生活保護法

第一条(この法律の目的)

この法律は、日本国憲法第二十五条 に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。

第十一条(種類)

保護の種類は、次のとおりとする。

  • 一  生活扶助
  • 二  教育扶助
  • 三  住宅扶助
  • 四  医療扶助
  • 五  介護扶助
  • 六  出産扶助
  • 七  生業扶助
  • 八  葬祭扶助

2  前項各号の扶助は、要保護者の必要に応じ、単給又は併給として行われる。

第十五条(医療扶助)

医療扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。

  • 一  診察
  • 二  薬剤又は治療材料
  • 三  医学的処置、手術及びその他の治療並びに施術
  • 四  居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
  • 五  病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
  • 六  移送

第三十四条(医療扶助の方法)

医療扶助は、現物給付によつて行うものとする。但し、これによることができないとき、これによることが適当でないとき、その他保護の目的を達するために必要があるときは、金銭給付によつて行うことができる。

2  前項に規定する現物給付のうち、医療の給付は、医療保護施設を利用させ、又は医療保護施設若しくは第四十九条の規定により指定を受けた医療機関にこれを委託して行うものとする。

3 前項に規定する医療の給付のうち、医療を担当する医師又は歯科医師が医学的知見に基づき後発医薬品(薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)第十四条又は第十九条の二の規定による製造販売の承認を受けた医薬品のうち、同法第十四条の四第一項各号に掲げる医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能及び効果が同一性を有すると認められたものであつて厚生労働省令で定めるものをいう。以下この項において同じ。)を使用することができると認めたものについては、被保護者に対し、可能な限り後発医薬品の使用を促すことによりその給付を行うよう努めるもの原則として、後発医薬品によりその給付を行うものとする。

4 第二項に規定する医療の給付のうち、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律 (昭和二十二年法律第二百十七号)又は柔道整復師法 (昭和四十五年法律第十九号)の規定によりあん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師又は柔道整復師(以下「施術者」という。)が行うことのできる範囲の施術については、第五十五第一項条の規定により準用される第四十九条の規定により指定を受けた施術者に委託してその給付を行うことを妨げない。

5 急迫した事情その他やむを得ない事情がある場合においては、被保護者は、前二項及び前項の規定にかかわらず、指定を受けない医療機関について医療の給付を受け、又は指定を受けない施術者について施術の給付を受けることができる。

6 医療扶助のための保護金品は、被保護者に対して交付するものとする。

第四十九条(医療機関の指定)

厚生労働大臣は、国の開設した病院若しくは診療所又は薬局についてその主務大臣の同意を得て、都道府県知事は、その他の病院若しくは診療所(これらに準ずるものとして政令で定めるものを含む。)又は薬局について、この法律による医療扶助のための医療を担当させる機関を指定する。

第四十九条の二(指定の申請及び基準)

厚生労働大臣は、国の開設した病院若しくは診療所又は薬局についてその主務大臣の同意を得て、都道府県知事は、その他の病院若しくは診療所(これらに準ずるものとして政令で定めるものを含む。)又は薬局について、この法律による医療扶助のための医療を担当させる機関を指定する。

厚生労働大臣による前条の指定は、厚生労働省令で定めるところにより、病院若しくは診療所又は薬局の開設者の申請により行う。

2 厚生労働大臣は、前項の申請があつた場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、前条の指定をしてはならない。

  • 一 当該申請に係る病院若しくは診療所又は薬局が、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第六十三条第三項第一号に規定する保険医療機関又は保険薬局でないとき。
  • 二 申請者が、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
  • 三 申請者が、この法律その他国民の保健医療若しくは福祉に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
  • 四 申請者が、第五十一条第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過しない者(当該取消しの処分に係る行政手続法第十五条の規定による通知があつた日前六十日以内に当該指定を取り消された病院若しくは診療所又は薬局の管理者であつた者で当該取消しの日から起算して五年を経過しないものを含む。)であるとき。ただし、当該指定の取消しの処分の理由となつた事実に関して申請者が有していた責任の程度を考慮して、この号本文に該当しないこととすることが相当であると認められるものとして厚生労働省令で定めるものに該当する場合を除く。
  • 五 申請者が、第五十一条第二項の規定による指定の取消しの処分に係る行政手続法第十五条の規定による通知があつた日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に第五十一条第一項の規定による指定の辞退の申出をした者(当該指定の辞退について相当の理由がある者を除く。)で、当該申出の日から起算して五年を経過しないものであるとき。
  • 六 申請者が、第五十四条第一項の規定による検査が行われた日から聴聞決定予定日(当該検査の結果に基づき第五十一条第二項の規定による指定の取消しの処分に係る聴聞を行うか否かの決定をすることが見込まれる日として厚生労働省令で定めるところにより厚生労働大臣が当該申請者に当該検査が行われた日から十日以内に特定の日を通知した場合における当該特定の日をいう。)までの間に第五十一条第一項の規定による指定の辞退の申出をした者(当該指定の辞退について相当の理由がある者を除く。)で、当該申出の日から起算して五年を経過しないものであるとき。
  • 七 第五号に規定する期間内に第五十一条第一項の規定による指定の辞退の申出があつた場合において、申請者(当該指定の辞退について相当の理由がある者を除く。)が、同号の通知の日前六十日以内に当該申出に係る病院若しくは診療所又は薬局の管理者であつた者で、当該申出の日から起算して五年を経過しないものであるとき。
  • 八 申請者が、指定の申請前五年以内に被保護者の医療に関し不正又は著しく不当な行為をした者であるとき。
  • 九 当該申請に係る病院若しくは診療所又は薬局の管理者が第二号から前号までのいずれかに該当する者であるとき。

