目次
薬学管理料(薬学的有害事象等防止加算)
概要(調剤報酬点数表)
注4 薬剤服用歴、地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律に基づく電磁的記録をもって作成された処方箋の仕組みを用いた重複投薬の確認等に基づき、処方医に対する照会(残薬調整に係るものを除く。)の結果、処方に変更が行われた場合(別に厚生労働大臣が定める保険薬局において行われた場合を除く。)は、薬学的有害事象等防止加算として、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。
- イ 在宅患者へ処方箋を交付する前に処方内容を処方医に相談し、処方に係る提案が反映された処方箋を受け付けた場合・・・50点
- ロ 在宅患者について処方に変更が行われた場合(イの場合を除く。)・・・50点
- ハ 区分番号10の3に掲げる服薬管理指導料の注1に規定するかかりつけ薬剤師による照会の結果、処方に変更が行われた場合(イ及びロの場合を除く。)・・・50点
- ニ イからハまで以外の場合・・・30点
※上記の通り、3月以内に再度処方箋を持参した患者への服薬管理指導料(服薬管理指導料 3 並びに服薬管理指導料 4 のイのうち介護老人福祉施設等の患者に係るもの、同 4 のロ及びハに係るものを除く。)の算定回数のうち、手帳を提示した患者への服薬管理指導料の算定回数の割合が50%以下である保険薬局では当加算は算定できない。
補足(調剤報酬点数表に関する事項)
(1) 薬学的有害事象等防止加算は、薬剤服用歴等又は患者及びその家族等からの情報等に基づき、次に掲げる内容について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更(残薬調整に係るものを除く。)が行われた場合に処方箋受付1回につき算定する。
- ア 併用薬との重複投薬(薬理作用が類似する場合を含む。)
- イ 併用薬、飲食物等との相互作用
- ウ そのほか薬学的観点から必要と認める事項
(2) 薬学的有害事象等防止加算は、次に掲げる区分により算定する。
- ア 薬学的有害事象等防止加算のイは、在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者において、処方箋の交付前に処方しようとする医師へ処方に係る提案(残薬調整に係るものを除く。)を行い、当該提案に基づく処方内容の処方箋を受け付けた場合に算定する。
- イ 薬学的有害事象等防止加算のロは、在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者において、(1)を実施した場合に算定する。
- ウ 薬学的有害事象等防止加算のハは、服薬管理指導料「1のイ」又は「2のイ」を算定する患者において、(1)を実施した場合に算定する。
- エ 薬学的有害事象等防止加算のニは、アからウまで以外の場合において、(1)を実施した場合に算定する。
(3) 当該加算を算定する場合においては、重複投薬が生じる理由を分析するとともに、処方医に対して連絡・確認する際に必要に応じてその理由を処方医に情報提供すること。
(4) 薬学的有害事象等防止加算の対象となる事項について、処方医に連絡・確認を行った内容の要点、変更内容を薬剤服用歴等に記載する。
(5) 調剤管理料を算定していない場合は、当該加算は算定できない。
(6) 同時に複数の処方箋を受け付け、複数の処方箋について薬剤を変更した場合であっても、1回に限り算定する。
特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件
第十五 九の二 調剤管理料の注3及び注4に規定する厚生労働大臣が定める保険薬局
適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局であること。
九の二の二 調剤管理料の注3のイ及び注4のイに規定する患者
- (1) 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料を算定している患者
- (2) 在宅患者緊急時等共同指導料を算定している患者
- (3) 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準に規定する居宅療養管理指導費(薬局の薬剤師が行う場合に限り、注2に規定する場合を除く。)を算定している患者
- (4) 指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準に規定する介護予防居宅療養管理指導費(薬局の薬剤師が行う場合に限り、注2に規定する場合を除く。)を算定している患者
特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(別添)
第97 調剤管理料の注3及び注4に規定する保険薬局(手帳の活用実績が少ない保険薬局)
