専門医療機関連携薬局について

専門医療機関連携薬局の認定(薬機法第六条の三第六条の四

薬局であつて、その機能が、医師若しくは歯科医師又は薬剤師が診療又は調剤に従事する他の医療提供施設と連携し、薬剤の適正な使用の確保のために専門的な薬学的知見に基づく指導を実施するために定めるがんその他の傷病の区分ごとに、その所在地の都道府県知事の認定を受けて専門医療機関連携薬局と称することができる。

  • 一 構造設備が、利用者の心身の状況に配慮する観点から必要なものとして厚生労働省令で定める基準に適合するものであること。
  • 二 利用者の薬剤及び医薬品の使用に関する情報を他の医療提供施設と共有する体制が、厚生労働省令で定める基準に適合するものであること。
  • 三 専門的な薬学的知見に基づく調剤及び指導の業務を行う体制が、厚生労働省令で定める基準に適合するものであること。

2 前項の認定を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を記載した申請書をその薬局の所在地の都道府県知事に提出しなければならない。

  • 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
  • 二 その薬局において専門的な薬学的知見に基づく調剤及び指導の業務を行うために必要なものとして厚生労働省令で定める要件を満たす薬剤師の氏名
  • 三 その薬局の名称及び所在地
  • 四 前項各号に掲げる事項の概要
  • 五 その他厚生労働省令で定める事項

3 第一項の認定を受けた者は、専門医療機関連携薬局と称するに当たつては、厚生労働省令で定めるところにより、同項に規定する傷病の区分を明示しなければならない

4 専門医療機関連携薬局でないものは、これに専門医療機関連携薬局又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。

5 第一項の認定は、一年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。

第六条の二第一項又は前条第一項の認定の申請者が、第七十五条第四項又は第五項の規定によりその受けた認定を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない者であるときは、第六条の二第一項又は前条第一項の認定を与えないことができる。

2 第五条(第三号に係る部分に限る。)の規定は、第六条の二第一項及び前条第一項の認定について準用する。

専門医療機関連携薬局の基準等(薬機法施行規則第十条の三

法第六条の三第一項の厚生労働省令で定める傷病の区分は、がんとする。

2 法第六条の三第一項第一号の厚生労働省令で定める基準は、次のとおりとする。

  • 一 利用者が座つて情報の提供及び薬学的知見に基づく指導を受けることができる個室その他のプライバシーの確保に配慮した設備を有すること。
  • 二 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造であること。

3 法第六条の三第一項第二号の厚生労働省令で定める基準は、次のとおりとする。

  • 一 薬局開設者が、過去一年間において、当該薬局において薬事に関する実務に従事する薬剤師を、利用者の治療方針を共有するために第一項に規定する傷病の区分に係る専門的な医療の提供等を行う医療機関との間で開催される会議に継続的に参加させていること。
  • 二 薬局開設者が、当該薬局において薬事に関する実務に従事する薬剤師が当該薬局を利用する第一項に規定する傷病の区分に該当する者の薬剤及び医薬品の使用に関する情報について前号の医療機関に勤務する薬剤師その他の医療関係者に対して随時報告及び連絡することができる体制を備えていること。
  • 三 薬局開設者が、過去一年間において、当該薬局において薬事に関する実務に従事する薬剤師に当該薬局を利用する第一項に規定する傷病の区分に該当する者のうち半数以上の者の薬剤及び医薬品の使用に関する情報について第一号の医療機関に勤務する薬剤師その他の医療関係者に対して報告及び連絡させた実績があること。
  • 四 薬局開設者が、当該薬局において薬事に関する実務に従事する薬剤師が当該薬局を利用する第一項に規定する傷病の区分に該当する者の薬剤及び医薬品の使用に関する情報について地域における他の薬局に対して報告及び連絡することができる体制を備えていること。

