調剤管理料(重複投薬・相互作用等防止加算)

概要(調剤報酬点数表

注3 薬剤服用歴に基づき、重複投薬、相互作用の防止の目的で、処方箋を交付した保険医に対して照会を行った場合い、処方に変更が行われた場合(別に厚生労働大臣が定める保険薬局において行われた場合を除く。)は、重複投薬・相互作用等防止加算として、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。ただし、区分番号15に掲げる在宅患者訪問薬剤管理指導料、区分番号15の2に掲げる在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料又は区分番号15の3に掲げる在宅患者緊急時等共同指導料を算定している患者については、算定しない。

  • イ 残薬調整に係るもの以外の場合・・・40点
  • ロ 残薬調整に係るものの場合・・・30点20点

補足(調剤報酬点数表に関する事項

  • ア 重複投薬・相互作用等防止加算は、薬剤服用歴の記録又は患者及びその家族等からの情報等に基づき、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に処方箋受付1回につき算定する。ただし、複数の項目に該当した場合であっても、重複して算定することはできない。また、当該加算を算定する場合においては、残薬及び重複投薬が生じる理由を分析するとともに、処方医に対して連絡・確認する際に必要に応じてその理由を処方医に情報提供すること。 なお、調剤管理料を算定していない場合は、当該加算は算定できない。
  • イ 「イ 残薬調整に係るもの以外の場合」は、次に掲げる内容について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。
    • (イ) 併用薬との重複投薬(薬理作用が類似する場合を含む。)
    • (ロ) 併用薬、飲食物等との相互作用
    • (ハ) そのほか薬学的観点から必要と認める事項
  • ウ 「ロ 残薬調整に係るものの場合」は、残薬について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。
  • エ 重複投薬・相互作用等防止加算の対象となる事項について、処方医に連絡・確認を行った内容の要点、変更内容を薬剤服用歴等に記載する。
  • オ 同時に複数の処方箋を受け付け、複数の処方箋について薬剤を変更した場合であっても、1回に限り算定する。
  • カ 当該加算は、在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者については算定できない。

特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件

九の二 調剤管理料の注3に規定する厚生労働大臣が定める保険薬局

適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局であること。

※適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局」とは、3月以内に再度処方箋を持参した患者への薬剤服用歴服薬管理指導料の算定回数うち、手帳を持参した患者への服薬管理指導料の算定回数の割合が50%以下である保険薬局であること。算定回数の割合は小数点以下を四捨五入して算出する。(調剤報酬点数表に関する事項より)

特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(別添)

第97 調剤管理料の注3に規定する保険薬局(手帳の活用実績が少ない保険薬局)

1 「適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局」とは、3月以内に再度処方箋を持参した患者への服薬管理指導料の算定回数のうち、手帳を提示した患者への服薬管理指導料の算定回数の割合が50%以下である保険薬局であること。この場合において、小数点以下は四捨五入すること。

2 手帳の活用実績は、「第88 の2 調剤基本料2」の「2 調剤基本料2の施設基準に関する留意点」の(1)に定める処方箋受付回数の取扱いと同様に、前年5月1日から当年4月30 日までの服薬管理指導料の実績をもって該当性を判断し、当年6月1日から翌年5月31 日まで適用する。その他、新規に保険薬局に指定された薬局、開設者の変更等の取扱いについても、「第88 の2 調剤基本料2」の「2 調剤基本料2の施設基準に関する留意点」の(1)に定める処方箋受付回数の取扱いと同様とする。

3 1及び2により、「適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局」に該当した場合であっても、直近3月間における1の割合が50%を上回った場合には、2にかかわらず、当該割合を満たした翌月より「適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局」に該当しないものとする。

レセプト摘要欄(調剤報酬請求書及び調剤報酬明細書に関する事項

処方医に連絡・確認を行った内容の要点、変更内容を記載すること。

  • 820101030 内容の要点(重複投薬・相互作用等防止加算):同種・同効の併用薬との重複投薬
  • 820101031 内容の要点(重複投薬・相互作用等防止加算):併用薬・飲食物等との相互作用
  • 820101032 内容の要点(重複投薬・相互作用等防止加算):過去のアレルギー歴、副作用歴
  • 820101256 内容の要点(重複投薬・相互作用等防止加算):年齢や体重による影響
  • 820101257 内容の要点(重複投薬・相互作用等防止加算):肝機能、腎機能等による影響
  • 820101034 内容の要点(重複投薬・相互作用等防止加算):授乳・妊婦への影響
  • 830100775 内容の要点(重複投薬・相互作用等防止加算):その他薬学的観点から必要と認める事項;**********