1 「適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局」とは、3月以内に再度処方箋を持参した患者への服薬管理指導料(服薬管理指導料 3 並びに服薬管理指導料 4 のイのうち介護老人福祉施設等の患者に係るもの、同 4 のロ及びハに係るものを除く。)の算定回数のうち、手帳を提示した患者への服薬管理指導料の算定回数の割合が50%以下である保険薬局であること。この場合において、小数点以下は四捨五入すること。
手帳の活用実績は、「第88 の2 調剤基本料2」の「2 調剤基本料2の施設基準に関する留意点」の(1)に定める処方箋受付回数の取扱いと同様に、前年5月1日から当年4月30 日までの服薬管理指導料の実績をもって該当性を判断し、当年6月1日から翌年5月31 日まで適用する。その他、新規に保険薬局に指定された薬局、開設者の変更等の取扱いについても、「第88 の2 調剤基本料2」の「2 調剤基本料2の施設基準に関する留意点」の(1)に定める処方箋受付回数の取扱いと同様とする。
3 1及び2により、「適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局」に該当した場合であっても、直近3月間における1の割合が50%を上回った場合には、2にかかわらず、当該割合を満たした翌月より「適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局」に該当しないものとする。
レセプト摘要欄(調剤報酬請求書及び調剤報酬明細書に関する事項)
薬学的有害事象等防止加算
処方医に連絡・確認を行った内容の要点を記載すること。
- 820101910 内容の要点(薬学的有害事象等防止加算):同種・同効の併用薬との重複投薬
- 820101911 内容の要点(薬学的有害事象等防止加算):併用薬・飲食物等との相互作用
- 820101912 内容の要点(薬学的有害事象等防止加算):過去のアレルギー歴、副作用歴
- 820101913 内容の要点(薬学的有害事象等防止加算):年齢や体重による影響
- 820101914 内容の要点(薬学的有害事象等防止加算):肝機能、腎機能等による影響
- 820101915 内容の要点(薬学的有害事象等防止加算):授乳・妊婦への影響
- 830100984 内容の要点(薬学的有害事象等防止加算):その他薬学的観点から必要と認める事項;**********
薬学的有害事象等防止加算のイ
処方箋が交付される前に処方医に対する相談 照会(残薬調整に係るものを除く。)を行った年月日を記載すること。
- 850100601 相談年月日(薬学的有害事象等防止加算のイ);(元号)yy“年”mm“月”dd“日”
薬剤の変更内容について選択し記載すること。
- 820101916 薬剤の変更内容(薬学的有害事象等防止加算のイ):同種同効薬への変更
- 820101917 薬剤の変更内容(薬学的有害事象等防止加算のイ):剤形の変更
- 820101918 薬剤の変更内容(薬学的有害事象等防止加算のイ):用量の変更
- 820101919 薬剤の変更内容(薬学的有害事象等防止加算のイ):用法の変更
- 830100985 薬剤の変更内容(薬学的有害事象等防止加算のイ):その他;******
補足(服用薬剤調整支援料、薬学的有害事象等防止加算の違い)
服用薬剤調整支援料は加算ではないので処方箋受付日でなくても算定可能(処方箋受付1回あたりと書かれていない在宅患者訪問薬剤管理指導料や緊急、服薬情報等提供料等は処方箋がなくても算定可能)。薬学的有害事象等防止加算は調剤管理料の加算なので処方箋受付日に算定する。
服用薬剤調整支援料、薬学的有害事象等防止加算の同時算定はいずれも条件を満たせば可能(令和8年調剤報酬改定で「服用薬剤調整支援料の提案内容と同一の処方内容の場合において、重複投薬・相互作用等防止加算及び在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料は算定できない。」の公文が削除されたため)。
服用薬剤調整支援料2を算定後に同一の提案内容で服用薬剤調整支援料1を算定することはできない。
- 服用薬剤調整支援料1・・・125点(月1回)、保険薬局(自局含め)で調剤した6種類以上の薬剤→開始4w以上経過→医療機関へ提案→2種類減少→その後4w以上経過後算定。複数の医療機関のものを合わせて6種類でOKだが、減少した内服薬のうち2種類以上は自局で調剤している必要あり。1種類は自局の保険薬剤師が提案。
例)A病院で5種類、B病院で1種類の内服薬が出ている患者(ともに自局で調剤済)について、片方の医療機関に減薬の提案をして2種類減って、4週間経過した時、処方箋受付と関係なく算定も可能。同一有効成分を含む合剤変更や内服以外への変更では算定不可。 - 服用薬剤調整支援料1についても2と同様、対象となる内服薬について、当該保険薬局でそれらを調剤していれば、1カ所だけではなく、複数の保険医療機関から処方されている場合についても、それらを合わせたうえで要件を満たしているか判断することで差し支えない。(R2年保険調剤Q&A Q159)
