調剤管理加算

概要(調剤報酬点数表

4 別に厚生労働大臣が定める保険薬局(注3に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局を除く。)において、複数の保険医療機関から6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されている患者又はその家族等に対して、当該患者が服用中の薬剤について、服薬状況等の情報を一元的に把握し、必要な薬学的管理を行った場合は、調剤管理加算として、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。

  • イ 初めて処方箋を持参した場合 3点
  • ロ 2回目以降に処方箋を持参した場合であって処方内容の変更により薬剤の変更又は追加があった場合 3点

別に厚生労働大臣が定める保険薬局:重複投薬等の解消に係る取組の実績を有している保険薬局(=過去1年間に服用薬剤調整支援料を1回以上算定した実績のある薬局)

注3に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局:適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局(=手帳持参率50%以下。詳細ページ下部)

補足(調剤報酬点数表に関する事項

  • ア 調剤管理加算は、複数の保険医療機関から合計で6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されている患者であって、初めて処方箋を持参した場合又は2回目以降に処方箋を持参した場合であって処方内容の変更により内服薬薬剤変更又は追加があった場合に、患者又はその家族等に対して、当該患者が服用中の薬剤について、重複投薬、相互作用等の有無を確認した上で、手帳、オンライン資格確認等システムを活用した薬剤情報や特定健診等情報診療情報、薬剤情報等の情報、薬剤服用歴等、直接患者又はその家族等から収集した服薬状況等の情報等に基づき、服薬状況等の情報を一元的に把握し、必要な薬学的分析を行った場合に処方箋受付1回につき算定する。
  • イ 算定に当たっては、調剤後も患者の服用薬や服薬状況に関する情報等を把握し、必要に応じ処方医に情報提供すること。
  • ウ アにおいて確認した服薬状況等の情報及び薬学的分析の要点について薬剤服用歴等に記載する。
  • エ 調剤している内服薬の種類数に屯服薬は含めない。
  • オ 内服薬の種類数の計算に当たっては、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤及び液剤については、1銘柄ごとに1種類として計算する。
  • カ 患者の服用する薬剤の副作用の可能性の検討等を行うに当たっては、「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」(厚生労働省)、「高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編(療養環境別))」(厚生労働省)、「病院における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方」(厚生労働省)及び日本老年医学会の関連ガイドライン(高齢者の安全な薬物療法ガイドライン)等を参考にすること。
  • キ 「2回目以降に処方箋を持参した場合であって処方内容の変更により薬剤の変更又は追加があった場合」とは、薬剤服用歴等が保存されている患者において、当該保険薬局で調剤している内服薬について、処方内容の変更により内服薬の種類が変更した場合又は内服薬の種類数が1種類以上増加した場合をいう。なお、調剤している内服薬と同一薬効分類の有効成分を含む配合剤及び内服薬以外の薬剤への変更は、内服薬の種類が変更した場合に含めない。

特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件

九の二 調剤管理料の注3に規定する厚生労働大臣が定める保険薬局

適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局であること。

※適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局」とは、3月以内に再度処方箋を持参した患者への薬剤服用歴服薬管理指導料の算定回数うち、手帳を持参した患者への服薬管理指導料の算定回数の割合が50%以下である保険薬局であること。算定回数の割合は小数点以下を四捨五入して算出する。(調剤報酬点数表に関する事項より)

九の三 調剤管理料の注4に規定する厚生労働大臣が定める保険薬局

重複投薬等の解消に係る取組の実績を有している保険薬局であること。

特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(別添)

1 調剤管理加算に関する施設基準

(1) 「重複投薬等の解消に係る取組の実績を有している保険薬局」とは、過去一年間に服用薬剤調整支援料を1回以上算定した実績を有している保険薬局であること。

(2) 服用薬剤調剤支援料の直近の算定日の翌日から翌年の同月末日までの間は、「1回以上算定した実績」をもって重複投薬等の解消に係る取組の実績として適用する。

2 届出に関する事項

調剤管理加算に係る取扱いについては、当該基準を満たしていればよく、特に地方厚生(支)局長に対して、届出を行う必要はない。

補足(服用薬剤調整支援料、調剤管理加算、重複投薬・相互作用防止等加算の違い)

