保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則

第一条(療養の給付の担当の範囲)

保険薬局が担当する療養の給付及び被扶養者の療養(以下単に「療養の給付」という。)は、薬剤又は治療材料の支給並びに居宅における薬学的管理及び指導とする。

第二条(療養の給付の担当方針)

保険薬局は、懇切丁寧に療養の給付を担当しなければならない。

第二条の二(適正な手続の確保)

保険薬局は、その担当する療養の給付に関し、厚生労働大臣又は地方社会保険事務局長に対する申請、届出等に係る手続及び療養の給付に関する費用の請求に係る手続を適正に行わなければならない。

第二条の三(健康保険事業の健全な運営の確保)

保険薬局は、その担当する療養の給付に関し、次の各号に掲げる行為を行つてはならない。

  • 一  保険医療機関若しくは医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第二条の二第二項に規定するオンライン診療受診施設(以下「オンライン診療受診施設」という。)(別に厚生労働大臣が定める要件に該当するものを除く。以下この号において同じ。)と一体的な構造とし、又は保険医療機関若しくはオンライン診療受診施設と一体的な経営を行うこと。
  • 二  保険医療機関若しくは保険医又はオンライン診療受診施設に対し、患者に対して特定の保険薬局において調剤を受けるべき旨の指示等を行うことの対償として、金品その他の財産上の利益を供与すること。

2  前項に規定するほか、保険薬局は、その担当する療養の給付に関し、健康保険事業の健全な運営を損なうことのないよう努めなければならない。

第二条の三のニ(経済上の利益の提供による誘引の禁止)

保険薬局は、患者に対して、第四条の規定により受領する費用の額に応じて当該保険薬局における商品の購入に係る対価の額の値引きをすることその他の健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益を提供することにより、当該患者が自己の保険薬局において調剤を受けるように誘引してはならない。保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則第2条の3の2第1項に規定する経済上の利益の提供による誘引の禁止について

2 保険薬局は、事業者又はその従業員に対して、患者を紹介する対価として金品を提供することその他の健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益を提供することにより、患者が自己の保険薬局において調剤を受けるように誘引してはならない。→保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則第2条の3の2第2項に規定する経済上の利益の提供による誘引の禁止について

第二条の四(掲示)

保険薬局は、その薬局内の見やすい場所に、第四条の三第二項に規定する事項のほか、別に厚生労働大臣が定める事項を掲示しなければならない。

2 保険薬局は、原則として、前項の厚生労働大臣が定める事項をウェブサイトに掲載しなければならない。

第三条(処方箋の確認等)

保険薬局は、被保険者及び被保険者であつた者並びにこれらの者の被扶養者である患者(以下単に「患者」という。)から療養の給付を受けることを求められた場合には、その者の提出する処方箋が健康保険法 (大正十一年法律第七十号。以下「法」という。)第六十三条第三項 各号に掲げる病院又は診療所において健康保険の診療に従事している医師又は歯科医師(以下「保険医等」という。)が交付した処方箋であること及びその処方箋、法第三条第十三項に規定する電子資格確認(以下「電子資格確認」という。又は患者の提出する被保険者証によつて療養の給付を受ける資格があることを確認しなければならない

ただし、緊急やむを得ない事由によつて療養の給付を受ける資格があることの確認を行うことができない患者であつて、療養の給付を受ける資格が明らかなものについては、この限りでない。

  • 一 保険医等が交付した処方箋
  • 二 法第三条第十三項に規定する電子資格確認(以下「電子資格確認」という。)
  • 三 患者の提出し、又は提示する資格確認証
  • 四 当該保険薬局が、過去に取得した当該患者の被保険者又は被扶養者の資格に係る情報(保険給付に係る費用の請求に必要な情報を含む。)を用いて、保険者に対し、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により、あらかじめ照会を行い、保険者から回答を受けて取得した直近の当該情報を確認する方法(当該患者が当該保険薬局から療養の給付(居宅における薬学的管理及び指導に限る。)を受けようとする場合であつて、当該保険薬局から電子資格確認による確認を受けてから継続的な療養の給付を受けている場合に限る。)
  • その他厚生労働大臣が定める方法