3 厚生労働大臣は、第一項の申請があつた場合において、当該申請に係る病院若しくは診療所又は薬局が次の各号のいずれかに該当するときは、前条の指定をしないことができる。

  • 一 被保護者の医療について、その内容の適切さを欠くおそれがあるとして重ねて第五十条第二項の規定による指導を受けたものであるとき。
  • 二 前号のほか、医療扶助のための医療を担当させる機関として著しく不適当と認められるものであるとき。

4 前三項の規定は、都道府県知事による前条の指定について準用する。この場合において、第一項中「診療所」とあるのは「診療所(前条の政令で定めるものを含む。次項及び第三項において同じ。)」と、第二項第一号中「又は保険薬局」とあるのは「若しくは保険薬局又は厚生労働省令で定める事業所若しくは施設」と読み替えるものとする。

第四十九条の三(指定の更新)

第四十九条の指定は、六年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。

2 前項の更新の申請があつた場合において、同項の期間(以下この条において「指定の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の指定は、指定の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。

3 前項の場合において、指定の更新がされたときは、その指定の有効期間は、従前の指定の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。

4 前条及び健康保険法第六十八条第二項の規定は、第一項の指定の更新について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

第五十条(指定医療機関の義務)

第四十九条の規定により指定を受けた医療機関(以下「指定医療機関」という。)は、厚生労働大臣の定めるところにより、懇切丁寧に被保護者の医療を担当しなければならない。

2  指定医療機関は、被保護者の医療について、厚生労働大臣又は都道府県知事の行う指導に従わなければならない。

第五十条の二(変更の届出等)

指定医療機関は、当該指定医療機関の名称その他厚生労働省令で定める事項に変更があつたとき、又は当該指定医療機関の事業を廃止し、休止し、若しくは再開したときは、厚生労働省令で定めるところにより、十日以内に、その旨を第四十九条の指定をした厚生労働大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。

第五十一条(指定の辞退及び取消し)

指定医療機関は、三十日以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができる。

2  指定医療機関が、次の各号のいずれかに該当するときは、厚生労働大臣の指定した医療機関については厚生労働大臣が、都道府県知事の指定した医療機関については都道府県知事が、その指定を取り消し、又は期間を定めてその指定の全部若しくは一部の効力を停止することができる。

  • 一 指定医療機関が、第四十九条の二第二項第一号から第三号まで又は第九号のいずれかに該当するに至つたとき。
  • 二 指定医療機関が、第四十九条の二第三項各号のいずれかに該当するに至つたとき。
  • 三 指定医療機関が、第五十条又は次条の規定に違反したとき。
  • 四 指定医療機関の診療報酬の請求に関し不正があつたとき。
  • 五 指定医療機関が、第五十四条第一項の規定により報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提出若しくは提示を命ぜられてこれに従わず、又は虚偽の報告をしたとき。
  • 六 指定医療機関の開設者又は従業者が、第五十四条第一項の規定により出頭を求められてこれに応ぜず、同項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。ただし、当該指定医療機関の従業者がその行為をした場合において、その行為を防止するため、当該指定医療機関の開設者が相当の注意及び監督を尽くしたときを除く。
  • 七 指定医療機関が、不正の手段により第四十九条の指定を受けたとき。
  • 八 前各号に掲げる場合のほか、指定医療機関が、この法律その他国民の保健医療若しくは福祉に関する法律で政令で定めるもの又はこれらの法律に基づく命令若しくは処分に違反したとき。
  • 九 前各号に掲げる場合のほか、指定医療機関が、被保護者の医療に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき。
  • 十 指定医療機関の管理者が指定の取消し又は指定の全部若しくは一部の効力の停止をしようとするとき前五年以内に被保護者の医療に関し不正又は著しく不当な行為をした者であるとき。

第五十二条(診療方針及び診療報酬)

指定医療機関の診療方針及び診療報酬は、国民健康保険の診療方針及び診療報酬の例による。

2  前項に規定する診療方針及び診療報酬によることのできないとき、及びこれによることを適当としないときの診療方針及び診療報酬は、厚生労働大臣の定めるところによる。

