漢方薬

漢方薬の使い方

以下、漢方処方の疾患別使用ガイド(一般用漢方製剤の安全性確保に関する研究より引用)

  • 胃のトラブル・・・普段から胃腸が弱く虚証気味で早期膨満感、食後もたれ感を伴う場合に六君子湯、ただ六君子湯は抗炎症や平滑筋緊張に対応する生薬を含まない(FDに対するDreamStudyで心窩部痛のスコアの改善がない)ので、心窩部痛には安中散を用いる。半夏瀉心湯は黄ゴンや黄連を含み、みぞおちのつかえや下痢のみならず潰瘍性大腸炎などにも使用される。イライラを伴う場合は向精神作用のある柴胡を含む小柴胡湯や大柴胡湯。茯苓飲は食べても胃底部が弛緩せず幽門部が緊張して食べ物が進まない食べすぎに使用。
  • 腸のトラブル
  • →便秘・・・大腸刺激性のセンノシドとほぼ同じ大黄甘草湯、酸化マグネシウム様の潤腸湯、カマより強い便軟化作用のあるアミティーザとか様の麻子仁丸、センノシドとカマを一緒に出しているなら両者が混ざった調胃承気湯、更年期ののぼせを伴う便秘に桃核承気湯、肥満を伴う便秘に防風通聖散、便秘以外にお腹の張り等がある場合は桂枝加芍薬大黄湯、腹痛には芍薬甘草湯に桂枝を加えた桂枝加芍薬湯、お腹の冷えがある腹痛・腹部膨満感に大建中湯など
  • 頭痛のトラブル・・・冷えと胃腸症状があれば呉茱萸湯、悪寒+頭痛なら葛根湯、悪寒+強い頭痛は川キュウ茶調散、低気圧(雨天時等)or飲酒後による頭痛は五苓散(=市販のテイラック)、ストレス性の頭痛/慢性頭痛には釣藤鈎
  • 風邪のトラブル・・・汗がなく体力が充実していて呼吸器症状を伴う風邪に麻黄湯、麻黄湯よりも実証が弱い時に葛根湯、長引く風邪に小柴胡湯(実証気味)や補中益気湯(虚証)。
  • →倦怠感・・・気血両補の十全大補湯と人参養栄湯、気虚だけで血虚(顔色が悪い、肌荒れ等)を伴わない場合に補中益気湯。人参養栄湯は十全大補湯から抗ストレスの川キュウが抜けているが、代わりに陳皮、五味子、帰脾湯に含まれる遠志が追加され、肺と心にも効くようになり、息切れや精神安定作用を示し、より虚した状態に使える。
  • →嗅覚障害・・・当帰芍薬散と人参養栄湯が嗅神経の再生に関わる神経成長因子(NGF)を増加させるという報告。その他加味帰脾湯も使用される。
  • 尿のトラブル・・・補腎剤の八味地黄丸と牛車腎気丸は老化による体力低下で気血双補による冷えを改善する。八味地黄丸のほうがより虚証へ、膀胱炎には抗炎症、利水効果のある猪苓湯や竜胆瀉肝湯、その他清心蓮子飲や五淋散が虚証気味の人に用いられる。疼痛緩和に芍薬甘草湯、小児の夜尿症には小建中湯や桂枝加竜骨牡蛎湯
  • 女性の体調のトラブル・・・冷えと水滞に当帰芍薬散、冷えとイライラに加味逍遥散、やや実証よりの顔のぼせに桂枝茯苓丸、実証で便秘を伴うおけつに桃核承気湯。他女神散も。
  • 神経症のトラブル・・・虚証気味の女性の神経症には加味逍遥散、イライラが外に向いているものに抑肝散(より虚して胃腸症状が弱っているなら抑肝散陳皮半夏)、イライラがうちに向いているものには心虚(気血双補)を補う加味帰脾湯(酸棗仁湯は血虚に、帰脾湯より長引く不眠に?)、実証には柴胡加竜骨牡蛎湯。
  • →認知症のBPSD(興奮・精神症状)・・・興奮症状に対しては抑肝散か抑肝散陳皮半夏、無気力・意欲低下に対しては人参養栄湯

漢方薬の考え方

細かくは、漢方の考え方(証について)を参照。

漢方薬の注意すべき副作用

  • 甘草・・・偽アルドステロン症(グリチルリチンの代謝物であるグリチルレチン酸が、コルチゾールを不活性なコルチゾンに変換する11β-HSD2の活性を阻害することで発症すると言われる。コルチゾールのミネラルコルチコイド受容体への結合が高まり、スピロノラクトンの逆機序→Na-Kポンプ稼働→Kが尿中、Naが血中へ⇒血圧上昇、低カリウム血症(倦怠感))。カンゾウを1日2.5g以上含む(5.0g/日以上は要注意)代表的漢方薬は、甘草湯、小青竜湯、人参湯、半夏瀉心湯、芍薬甘草湯、黄連湯、桔梗湯、桂枝人参湯らがある。中でも芍薬甘草湯の6g/日での発現頻度が高い。以外にも抑肝散(1.5g/日)の報告割合が高いも注意したい。
  • 黄芩・・・間質性肺炎。小柴胡湯とインターフェロン。柴胡ではなく、黄芩が原因の可能性。その他黄芩含有漢方にも報告は多い。小柴胡湯、柴苓湯、清心蓮子飲、防風通聖散の順で発生頻度が高い。
  • 山梔子・・・腸間膜静脈硬化症(腸管静脈の石灰化)。含有成分のゲニポシドが腸内細菌によって加水分解され、ゲニピンとなり、上腸間膜静脈の肥厚や石灰化を引き起こすため長期服用の際の、腹痛、下痢便秘、腹部膨満感に注意。
  • 麻黄・・・エフェドリンによる中枢興奮作用
  • 地黄・・・主要成分カタルポールによる排出能低下と瀉下作用による胃もたれや食欲不振等の消化器症状
  • 牡蛎、竜骨、石膏、滑石・・・ミネラル系生薬のためニューキノロンやテトラサイクリンとキレート

漢方薬の服用時間

通常漢方薬は食前服用とされています。その理由としては、

  • 薬と食物との相互作用の回避:食物の成分と薬の成分が反応する可能性
  • 配糖体の効果を考慮:一部の漢方薬には配糖体という成分が含まれており、腸から吸収されるために腸内細菌が配糖体を処理する必要がある。食後に服用すると腸への移行が遅れるため効果が落ちる。以下一部。
    • 甘草(カンゾウ): グリチリジンという配糖体を主成分として含んでおり、甘味や抗炎症作用を持つ。
    • 桂皮(ケイヒ): クマリン系の配糖体を含んでいます。
    • 附子(ブシ): アコニチンなどのアルカロイド配糖体を含む。
    • 升麻(ショウマ): ペオニフィリンという配糖体を含んでいます。
    • 地黄(ジオウ): ステロイド型の配糖体であるディオスゲニンを含む。
    • 五味子(ゴミシ): シゾフリランという配糖体を含む。
  • 胃腸の刺激を減少:一部の漢方薬は胃腸に刺激を与えることがある。特にアルカロイドはアルカリ性であるため、pHの低い空腹時では中和されてイオン型を形成し、このイオン型は脂溶性が低く、細胞膜を通りにくい(腸からの吸収がされにくい)ため、pHの高い食後の方が腸管からの吸収が上がり、刺激や副作用が起きやすくなる。以下一部。
    • 麻黄(マオウ): エフェドリンや擬エフェドリンといったアルカロイドを含む。
    • 附子(ブシ): アコニチンやメソアコニチンなどのアルカロイドを含む。
    • 山椒(サンショ): サンショールやヒドロキシサンショールといったアルカロイドを含む。
    • 川芎(センキョウ): リグスチルアミンなどのアルカロイドを含む。

等がある。

漢方薬一覧(ツムラ クラシエ コタロー)

注:効能効果はツムラのものを記載しており、クラシエやコタローと文言が異なるもの(例えば甘麦大棗湯等)が多々ありますので、出荷調整等で変更を考える際はご注意ください。個人的には日本語のニュアンスの違いだけで実際の分量が同じであれば代替になりえると思っています。

ツムラの漢方に限って言えば、(画像が旧包装で参考にならないですが)

  • 色は下一桁
  • 横線は、太線が50、細線が10、横線が途中までのは1桁の漢方。(例:太線1本と細線1本なら60番台の漢方)
番号 製剤画像 製剤名 効能・効果
001


葛根湯(カッコントウ)【葛根 大棗 麻黄 甘草 桂枝 芍薬 生姜】
自然発汗がなく頭痛、発熱、悪寒、肩こり等を伴う比較的体力のあるものの次の諸症:感冒、鼻かぜ、熱性疾患の初期、炎症性疾患(結膜炎、角膜炎、中耳炎、扁桃腺炎、乳腺炎、リンパ腺炎)、肩こり、上半身の神経痛、じんましん
桂枝湯+麻黄+葛根。風寒表証の薬方。体力があり、熱が中にこもって汗が出ない、熱感ではなく悪寒を伴う発熱(悪寒で体温上昇させる状態)があり、頭痛、肩こりなどを伴う(葛根や芍薬が作用→虚血を伴う頭痛に)場合に使用(ストレスの頭痛別の方剤)。麻黄と桂枝が合わさると発汗作用が強くなる。悪寒や発汗が軽度の場合は45番桂枝湯を用いる。熱感の場合(風熱表証)は銀翹散を用いる。喉の痛みだけは甘草湯、ダメなら138番桔梗湯。
確認表
002


葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)【葛根 大棗 麻黄 甘草 桂枝 芍薬 生姜 川芎 辛夷】
鼻づまり、蓄膿症、慢性鼻炎
川芎は駆お血剤として血の流れを改善(アレルギー物質等悪いものを流す目的?)辛夷は鼻血管収縮で鼻閉、排膿作用
確認表
003

乙字湯(オツジトウ)【柴胡 黄芩 升麻 大黄 甘草 当帰】
病状がそれほど激しくなく、体力が中位で衰弱していないものの次の諸症:キレ痔、イボ痔
痔はお血が引き起こす。柴胡、黄芩、大黄が清熱作用、升麻が脱肛、上に引き上げる、毒素排出等。全体的に冷やす。痔の薬。
確認表
004欠番
005