連絡事項(支払基金より)

重複投薬・相互防止加算を算定する際、レセプト記載に関する通知では、特に処方変更の内容を記載することまでは求めていません。

ただし、削除した内容についてわかりにくいと判断される場合があるので「摘要」欄にコメントを記載願います。

記載例:
防A:・□□病院(医院)が△△が処方されているので、○○の処方削除
   ・残薬があるので○○の処方削除
   ・残薬があるので○○の処方日数短縮

防B:・□□病院(医院)が△△が処方されているが、○○の処方変更なし

補足(服用薬剤調整支援料、調剤管理加算、重複投薬・相互作用防止等加算の違い)

服用薬剤調整支援料は加算ではないので処方箋受付日でなくても算定可能(外来1と同じ)。調剤管理加算と重複投薬は調剤管理料の加算であり処方箋受付日に算定する。

服用薬剤調整支援料、調剤管理加算、重複投薬・相互作用防止等加算の同時算定はいずれも条件を満たせば可能(厚生局確認済)→R6年調剤報酬改定で「服用薬剤調整支援料の提案内容と同一の処方内容の場合において、重複投薬・相互作用等防止加算及び在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料は算定できない。」の公文が追加。 (例:2回目以降で内服薬の追加があり調剤管理加算を算定した際に、他の薬の残薬調整を行った場合は、調剤管理料と重複投薬・相互作用等防止加算を算定可能)。服用薬剤調整支援料2を算定後に同一の提案内容で服用薬剤調整支援料1を算定することはできない。

  • 服用薬剤調整支援料1・・・125点(月1回)、保険薬局(自局含め)で調剤した6種類以上の薬剤→開始4w以上経過→医療機関へ提案→2種類減少→その後4w以上経過後算定。複数の医療機関のものを合わせて6種類でOKだが、減少した内服薬のうち2種類以上は自局で調剤している必要あり。1種類は自局の保険薬剤師が提案。
    例)A病院で5種類、B病院で1種類の内服薬が出ている患者(ともに自局で調剤済)について、片方の医療機関に減薬の提案をして2種類減って、4週間経過した時、処方箋受付と関係なく算定も可能。同一有効成分を含む合剤変更や内服以外への変更では算定不可
  • 服用薬剤調整支援料1についても2と同様、対象となる内服薬について、当該保険薬局でそれらを調剤していれば、1カ所だけではなく、複数の保険医療機関から処方されている場合についても、それらを合わせたうえで要件を満たしているか判断することで差し支えない。(R2年保険調剤Q&A Q159)
  • 服用薬剤調整支援料2・・・複数の医療機関合わせて6種類以上(うち1種類以上は自局調剤)の内服薬の服用を開始して4週間以上経過後、患者or家族等の求めに応じて医療機関へ文書を用いて重複投薬等の解消に関わる提案→提案後に算定。減薬していなくてもOK。こちらは合剤でもOK?。緊急性の高い場合は重複投薬・相互作用防止加算を算定。
    例)A病院から5種類、B病院で1種類の内服薬が出ている患者(B病院=1種類は自局で調剤済)について、重複等の一元的把握後、文書を用いて処方医へ提案した時算定。
    • 110点(過去1年間に服用薬剤調整支援の実績あり。点数を取ってなくても可)(3月に1回)
    • 90点(過去1年間に服用薬剤調整支援の実績なし)(3月に1回)
  • 調剤管理加算・・・過去1年間に服用薬剤調整支援料を1回以上算定している薬局(手帳持参率50%以下の薬局を除く)のみが算定できる。 複数の医療機関から6種類以上の内服薬が出ている患者に対して算定可能(ハイリスクみたいな感じで条件満たしていればべたどりも可能)。新たに受け付けた処方で初めて6種類に到達した場合でも算定可能(A病院で3種類服用中、B病院で新たに3種類追加された場合は初回はもちろん、2回目も1種類以上の追加とみなして算定可能。厚生局確認済)
    • 初めて処方箋を受け付けた場合・・・3点/回。複数の医療機関から6種類処方されていればべたどり。
      例)A病院で5種類、B病院で1種類の内服薬が出ている患者(ともに他薬局で調剤済)について、C病院に転院し、同じ6種類の内服薬をまとめてC病院で処方され自薬局で調剤した場合は、複数の医療機関ではなくなるため算定不可。(厚生局確認済)
      C病院で臨時の風邪薬処方や皮膚科処方が出てその処方箋を自薬局で調剤した場合は算定可能。(厚生局確認済)
    • 2回目以降の場合・・・3点/回。自薬局で調剤した内服の種類が変更or種類数が1以上増加した場合(配合剤や同一有効成分の外用への変更は対象外)。
      例)複数の医療機関で6種類以上の内服薬が処方され、全て自薬局で前回調剤し、今回臨時で風邪薬の内服が追加(種類数1以上増加)された場合は算定可能。これが1つの医療機関からの処方の場合は算定不可。
  • 重複投薬・相互作用等防止加算・・・疑義照会により処方に変更が行われた場合(手帳持参率50%以下の薬局を除く)(在宅患者訪問薬剤管理指導料、宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、居宅療養管理指導費を算定している患者を除く)。
    減薬までに時間がかかってもいい場合(緊急性のない重複や服薬中に入手した情報からの提案)では、処方箋受付とは関係なく点数を算定可能な服用薬剤調整支援料を算定するのも手。
    • 残薬調整以外・・・40点/回
    • 残薬調整・・・20点/回
    残薬があって減薬した場合は残薬調整を、次回の来局予定まで薬が足りない場合(14日→21日や注射1本→2本)も残薬調整を、薬が削除されていたが、服薬指導で削除が間違っている可能性があり、問い合わせて追加になった場合や〇〇が欲しかった等は残薬以外(薬学的観点)を算定できる(これで残薬調整を算定して返戻のケース有り)。ただし、摘要欄に適切な理由を記載する必要はある。
※H28年度調剤報酬改定による算定対象拡大の例(薬学的観点の具体例)
・過去の副作用やアレルギー歴等による疑義照会
・同一医療機関等からの処方箋に基づく疑義照会
・年齢や腎機能等を考慮した、過量投与による用量の変更→理由を摘要欄に入れないと返戻になるケース有
・服薬困難のための剤形変更