4 法第六条の三第一項第三号の厚生労働省令で定める基準は、次のとおりとする。

  • 一 開店時間外であつても、利用者からの薬剤及び医薬品に関する相談に対応する体制を備えていること。
  • 二 休日及び夜間であつても、調剤の求めがあつた場合には、地域における他の薬局開設者と連携して対応する体制を備えていること。
  • 三 在庫として保管する第一項に規定する傷病の区分に係る医薬品を、必要な場合に地域における他の薬局開設者に提供する体制を備えていること。
  • 四 薬局開設者が、麻薬及び向精神薬取締法第二条第一号に規定する麻薬の調剤に応需するために同法第三条第一項の規定による麻薬小売業者の免許を受け、当該麻薬の調剤の求めがあつた場合には、当該薬局において薬事に関する実務に従事する薬剤師に当該薬局で調剤させる体制を備えていること。
  • 五 医療安全対策に係る事業への参加その他の医療安全対策を講じていること。
  • 六 当該薬局に常勤として勤務している薬剤師の半数以上が、当該薬局に継続して一年以上常勤として勤務している者であること。
  • 七 第六項に規定する専門性の認定を受けた常勤の薬剤師を配置していること。
  • 八 薬局開設者が、当該薬局において薬事に関する実務に従事する全ての薬剤師に対し、一年以内ごとに、第一項に規定する傷病の区分ごとの専門的な薬学的知見に基づく調剤及び指導に関する研修を計画的に受けさせていること。
  • 九 当該薬局において薬事に関する実務に従事する薬剤師が、地域における他の薬局に勤務する薬剤師に対して、第一項に規定する傷病の区分ごとの専門的な薬学的知見に基づく調剤及び指導に関する研修を継続的に行つていること。
  • 十 当該薬局において薬事に関する実務に従事する薬剤師が、過去一年間において、地域における他の医療提供施設に対し、第一項に規定する傷病の区分ごとの医薬品の適正使用に関する情報を提供していること。

5 法第六条の三第二項の申請書は、様式第五の三によるものとする。この場合において、申請者が精神の機能の障害により業務を適正に行うに当たつて必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができないおそれがある者である場合は、当該申請者に係る精神の機能の障害に関する医師の診断書を当該申請書に添付しなければならない。

6 法第六条の三第二項第二号の厚生労働省令で定める要件は、次に掲げる基準に適合するものとして厚生労働大臣に届け出た団体により、第一項に規定する傷病の区分に係る専門性の認定(以下単に「専門性の認定」という。)を受けた薬剤師であることとする。

  • 一 学術団体として法人格を有していること。
  • 二 会員数が千人以上であること。
  • 三 専門性の認定に係る活動実績を五年以上有し、かつ、当該認定の要件を公表している法人であること。
  • 四 専門性の認定を行うに当たり、医療機関における実地研修の修了、学術雑誌への専門性に関する論文の掲載又は当該団体が実施する適正な試験への合格その他の要件により専門性を確認していること。
  • 五 専門性の認定を定期的に更新する制度を設けていること。
  • 六 当該団体による専門性の認定を受けた薬剤師の名簿を公表していること。

7 法第六条の三第二項第五号の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。

  • 一 申請者が法第五条第三号イからトまでに該当しない旨
  • 二 申請者が法第七十五条第四項又は第五項の規定により地域連携薬局等の認定を取り消され、その取消しの日から三年を経過していない旨

8 第一項に規定する傷病の区分の明示は、当該薬局内の見やすい場所及び当該薬局の外側の見やすい場所に掲示することにより行うものとする。

専門医療機関連携薬局の変更の届出(薬機法施行規則第十六条の三

認定薬局開設者は、次に掲げる事項を変更したときは、三十日以内に、様式第六による届書を提出することにより、認定証を交付した都道府県知事にその旨を届け出なければならない。

  • 一 認定薬局開設者の氏名(認定薬局開設者が法人であるときは、薬事に関する業務に責任を有する役員の氏名を含む。)及び住所
  • 二 専門医療機関連携薬局にあつては、法第六条の三第二項第二号に規定する薬剤師の氏名

2 前項の届書には、次の各号に掲げる届書の区分に応じて当該各号に定める書類を添えなければならない。ただし、申請等の行為の際当該届書の提出先とされている都道府県知事に提出され、又は当該都道府県知事を経由して厚生労働大臣に提出された書類については、当該届書にその旨が付記されたときは、この限りでない。