安中散(アンチュウサン)【桂皮 延胡索 牡蠣 茴香 甘草 縮砂 良姜】
やせ型で腹部筋肉が弛緩する傾向にあり、胃痛または腹痛があって、ときに胸やけ、げっぷ、食欲不振、はきけなどを伴う次の諸症:神経性胃炎、慢性胃炎、胃アトニー
お腹の冷えを伴う心窩部痛(機能性ディスペプシア含む)や上腹部痛で下痢がない症状に使用。延胡索はくお血剤で潰瘍などに。牡蛎は鎮静、茴香、良姜は温裏剤、桂皮、縮砂、甘草は健胃。高度な胃寒では附子理中湯、熱証がある心窩部痛には黄連湯。
006


十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)【柴胡 甘草 桜皮(樸ソク) 桔梗 川芎 生姜 独活 防風 荊芥 茯苓】
化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、じんましん、急性湿疹、水虫
クラシエは桜皮、ツムラは樸ソク。樸ソクは収れん。柴胡、甘草、桜皮が清熱解毒(消炎・解熱・抗菌)、桜皮、桔梗、川芎が排膿(膿を出す)、生姜、独活、防風、荊芥は去風解表(発汗を促し、皮疹をとる)、防風、荊芥が痒みを止め、茯苓が利水により水分バランスを調整する。また皮脂合成抑制作用や好中球集積抑制作用、抗菌作用、抗酸化作用もあり
007


八味地黄丸(ハチミジオウガン)【地黄 山茱萸 山薬 沢瀉 茯苓 牡丹皮 桂皮 附子】
疲労、倦怠感著しく、尿利減少または頻数、口渇し、手足に交互的に冷感と熱感のあるものの次の諸症: 腎炎、糖尿病、陰萎、坐骨神経痛、腰痛、脚気、膀胱カタル、前立腺肥大、高血圧
腎虚に用いる補腎剤(精気を補い、水分代謝を改善する)で、老化による体力低下がある人の排尿障害や浮腫がよい適応。消化吸収による体力低下(脾虚)には補中益気湯等を用いる。六味丸に桂皮と附子を加えたもので、山薬が消化吸収を高め、山茱萸、地黄が体を潤わせる(=津液を補充する)滋陰剤として、牡丹皮と沢瀉が清熱、沢瀉と茯苓が利水に働き、頻尿を改善し、乾燥、口渇を改善、むくみを抑える。追加になった桂皮と附子は体を温め冷えを改善する。附子が入っているので暑がり赤ら顔に、地黄が入っているので胃弱の人には慎重投与。
確認表
008


大柴胡湯(ダイサイコトウ)【柴胡 半夏 黄芩 大棗 生姜 芍薬 枳実 大黄】
比較的体力のある人で、便秘がちで、上腹部が張って苦しく、耳鳴り、肩こりなど伴うものの次の諸症: 胆石症、胆のう炎、黄疸、肝機能障害、高血圧症、脳溢血、じんましん、胃酸過多症、急性胃腸カタル、悪心、嘔吐、食欲不振、痔疾、糖尿病、ノイローゼ、不眠症
小柴胡湯―人参ー甘草+芍薬+枳実+大黄。より熱がこもっていて、便秘気味の方へ。人参、甘草がなくなることで補脾作用が弱くなり、代わりに芍薬の補血・鎮痙、枳実の下腹部の理気(腹部膨満改善等)、大黄の下剤効果が加わった。承気湯部位よりやや上部。
009


小柴胡湯(ショウサイコトウ)【柴胡 半夏 黄芩 大棗 人参 甘草 生姜】
体力中等度で上腹部がはって苦しく、舌苔を生じ、口中不快、食欲不振、時により微熱、悪心などのあるものの次の諸症: 諸種の急性熱性病、肺炎、気管支炎、気管支喘息、感冒、リンパ腺炎、慢性胃腸障害、産後回復不全
慢性肝炎における肝機能障害の改善
六君子湯に清熱剤の柴胡と黄芩が加わり、利水剤の茯苓と白朮が抜けた。半夏は理気、他補気・補脾。胸脇苦満・半表半裏・往来寒熱(悪寒、発熱の繰り返し)、脾気虚(五臓の脾臓の機能の低下により、気分が悪くて吐き気がし、食欲がなくなる等の症状)。主に炎症性疾患、肝気鬱血(自律神経系を司る五臓の肝の機能低下=精神ストレス)にも用いる(和解法)。副作用は間質性肺炎。半夏等で乾かす作用があるので血虚の人には用いずらい。味覚異常で使うことも半表半裏を治療。
確認表
010


柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)【柴胡 半夏 黄芩 生姜 桂枝 芍薬 大棗 人参 甘草】
発熱汗出て、悪寒し、身体痛み、頭痛、はきけのあるものの次の諸症:感冒・流感・肺炎・肺結核などの熱性疾患、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胆のう炎・胆石・肝機能障害・膵臓炎などの心下部緊張疼痛
小柴胡湯2/3+桂枝湯1/3。抗炎症、肝気鬱血への作用と桂枝湯の頭痛、腹痛への効果も期待され虚証にも使いやすくなる。小柴胡湯はこじらせた風邪に使用し、桂枝湯は寒気のある初期の風邪に使用されます。その間の状態に使うのがこの柴胡桂枝湯で、風邪の慢性期に使用
確認表
011
柴胡桂枝乾姜湯(サイコケイシカンキョウトウ)【柴胡 黄芩 瓜呂根 桂皮 牡蠣 乾姜 甘草】
体力が弱く、冷え症、貧血気味で、動悸、息切れがあり、神経過敏のものの次の諸症: 更年期障害、血の道症、神経症、不眠症 柴胡、黄芩、瓜呂根、牡蛎は冷やす作用があるが、柴胡には気をめぐらし、牡蛎には鎮静、桂皮は気を下げるなど、神経症状を和らげる作用がある。乾姜は体を温め、甘草は補気・補脾。体力中等度以下の不眠に用いる。
012


柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)柴胡 半夏 桂皮 茯苓 黄芩 大棗 人参 牡蠣 竜骨 柴胡 大黄 生姜】
比較的体力があり、心悸亢進、不眠、いらだち等の精神症状のあるものの次の諸症:高血圧症、動脈硬化症、慢性腎臓病、神経衰弱症、神経性心悸亢進症、てんかん、ヒステリー、小児夜啼症、陰萎
肝気鬱血をとる小柴胡湯に精神安定作用のある竜骨、牡蛎を加えた薬方。全体的には実証(体力中等度以上)の神経症、不眠・中途覚醒に用いる。 気鬱に用いる柴胡や気逆に用いる竜骨・牡蛎が含まれやや実証向きだが、人参が含まれているため虚証でも気逆で頭部だけ症状がある場合にも使用できる。ホットフラッシュや動悸など 虚証に用いる場合は少量で用いるといい。虚証が強い場合には桂枝加竜骨牡蛎湯がいい。
確認表
013三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)【大黄 黄芩 黄連】
比較的体力があり、のぼせ気味で、顔面紅潮し、精神不安で、便秘の傾向のあるものの次の諸症: 高血圧の随伴症状 (のぼせ、肩こり、耳なり、頭重、不眠、不安)、鼻血、痔出血、便秘、更年期障害、血の道症
014


半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)【半夏 黄芩 乾姜 甘草 大棗 人参 黄連】
みぞおちがつかえ、ときに悪心、嘔吐があり食欲不振で腹が鳴って軟便または下痢の傾向のあるものの次の諸症急・慢性胃腸カタル、醗酵性下痢、消化不良、胃下垂、神経性胃炎、胃弱、二日酔、げっぷ、胸やけ、口内炎、神経症
上下の気の流れを改善し、心窩部のつかえをとる瀉心剤で、悪心嘔吐、下痢に使用。半夏は理気、気を下げ制吐する燥剤、鎮咳・去痰、黄芩と黄連は清熱剤、甘草、大棗、人参は補気(補脾)、乾姜は温裏。抗がん剤の口内炎・下痢予防。口内炎ではうがい後服用、他桔梗湯がうがいの代表方剤。
確認表
015



黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)【黄連 黄芩 黄柏、山梔子】
比較的体力があり、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらする傾向のある次の諸症: 鼻出血、高血圧、不眠症、ノイローゼ、胃炎、二日酔、血の道症、めまい、動悸、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症
すべての生薬が抗炎症作用を示す。黄連、黄柏は胃や腸の粘膜を保護し下痢に効果。黄連、黄芩は白血球貪食作用を高め免疫機能を増強する、実証でイライラして落ち着かない不眠等、自律神経の興奮を抑える。
確認表
016


半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)【半夏 茯苓 生姜 厚朴 蘇葉】
気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸症 不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、神経性食道狭窄症、不眠症
半夏、厚朴、蘇葉は理気として気の巡りを改善し、気を下げ、晴らす。茯苓には利水以外にも気を下げる作用もある。喉がつかえる違和感。吐き気や痰のの絡む咳、ストレス等を改善
確認表
017


五苓散(ゴレイサン)【茯苓 白朮 沢瀉 猪苓 桂皮】
口渇、尿量減少するものの次の諸症 浮腫、ネフローゼ、二日酔、急性胃腸カタル、下痢、悪心、嘔吐、めまい、胃内停水、頭痛、尿毒症、暑気あたり、糖尿病
白朮はホソバオケラの根茎が胃腸の働きを整えて水分の吸収を促す(脾虚による水分代謝障害、気を上げる作用)。茯苓はマツホド、松の根に生えるキノコ、胸部の水分代謝を活発にして胸水や痰を減らし、心負担軽減。沢瀉はオモダカ、水辺の植物の根、首から上の臓器の水滞のめまい耳鳴りなどに。猪苓はチョレイマイタケ、ブナの木に生えるキノコ、下半身に効果、利尿作用に優れる、熱をとり炎症を抑える効果も(冷え性だめ)。四苓散に1つ加わる桂皮は気のめぐりを改善する。乳幼児の吐き下しの胃腸に坐薬として。利尿剤ではなく、水のバランスを調節する。 茯苓、白朮、桂皮は苓桂朮甘湯と共通
確認表
018