Q&A(埼玉県薬剤師会vol.5)2014.3

Q:特定保険医療材料が家に余っていて、今回の処方が削除になった場合、重複投薬・相互作用防止加算は算定できるか。

A:併用薬との重複投薬及び併用薬、飲食物等との相互作用の防止を目的とするため、医療材料は該当せず加算の算定はできないと考える。

Q&A(H28年調剤報酬改定)

(問16)調剤基本料の「注8」の医師の指示に伴う分割調剤について、例えば2回目の調剤時に、残薬や副作用が確認され、医師に疑義照会して2回目以降の処方内容が変更された場合、重複投薬・相互作用等防止加算又は在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の算定は可能と理解してよいか。

(答)貴見のとおり。
なお、当該分割調剤時に算定できる点数は、重複投薬・相互作用等防止加算又は在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料を含んだ技術料の合計の2分の1又は3分の1の点数を算定する。

(問30)重複投薬・相互作用等防止加算及び在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の算定対象の範囲について、「そのほか薬学的観点から必要と認める事項」とあるが、具体的にはどのような内容が含まれるのか。

(答)薬剤師が薬学的観点から必要と認め、処方医に疑義照会した上で処方が変更された場合は算定可能である。具体的には、アレルギー歴や副作用歴などの情報に基づき処方変更となった場合、薬学的観点から薬剤の追加や投与期間の延長が行われた場合は対象となるが、保険薬局に備蓄がないため処方医に疑義照会して他の医薬品に変更した場合などは当てはまらない。

(問31)これまでの「重複投薬・相互作用防止加算」では、同一医療機関の同一診療科の処方箋について処方変更があったとしても算定できないとされていたが、平成28年度診療報酬改定で見直した「重複投薬・相互作用等防止加算」及び「在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料」については、同一医療機関の同一診療科から発行された処方箋であっても、重複投薬、相互作用の防止等の目的で、処方医に対して照会を行い、処方に変更が行われた場合は算定可能と理解してよいか。

(答)「重複投薬・相互作用等防止加算」及び「在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料」は、薬学的観点から必要と認められる事項により処方が変更された場合には算定可能としているので、上記の内容も含め、これまで算定できないとされていた「薬剤の追加、投与期間の延長」等であっても、要件に該当するものについては算定可能である。