- 服用薬剤調整支援料2・・・複数の医療機関合わせて6種類以上(
うち1種類以上は自局調剤、種類数の考え方は1に準ずる)の内服薬の服用を開始して4週間以上経過後、患者or家族等の求めに応じて、服用薬剤総合評価を行うために必要な研修を修了したかかりつけ薬剤師が医療機関へ文書を用いて重複投薬等の服用中の薬剤の調整に関わる提案→提案後に算定。減薬していなくてもOK。緊急性の高い場合は薬学的有害事象等防止加算を算定。
例)A病院から5種類、B病院で1種類の内服薬が出ている患者(B病院=1種類は自局で調剤済)について、重複等の一元的把握後、文書を用いて処方医へ提案した時算定。- 1,000点(6月に1回、かかりつけ薬剤師1人につき月4回)
- 薬学的有害事象等防止加算・・・疑義照会により処方に変更が行われた場合(残薬調整及び手帳持参率50%以下の薬局を除く)(在宅患者訪問薬剤管理指導料、宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、居宅療養管理指導費を算定している患者を除く)。
減薬までに時間がかかってもいい場合(緊急性のない重複や服薬中に入手した情報からの提案)では、処方箋受付とは関係なく点数を算定可能な服用薬剤調整支援料を算定するのも手。- 残薬調整以外・・・
- 在宅患者へ処方箋を交付する前に処方内容を処方医に相談し、処方に係る提案が反映された処方箋を受け付けた場合・・・50点
- 在宅患者に対して行った場合(イの場合を除く。)・・・50点
- かかりつけ薬剤師が、同意を得た患者に対して行った場合(イ又はロの場合を除く。)・・・50点
- それ以外の場合・・・30点
- 残薬調整以外・・・
・過去の副作用やアレルギー歴等による疑義照会
・同一医療機関等からの処方箋に基づく疑義照会
・年齢や腎機能等を考慮した、過量投与による用量の変更→理由を摘要欄に入れないと返戻になるケース有
・服薬困難のための剤形変更
補足(Xでの反応)
1. 現場のリアルな疑問・不安
- 「薬の追加」は算定できるのか?
リウマチ患者で痛み止めが処方されておらず、患者の訴えに基づきセレコキシブ追加を提案して処方が変更されたケースで「薬の追加は算定できない」と返戻された報告がバズっている。旧加算の疑義解釈を引き合いに出す審査側と、厚生局(例: 神奈川)に問い合わせて「医薬品の追加も算定可」と回答を得た側で解釈が割れている。レセプトコメントの書き方(「患者聞き取りから疑義が生じ…」など)で通るかどうかも不安材料。 - 単なる用法・用量オーバーは対象か?
「ただの用法用量オーバーくらいでは算定できない認識」との投稿に多数の反応。開始時の量・漸増ルール・年齢・腎肝機能などを理由に薬学的に過量と判断して疑義照会した場合は算定する、という意見と、「単なる凡ミス」は取らないという現場判断が混在。薬歴に「薬学的理由」をきちんと書けるかどうかが線引きになっている。 - 簡素化プロトコルでの事後報告では算定不可
地域の簡素化プロトコルに従って重複投薬などを調整し、医療機関へ事後報告しただけの場合は算定できない、という疑義解釈が周知されている。実際に疑義照会(連絡・確認)を行い、処方変更に至った場合のみ評価される点で、手間とリスクのバランスを気にする声がある。 - 点数の低さと記録の手間・個別指導不安
30-50点程度で、疑義照会・薬歴記載・レセプト対応の時間に見合わないという指摘。かかりつけや在宅で50点になるケース以外は特に「割に合わない」との空気。何を「そのほか薬学的観点から必要と認める事項」に含めるか、審査で突っ込まれるのではないかという不安も根強い。
2. 算定に成功した・失敗した具体例
- 失敗例(返戻): リウマチ処方で痛み止めなし → 患者の痛み訴えに基づきセレコキシブ追加提案 → 処方変更・算定 → 「薬の追加は算定できない」で返戻。旧加算の疑義解釈を根拠にされた可能性が指摘されている。
- 成功・通っている例:
- 厚生局(神奈川)に問い合わせて「医薬品の追加は算定可」との回答を得て、実際に返戻なしで運用している薬局。
- 在宅で医師の往診に同行し、嚥下困難患者に対して散剤への変更などを処方箋交付前に提案し、反映された処方箋を受け付けたケース(加算イの対象として肯定的に扱われている)。
- 用量オーバーを年齢・腎機能などを根拠に薬学的に判断して疑義照会し、変更になったケース(「算定しないと薬剤師が仕事しなかったことになる」との意見あり)。
- 相互作用・副作用・体質・検査値などを理由にした減量・変更提案(安全管理寄りのケース)。
Q&A(R8年度調剤報酬改定)
(答)薬学的有害事象等防止加算は疑義照会に係る対応を評価するものであるため、算定不可。
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