桂枝加朮附湯(ケイシカジュツブトウ)【桂枝 芍薬 甘草 生姜 大棗 蒼朮 附子】
関節痛、神経痛
桂枝湯+蒼朮+附子。桂枝湯に水の代謝異常、四肢痛を緩和する蒼朮、身体を裏から温め、冷えによる痛みを緩和する附子を配合することで、「関節痛、神経痛」を改善します。
019


小青竜湯(ショウセイリュウトウ)【麻黄 芍薬 乾姜 甘草 桂枝 細辛 五味子 半夏】
下記疾患における水様の痰、水様鼻汁、鼻閉、くしゃみ、喘鳴、咳嗽、流涙: 気管支炎、気管支喘息、鼻炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、感冒
水分代謝と冷え、温める漢方、すっぱいのは五味子。麻黄が入っている解表、発汗、気管支拡張、鼻閉改善。五味子と半夏は湿性化痰。五味子は外に出ているのを抑える。気管支炎、鼻炎。心下水気あるものの鼻水、咳、喘息に使用。体力はやや虚弱~中等度、虚弱には麻黄附子細辛湯を用いる。
020


防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)【防已 黄耆 朮 生姜 大棗 甘草】
色白で筋肉軟らかく水ぶとりの体質で疲れやすく、汗が多く、小便不利で下肢に浮腫をきたし、膝関節の腫痛するものの次の諸症 腎炎、ネフローゼ、妊娠腎、陰嚢水腫、肥満症、関節炎、癰、せつ、筋炎、浮腫、皮膚病、多汗症、月経不順
水毒。水太り。色白筋肉でガッチリしてない水太りの人。防已と朮が利水、黄耆は補気利水、大棗と甘草は補気、生姜は温裏。
021

小半夏加茯苓湯(ショウハンゲカブクリョウトウ)【半夏 茯苓 生姜】
体力中等度の次の諸症: 妊娠嘔吐(つわり)、そのほかの諸病の嘔吐(急性胃腸炎、湿性胸膜炎、水腫性脚気、蓄膿症)
半夏は理気、茯苓は気を下げ補脾、生姜は吐き気止。つわりの薬として。これに理気薬で気を下す作用もある厚朴と紫蘇葉を加えると半夏厚朴湯となり吐き気だけでなく、イライラなどの神経症にも対応できる。半夏厚朴湯に小柴胡湯を加えると柴朴湯(喘息治療)となる。
022
消風散(ショウフウサン)【地黄 石膏 当帰 香附子 蒼朮 防風 木通 胡麻 知母 甘草 苦参、荊芥 蝉退】
分泌物が多く、かゆみの強い慢性の皮膚病(湿疹、蕁麻疹、水虫、あせも、皮膚そう痒症)
湿性の湿疹
023

当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)【当帰 茯苓 白朮 芍薬 沢瀉 川芎】
筋肉が一体に軟弱で疲労しやすく、腰脚の冷えやすいものの次の諸症: 貧血、倦怠感、更年期障害(頭重、頭痛、めまい、肩こり等)、月経不順、月経困難、不妊症、動悸、慢性腎炎、妊娠中の諸病(浮腫、習慣性流産、痔、腹痛)、脚気、半身不随、心臓弁膜症
女性の4大漢方の1つ。更年期障害・月経不順はホットフラッシュ、発汗、不眠→ホルモン補充療法、不定愁訴(多彩な症状)→漢方療法。
四物湯と五苓散-3種、補血+利水。血虚(貧血気味)かつ水滞(足腰の冷え)。水のめぐりを良くする茯苓、白朮、沢瀉、血虚に効く当帰、芍薬が含まれる。地黄と猪苓が入っていないので胃もたれ、冷えに使える。くお血剤は 川芎
主な適応は、
  • 20~30代の女性
  • 血色が悪い
  • 中肉から痩せ(ちょっとぽっちゃり気味)
  • 冷え
  • 月経困難、月経不順、流産
  • 血虚(乾燥、冷えなど)と水滞、婦人の腹中の痛み。水滞(舌の浮腫や歯型)がないかどうか。
23番と24番に含まれる朮は、ツムラは蒼朮、クラシエは白朮。蒼朮(わずかに苦い)は表の水毒 痛みや浮腫に。白朮(わずかに甘い)は裏の水毒 胃腸を整える作用がある。
024

加味逍遙散(カミショウヨウサン)【柴胡 芍薬 蒼朮 当帰 茯苓 山梔子 牡丹皮 甘草 生姜 薄荷】
体質虚弱な婦人で肩がこり、疲れやすく、精神不安などの精神神経症状、ときに便秘の傾向のある次の諸症:冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症
女性の4大漢方の1つ。 血が不足(血虚)し、気が余り気滞の状態。加味されたのは山梔子と牡丹皮で清熱・くお血剤として。ストレスによる肝気鬱血の肝の熱をとる。熱証に用いる。柴胡、芍薬が肝鬱に、当帰、芍薬が血虚に、白朮、茯苓が脾虚に。主な適応は、
  • 30~40代の女性
  • 症状が変化する(今日は頭痛など)
  • 几帳面
  • 冷えのぼせ=気逆
  • 便秘
  • ストレスが高く、心身のバランスが崩れている
気の異常を伴う婦人病に使用できることがポイント。気血水をまんべんなく整えるので漢方治療の受付的地位。舌の出し方が過剰(気の不調)で先端に赤みがないか。 効果判定は意外と早い。不妊症の適応はないが、妊娠率が20%程度上昇(抗ストレス?)。

確認表
025


桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)【桂皮 芍薬 桃仁 茯苓 牡丹皮】
体格はしっかりしていて赤ら顔が多く、腹部は大体充実、下腹部に抵抗のあるものの次の諸症 子宮並びにその付属器の炎症、子宮内膜炎、月経不順、月経困難、帯下、更年期障害(頭痛、めまい、のぼせ、肩こり等)、冷え症、腹膜炎、打撲症、痔疾患、睾丸炎
女性の4大漢方の1つ。 桂皮、茯苓が気を下げ、芍薬は補血(肝の血を補う)、桃仁、牡丹皮とくお血剤は2種、牡丹皮は清熱作用もあり。くお血剤による月経痛改善や、桂枝の気逆作用を期待し、顔がのぼせて手足が冷える人へ。他2剤と違い強めの補血剤が入らないので、虚証気味には他2剤がいい。桃仁+桂枝は桃核承気湯と同じだが便秘には使用しない。
血流を改善し、牡丹皮の抗炎症作用があることから単体でにきびにも使用されるが、薏苡仁を加えて皮膚症状や利水効果を加えた125番。主な適応をまとめると、
  • 中間症~実証(ややがっちり)
  • 赤黒い顔
  • 眼瞼周囲のくま
  • しみ、そばかす
  • 舌色が暗赤色
お血を伴う婦人病に使用する。

確認表
026

桂枝加竜骨牡蛎湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)【桂皮 芍薬 大棗 生姜 甘草 竜骨 牡蛎】
下腹直腹筋に緊張のある比較的体力の衰えているものの次の諸症: 小児夜尿症、神経衰弱、性的神経衰弱、遺精、陰萎
桂枝湯に竜骨と牡蛎を加えた。桂枝湯は気を高めて血行を促し温めて体力を回復させ、追加の2種が気血のバランスを調整し、精神を安定化させる。ささいなことが気になりやすい人。
027

麻黄湯(マオウトウ)【杏仁 麻黄 桂枝 甘草】
悪寒、発熱、頭痛、腰痛、自然に汗の出ないものの次の諸症: 感冒、インフルエンザ(初期のもの)、関節リウマチ、喘息、乳児の鼻閉塞、哺乳困難
体力のある人に使用。汗が出ない、熱が体内にこもり悪寒を伴う発熱があり、節々の痛みがある場合が適応。発汗させることで解熱。汗が出ている人に使うと過度に発汗するので×。悪寒ではなく熱感の場合や体力が無い人、口渇がありのどの痛みがある人は×。葛根湯も同じような症状だが、節々の痛みより頭痛、肩こり合併例に使用。
確認表
028
越婢加朮湯(エッピカジュツトウ)【麻黄 石膏 生姜 大棗 甘草 朮】
浮腫と汗が出て小便不利のあるものの次の諸症 腎炎、ネフローゼ、脚気、関節リウマチ、夜尿症、湿疹
越婢湯に朮を加えた。麻黄+石膏の消炎、鎮汗作用、生姜は温裏、大棗、甘草は補気・補脾、朮が利水補気で、炎症を抑えてむくみを抑える。朮の水分移動と抗炎症作用で帯状疱疹・水疱瘡に良い適応。 流涙、ネフローゼ、リウマチ、皮膚病性腎炎。皮膚、関節の水 湿性の湿疹にも用いる。
029
麦門冬湯(バクモンドウトウ)【麦門冬 半夏 粳米 大棗 人参 甘草】
痰の切れにくい咳、気管支炎、気管支ぜんそく
から咳、痰のへばりつきの代表処方。こう米、半夏、麦門冬、大棗、人参、甘草。麦門冬入りの補気剤。津液不足、乾きへの処方。痰がない場合は滋陰降火湯、慢性には滋陰至宝湯
030
真武湯(シンブトウ)【茯苓 芍薬 生姜 朮 附子】
新陳代謝の沈衰しているものの次の諸症: 胃腸疾患、胃腸虚弱症、慢性腸炎、消化不良、胃アトニー症、胃下垂症、ネフローゼ、腹膜炎、脳溢血、脊髄疾患による運動ならびに知覚麻痺、神経衰弱、高血圧症、心臓弁膜症、心不全で心悸亢進、半身不随、リウマチ、老人性そう痒症
腎膀胱の温裏利水剤。芍薬が配合されてるので下腹部の滞り。裏寒に陥っているひとの起立性調節障害。低体温症。虚弱で冷えがあり、全身倦怠感を伴う感冒や軟便(利水)に使用。他温裏剤→人参湯、四逆湯
031
呉茱萸湯(ゴシュユトウ)【呉茱萸 生姜 人参 大棗】
手足の冷えやすい中等度以下の体力のものの次の諸症: 習慣性偏頭痛、習慣性頭痛、嘔吐、脚気衝心
頭痛は冷えにより気血の流れが悪くなり起こると考える。呉茱萸、生姜、人参は温裏剤として温める薬方。大棗は補気・補脾と調和作用。呉茱萸は苦味が強い生薬で、間接的に頭痛をやわらげる。生姜は吐き気にも効果があるので、冷えと胃腸系の症状(吐き気等)がある頭痛に効くとされる。含有生薬数が少なく比較的即効性がある。悪寒+頭痛なら葛根湯(項のコリと発熱)、悪寒+強い頭痛は川キュウ茶調散がよい適応。
032