  • 一 前項第一号に掲げる認定薬局開設者の氏名に係る届書認定薬局開設者の戸籍謄本、戸籍抄本又は戸籍記載事項証明書(認定薬局開設者が法人であるときは、登記事項証明書)
  • 二 前項第一号に掲げる役員に係る届書新たに役員となつた者が精神の機能の障害により業務を適正に行うに当たつて必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができないおそれがある者である場合は、当該役員に係る精神の機能の障害に関する医師の診断書
  • 三 前項第二号に掲げる事項に係る届書(新たに法第六条の三第二項第二号に規定する薬剤師となつた者が認定薬局開設者である場合を除く。)雇用契約書の写しその他の認定薬局開設者の新たに法第六条の三第二項第二号に規定する薬剤師となつた者に対する使用関係を証する書類

3 認定薬局開設者は、その薬局の名称を変更しようとするときは、あらかじめ、様式第六による届書を提出することにより、認定証を交付した都道府県知事にその旨を届け出なければならない。

Q&A

(問1)規則 10 条の2第3項第2号及び 10 条の3第4項第2号における「休日及び夜間」の考え方を示されたい。

(答)具体的には、「休日」とは、日曜日、国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)第3条に規定する休日、1月2日及び3日並びに12月29日、30日及び31日をいい、「夜間」とは、午後6時から翌日の午前8時まで(土曜日の場合は、正午以降)をいうものであること。
なお、認定薬局における開店時間(開局時間)は、利用者からの調剤の求めに応じる趣旨を踏まえると、平日は1日8時間以上、土曜日又は日曜日のいずれかの曜日は一定時間以上開局した上で、かつ週45時間以上開局していることが望ましく、本規定において求める休日及び夜間対応はそれ以外の時間の対応を想定しているものであること。

(問2)施行通知第2の3(2)において、「自局で対応するほか、地域の他の薬局開設者と連携して対応する体制を備えていること」が求められているが、自局が 24 時間体制で対応する場合には、当該基準を満たしているものと考えてよいか。

(答)本規定(規則第10条の2第3項第2号)が、地域連携薬局として地域における調剤応需体制に積極的に関わることを求めているという趣旨であることを踏まえると、自局が24時間体制で対応する場合は、地域において自局の対応を周知するとともに、地域の他の薬局開設者や利用者からの調剤の求めがあった場合には適切に対応することなど必要な体制を有していることをもって、当該基準を満たしていると考えて差し支えない。
また、専門医療機関連携薬局における規則第10条の3第4項第2号の規定も同様に考えること。

(問3)施行通知第2の3(2)において「自局で対応するほか、地域の他の薬局開設者と連携して対応する体制を備えていること」との記載があるが、自治体が関与する仕組みなどにより、地域の薬局が交代で休日・夜間診療所等に当該薬局に勤務する薬剤師を派遣している場合には、当該基準を満たしていると考えてよいか。

(答)差し支えない。

(問4)施行通知第2の3(8)において、「健康サポート薬局に係る研修実施要綱」に基づき、「研修実施機関から健康サポート薬局に係る研修を修了したものとして修了証の交付を受けた常勤の薬剤師」の配置を求めている。
一方、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する省令の施行等について」(平成28年2月12日付け薬生発0212第5号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)においては、健康サポート薬局の要件に関し、研修修了薬剤師に求めている一定の実務経験については「過去に薬局の薬剤師としての経験が5年以上あるものとすること。研修の提供者は、研修の修了証を発行する際に確認するものとすること。」とされている。
薬局の薬剤師としての経験が5年に満たない場合であって、当該研修の受講を修了した旨を証する書類等を認定(更新)申請時に提示があった場合には、当該基準を満たしていると考えてよいか。

(答)研修実施機関において、5年以上の経験とは別に研修の受講を修了した旨の証明書が発行されるのであれば、認定(更新)申請時にその証明書を提示することで差し支えない。

(問5)常勤の取扱いについて、育児や介護により週 32 時間の勤務が困難な場合はどのように考えるのか。

(答)勤務する薬剤師が、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号。以下「育児・介護休業法」という。)に基づき所定労働時間が短縮されている場合は、週32時間未満であっても常勤として取り扱って差し支えない。当分の間は、週24時間以上かつ週4日以上の勤務であれば常勤として取り扱うものとする。ただし、薬局の管理者における勤務時間の取扱いについては、これまでどおり「薬局等の許可等に関する疑義について」(平成11年2月16日付け医薬企第17号厚生省医薬安全局企画課長通知別紙2)に従うこと。