Q&A(H24年調剤報酬改定)

(問1) 通常、同一医療機関・同一診療科の処方箋による場合は重複投薬・相互作用防止加算を算定出来ないが、薬剤服用歴管理指導料の新たな要件として追加された「残薬の状況の確認」に伴い、残薬が相当程度認められて処方医への照会により処方変更(投与日数の短縮)が行われた場合に限り、同加算の「処方に変更が行われた場合」を算定できるものと解釈して差し支えないか。

(答) 差し支えない。ただし、残薬の状況確認に伴う処方変更は、頻回に発生するものではないことに留意する必要がある。

Q&A(H16年度診療報酬改定)

Q:異なる医療機関から同時に2枚の処方箋を受付け、一方の疑義照会では処方変更は行われず、他方の疑義照会では処方変更が行われた場合、重複投薬・相互作用防止加算の10点、20点はそれぞれ算定できるか。

A:重複投薬相互作用防止加算が算定できるのは、どちらか一方の処方箋についてのみ算定する。また、2枚の処方箋が共に処方変更された場合は20点のみの算定である。

Q:同じ医療機関の同じ診療科の異なる医師が異なる日に処方箋を発行した場合に、重複投薬あるいは相互作用防止のために医師に確認し、処方の変更があった場合は、算定可能か。

A:同一医療機関の同一診療科の処方箋は算定できない(残薬確認の結果、処方変更が行われた場合を除く)

Q:服用中の他の医療機関の薬剤、服用中のOTC薬、あるいはお薬手帳との重複投薬、相互作用が認められる場合も算定可能か。

A:患者が持参したお薬手帳、院内処方などにより、重複投薬などの可能性が判明した場合は、その医薬品を処方している医療機関等に照会を行い、確認の結果、重複などが認められる場合は、算定可能。

Q:重複投薬あるいは相互作用防止のために医師に確認した結果、処方に変更がない場合とはどういうものか。

A:当該加算は、複数の処方箋がなくとも、薬歴に基づき併用しているOTC薬、飲食物などから重複投薬あるいは相互作用が認められると判断された場合に医師に照会を行うことを評価したものである。医師への照会の結果、患者の疾患の改善が優先され、処方医から併用しているOTC薬、飲食物などを中止するなどの指示があった場合などが考えられる。

Q:過去の副作用歴、アレルギー歴から処方薬剤について処方発行医に照会を行った結果、処方変更が行われても算定できないのか。

A:重複投薬又は相互作用防止の理由ではないので算定できない。

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記事No2857 題名:Re:事務員様 投稿者:管理人tera 投稿日:2024-10-16 15:38:05

うちはその場合40点を算定しております(もちろんコメントは入れて)が返戻は今のところないので、それで行けると思います。


記事No2855 題名:防止加算のその他薬学的観点について 投稿者:事務員 投稿日:2024-10-15 14:50:15

ある患者様がピタバスタチン1mg 分1 1錠で処方されていたのに、0.5錠に変更になっていたため、念のため処方元のクリニックへ疑義照会を行ったら、1錠の誤りであったと分かった。
その場合、残薬調整以外のその他薬学的観点で算定は可能でしょうか?


記事No2813 題名:Re:薬剤師A様 投稿者:管理人tera 投稿日:2024-09-19 17:21:22

その認識でよろしいかと思います。
ただ、味が嫌だからとか、漢方を細粒から顆粒へとかは少し違うので、臨機応変に対応する必要はあるかと思います。
結局はレセコメで監査する人を納得させるような理由を書けるかにかかっているのかもしれません。


記事No2811 題名:服用困難な剤型変更 投稿者:薬剤師A 投稿日:2024-09-19 12:16:09

ご回答ありがとうございます。
他のサイトでも同様に服用困難な剤形の場合の変更も該当するという記述はありましたが、明確な根拠のある資料は調べても出てきませんでした。
剤型変更については特に高齢者などで無くても、粉が飲めないので錠剤希望と言う事で疑義照会をして変更となれば算定出来るという認識で良いのでしょうか。


記事No2810 題名:Re:薬剤師A様 投稿者:管理人tera 投稿日:2024-09-19 09:56:57

このケースは、厚労省のQAだけですと該当するかわかりにくいですが、この事項が追加になったH28年のどこかの資料(わすれましたが)で、服用困難な剤形の場合の変更も該当するとされているため、問題ないかと思います。


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