服用薬剤調整支援料は加算ではないので処方箋受付日でなくても算定可能(外来1と同じ)。調剤管理加算と重複投薬は調剤管理料の加算であり処方箋受付日に算定する。

服用薬剤調整支援料、調剤管理加算、重複投薬・相互作用防止等加算の同時算定はいずれも条件を満たせば可能(厚生局確認済)→R6年調剤報酬改定で「服用薬剤調整支援料の提案内容と同一の処方内容の場合において、重複投薬・相互作用等防止加算及び在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料は算定できない。」の公文が追加。 (例:2回目以降で内服薬の追加があり調剤管理加算を算定した際に、他の薬の残薬調整を行った場合は、調剤管理料と重複投薬・相互作用等防止加算を算定可能)。服用薬剤調整支援料2を算定後に同一の提案内容で服用薬剤調整支援料1を算定することはできない。

  • 服用薬剤調整支援料1・・・125点(月1回)、保険薬局(自局含め)で調剤した6種類以上の薬剤→開始4w以上経過→医療機関へ提案→2種類減少→その後4w以上経過後算定。複数の医療機関のものを合わせて6種類でOKだが、減少した内服薬のうち2種類以上は自局で調剤している必要あり。1種類は自局の保険薬剤師が提案。
    例)A病院で5種類、B病院で1種類の内服薬が出ている患者(ともに自局で調剤済)について、片方の医療機関に減薬の提案をして2種類減って、4週間経過した時、処方箋受付と関係なく算定も可能。同一有効成分を含む合剤変更や内服以外への変更では算定不可
  • 服用薬剤調整支援料1についても2と同様、対象となる内服薬について、当該保険薬局でそれらを調剤していれば、1カ所だけではなく、複数の保険医療機関から処方されている場合についても、それらを合わせたうえで要件を満たしているか判断することで差し支えない。(R2年保険調剤Q&A Q159)
  • 服用薬剤調整支援料2・・・複数の医療機関合わせて6種類以上(うち1種類以上は自局調剤)の内服薬の服用を開始して4週間以上経過後、患者or家族等の求めに応じて医療機関へ文書を用いて重複投薬等の解消に関わる提案→提案後に算定。減薬していなくてもOK。こちらは合剤でもOK?。緊急性の高い場合は重複投薬・相互作用防止加算を算定。
    例)A病院から5種類、B病院で1種類の内服薬が出ている患者(B病院=1種類は自局で調剤済)について、重複等の一元的把握後、文書を用いて処方医へ提案した時算定。
    • 110点(過去1年間に服用薬剤調整支援の実績あり。点数を取ってなくても可)(3月に1回)
    • 90点(過去1年間に服用薬剤調整支援の実績なし)(3月に1回)
  • 調剤管理加算・・・過去1年間に服用薬剤調整支援料を1回以上算定している薬局(手帳持参率50%以下の薬局を除く)のみが算定できる。 複数の医療機関から6種類以上の内服薬が出ている患者に対して算定可能(ハイリスクみたいな感じで条件満たしていればべたどりも可能)。新たに受け付けた処方で初めて6種類に到達した場合でも算定可能(A病院で3種類服用中、B病院で新たに3種類追加された場合は初回はもちろん、2回目も1種類以上の追加とみなして算定可能。厚生局確認済)
    • 初めて処方箋を受け付けた場合・・・3点/回。複数の医療機関から6種類処方されていればべたどり。
      例)A病院で5種類、B病院で1種類の内服薬が出ている患者(ともに他薬局で調剤済)について、C病院に転院し、同じ6種類の内服薬をまとめてC病院で処方され自薬局で調剤した場合は、複数の医療機関ではなくなるため算定不可。(厚生局確認済)
      C病院で臨時の風邪薬処方や皮膚科処方が出てその処方箋を自薬局で調剤した場合は算定可能。(厚生局確認済)
    • 2回目以降の場合・・・3点/回。自薬局で調剤した内服の種類が変更or種類数が1以上増加した場合(配合剤や同一有効成分の外用への変更は対象外)。
      例)複数の医療機関で6種類以上の内服薬が処方され、全て自薬局で前回調剤し、今回臨時で風邪薬の内服が追加(種類数1以上増加)された場合は算定可能。これが1つの医療機関からの処方の場合は算定不可。
  • 重複投薬・相互作用等防止加算・・・疑義照会により処方に変更が行われた場合(手帳持参率50%以下の薬局を除く)(在宅患者訪問薬剤管理指導料、宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、居宅療養管理指導費を算定している患者を除く)。
    減薬までに時間がかかってもいい場合(緊急性のない重複や服薬中に入手した情報からの提案)では、処方箋受付とは関係なく点数を算定可能な服用薬剤調整支援料を算定するのも手。
    • 残薬調整以外・・・40点/回
    • 残薬調整・・・20点/回
    残薬があって減薬した場合は残薬調整を、次回の来局予定まで薬が足りない場合(14日→21日や注射1本→2本)も残薬調整を、薬が削除されていたが、服薬指導で削除が間違っている可能性があり、問い合わせて追加になった場合や〇〇が欲しかった等は残薬以外(薬学的観点)を算定できる(これで残薬調整を算定して返戻のケース有り)。ただし、摘要欄に適切な理由を記載する必要はある。
※H28年度調剤報酬改定による算定対象拡大の例(薬学的観点の具体例)
・過去の副作用やアレルギー歴等による疑義照会
・同一医療機関等からの処方箋に基づく疑義照会
・年齢や腎機能等を考慮した、過量投与による用量の変更→理由を摘要欄に入れないと返戻になるケース有
・服薬困難のための剤形変更