2 患者が電子資格確認により療養の給付を受ける資格があることの確認を受けることを求めた場合における前項の規定の適用については、同項中「その処方箋、法第三条第十三項に規定する電子資格確認(以下「電子資格確認」という。)又は患者の提出する被保険者証」とあるのは「法第三条第十三項に規定する電子資格確認(以下「電子資格確認」という。)」と、「事由によつて」とあるのは「事由によつて電子資格確認により」とする。

3 療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令(昭和五十一年厚生省令第三十六号)附則第三条の四第一項の規定により同項に規定する書面による請求を行つている保険薬局及び同令附則第三条の五第一項のの規定により届出を行つた保険薬局については、前項の規定は、適用しない。

4 保険薬局(前項の規定の適用を受けるものを除く。)は、第二項に規定する場合において、患者が電子資格確認によつて療養の給付を受ける資格があることの確認を受けることができるよう、あらかじめ必要な体制を整備しなければならない。

第三条の二(要介護被保険者等の確認)

保険医療機関等は、患者に対し、居宅療養管理指導その他の介護保険法 (平成九年法律第百二十三号)第八条第一項 に規定する居宅サービス又は同法第八条の二第一項 に規定する介護予防サービスに相当する療養の給付を行うに当たっては、同法第十二条第三項 に規定する被保険者証の提示を求めるなどにより、当該患者が同法第六十二条 に規定する要介護被保険者等であるか否かの確認を行うものとする。

第四条(患者負担金の受領)

保険薬局は、被保険者又は被保険者であつた者については法第七十四条 の規定による一部負担金並びに法第八十六条 の規定による療養についての費用の額に法第七十四条第一項 各号に掲げる場合の区分に応じ、同項 各号に定める割合を乗じて得た額の支払を、被扶養者については法第七十六条第二項 又は第八十六条第二項第一号 の費用の額の算定の例により算定された費用の額から法第百十条 の規定による家族療養費として支給される額(同条第二項第一号 に規定する額に限る。)に相当する額を控除した額の支払を受けるものとする。

2  保険薬局は、法第六十三条第二項第三号 に規定する評価療養(以下「評価療養」という)、同項第四号に規定する患者申出療養(以下「患者申出療養」という。)又は同項第五号に規定する選定療養(以下「選定療養」という。)に関し、当該療養に要する費用の範囲内において、法第八十六条第二項 又は第百十条第三項 の規定により算定した費用の額を超える金額の支払を受けることができる。

第四条の二(領収証等の交付)

1 保険薬局は、前条の規定により患者から費用の支払を受けるときは、正当な理由がない限り、個別の費用ごとに区分して記載した領収証を無償で交付しなければならない。

2 厚生労働大臣の定める保険薬局は、前項に規定する領収証を交付するときは、正当な理由がない限り、当該費用の計算の基礎となつた項目ごとに記載した明細書を交付しなければならない。

3 前項に規定する明細書の交付は、正当な理由がある場合を除き、無償で行わなければならない。

※ 平成二十六年四月一日施行
※ ただし、明細書を常に交付することが困難であることについて正当な理由がある場合には、当分の間、患者から求められたときに明細書を交付することで足りる。また、正当な理由がある場合には、当分の間、有償で発行することができる。

第四条の二の二

前条第二項に規定する厚生労働大臣の定める保険薬局は、公費負担医療( 厚生労働大臣の定めるものに限る。) を担当した場合( 第四条第一項の規定により患者から費用の支払を受ける場合を除く。) において、正当な理由がない限り、当該公費負担医療に関する費用の請求に係る計算の基礎となった項目ごとに記載した明細書を交付しなければならない。

2 前項に規定する明細書の交付は、無償で行わなければならない。

第四条の三(保険外併用療養費に係る療養の基準等)

保険薬局は、評価療養、患者申出療養又は選定療養に関して第四条第二項の規定による支払を受けようとする場合において、当該療養を行うに当たり、その種類及び内容に応じて厚生労働大臣の定める基準に従わなければならないほか、あらかじめ、患者に対しその内容及び費用に関して説明を行い、その同意を得なければならない。

2 保険薬局は、その薬局内の見やすい場所に、前項の療養の内容及び費用に関する事項を掲示しなければならない。

第五条(調剤録の記載及び整備)

保険薬局は、第十条の規定による調剤録に、療養の給付の担当に関し必要な事項を記載し、これを他の調剤録と区別して整備しなければならない。

第六条(処方箋等の保存)

保険薬局は、患者に対する療養の給付に関する処方箋及び調剤録をその完結の日から三年間保存しなければならない。

第七条(通知)

