薬学管理料(長期投薬情報提供料1)

概要(調剤報酬点数表

  • 長期投薬情報提供料1(情報提供1回につき)・・・18点

注1 長期投薬情報提供料1は、患者又はその家族等の求めに応じ、長期投薬に係る薬剤の使用が適切に行われるよう、長期投薬に係る処方箋受付時に、処方箋を受け付けた保険薬局が、当該薬剤の服薬期間中にその使用に係る重要な情報を知ったときは、患者又はその家族等に対し当該情報を提供することにつきあらかじめ患者の同意を得た上で、実際に当該情報を提供した場合であって、当該患者の次回の処方箋の受付時に提供した情報に関する患者の状態等の確認及び必要な指導を行った場合に算定する。

注2 長期投薬情報提供料2は、患者又はその家族等の求めに応じ、注1に規定する服薬期間中に患者又はその家族等に対し、服薬状況等の確認及び必要な指導を行った場合であって、当該患者の次回の処方箋(当初に受け付けた処方箋と同一の疾病又は負傷に係るものに限る。)の受付時に再度服薬状況等の確認及び必要な指導を行った場合に算定する。

注3 在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者については、算定しない。

補足(調剤報酬点数表に関する事項

ア 長期投薬情報提供料1は、次に掲げる事項をすべて満たした場合に算定する。

  • (イ) 長期投薬に係る処方箋の受付時に、当該処方箋受付薬局が、当該処方箋に係る薬剤の服薬期間中にその使用に係る新たな重要な情報を知ったときは、患者又はその家族等に対して当該情報を提供することにつき、あらかじめ患者又はその家族等の同意を得ること。
  • (ロ) (イ)の情報を入手後、速やかに患者又はその家族等に対して実際に当該情報を提供し、注意を促すこと。
  • (ハ) 当該患者の次回の処方箋の受付時に、当該保険薬局の保険薬剤師が、提供した情報に関連した副作用の発現状況、注意事項の遵守状況等を確認し、必要な指導を行うこと。

イ アの(イ)の同意を得た場合には、その旨を当該患者の薬剤服用歴の記録に記載すること。

ウ 「重要な情報」とは、処方箋受付時に提供した薬剤情報以外の情報で新たに知り得た情報であって、当該患者の薬剤服用歴に基づき、服薬中の患者に重大な影響を与えると思われる事項のことであり、例えば、以下のような情報が挙げられる。

  • (イ) 医薬品緊急安全性情報
  • (ロ) 医薬品・医療機器等安全性情報

エ 情報提供に当たって、特に配慮が必要と考えられる薬剤については、情報提供の前に処方箋発行医に確認する等慎重に対応すること。

オ 患者の服薬期間中に新たに情報提供した事項については、薬剤服用歴等の記録に記載する。

カ 長期投薬情報提供料1は在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者については算定できない。

その他

つまり、この加算は長期といっても日数が決まっているわけではなく、たとえばタミフルが5日間処方になっている3日目にイエローペーパーが発行され、それについて患者に伝えて、同意文書も 作成した場合には36点加算できるということ。

Q&A(H20年度診療報酬改定)

Q:長期投薬情報提供料1については、長期投薬情報提供料2と異なり、当初に受け付けた処方箋と同一の疾病又は負傷に係る処方箋に限らず、当該患者の次回の処方箋の受付時に、提供した情報に関する患者の状態等の確認及び必要な指導を行った場合に算定できると考えてよいか。

A:その通り。長期投薬情報提供料1の対象となる情報は、薬局が新たに入手した重大な副作用に関する情報等、患者が服薬中の薬剤の使用に関わる重要な情報であることから、当初に受け付けた処方箋と同一の疾病又は負傷に係る処方箋に限らず、情報提供後の最初の処方箋の受付時に、当該患者に対して、提供した情報に関連した副作用の発現状況、注意事項の遵守状況等を確認し、必要な指導を行うことが重要である。

Q:長期投薬情報提供料1を算定していなくても、長期投薬情報提供料2は算定できるか。

A:算定できる。長期投薬情報提供料1と長期投薬情報提供料2は独立したものである。ただし、長期投薬情報提供料1に基づく情報提供を患者に行い、後日この件で患者から問い合わせを受け、追加として情報提供及び服薬指導を行っても長期投薬情報提供料2は算定できない。