第五十三条(医療費の審査及び支払)

都道府県知事は、指定医療機関の診療内容及び診療報酬の請求を随時審査し、且つ、指定医療機関が前条の規定によつて請求することのできる診療報酬の額を決定することができる。

2  指定医療機関は、都道府県知事の行う前項の決定に従わなければならない。

3  都道府県知事は、第一項の規定により指定医療機関の請求することのできる診療報酬の額を決定するに当つては、社会保険診療報酬支払基金法 (昭和二十三年法律第百二十九号)に定める審査委員会又は医療に関する審査機関で政令で定めるものの意見を聴かなければならない。

4  都道府県、市及び福祉事務所を設置する町村は、指定医療機関に対する診療報酬の支払に関する事務を、社会保険診療報酬支払基金又は厚生労働省令で定める者に委託することができる。

5  第一項の規定による診療報酬の額の決定については、行政不服審査法 (昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立てをすることができない。

第五十四条(報告等)

都道府県知事(厚生労働大臣の指定に係る指定医療機関については、厚生労働大臣又は都道府県知事)は、医療扶助に関して必要があると認めるときは、指定医療機関若しくは指定医療機関の開設者若しくは管理者、医師、薬剤師その他の従業者であつた者(以下この項において「開設者であつた者等」という。)に対して、必要と認める事項の報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提出若しくは提示を命じ、指定医療機関の開設者 若しくは管理者、医師、薬剤師その他の従業者(開設者であつた者等を含む。)に対し出頭を求め、又は当該職員に、関係者に対して質問させ、若しくは当該指定医療機関について実地に、その設備若しくは診療録、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

2 第二十八条第三項及び第四項の規定は、前項の規定による検査について準用する。

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記事No2322 題名:Re:ひらお様 投稿者:管理人tera 投稿日:2022-10-19 03:41:12

こちらこそ情報提供ありがとうございます。
確かに腑に落ちない感じではありますが、仕方ないですね・・・。


記事No2320 題名:管理人tera様 投稿者:ひらお 投稿日:2022-10-18 16:59:06

ご返答ありがとうございます。
その後、役所へ再度確認しまして、役所から病院へ確認の連絡をしてくれました。
が、病院からは「自立支援医療の一診療中での処方なので生保ではありません」と言われたようです。
では何故21と12の処方箋が分かれて発行されているのか・・・謎です。
話が平行線だったようで、役所の方が調剤券を発行してくれることになりました。
私もこのようなことが初めてでしたが、結局よくわからぬままになってしまいました。
病院の処方箋の出し方の問題な気もしますが、一応解決致しましたことをご報告させていただきます。
ありがとうございました。


記事No2316 題名:Re:ひらお様 投稿者:管理人tera 投稿日:2022-10-11 17:12:18

はじめまして。
1、患者が調剤券を提出して受診する場合
患者は福祉事務所からの調剤券の交付を受け、医療機関の窓口にこの調剤券を提出して受診することになっている。
2、患者が調剤券を持たずに受診する場合
ア 患者が町村長の発行する連絡書を提出して受診する場合
その後の処理は連絡書を参照
イ 患者が医療要否意見書を持って受診する場合
持参した医療要否意見書に所要事項を記入の上速やかに返送→その後調剤券が送付される
ウ 患者が受給証を持って受診する場合(夜間・休日及び急病等に限定)
夜間・休日等で福祉事務所が閉庁していて調剤券の交付を申請できない時
エ 患者が何も持たずに受診する場合
調剤券を持たない患者が、福祉事務所からの連絡なしに受診した場合は、その患者の保護を行なっている福祉事務所に要連絡。患者が緊迫した状況にあるため調剤券を発行する余裕のない場合等は、調剤券を発行せずに調剤を行い、その後直ちに郵送される。
オ 救急患者で生活保護法による保護を要すると思われる時
福祉事務所に連絡
と大体の生活保護の指針には記載されております。
調剤券がなしで受け付けたケースがないので何とも言えませんが、基本的には調剤券なしで12の請求は無理なのではないでしょうか?
役所と福祉事務所が同じでなければ、福祉事務所の方にも確認してみてはいかがですか?
実体験なく説明が薄くて申し訳ないですがよろしくお願いします。


記事No2315 題名:併用の調剤券について 投稿者:ひらお 投稿日:2022-10-08 09:26:01

いつも勉強させていただいております。
21と12の併用の患者様が来局したので役所に調剤券を請求しましたが、病院より意見書が届いていないので発券できないと言われました。
病院へ確認すると、この患者様の医療券は請求をしていないとのことです。
病院は医療券を請求せず、21と12の請求が出来るのでしょうか?
処方箋は21と12分かれて出ています。
薬局も調剤券なしで請求が出来るものなのでしょうか?
もしご存じであれば教えていただきたく思います。


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