保険薬局は、患者が次の各号の一に該当する場合には、遅滞なく、意見を附して、その旨を管轄地方社会保険事務局長又は当該健康保険組合に通知しなければならない。

  • 一 正当な理由がなくて、療養に関する指揮に従わないとき。
  • 二 詐欺その他不正な行為により、療養の給付を受け、又は受けようとしたとき。

第七条の二(後発医薬品及びバイオ後続品の調剤)

保険薬局は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第十四条の四第一項各号に掲げる医薬品(以下「新医薬品等」という。)とその有効成分、分量、用法、用量、効能及び効果が同一性を有する医薬品として、同法第十四条の規定による製造販売の承認(以下「承認」という。)がなされたもの(ただし、同法第十四条の四第一項第二号に掲げる医薬品並びに新医薬品等に係る承認を受けている者が、当該承認に係る医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能及び効果が同一であつてその形状、有効成分の含量又は有効成分以外の成分若しくはその含量が異なる医薬品に係る承認を受けている場合における当該医薬品を除く。)(以下「後発医薬品」という。)次の各号に掲げる医薬品の備蓄に関する体制その他の後発医薬品当該医薬品の調剤に必要な体制の確保に努めなければならない。

  • 一 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第十四条の四第一項各号に掲げる医薬品(以下「新医薬品等」という。)とその有効成分、分量、用法、用量、効能及び効果が同一性を有する医薬品として、同法第十四条又は第十九条の二の規定による製造販売の承認(以下「承認」という。)がなされたもの(新医薬品等に係る承認を受けている者が、当該承認に係る医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能及び効果が同一であつてその形状、有効成分の含量又は有効成分以外の成分若しくはその含量が異なる医薬品に係る承認を受けている場合における当該医薬品を除く。以下「後発医薬品」という。)
  • 二 遺伝子組換え技術を応用して製造される新医薬品等と同等の品質、有効性及び安全性を有する医薬品として承認がなされたもの(以下「バイオ後続品」という。)

第八条(調剤の一般的方針)

1 保険薬局において健康保険の調剤に従事する保険薬剤師(以下「保険薬剤師」という。)は、保険医等の交付した処方箋に基いて、患者の療養上妥当適切に調剤並びに薬学的管理及び指導を行わなければならない。

2 保険薬剤師は、調剤を行う場合は、患者の服薬状況及び薬剤服用歴を確認しなければならない。

3 保険薬剤師は、処方箋に記載された医薬品に係る後発医薬品又はバイオ後続品が次条に規定する厚生労働大臣の定める医薬品である場合であつて、当該処方箋を発行した保険医等が後発医薬品への変更を認めているとき、又は遺伝子組換え技術を応用して製造される医薬品の一般的名称を記載する処方箋を交付したときは、患者に対して、後発医薬品又はバイオ後続品に関する説明を適切に行わなければならない。この場合において、保険薬剤師は、後発医薬品又はバイオ後続品を調剤するよう努めなければならない。

第九条(使用医薬品)

保険薬剤師は、厚生労働大臣の定める医薬品以外の医薬品を使用して調剤してはならない。ただし、厚生労働大臣が定める場合においては、この限りでない。

第九条の二(健康保険事業の健全な運営の確保)

保険薬剤師は、調剤に当たつては、健康保険事業の健全な運営を損なう行為を行うことのないよう努めなければならない。

第十条(調剤録の記載)

保険薬剤師は、患者の調剤を行つた場合には、遅滞なく、調剤録に当該調剤に関する必要な事項を記載しなければならない。

第十条の二(適正な費用の請求の確保)

保険薬剤師は、その行つた調剤に関する情報の提供等について、保険薬局が行う療養の給付に関する費用の請求が適正なものとなるよう努めなければならない。

保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則の一部を改正する省令(令和5年4月1日施行法)

第一条(施行期日)

この省令は、令和五年四月一日から施行する。ただし、附則第三条の規定は、保険医療機関及び保険医療養担当規則及び保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則の一部を改正する省令の一部を改正する省令(令和五年厚生労働省令号)の公布の日から適用する。

第ニ条(受給資格の確認等に係る経過措置)