Q:長期投薬情報提供料2は、次回処方箋受付時に、前回の処方箋について服薬指導を行った回数分算定できると考えてよいか。

A:その通り。ただし本情報提供料の算定について患者の同意が得られている場合であって、かつ次回受付時に再度、服薬状況や患者の体調変化などを確認することが必要である。なお、次回受付時における服薬状況等の確認及び必要な指導の算定については、その確認及び指導の内容に応じて算定することができる。

Q:長期投薬情報提供料2は、次回処方箋受付時に算定できるが、前回の処方箋受付日から次回の処方箋受付日までの経過時間に制限はないと考えてよいか。

A:その通り。ただし、次回受け付けた処方箋が、当初受け付けた処方箋と同一の疾患又は負傷に係るものに限る。

Q:長期投薬情報提供料2は、患者や家族からの電話により服薬指導を行った場合であっても算定可能か。

A:算定できる。ただし、本情報提供料の算定について患者の同意が得られている場合であって、かつ次回受付時に再度、服薬状況や患者の体調変化などを確認した場合に限る。

Q:長期投薬情報提供料2の算定日の間隔に制限はないと考えてよいか。

A:その通り。

Q:長期投薬情報提供料1や2は、内服薬が処方されていない場合でも算定可能か。また、算定可能な場合には、服薬期間はどのように判断すればよいか。

A:内服薬以外でも算定可能である。外用薬などにおいても投薬期間が処方箋に記載されている場合などは、算定可能である。また本数や枚数で記載された処方箋の場合に合っては、薬剤の適応症などに応じて、医師に照会して投薬期間を確認してもよい。
例)ニトロダームTTS 1日1回 28日分(算定可能)

Q:服用期間中の患者に重大な影響を与える新たに知り得た情報とはどういうものか。

A:医薬品緊急安全性情報(いわゆるドクターレーター)、医薬品等安全性情報などがあげられる。薬歴に基づき、新たに認められた一部の併用薬、飲食物との「相互作用」や「警告」「禁忌」などの重篤な副作用の追加などが、服用期間中の患者に重大な影響を与えると判断される場合を想定している。当該情報提供に当っては、単に患者を不安がらせ、薬剤の中止や一律に受診を促すなどのことが無いよう十分な経験を積んだ薬剤師により適切に行われるものと理解している。

Q:長期投薬情報提供料1又は2の場合において、情報提供の結果、患者の服薬状況等を処方箋発行保険医療機関に情報提供する必要性を認めた場合、患者の同意を得て文書により提供した場合は、服薬情報等提供料を算定できるか。

A:次回の処方箋受付時に算定できる。

Q:患者またはその家族等の同意については、文書により得る必要があるのか。

A:文書による同意は必要ない。ただし、その旨を薬歴または調剤録に記載しておく必要がある。

Q&A(H16年度診療報酬改定)

Q:長期投薬に係る処方箋を複数受け付けた場合、算定要件を満たせば、長期投薬情報提供料1はそれぞれ算定可能か。

A:長期投薬情報提供料1は、受け付けた処方箋に係る医薬品の安全性情報の提供を目的とするものであり、情報提供1回につき算定できる。

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記事No253 題名:Re:ぴ様 投稿者:管理人tera 投稿日:2016-04-05 21:31:11

はじめまして。
この加算は、4月からは服薬情報等提供料に統合され、この加算の公文もそちらへ追記されています。
よって、服薬情報等提供料が算定できると思われます。

下記、追加された文

イ 患者又はその家族等の求めがあった場合、患者の同意を得て、次に掲げる情報等について、患者又はその家族等に対して速やかに提供等し、当該患者の次回の処方せん受付時に提供した情報に関する患者の状態等の確認及び必要な指導を行った場合に算定できる。
(イ) 緊急安全性情報、安全性速報や医薬品・医療機器等安全性情報など、処方せん受付時に提供した薬剤情報以外の情報で患者の服薬期間中に新たに知り得た情報
(ロ) 患者の服薬期間中に服薬状況の確認及び必要な指導


記事No252 題名:3月に指導した長期投薬2を 投稿者:ぴ 投稿日:2016-04-05 18:20:50

3月中に長期投薬情報提供料2の指導を行った患者が改定後の4月に来局した場合、指導を行ったが加算項目が廃止となってしまった今、何の加算も算定出来ないのでしょうか。重複投薬・相互作用防止加算の算定はできないのでしょうか。


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