Q&A(R4年度調剤報酬改定)

問 17 同一保険医療機関の複数診療科から合計で6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されている患者について、調剤管理加算は算定可能か。

(答)不可。

問 18 複数の保険医療機関から合計で6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されている患者について、当該患者の複数の保険医療機関が交付した処方箋を同時にまとめて受け付けた場合、処方箋ごとに調剤管理加算を算定可能か。

(答)算定不可。複数の保険医療機関が交付した同一患者の処方箋を同時にまとめて受け付けた場合、調剤管理加算は1回のみ算定できる。

問 19 「初めて処方箋を持参した場合」とは、薬剤服用歴に患者の記録が残っていない場合と考えてよいか。

(答)よい。ただし、薬剤服用歴等に患者の記録が残っている場合であっても、当該患者の処方箋を受け付けた日として記録されている直近の日から3年以上経過している場合には、「初めて処方箋を持参した場合」として取り扱って差し支えない。

問 20 「処方内容の変更により内服薬の種類が変更した場合」とは、処方されていた内服薬について、異なる薬効分類の有効成分を含む内服薬に変更された場合を指すのか。

(答)そのとおり。

問 21 調剤管理加算の施設基準における「過去一年間に服用薬剤調整支援料を1回以上算定した実績を有していること」について、「過去一年間」の範囲はどのように考えればよいか。

(答)服用薬剤調整支援料の直近の算定日の翌日から翌年の同月末日までの間は、「1回以上算定した実績」を有するものとしてよい。例えば、令和4年4月 20 日に服用薬剤調整支援料を算定した場合、その翌日の令和4年4月21 日から令和5年4月末日までの間、調剤管理加算の施設基準を満たすこととする。

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記事No2409 題名:調剤管理加算について 投稿者:新人薬剤師M 投稿日:2023-03-05 22:33:25

いつも勉強させていただいています。
2回目以降の調剤管理加算ですが、複数医療機関から6種類以上あり、前回残薬などの理由で中止になっていた薬剤が、今回復活した場合は、種類数の増加とみなせるのでしょうか?宜しくお願いします。


記事No2349 題名:Re:高須様 投稿者:管理人tera 投稿日:2022-11-19 22:49:39

QAにあるように、薬剤服用歴に患者の記録が残っている患者については、2回目以降の処理を行う必要があります。
そのため、変更or追加があった場合のみになります。


記事No2348 題名:算定可能となりました 投稿者:高須 投稿日:2022-11-19 16:59:36

来月から調剤管理加算が算定できるようになりました。今までに来局されている患者で、複数医療機関で計6種類以上の内服が出ている方は全員算定していって良いのでしょうか。それとも現に6種類出ている方は、そこから変更追加があったときのみ「2回目以降」の算定ができるのでしょうか


記事No2207 題名:Re:たた様 投稿者:管理人tera 投稿日:2022-07-08 09:17:40

6/30発売のR4保険調剤QAで関連QAがたくさん掲載されていることを期待しておりましたが、調剤管理加算のQAが一つもありませんでした。
そのため、公文と実体験から考えなければならないため、あくまで自分の考えです。
このケースはBの処方受付を初回受付とはできないので、2回目以降が取れるかどうかでの判断になりまして、B病院の薬の調剤がA病院の処方に追加されたと捉えることができれば算定できることになりますが、これは難しいのかなと思います。
よって、算定できないのではと個人的には思います。


記事No2204 題名:調剤管理加算 投稿者:たた 投稿日:2022-07-06 14:38:04

来局2回目以降で
医療機関Aで2種類処方(自薬局)
医療機関Bで6種類処方(別薬局)の場合で
今回初めて、医療機関Bの処方(DO処方)を自薬局で受け付けた場合は算定可能ですか?


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