第一条の規定による改正後の保険医療機関及び保険医療養担当規則(以下「新療担規則」という。)第三条第二項から第四項までの規定及び第二条の規定による改正後の保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(以下「新薬担規則」という。)第三条第二項から第四項までの規定(新薬担規則第十一条において読み替えて適用する場合を含む。)は、次の表の上欄に掲げる保険医療機関又は保険薬局であって、あらかじめ、その旨を電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)に記録し電子情報処理組織を使用して提出する方法その他の適切な方法により地方厚生局長又は地方厚生支局長(以下「地方厚生局長等」という。)に届け出たものについて、同表の下欄に掲げる期間においては、適用しない。

一 患者が健康保険法(大正十一年法律第七十号)第三条第十三項に規定する電子資格確認(以下「電子資格確認」という。)によって保険医療機関及び保険医療養担当規則第一条に規定する療養の給付又は保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則第一条に規定する療養の給付(以下「療養の給付」という。)を受ける資格があることの確認を受けることができる体制の整備に係る事業を行う者との間で当該体制の整備に係る契約(令和五年二月二十八日までに締結されたものに限る。)を締結している保険医療機関又は保険薬局であって、当該事業者による当該体制の整備に係る作業が完了していないもの 左欄の体制の整備に係る作業が完了する日又は令和五年九月三十日のいずれか早い日までの間
二 電子資格確認に必要な電気通信回線(光回線に限る。)が整備されていない保険医療機関又は保険薬局 左欄の電気通信回線が整備された日から起算して六月が経過した日までの間
三 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護のみを行う保険医療機関 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護のみを行う場合にあって患者が電子資格確認によって療養の給付を受ける資格があることの確認を受けることができる仕組みの運用が開始されるまでの間
四 改築の工事中である施設又は臨時の施設において診療又は調剤を行ってい当該改築の工事中である施設又は臨時のる保険医療機関又は保険薬局 施設において診療又は調剤を行っている間
五 廃止又は休止に関する計画を定めている保険医療機関又は保険薬局 廃止又は休止するまでの間
六 その他患者が電子資格確認によって療養の給付を受ける資格があることの確認を受けることができる体制を整備することが特に困難な事情がある保険医療機関又は保険薬局 左欄の特に困難な事情が解消されるまでの間

2 新療担規則第三条第二項の規定及び新薬担規則第三条第二項の規定(新薬担規則第十一条において読み替えて適用する場合を含む。)は、保険医療機関又は保険薬局(前項の規定の適用を受けるものを除く。)が次の各号に掲げる療養の給付を担当する場合において、次の各号に掲げる場合にあって患者が電子資格確認によって療養の給付を受ける資格があることの確認を受けることができる仕組みの運用が開始されるまでの期間、適用しない。

  • 一 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護又は居宅における薬学的管理及び指導を行う場合
  • 二 電話又は情報通信機器を用いた診療又は薬学的管理及び指導を行う場合

3 保険医療機関又は保険薬局は、第一項の届出を行う際、当該届出の内容を確認できる必要な資料を添付するものとする。ただし、同項の届出を行うに当たり、資料の添付を併せて行うことができないことについてやむを得ない事情がある場合には、当該届出の事後において、速やかに地方厚生局長等に提出するものとする。

4 第一項の届出は、当該保険医療機関又は保険薬局の所在地を管轄する地方厚生局又は地方厚生支局の分室がある場合においては、当該分室を経由して行うものとする。

第三条(準備行為)

前条第一項の表の上欄に掲げる保険医療機関又は保険薬局は、この省令の施行の日前においても、同条の規定の例により、その届出を行うことができる。

第四条(資料の提供)

地方厚生局長等は、療養の給付に関して必要があると認めるときは、審査支払機関に対し、新療担規則第三条第二項から第四項までの規定、新薬担規則第三条第二項から第四項までの規定(新薬担規則第十一条において読み替えて適用する場合を含む。)並びに前二条に関して必要な資料の提供を求めることができる。

2 社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)による社会保険診療報酬支払基金は、保険医療機関又は保険薬局において患者が電子資格確認によって療養の給付を受ける資格があることの確認を受けることができる体制を整備できるよう、地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律(平成元年法律第六十四号)第二十四条第一号に規定する業務及びこれに附帯する業務並びに同法附則第一条の三第一項各号に掲げる業務を行うため、地方厚生局長等に対して、前二条に規定する届出を行った保険医療機関又は保険薬局の名称及び所在地その他の必要な資料の提供を求めることができる。

