまして。

もしA薬(吸入薬)を投薬、吸入薬指導加算をさんていして、3ヶ月後本人が久しぶりだから忘れたとか、家族が来て使い方知らない。となった場合は加算とれますか?
(本人、家族希望の為、どちらにも指導済み)

お忙しいなかお手数おかけしますが、よろしくお願いします。


記事No1348 題名:Re:国語が苦手な薬剤師様 投稿者:管理人tera 投稿日:2020-06-08 23:50:07

他の方のコメントの中で、日薬に確認したところ、併算定は不可とすると示されましたので、国語が苦手な薬剤師様がおっしゃる通りの解釈でよろしいかと思います。


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