人参湯(ニンジントウ)【人参 甘草 乾姜 白朮】
体質虚弱の人、或いは虚弱により体力低下した人の次の諸症:急性・慢性胃腸カタル、胃アトニー症、胃拡張、悪阻(つわり)、萎縮腎
心肺、消化器の温裏剤。気や水を下に下げる茯苓が入っていない。人参で強力に気を補い、胃腸からの吸収を高めます。乾姜にて陽気を補い、甘草で胃の働きをサポートします。白朮で健胃とともに、利水にて浮腫みを予防しています。人参湯は“胃”の調子を良くするので、胃の不調による下痢には人参湯。真武湯(茯苓 芍薬 生姜 朮 附子)は腎の陽気を補うので、腸からの下痢には真武湯と使われ方もします。
033
大黄牡丹皮湯(ダイオウボタンピトウ)【冬瓜子 桃仁 牡丹皮 大黄 芒硝】
比較的体力があり、下腹部痛があって、便秘しがちなものの次の諸症: 月経不順、月経困難、便秘、痔疾
冬瓜子(トウガシ)、牡丹皮、大黄は消炎、桃仁、牡丹皮はくお血剤、冬瓜子、大黄、芒硝は下剤。大黄、芒硝が入っているので承気湯類と類似。くお血剤もいくつか入るので桃核承気湯に近いが、こちらは甘草が入っていないのでやや便秘への作用は強く出て、桂枝も入っていないので気逆作用は弱くなる。全体の1/3を占める冬瓜子の消炎・下剤作用に期待して、便秘のある更年期やにきびなど皮膚症状にも用いられる。
034


白虎加人参湯(ビャッコカニンジントウ)【石膏 知母 粳米 甘草 人参】
のどの渇きとほてりのあるもの
陽明、炎症がひどく、熱のみで支配されている場合に用いる。石膏と知母は代表的な寒の生薬で、消炎、解熱に働きます(清熱瀉火)。その他、 人参、甘草、粳米、知母は体内の水分を保持する。石膏、知母は鎮静に働き、いらいらを鎮める。
035四逆散(シギャクサン)【柴胡 芍薬 枳実 甘草】比較的体力のあるもので、大柴胡湯証と小柴胡湯証との中間証を表わすものの次の諸症: 胆嚢炎、胆石症、胃炎、胃酸過多、胃潰瘍、鼻カタル、気管支炎、神経質、ヒステリー
柴胡剤、芍薬が補血、枳実は理気、甘草は補気。柴胡と甘草だけが小柴胡湯とかぶる
036
木防已湯(モクボウイトウ)【石膏 防已 桂皮 人参】
顔色がさえず、咳をともなう呼吸困難があり、心臓下部に緊張圧重感があるものの心臓、あるいは、腎臓にもとづく疾患、浮腫、心臓性喘息
石膏は清熱以外に利水作用在り、防已は利水、桂皮は気を下げる目的?人参は補気
037

半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)【半夏 陳皮 白朮 茯苓 天麻 麦芽 黄耆 沢瀉 人参 黄柏 乾姜 生姜】胃腸虚弱で下肢が冷え、めまい、頭痛などがある者
六君子湯の甘草と大棗を除いた生薬全てを含有する変方であり、苓桂朮甘湯に比べて利水作用が弱く、補気作用が強い。水滞や痰飲の発生の原因である「脾胃虚」(脾の機能低下)に。めまい+吐き気・食欲不振等がある場合に用いると良い。夏バテにもよい。メリスロンとの比較試験では同等性が示されている。
038

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)【大棗 桂枝 芍薬 当帰 木通 甘草 呉茱萸 細辛 生姜】
手足の冷えを感じ、下肢が冷えると下肢又は下腹部が痛くなり易いものの次の諸症 しもやけ、頭痛、下腹部痛、腰痛
冷え症のひとの風邪、気管支炎、喘息に用いる。呉茱萸 細辛 生姜は温裏剤。桂皮も血管拡張で暖め、芍薬と当帰が補血、大棗と甘草が補気 
039

苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)【茯苓 桂枝 白朮 甘草】
めまい、ふらつきがあり、または動悸があり尿量が減少するものの次の諸症 神経質、ノイローゼ、めまい、動悸、息切れ、頭痛
仮性近視、起立性調節障害苓桂朮甘湯・・・茯苓・桂枝・白朮・甘草の4種類の生薬。めまいは水毒。胃のあたりにある水滞は、「気」の正常な上昇を阻害する。気の巡りの悪さが、頭部にまで及ぶ。 胃腸の機能を高めて水分代謝を改善する茯苓と白朮。桂枝は、冷えが原因で起こる水液流通不良による症状に効果があり、茯苓と白朮の利水効果を強めます 甘草が含まれるので副作用(偽アルドステロン)に注意。冷えの時に適する。甘草は温める。
確認表
040

猪苓湯(チョレイトウ)【猪苓 茯苓 沢瀉 阿膠 滑石】
尿量減少、小便難、口渇を訴えるものの次の諸症: 尿道炎、腎臓炎、腎石症、淋炎、排尿痛、血尿、腰以下の浮腫、残尿感、下痢
膀胱炎、尿漏れ、残尿感など。水が溜まっているのを出し、炎症を抑える利水・清熱作用。膀胱炎では尿を沢山出したほうがいいので、猪苓、滑石、沢瀉、茯苓による利水、利尿作用で水をだし、さらに猪苓、滑石、沢瀉で炎症を抑えます。阿膠が配合されていることで出血を抑えます。猪苓・茯苓・沢瀉は17番五苓散と同じで、阿膠・滑石と朮・桂皮の違いで炎症よりに。
041

補中益気湯(ホチュウエッキトウ)【黄耆 朮 人参 当帰 柴胡 大棗 陳皮 甘草 升麻 生姜】
消化機能が衰え、四肢倦怠感著しい虚弱体質者の次の諸症:夏やせ、病後の体力増強、結核症、食欲不振、胃下垂、感冒、痔、脱肛、子宮下垂、陰萎、半身不随、多汗症
代表的補気剤で倦怠感、特に手足に使用。四君子湯から茯苓を抜き、5種追加、+黄柏、麦門冬で清暑益気湯。六君子湯とともに脾胃剤として消化吸収機能を高め自然治癒力を高める。
人参と黄耆=参耆剤、朮、大棗、甘草は補脾による補気、当帰は補血で肝の血も補う(補血作用は当帰のみ)、柴胡、升麻は清熱と下垂を持ち上げる升提(しょうてい)作用。下垂傾向=疲れるとグニャっとなること。他理気、健胃など。脾胃の機能を高めて気の生成を高める、気が高まれば、血の生成も高まり、肝血も増えて心への血の供給も増え、血や気がスムーズに回るようになる。Th1/Th2バランス調整作用。
042欠番
043

六君子湯(リックンシトウ)【蒼朮 人参 半夏 茯苓 大棗 陳皮 甘草 生姜】
胃腸の弱いもので、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすいものの次の諸症: 胃炎、胃アトニー、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐
蒼朮と茯苓は利水だが、補気、補脾作用もある。半夏、陳皮は理気、吐き気止め、健胃等、大棗、甘草、人参は補気・健胃、生姜は温裏等
人参湯(人参、甘草、乾姜、白朮)は消化器の温裏剤。四君子湯(人参湯-乾姜+生姜+茯苓+大棗)は補気剤。四君子湯に二陳湯(半夏、陳皮、生姜、茯苓、甘草)を合わせた薬方。暴飲暴食とかで脾胃が弱る、消化器系症状の補気剤として六君子湯、疲労感やだるさの強い時の補気剤として補中益気湯。少し食べるとすぐ満腹になるような症状に著効。単なる胃もたれは平胃散、心窩部痛は安中散。 六君子湯は5-HT2B/2C受容体を阻害してグレリン分泌を促進し、摂食促進・老化予防に働く。グレリンは胃から分泌され、血液中を循環するホルモンであり、成長ホルモン放出促進因子受容体の内因性リガンドでもある。

確認表
044欠番
045
桂枝湯(ケイシトウ)【桂枝 芍薬 甘草 生姜 大棗】
体力が衰えたときの風邪の初期
体力が無く、汗や悪寒が軽度ある場合の発熱、風邪の初期に。さらに虚証の場合、麻黄附子細辛湯、真武湯、香蘇散など。
046七物降下湯(シチモツコウカトウ)【当帰 芍薬 川芎 地黄 釣藤鈎 黄耆 黄柏】
身体虚弱の傾向のあるものの次の諸症: 高血圧に伴う随伴症状(のぼせ、肩こり、耳なり、頭重)
四物湯の生薬は補血で、黄柏は胃もたれ、黄耆は補気・血圧低下、釣藤鈎は鎮静・脳血管のけいれん防止として。補気・補血にて気と血の流れを改善。
047釣藤散(チョウトウサン)【釣藤鈎 陳皮 麦門冬 半夏 茯苓 防風 菊花 人参 石膏 生姜 甘草】
慢性に続く頭痛で中年以降、または高血圧の傾向のあるもの
上昇している気を下げて、熱を冷ますことで降圧作用を示す。釣藤鈎、麦門冬、石膏、菊花は清熱、鎮静、陳皮と半夏は理気、茯苓は利水による降圧と気を下げる作用で。ストレス性かつ含有生薬数が多いので慢性的な頭痛に使用される事が多い。耳鳴りもストレスに関連すると考える。
048