(問6)規則第 10 条の2第3項第7号及び第 10 条の3第4項第6号の規定において、「当該薬局に常勤として勤務している薬剤師の半数以上が当該薬局に継続して1年以上常勤として勤務している」ことを求めているが、常勤の薬剤師が、在籍期間中に産前産後休業、育児休業又は介護休業を取得した場合の勤務年数の取扱いについてはどのように考えるのか。

(答)常勤として勤務している薬剤師が、在籍期間中に労働基準法(昭和22年法律第49号)に基づく産前休業若しくは産後休業又は育児・介護休業法に基づく育児休業若しくは介護休業を取得した場合は、当該休業期間を除いた期間に1年以上常勤として勤務していれば、当該規定の対象となる薬剤師として取り扱って差し支えない。

(問7)地域連携薬局の認定期間中に、地域連携薬局の業務を充実させるために新たに常勤として勤務する薬剤師を1名採用することにより、規則第 10 条の2第3項第7号又は第8号の半数以上の基準を満たさなくなる場合は、認定薬局として認められなくなるのか。

(答)本項の取扱いについては、当該理由のみをもって、直ちに認定薬局の基準を満たさないと判断するものではなく、認定期限までの間に当該薬局の別の薬剤師が継続して1年以上常勤として勤務し、基準を満たす場合は、認定を継続して差し支えない。ただし、地域連携薬局の機能を適切に果たすものであること。
なお、専門医療機関連携薬局における規則第 10 条の3第4項第6号の規定も同様に考えること。

(問8)地域連携薬局の認定期間中に、当該薬局に継続して1年以上常勤として勤務している薬剤師が、出産、育児又は介護の理由により休業したため、規則第 10 条の2第3項第7号又は第8号の半数以上の基準を満たさなくなる場合は、認定薬局として認められなくなるのか。

(答)継続して1年以上常勤として勤務していた薬剤師が、労働基準法に基づき産前休業若しくは産後休業又は育児・介護休業法に基づき育児休業又は介護休業した場合は、直ちに認定基準を満たさないと判断するものではなく、一定期間後に当該薬局の別の薬剤師が継続して1年以上常勤として勤務し、基準を満たす場合は、認定を継続して差し支えない。ただし、地域連携薬局の機能を適切に果たすものであること。
なお、専門医療機関連携薬局における規則第 10 条の3第4項第6号の規定も同様に考えること。

(問9)規則第10条の2第2項第3号に規定する実績については、例えば、文書で医療機関へ情報提供を行い、以下のような調剤報酬を算定した場合を含むと考えてよいか。
① 利用者の入院に当たって情報共有を行った実績として「服薬情報等提供料1」、「服薬情報等提供料2」
② 医療機関からの退院に当たって情報共有を行った実績として「退院時共同指導料」
③ 外来の利用者に関して医療機関と情報共有を行った実績として、「服用薬剤調整支援料1」、「服用薬剤調整支援料2」、薬剤服用歴管理指導料における「吸入薬指導加算」、「調剤後薬剤管理指導加算」

(答)調剤報酬の算定の有無にかかわらず、情報共有を実施していれば実績とすることで差し支えない。

(問 10)規則第 10 条の3第3項第3号に規定する実績については、例えば、文書で医療機関へ情報提供を行い、調剤報酬の「服薬情報等提供料1」、「服薬情報等提供料2」、「特定薬剤管理指導加算2」を算定した場合を含むと考えてよいか。

(答)調剤報酬の算定の有無にかかわらず、情報共有を実施していれば実績とすることで差し支えない。

Q&A一部(他はパブコメ参照)

問 専門医療機関連携薬局において求めるプライバシーに配慮した個室等とは、地域連携薬局において求める間仕切り等で区切られた相談窓口等、相談の内容が漏えいしないよう配慮したスペースとは別に設けると考えるのか。

(答)両方の基準を満たしているのであれば、同じ設備でも差し支えないと考えますが、通常は、間仕切り等で区切られた相談窓口の設置等のみならず、がんの治療を受けている利用者に対して、より一層安心して相談ができる環境を確保する観点から、個室その他のプライバシーの確保に配慮された設備を設けることが望ましいと考えます。

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