健康保険法施行規則及び保険医療機関及び保険薬局の指定並びに保険医及び保険薬剤師の登録に関する省令の一部を改正する省令等の公布について

保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(昭和32年厚生省令第16号。以下「薬担規則」という。)の一部改正(薬担規則等改正省令第3条及び第4条関係)

(1) 薬担規則第2条の4第1項により掲示することとされている厚生労働大臣が定める事項について、原則として、ウェブサイトに掲載しなければならないこと。ただし、自ら管理するホームページ等を有しない保険薬局については、この限りではない。(第2条の4第2項関係)

(2) 評価療養、患者申出療養又は選定療養について、次に掲げる改正を行うこと。(第4条の3関係)

  • ア 保険薬局は、薬担規則第4条第2項の規定による支払を受けようとする場合において、当該療養を行うに当たり、その種類及び内容に応じて厚生労働大臣の定める基準に従わなければならないほか、あらかじめ、患者に対しその内容及び費用に関して説明を行い、その同意を得なければならないこと。
  • イ 保険薬局は、その薬局内の見やすい場所に、当該療養の内容及び費用に関する事項を掲示しなければならないこと。
  • ウ 保険薬局は、原則として、当該療養の内容及び費用に関する事項をウェブサイトに掲載しなければならないこと。

(3) 3(2)アに準じた改正を行うこと。なお、その詳細については、追って通知する予定であること。(第4条第2項関係)

保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則第2条の3の2第1項に規定する経済上の利益の提供による誘引の禁止について

1.保険調剤等に係る一部負担金の支払いにおけるポイント付与について

保険調剤等に係る一部負担金の支払いにおけるポイント付与については、以下の考え方により、原則禁止しているところであり、保険調剤における一部負担金の1%相当を超えてポイントを付与している場合は、地方厚生(支)局による口頭による指導の対象としています。また、口頭による指導を行い、その上で改善が認められない事例については、必要に応じて個別指導を行っていただくようお願いします(以下「口頭による指導」について同じ。)。

  • 保険調剤等においては、療養の給付に関する費用が中央社会保険医療協議会における議論を経て公定されており、ポイントのような付加価値を付与することは、医療保険制度上、ふさわしくないこと
  • 患者による保険薬局等の選択に当たっては、保険薬局が懇切丁寧に保険調剤等を担当し、保険薬剤師が調剤、薬学的管理及び服薬指導の質を高めることが本旨であり、適切な健康保険事業の運営の観点から、ポイントの提供等によるべきではないこと

また、現金と同様の支払い機能を有するクレジットカード又は一定の汎用性のある電子マネー(交通系電子マネー等のタッチ式決済、QR コード決済又はバーコード決済等)による支払いに伴うポイントの付与(以下「クレジットカード等のポイント付与」という。)についても、患者の支払いの利便性向上又は保険薬局における事務の効率化の観点から、当面、やむを得ないものとして取り扱ってきたところです。

昨今、保険調剤等に係る一部負担金の支払いの際に、クレジットカード等のポイント付与に加えて、保険薬局又は同一グループの企業が独自にポイント制度を設けて付与しているポイント(以下「独自ポイント」という。)や、保険薬局がポイント事業者やポイント事業を実施する決済事業者へ手数料等を支払い加盟店となること又は保険薬局自らが決済事業者やポイント事業者となることで付与されるようになるポイント(以下「いわゆる共通ポイント」という。)を、重複して付与する事例が散見されます。

今般、クレジットカード等のポイント付与が調剤一部負担金の1%を超えることが見込まれる場合において、これに加えて独自ポイントやいわゆる共通ポイント等の付与を行ったときは、適切な健康保険事業の運営の観点から、地方厚生(支)局による口頭による指導の対象であることを明確化します。

また、クレジットカード等のポイント付与に加え、保険薬局が独自のポイントやいわゆる共通ポイントを上乗せして付与する場合には、それらの総計が保険調剤における一部負担金の1%を超えないことを地方厚生(支)局に対し説明する責任は保険薬局が負うものとし、これを果たさない場合には地方厚生(支)局による口頭による指導の対象となることを申し添えます。

なお、ポイントを用いて一部負担金を減額することを可能としているもの、一部負担金に対するポイントの付与について大々的に宣伝、広告を行っているもの(具体的には、建物外に設置した看板、テレビコマーシャル、保険薬局の外部から容易に視認可能な局内掲示等)についても、地方厚生(支)局による口頭による指導の対象としています。