十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)【黄耆 桂皮 地黄 芍薬 川芎 蒼朮 当帰 人参 茯苓 甘草】
病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血
気血両補。慢性的な疲労感に使用。補血の四物湯、補気の四君子湯に黄耆・桂皮が加わる。地黄、当帰、芍薬が補血は108番人参養栄湯と同じで、皮膚の乾燥、手足の乾燥、爪のもろさ等血虚に。黄耆、人参=参耆剤、甘草、朮は補脾による補気も同じ。茯苓や桂皮も同じで、十全大補湯-川芎+遠志+陳皮+五味子が人参養栄湯。川芎が入ることで精神面も補える(活血行気)。41番補中益気湯は補気が主で、血虚(顔色が悪い、肌荒れ等)がなければ。
確認表
049
加味帰脾湯(カミキヒトウ)【黄耆 柴胡 酸棗仁 朮 人参 茯苓 竜眼肉 遠志 山梔子 大棗 当帰 甘草 生姜 木香】
虚弱体質で血色の悪い人の次の諸症 貧血、不眠症、精神不安、神経症
ツムラは137番で説明はそちらで。違いは白朮(クラシエ)か蒼朮(ツムラ)か
050荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)【黄柏 黄連 桔梗 枳実 荊芥 柴胡 山梔子 地黄 芍薬 川芎 当帰 薄荷 白芷 防風 連翹 甘草】
蓄膿症、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきび
荊芥と連翹は共に皮膚の炎症を抑える解毒剤。他桔梗や山梔子といった沢山の炎症止めが入り、血の流れが皮膚トラブルを引き起こすので、補血の地黄や当帰、くお血剤の川芎、理気剤の枳実や薄荷も含有、痒み、赤みの強い皮膚トラブルに。にきびにも。
051潤腸湯(ジュンチョウトウ)【当帰 地黄 大黄 甘草 黄芩 麻子仁 桃仁 杏仁 枳実 厚朴】
便秘
126番麻子仁丸に当帰、地黄の補血作用(ここでは湿潤作用)が加わり、潤わせる作用を高めた。甘草が入ってマイルドにさせているので麻子仁丸よりも弱めのイメージ。麻子仁と杏仁は滋陰、桃仁くお血、枳実と厚朴は下腹部の理気、大黄と黄芩は抗炎症。黄芩には湿潤作用を燥により緩和する目的もある。クロライドチャネルCFTR活性化作用による腸管水分量促進作用、腸管輸送促進作用を示すとともに大黄による排便誘発。
052

薏苡仁湯(ヨクイニントウ)【麻黄 当帰 朮 薏苡仁 桂枝 芍薬 甘草】
関節痛、筋肉痛
薏苡仁や麻黄はここでは利水作用で使用、芍薬、当帰が補血だが、芍薬甘草湯みたいな作用も期待。むくみを伴う痛みに。
053疎経活血湯(ソケイカッケツトウ)【芍薬 地黄 川芎 蒼朮 当帰 桃仁 茯苓 威霊仙 羌活 牛膝 陳皮 防已 防風 竜胆草 甘草 白芷 生姜】
関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛
17種類の生薬含有。防已・防風・羌活・威霊仙・白芷が鎮痛作用に、芍薬、地黄、当帰は補血、川芎、、牛膝、桃仁はくお血剤。冷えが皮膚⇒経絡を通って中に入るのを防ぐために防風や防已、茯苓や朮でむくみにも。基本は冷えにより起こる血虚とお血による軽い浮腫みを伴う痛み(慢性疼痛など)に用いる。活血。
確認表
054抑肝散(ヨクカンサン)【蒼朮 茯苓 川芎 釣藤鈎 当帰 柴胡 甘草】
虚弱な体質で神経がたかぶるものの次の諸症: 神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳症
肝を抑制する薬方。釣藤鈎が鎮静、蒼朮、茯苓は利水→気を下げる作用も、川芎、当帰は活血補血、柴胡は理気→肝気鬱血治療として。茯苓は気を下げる作用もある。甘草は補気・調和。子供の夜泣き、不眠に。 キーを握る生薬が5-HT1Aを刺激して鎮静作用を示す釣藤鉤と、メマリー同様グルタミン受容体拮抗作用により過剰な神経伝達を抑制する甘草である。
055
麻杏甘石湯(マキョウカンセキトウ)【麻黄 杏仁 甘草 石膏】
小児ぜんそく、気管支ぜんそく
麻黄は利水や気管支拡張、杏仁は咳止め、甘草、石膏は気管支の炎症、むくみを抑える。+半夏厚朴湯で85番神秘湯、+桑白皮で95番五虎湯。裏熱があり、汗出て咳き込むものに使用。麻黄+桂枝は汗を出すが、麻黄+石膏は汗を抑える。喘息の薬として有名⇒麻黄湯から桂枝を抜き、熱を冷ます石膏を。肺の熱を冷ます。体力が中等度以上に用いる。
056五淋散(ゴリンサン)【黄芩 茯苓 沢瀉 車前子 芍薬 甘草 地黄 当帰 木通 山梔子 滑石】
頻尿、排尿痛、残尿感
ボーコレンの成分。抗炎症と利水作用が主体。菌を押し出すとされるが詳細は不明
確認表
057

温清飲(ウンセイイン)【地黄 芍薬 川芎 当帰 黄芩 黄柏 黄連 山梔子】
皮膚の色つやが悪く、のぼせるものに用いる 月経不順、月経困難、血の道症、更年期障害、神経症
痒み、赤みの強い皮膚トラブルに。
058清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)【黄芩 桔梗 山梔子 川芎 防風 白芷 連翹 黄連 甘草 枳実 荊芥 薄荷】
にきび
黄芩、黄連、山梔子は抗炎症、薄荷も理気だが解表作用有り。防風、連翹 白芷、荊芥は皮膚疾患は主に皮膚疾患の解表作用でも用いる。川芎はくお血剤、甘草は補気・抗炎症、桔梗は排膿、枳実は下腹部の理気。
059治頭瘡一方(ヂヅソウイッポウ)【川芎 蒼朮 連翹 忍冬 防風 甘草 荊芥 紅花 大黄】
湿疹、くさ、乳幼児の湿疹
川芎、紅花がくお血剤、連翹 忍冬(ニンドウ)、大黄は抗炎症、防風、荊芥は発汗・解表作用で皮膚疾患のしばしば用いる。朮は利水、補気、補脾。
060


桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ)【桂枝 芍薬 甘草 生姜 大棗】
腹部膨満感のある次の諸症 しぶり腹、腹痛
桂枝湯の芍薬を倍にしたもので、構成生薬は桂枝湯と同じ。もともと温めて抵抗力をつける虚証に用いる薬で、芍薬を増やすことで鎮痙・鎮痛作用をより高め、下痢や腹痛、IBSといった消化器症状にも用いられるようにした。過敏性腸症候群の第一選択
061


桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)【桂皮 大黄 芒硝 甘草 桃仁】
比較的体力があり、のぼせて便秘しがちなものの次の諸症 月経不順、月経困難症、月経時や産後の精神不安、腰痛、便秘、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)
便秘と生理痛のある人へ。桂皮が気を下げ、甘草は補気、桃仁はくお血、大黄、芒硝は下剤でいずれも寒。承気湯類は下して病邪を退治する薬方。便秘薬の調胃承気湯に桂枝と桃仁を加えて女性の更年期(上部の気滞と血滞)に適応させたもの。
確認表
AP61コタローの炮附子末(ホウブシマツ)【附子】
新陳代謝機能の衰えたものに用いる。 強心、鎮痛、利尿。
062


防風通聖散(ボウフウツウショウサン)【麻黄 石膏 白朮 生姜 大黄 甘草 芒硝 当帰 川芎 芍薬 連翹 薄荷 防風 荊芥 桔梗 滑石 黄芩 山梔子】
腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症: 高血圧の随伴症状(どうき、肩こり、のぼせ)、肥満症、むくみ、便秘
18種類の生薬からなる。防風は発汗を促し邪を排泄する。黄芩、山梔子、石膏は体内の熱を冷ます、大黄、芒硝は下剤、白朮、滑石は利尿、荊芥と連翹は表皮の抗炎症解毒作用、麻黄は発汗として。総合的には熱(カロリー)をとり、不要なものを外に排出する薬と言える。
063
五積散(ゴシャクサン)【蒼朮 陳皮 当帰 半夏 茯苓 甘草 桔梗 枳実 桂皮 厚朴 芍薬 生姜 川芎 大棗 白芷 麻黄】
慢性に経過し、症状の激しくない次の諸症 胃腸炎、腰痛、神経痛、関節痛、月経痛、頭痛、冷え症、更年期障害、感冒
麻黄剤。気血両補、健胃や去痰、吐き気止めの作用もあるので胃腸炎や風邪にも用いる。
064
炙甘草湯(シャカンゾウトウ)【地黄 麦門冬 桂皮 大棗 人参 麻子仁 生姜 炙甘草 阿膠】
体力がおとろえて、疲れやすいものの動悸、息切れ
気血両補、麦門冬剤。麦門冬は滋陰剤で潤わし、炎症を抑える。阿膠と地黄は補血、大棗、人参は補気、生姜温裏、炙甘草は甘草を火で炙ったもので、火を通すことで体力増強↑。麻子仁は腸の滋陰剤。桂皮は体を温め、健胃作用も。
065帰脾湯(キヒトウ)【黄耆 酸棗仁 人参 白朮 茯苓 竜眼肉 遠志 大棗 当帰 甘草 生姜 木香】
虚弱体質で血色の悪い人の次の諸症 貧血、不眠症
気血両補。胃腸が弱い場合は帰脾湯(貧血、不安に。補気の人参、黄耆、大棗が胃腸を整え、補血の当帰、酸棗仁と竜眼肉がアラブった神経を鎮める。止血成分が無いように見えるが、脾が血を凝固するという考えがある)
066参蘇飲(ジンソイン)【葛根 蘇葉 前胡 木香 枳実 桔梗】
感冒、せき
胃腸が弱い人の風邪。葛根は発汗解表鎮痛、蘇葉、枳実、木香は理気・健胃、桔梗は去痰、前胡は消炎・鎮咳去痰。桂皮や麻黄が含まれないので発汗作用弱い。
067女神散(ニョシンサン)【香附子 川芎 蒼朮 当帰 黄芩 桂皮 人参 檳榔子 黄連 甘草 丁子 木香】
のぼせとめまいのあるものの次の諸症: 産前産後の神経症、月経不順、血の道症
桂皮は気下げ、香附子、檳榔子、木香は理気、黄芩、黄連は清熱、当帰は補血、川芎はくお血剤
068

芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)【芍薬 甘草】
急激におこる筋肉のけいれんを伴う疼痛、筋肉・関節痛、胃痛、腹痛
足のつりは気血両虚の状態なので、芍薬で血を、肝臓で気を補う形になる。しゃっくりにも用いる。
069
茯苓飲(ブクリョウイン)【茯苓 朮 人参 生姜 橘皮 枳実】
吐きけや胸やけがあり尿量が減少するものの次の諸症: 胃炎、胃アトニー、溜飲
食べ過ぎて胃がつかえる。
070
香蘇散(コウソサン)【香附子 陳皮 蘇葉 甘草 生姜】
胃腸虚弱で神経質の人の風邪の初期
肺気滞に。香附子、陳皮、蘇葉は理気薬、甘草は補気、補脾で胃薬、生姜は温裏剤、神経質をやわらげ、蘇葉が弱い発汗作用、陳皮に鎮咳・去痰作用。虚証の風邪の初期に。
071


四物湯(シモツトウ)【芍薬 地黄 当帰 川芎】
皮膚が枯燥し、色つやの悪い体質で胃腸障害のない人の次の諸症 産後あるいは流産後の疲労回復、月経不順、冷え症、しもやけ、しみ、血の道症
肌の乾燥。地黄の滋潤作用。 補血(地黄>芍薬>当帰の順)、活血、お血剤(川芎>当帰>芍薬の順)。地黄に活血作用はなく、川芎に補血作用はない。 1、単なる血液うっ滞⇒当帰、川芎、蘇木、紅花 2、余剰な血液により血液うっ滞⇒余剰な血液を外に排泄する桃仁 →温清飲・・・四物湯+黄連解毒湯→熱がこもった湿疹に
072
甘麦大棗湯(カンバクタイソウトウ)【甘草 大棗 小麦】
夜泣き、ひきつけ
心血虚による精神不安を改善。中心は心血を補う小麦。大棗は補気だが精神も安定させる。甘草も補気として
P072
コタローのヨクイニン【薏苡仁】
青年性扁平疣贅、尋常性疣贅。
T072
073
柴陥湯(サイカントウ)【柴胡 半夏 黄芩 大棗 人参 黄連 甘草 生姜 瓜呂仁】
咳、咳による胸痛
小柴胡湯に清熱剤の黄連と瓜呂仁が加わった。瓜呂仁には鎮咳去痰作用もある。
074調胃承気湯(チョウイジョウキトウ)【大黄 甘草 芒硝】
便秘
下から下す承気湯。大黄甘草湯に塩類下剤の芒硝(硫酸ナトリウム)が加わったもの。大黄はセンノシド、芒硝は酸化マグネシウムのような感じで大腸刺激性+塩類下剤。どちらも冷やす漢方なので虚証向きではない。虚証には134番桂枝加芍薬大黄湯がよい。
075四君子湯(シクンシトウ)【人参 朮 茯苓 大棗 甘草】
やせて顔色が悪くて、食欲がなく、つかれやすいものの次の諸症: 胃腸虚弱、慢性胃炎、胃のもたれ、嘔吐、下痢
(人参湯(白朮、甘草、人参)-乾姜+生姜+茯苓+大棗の6種類)補脾、消化吸収。基本の補気剤として四物湯と合わせると気血。  →人参証と異なり、口の渇き、唇の赤み、舌苔など熱状。脾胃の熱を鎮める生薬は含まれていない。
076
竜胆瀉肝湯(リュウタンシャカントウ)【竜胆 山梔子 甘草 木通 地黄 当帰 黄芩 沢瀉 車前子】
比較的体力があり、下腹部筋肉が緊張する傾向があるものの次の諸症: 排尿痛、残尿感、尿の濁り、こしけ
猪苓湯や五苓散に比べると利水剤が沢瀉、車前子、木通と弱めで、清熱作用のある竜胆、山梔子、木通、黄芩と強めに出ている。膀胱炎などで排尿時の”痛み”を伴う症状に。
077
芎帰膠艾湯(キュウキキョウガイトウ)【芍薬 地黄 当帰 川芎 艾葉 阿膠 甘草】
痔出血
四物湯に艾葉(ヨモギで止血)、阿膠(コラーゲンで止血)、甘草を足したもので血止めとして。冷え性の血止め。
078

麻杏薏甘湯(マキョウヨクカントウ)【薏苡仁 麻黄 杏仁 甘草】
関節痛、神経痛、筋肉痛
麻黄湯の桂枝を薏苡仁に変えた薬方。薏苡仁はここでは皮膚ではなく利水剤として、麻黄も杏仁も温なので温める。甘草は抗炎症として。よって、浮腫み冷えを伴う痛みに使われる。
079
平胃散(ヘイイサン)【蒼朮 厚朴 陳皮 大棗 甘草 生姜】
胃がもたれて消化不良の傾向のある次の諸症:急・慢性胃カタル、胃アトニー、消化不良、食欲不振
食後の胃もたれ(胃内停滞)に茯苓飲とともに多く用いられる。蒼朮は補気、利水、健胃、厚朴、陳皮は理気、鎮咳・去痰、大棗、甘草は補気(補脾)、生姜は温裏。少し食べると満腹になる場合は六君子湯、心窩部痛は安中散
080
柴胡清肝湯(サイコセイカントウ)【柴胡 黄芩 黄柏 黄連 栝楼根 甘草 桔梗 山梔子 地黄 芍薬 川芎 当帰 薄荷 連翹 牛蒡子】
かんの強い傾向のある小児の次の諸症: 神経症、慢性扁桃腺炎、湿疹
081二陳湯(ニチントウ)【半夏 茯苓 陳皮 甘草 生姜】
悪心、嘔吐
理気、化痰、鎮咳。悪心、嘔吐。
082
桂枝人参湯(ケイシニンジントウ)【】
胃腸の弱い人の次の諸症: 頭痛、動悸、慢性胃腸炎、胃アトニー
083

抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)【蒼朮 茯苓 川芎 釣藤鈎 当帰 柴胡 甘草 陳皮 半夏】
虚弱な体質で神経がたかぶるものの次の諸症: 神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳症
抑肝散よりも虚している状態に用いる。抑肝散(釣藤鈎と柴胡は鎮静作用、当帰、川芎は補血、茯苓、朮、甘草は補気作用)が肝の失調(交感神経の過剰刺激による怒りやストレス)に用いるが、抑肝散に利水・理気作用のある悪心・嘔吐に効く二陳湯(陳皮と半夏)を加えることで、慢性的なストレスによる胃腸障害にも効果が出るようにした。 二陳湯は痰飲の処方で、胃腸が弱いときには水を溜め込む。実証気味の場合の不眠には柴胡加竜骨牡蛎湯を用いる。不眠においては眠るには血、目覚めるには気が必要。
084大黄甘草湯(ダイオウカンゾウトウ)【大黄 甘草】
便秘症
大黄は下剤、冷やす作用があるので実証向き。甘草が入ることで補脾で腹痛などの副作用防止。桂枝、芍薬、生姜、大棗の4種を加えて温める漢方にした134番桂枝加芍薬大黄湯は腹痛等が出やすい人や虚証の人に。芒硝(カマ様作用)を加えると74番調胃承気湯となり、便を柔らかくする作用が加わる。
085