2.処方箋受付サイトを運営する外部事業者(EPARK等?)による利用患者への金銭等の供与について

保険薬局は、患者から一部負担金の支払いを受けることとされているとともに、その一部負担金の値引き等をすることにより、当該患者が自己の保険薬局において調剤を受けるように誘引してはならないとされています。

昨今、保険薬局から登録料等を徴収して処方箋受付サイトを運営する外部事業者が、当該サイトを通じて調剤を受けた利用患者に対し、アンケート回答や当該サイト利用自体への謝礼等の名目で金銭の払い戻し又はそれに準ずるポイントの供与を行っている事例が見受けられます。こうしたサイトは、登録料等を支払っている保険薬局に患者を誘導するものであり、かつ、このようなキャッシュバックは、その名目如何にかかわらず、当該サイトを通じた経済上の利益の提供に実質的に該当するものであるため、当該サイトを通じて処方箋を応需する保険薬局は、地方厚生(支)局による口頭による指導の対象であることを明確化します。

3.調剤した薬剤の送料について

保険薬局における患家等への調剤した薬剤の送付については、関係法令を遵守した上で、患者又はその家族等の同意に基づき、療養の給付と直接関係のないサービス等として、その費用の徴収を保険薬局が行うことができるとしています。

このような中で、調剤した薬剤の送付を行う保険薬局が、その送付に要する費用の一部又は全部を患者から徴収しないこととし、当該費用を減額又は無料化する旨の宣伝又は広告を行っている事例があります。こうした宣伝又は広告を伴う当該費用の減額又は無料化は、経済上の利益の提供による患者の誘引に実質的に該当するため、これらの宣伝又は広告を行う保険薬局は地方厚生(支)局による口頭による指導の対象であることを明確化します。

なお、処方箋に記載された薬剤について、その調剤のために必要な数量の在庫がなく、当該処方箋を応需した保険薬局から患家等に後日郵送することとした場合など、保険薬局側の事情に起因する薬剤の送付については、その費用を保険薬局が負担することとして差し支えありません。

保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則第2条の3の2第2項に規定する経済上の利益の提供による誘引の禁止について

昨今、介護保険法(平成9年法律第 123 号)に規定する介護老人福祉施設、介護老人保健施設及び介護医療院等、高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成 13年法律第 26 号)に規定するサービス付き高齢者向け住宅並びに老人福祉法(昭和38 年法律第 133 号)に規定する有料老人ホーム、養護老人ホーム及び軽費老人ホーム(以下「高齢者施設等」という。)に入所又は入居する患者の保険調剤を応需することの見返りとして、保険薬局に対して高齢者施設等の一部の事業者が金品等の提供を要求した事例が報告されています。

今般、保険薬局が高齢者施設等からの金品等の要求に応ずること又は保険薬局が高齢者施設等に金品等を提供することについて、患者の紹介の対価であることを否定できない場合は、患者を紹介する対価としての経済上の利益の提供に該当するものであることをあらためて明確化します。

なお、ここでいう「経済上の利益の提供」には、保険薬局が直接的に又は第三者を介して間接的に行うか否かにかかわらず、高齢者施設等への金銭の供与のほか、明らかに服薬管理指導業務と関係のない物品やサービスの提供を保険薬局の負担により行うこと(寄付を含めて無償若しくは安価で提供すること又は無償若しくは安価で貸与すること。)も含まれます。

また、次に示す物品又はサービスについて、令和8年6月 23 日以降、保険薬局が新たに費用を負担すること又は継続的な費用負担を行うことは、「経済上の利益の提供」に該当することを明確化します。

  • 配薬カートや調剤棚等、高齢者施設等に備え付ける什器。(なお、患者個別に用意する服薬カレンダーや服薬ボックス等について、保険薬局の薬剤師が服薬管理指導業務の一環として必要と判断した場合には、保険薬局の負担により手配することは「経済上の利益の提供」に該当しません。)
  • 高齢者施設等が利用するシステム(施設職員による配薬を支援するシステムや、入居者の見守りシステム等)の導入又は利用。

ただし、当該取扱いについてはこれまで明確化していなかったことを踏まえ、令和8年6月 23 日において現に保険薬局が継続的な費用負担により行っている行為については、令和9年5月 31 日までの間に限り、「経済上の利益の提供」に該当しないものとみなします。

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