神秘湯(シンピトウ)【麻黄 杏仁 厚朴 陳皮 甘草 柴胡 蘇葉】
小児ぜんそく、気管支ぜんそく、気管支炎
子供が風邪をひいて、咳が出て、喘鳴のあるもの。麻杏甘石湯と半夏厚朴湯を合方したものから、石膏、半夏、茯苓、生姜を去ったもの。麻杏甘石湯に気鬱症状を伴うもの。柴胡・厚朴・陳皮・蘇葉は理気剤といて気を下げる、柴胡は清熱、厚朴陳皮杏仁は鎮咳去痰。麻黄は気管支拡張。
086当帰飲子(トウキインシ)【芍薬 地黄 当帰 川芎 黄耆 甘草 防風 荊芥 何首烏 蒺莉子】
冷え症のものの次の諸症: 慢性湿疹(分泌物の少ないもの)、かゆみ
補血の基本薬方の四物湯にかゆみなど皮膚疾患に効く6種類が追加。四物湯部分と何首長が補血で潤いを与え、シツリシ、防風、荊芥が痒みを抑える。黄耆、甘草は補気援護。オウゴンなどの炎症を抑える作用の強いものが入っていない。水分代謝を良くするものもないのでジュクジュクにも不向き。湿性が強い場合は消風散や越婢加朮湯を選択
087
六味丸(ロクミガン)【地黄 山茱萸 山薬 沢瀉 茯苓 牡丹皮】
疲れやすくて尿量減少または多尿で、時に口渇があるものの次の諸症 排尿困難、頻尿、むくみ、かゆみ
腎虚の基本処方。八味地黄丸と牛車腎気丸の元。軽いむくみ、尿の異常、腰痛等
088二朮湯(ニジュツトウ)【白朮 茯苓 陳皮 天南星 香附子 黄芩 威霊仙 和羌活 半夏 蒼朮 甘草 生姜】
五十肩
089治打撲一方(ヂダボクイッポウ)【川芎 樸ソク 川骨 桂枝 丁子 大黄 甘草】
打撲によるはれ及び痛み
治頭瘡一方は皮膚病の薬方。川芎でうっ血を取り除き、樸ソクや大黄で炎症を抑え、川骨で止血、桂枝と丁子で血行を促進する。甘草は抗炎症やバランス調整。
090清肺湯(セイハイトウ)【麦門冬 黄芩 山梔子 竹茹 貝母 桑白皮 杏仁 桔梗 天門冬 当帰 陳皮 五味子 大棗 茯苓 甘草 乾姜】
痰の多く出る咳
肺にこもった熱を取る。熱のこもった咳や痰。慢性気管支炎、気管支拡張症に用いる機会がある。山梔子は清熱、心中懊悩。
091竹筎温胆湯(チクジョウンタントウ)【半夏 柴胡 麦門冬 茯苓 竹茹 生姜 枳実 香附子 陳皮 桔梗 甘草 人参 黄連】
インフルエンザ、風邪、肺炎などの回復期に熱が長びいたり、また平熱になっても、気分がさっぱりせず、せきや痰が多くて安眠が出来ないもの
麦門冬入柴胡剤。痰が多いが出しにくい空咳、上胸部に燥熱で不眠が続く
092滋陰至宝湯(ジインシホウトウ)【香附子 柴胡 芍薬 知母 陳皮 当帰 麦門冬 白朮 茯苓 地骨皮 貝母 薄荷 甘草】
虚弱なものの慢性のせき・たん
麦門冬入柴胡剤。痰が出しにくい空咳、上胸部に燥熱
093滋陰降火湯(ジインコウカトウ)【蒼朮 芍薬 陳皮 天門冬 当帰 麦門冬 黄柏 甘草 知母】
のどにうるおいがなく痰の出なくて咳こむもの
094欠番
095
五虎湯(ゴコトウ)【石膏 杏仁 麻黄 桑白皮 甘草】
せき、気管支ぜんそく
55番麻杏甘石湯+桑白皮。麻黄+石膏の消炎を主とした麻杏甘石湯に、消炎・鎮咳作用のある桑白皮(ソウハクヒ)を加えた。
確認表
096
柴朴湯(サイボクトウ)【柴胡 半夏 茯苓 黄芩 厚朴 大棗 人参 甘草 蘇葉 生姜】
気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、時に動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸症:小児ぜんそく、気管支ぜんそく、気管支炎、せき、不安神経症
気を下げ咳や痰を抑えたりする半夏厚朴湯に清熱剤の小柴胡湯が加わった。喘息に長期使用おk。
097大防風湯(ダイボウフウトウ)【黄耆 地黄 芍薬 朮 当帰 防風 杜中 川芎 牛膝 大棗人参 きょう活 甘草 生姜 附子】
関節がはれて痛み、麻痺、強直して屈伸しがたいものの次の諸症: 下肢の関節リウマチ、慢性関節炎、痛風
098黄耆建中湯(オウギケンチュウトウ)【芍薬 黄耆 桂皮 大棗 甘草 生姜】
身体虚弱で疲労しやすいものの次の諸症: 虚弱体質、病後の衰弱、ねあせ
気血両補。桂枝加芍薬湯に黄耆が加わった温めて腹痛を抑える作用に補気と止汗作用が加わった。表虚により皮膚症状がある人によい。中(脾胃)を建てる。芍薬が補血・鎮痙、黄耆、大棗、甘草が補気。補中益気湯が清熱作用があるので熱証に使うのに対して、こちらは主に寒証に使う。黄耆は汗を止める作用があるので気虚(表虚)になっているときに良い。
099
小建中湯(ショウケンチュウトウ)【桂枝 芍薬 甘草 生姜 大棗 膠飴】
体質虚弱で疲労しやすく、血色がすぐれず、腹痛、動悸、手足のほてり、冷え、頻尿および多尿などのいずれかを伴う次の諸症: 小児虚弱体質、疲労倦怠、神経質、慢性胃腸炎、小児夜尿症、夜なき
気血両補。桂枝加芍薬湯に膠飴が入ったもの。中(脾胃)を建て治す。小児の喘息やアトピー、夜尿など体質改善第一選択。芍薬が補血・鎮痙、桂皮は温・解表で桂枝加芍薬湯は腹痛止め。加わった膠飴は補気により体力・気力を回復させる胃腸の虚弱体質へ。膠飴のせいでかさが増している。
100
大建中湯(ダイケンチュウトウ)【山椒 乾姜 人参 膠飴】
腹が冷えて痛み、腹部膨満感のあるもの
中(脾胃)を建て治す建中剤。膠飴のみ小建中湯と被る。小建中湯のような気血両補の側面はなく、温める生薬でお腹の冷えを改善して、便秘だけでなく下痢を含めた腸の症状を改善する。膠飴の量は小建中湯と同じで、作用も補気の体力回復作用は同じ。 山椒と乾姜が温性刺激、膠飴と人参が微温。膠飴はオリゴ糖、すなわちプレバイオテックスとして腸内細菌の餌として腸内環境を整える作用がある。 薬理は、筋層間神経叢のコリン作動性神経末端の5-HT3受容体アゴニストとして、また、モチリン分泌促進作用にて消化管運動を改善させたり、バニロイド受容体アゴニストとして血流量を増加させたりする。 冷えが酷く(低体温症含む)、軟便の人には真武湯。
101升麻葛根湯(ショウマカッコントウ)【葛根 芍薬 升麻 生姜 甘草】
感冒の初期、皮膚炎
102当帰湯(トウキトウ)【当帰 半夏 桂枝 厚朴 芍薬 人参 黄耆 山淑 乾姜 甘草】
背中に寒冷を覚え、腹部膨満感や腹痛のあるもの
気血両補。背中が冷えて腹にガスが溜まり咳き込む人
103
酸棗仁湯(サンソウニントウ)【酸棗仁 知母 川芎 茯苓 甘草】
心身がつかれ弱って眠れないもの
補血剤。心血を補う。酸棗仁や竜眼肉、小麦などは心の血を補う。心血が血虚になると精神状態が不安定になる。⇒茯苓と酸棗仁が精神状態を落ち着かせ、知母は熱を鎮め、川芎は血を巡らせ、甘草は気を補いつつ調和。⇒心血虚の精神症状だけでなく、消化器が弱く食が細かったり疲労感がある場合、気も補う帰脾湯を使う。
104
辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)【麦門冬 黄芩 山梔子 石膏 知母 辛夷 升麻 百合 枇杷葉】
鼻づまり、慢性鼻炎、蓄膿症
清肺湯と被るのは麦門冬 黄芩 山梔子のみで他ほとんどは全く別の生薬が配合。麦門冬は滋陰、鎮咳作用、黄芩、山梔子、石膏、知母、升麻は抗炎症、 百合(ビャクゴウ)、枇杷葉(ビワヨウ)は鎮咳・去痰作用。
確認表
105
通導散(ツウドウサン)【枳実 大黄 当帰 甘草 紅花 厚朴 蘇木 陳皮 木通 芒硝】
比較的体力があり下腹部に圧痛があって便秘しがちなものの次の諸症 月経不順、月経痛、更年期障害、腰痛、便秘、打ち身(打撲)、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)
桂枝茯苓丸と肩を並べるお血剤。下剤も入るので便秘のある人に。枳実は下腹部の理気で瀉下作用、陳皮は心肺の理気、大黄、芒硝は下剤、紅花、蘇木はくお血、甘草は補気、当帰は補血、木通は利水・抗炎症。お血がひどく、気と水の流れも損なわれている状態へ。桃核承気湯はイライラ系、こちらはうつ系へ。
106
温経湯(ウンケイトウ)【麦門冬 半夏 当帰 甘草 桂皮 芍薬 川芎 人参 牡丹皮 呉茱萸 生姜 阿膠】
手足がほてり、唇がかわくものの次の諸症:  月経不順、月経困難、こしけ、更年期障害、不眠、神経症、湿疹、足腰の冷え、しもやけ
麦門冬剤。麦門冬は潤いを与え、半夏は理気、当帰、芍薬、阿膠が補血、川芎、牡丹皮が血の巡りを改善し、人参、甘草が補気、桂皮は血行を改善、呉茱萸、生姜が温裏で冷えを取り除く。手足がほてる人としもやけが結びつかないようなきもする。
107牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)【地黄 山茱萸 山薬 沢瀉 茯苓 牡丹皮 牛膝 車前子 桂皮 附子】
疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少または多尿で時に口渇がある次の諸症: 下肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ
補腎剤。(八味地黄丸+牛膝(くお血剤)、車前子(利尿)が追加)・・・気血両虚により冷え、むくみと血行が悪く痛み・しびれを伴う場合に。附子で温め、地黄で補血、牡丹皮・牛膝・桂皮で血行を改善、山茱萸・山薬は補腎剤、沢瀉と茯苓、車前子は利水として。 抗がん剤のしびれにも。
確認表
108

人参養栄湯(ニンジンヨウエイトウ)【地黄 当帰 白朮 茯苓 人参 桂皮 遠志 芍薬 陳皮 黄耆 甘草 五味子】
病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血
気血両補。人参養栄湯は体力がかなり弱ってきた方にそれを補ってくれる。十全より一層の気血虚へ。脾気虚は食欲不振。地黄、当帰、芍薬が補血(肝の血を補う)、人参、黄耆、甘草は補気、五味子、遠志は去痰等だが強壮もある。陳皮は理気、茯苓は利水補脾。十全から抗ストレスの川芎が抜けているが、代わりに陳皮、五味子、帰脾湯に含まれる遠志が追加され、肺と心にも効くようになり、息切れやさらなる精神安定作用を示す。人参養栄湯の五味子は小青竜湯の五味子よりもすっぱみを感じにくい。
109小柴胡湯加桔梗石膏(ショウサイコトウカキキョウセッコウ)【柴胡 黄芩 人参 半夏 生姜 甘草 大棗 桔梗 石膏】
咽喉がはれて痛む次の諸症: 扁桃炎、扁桃周囲炎
小柴胡湯に桔梗(湿性化痰剤)と石膏(消炎)が加わった。のどの炎症に用いる。乾かす作用があるので血虚には用いづらい。
110立効散(リッコウサン)【細辛  升麻 防風 甘草 竜胆】
抜歯後の疼痛、歯痛
111清心蓮子飲(セイシンレンシイン)【麦門冬 茯苓 黄芩 車前子 人参 黄耆 甘草 蓮肉 地骨皮 】
全身倦怠感があり、口や舌が乾き、尿が出しぶるものの次の諸症: 残尿感、頻尿、排尿痛

確認表
112猪苓湯合四物湯(チョレイトウゴウシモツトウ)【当帰 芍薬 川芎 地黄 猪苓 茯苓 滑石 沢瀉 阿膠】
皮膚が枯燥し、色つやの悪い体質で胃腸障害のない人の次の諸症: 排尿困難、排尿痛、残尿感、頻尿
「猪苓湯(チョレイトウ)」と「四物湯(シモツトウ)」を合わせた処方
113

三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)【黄芩 黄連 大黄】
比較的体力があり、のぼせ気味で、顔面紅潮し、精神不安で、便秘の傾向のあるものの次の諸症 高血圧の随伴症状(のぼせ、肩こり、耳なり、頭重、不眠、不安)、鼻血、痔出血、便秘、更年期障害、血の道症
血止め(止血)。強い清熱作用のため実証に用いる。便秘があるならなおよい。やせ形で冷え性の血止めには芎帰膠艾湯。 15番黄連解毒湯の黄柏、山梔子を大黄に変えたもの。黄柏が下焦に効くため、上部の熱が三黄瀉心湯、下部が黄連解毒湯の住み分け。
114
柴苓湯(サイレイトウ)【柴胡 沢瀉 半夏 黄芩 蒼朮 大棗 猪苓 人参 茯苓 甘草 桂皮 生姜】
吐き気、食欲不振、のどのかわき、排尿が少ないなどの次の諸症: 水瀉性下痢、急性胃腸炎、暑気あたり、むくみ
小柴胡湯+五苓散の合剤で、半表半裏と水湿を治療する。視床下部のCRHを上昇させてステロイド産生を促す。繊維芽細胞増殖を抑え瘢痕治療にも。主に水の巡りを改善する生薬(沢瀉、蒼朮、猪苓、茯苓)が多く、他補気、理気剤混合。
115胃苓湯(イレイトウ)【蒼朮 厚朴 猪苓 沢瀉 白朮 茯苓 陳皮 桂皮 大棗 生姜 甘草】
水瀉性の下痢、嘔吐があり、口渇、尿量減少を伴う次の諸症: 食あたり、暑気あたり、冷え腹、急性胃腸炎、腹痛
朮、猪苓、沢瀉、茯苓で胃腸の水分を取り除くと同時に、胃の働きを改善する大棗、生姜、甘草、陳皮を配合して下痢と嘔吐と言った水の疾患を治す。
116茯苓飲合半夏厚朴湯(ブクリョウインゴウハンゲコウボクトウ)【茯苓 蒼朮 人参 陳皮 枳実 半夏 厚朴 蘇葉 生姜】
気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、時に動悸、めまい、嘔気、胸やけなどがあり、尿量の減少するものの次の諸症: 不安神経症、神経性胃炎、つわり、溜飲、胃炎
117茵蔯五苓散(インチンゴレイサン)【茵蔯蒿 茯苓 白朮 沢瀉 猪苓 桂皮】
のどが渇いて、尿が少ないものの次の諸症: 嘔吐、じんましん、二日酔のむかつき、むくみ
五苓散+茵蔯蒿。五苓散に清熱作用が加わり、浮腫や尿量が減少している蕁麻疹症状、二日酔いの体内の湿熱を取り除くのに。茵蔯蒿湯は茵蔯蒿のみ共通で、五苓散部分は山梔子と大黄なので、利水作用はなく、清熱作用や利胆作用が主となる。
118
苓姜朮甘湯(リョウキョウジュツカントウ)【茯苓 乾姜 白朮 甘草】
腰に冷えと痛みがあって、尿量が多い次の諸症: 腰痛、腰の冷え、夜尿症
苓桂朮甘湯の桂皮が乾姜に変わった薬方。補気利水剤の乾姜になって温裏効果が高まり、気を下げる効果が弱まった感じ
119
苓甘姜味辛夏仁湯(リョウカンキョウミシンゲニントウ)【杏仁 半夏 茯苓 五味子 乾姜 甘草 細辛】
貧血、冷え症で喘鳴を伴う喀痰の多い咳嗽があるもの。 気管支炎、気管支喘息、心臓衰弱、腎臓病
杏仁は鎮咳去痰、半夏と五味子は湿性化痰、茯苓は利水・補脾、乾姜、細辛は温裏。去痰と温が合わさった薬方。
120
黄連湯(オウレントウ)【半夏 黄連 乾姜 甘草 桂皮 大棗 人参】
胃部の停滞感や重圧感、食欲不振のあるものの次の諸症:急性胃炎、二日酔、口内炎
半夏は理気、黄連は清熱、甘草、桂皮、人参、大棗は胃を温め補気補脾作用
121三物黄芩湯(サンモツオウゴントウ)【地黄 黄芩 苦参】
手足のほてり
122
排膿散及湯(ハイノウサンキュウトウ)【枳実 芍薬 桔梗 甘草 大棗 生姜】
患部が発赤、腫脹して疼痛をともなった化膿症、瘍、せつ、面疔、その他せっ腫症
123当帰建中湯(トウキケンチュウトウ)【桂枝 芍薬 甘草 生姜 大棗 当帰】
疲労しやすく、血色のすぐれないものの次の諸症 月経痛、下腹部痛、痔、脱肛の痛み
桂枝加芍薬湯に当帰が加わった。温めて脾胃を補い、腹痛を抑える作用に加えて、当帰の補血作用が加わることで、冷えや血行不良で痛みが出ているときに。黄耆建中湯は+黄耆、小建中湯は+膠飴。
124川芎茶調散(センキュウチャチョウサン)【川芎 香附子 薄荷 荊芥 防風 白芷 羌活 甘草 細茶】
かぜ、血の道症、頭痛
感冒、悪寒を伴う強い頭痛に効く。頭痛症状が軽い場合は葛根湯、冷えると頭痛は呉茱萸湯。
125桂枝茯苓丸加薏苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)【薏苡仁 桂皮 芍薬 桃仁 茯苓 牡丹皮】
比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの次の諸症 月経不順、血の道症、にきび、しみ、手足のあれ
肌荒れ、しみは血の流れが悪く、栄養がいきわたらない状態。25番桂枝茯苓丸(血の流れを邪魔する水と熱を排泄する茯苓と牡丹皮、お血を取り除く桃仁で血の流れを改善)に、免疫を高めてイボの原因のHPVに作用したり、皮膚の新陳代謝を改善(豊富なアミノ酸、ビタミン類による)して、ニキビや肌荒れを改善する薏苡仁を配合。
126
麻子仁丸(マシニンガン)【麻子仁 大黄 枳実 杏仁 厚朴 芍薬】
便秘
麻子仁と杏仁は腸を潤わす便を柔らかくし。大黄は下剤として大腸を刺激して便を出す、枳実は下腹部の理気剤、厚朴は補脾により腹部膨満を取り除くなど共に腸の働きを促す。芍薬は鎮痙で大黄の刺激の緩和作用や腹痛予防。大黄甘草湯が単なる下剤なのに対して麻子仁丸は気の停滞により津液が少なくなる硬い便の人に。より弱めのものとしては51番潤腸湯。
127
麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)【麻黄 細辛 附子】
悪寒、微熱、全身倦怠、低血圧で頭痛、めまいあり、四肢に疼痛冷感あるものの次の諸症 感冒、気管支炎
発汗の麻黄、強力な温裏の細辛と附子。体力虚弱で手足が冷えて、時に悪寒。
128啓脾湯(ケイヒトウ)【甘草 人参 朮 茯苓 沢瀉 陳皮 山査子 蓮肉 山薬】
やせて、顔色が悪く、食欲がなく、下痢の傾向があるものの次の諸症: 胃腸虚弱、慢性胃腸炎、消化不良、下痢
補気剤。四君子湯に追加されている沢瀉、山薬、蓮肉は下痢を改善。陳皮は腹部の張りを取り除き、山査子は消化を助ける。特に下痢が目立つ場合の処方。
129欠番
130欠番
131欠番
132欠番
133
大承気湯(ダイジョウキトウ)【厚朴 枳実 大黄 芒硝】
腹部がかたくつかえて、便秘するもの、あるいは肥満体質で便秘するもの。 常習便秘、急性便秘、高血圧、神経症、食当り
小承気湯+芒硝。理気、腹部膨満を取り除く厚朴と枳実、下剤の大黄、便を柔らかくする芒硝が入ったバリバリの瀉下剤。他の承気湯類や大黄甘草湯と異なり甘草を含有しないため、調和作用がなくなり、下剤としての効果がもろにでる分強めと言える。
134桂枝加芍薬大黄湯(ケイシカシャクヤクダイオウトウ)【桂枝 芍薬 甘草 生姜 大棗 大黄】
比較的体力のない人で、腹部膨満し、腸内の停滞感あるいは腹痛などを伴なうものの次の諸症: (1)急性腸炎、大腸カタル (2)常習便秘、宿便、しぶり腹
桂枝湯や桂枝加芍薬湯に大黄を追加した。桂枝加芍薬湯の温めて腹痛を抑えたりする作用に、便秘に効く大黄を入れたもの。大黄は寒だが、温める漢方として虚証に用いる。
135

茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)【茵蔯蒿 山梔子 大黄】
尿量減少、やゝ便秘がちで比較的体力のあるものの次の諸症 黄疸、肝硬変症、ネフローゼ、じんましん、口内炎
茵蔯蒿、山梔子、大黄は清熱作用があり、茵蔯蒿、山梔子は利胆作用があるため、黄疸(体内の熱を排泄)、炎症疾患、口内炎に使用されることが多い。 117番の茵蔯五苓散は茵蔯蒿湯+五苓散ではなく、五苓散+茵蔯蒿。五苓散の利水作用が加わるので湿のある熱(浮腫や尿量減少のある蕁麻疹など)に。
136清暑益気湯(セイショエッキトウ)【朮 人参 麦門冬 黄耆 当帰 黄柏 陳皮 五味子】
暑気あたり、暑さによる食欲不振・下痢・全身倦けん怠、夏やせ
麦門冬剤。補脾・補気作用のある補中益気湯に黄柏と麦門冬を加えて、清熱作用を高めた。
137加味帰脾湯(カミキヒトウ)【黄耆 柴胡 酸棗仁 朮 人参 茯苓 竜眼肉 遠志 山梔子 大棗 当帰 甘草 生姜 木香】
虚弱体質で血色の悪い人の次の諸症 貧血、不眠症、精神不安、神経症
気血双補の虚証向きで気鬱と血虚に有効、特に心虚に効く。人参と黄耆を含む補脾→気や血を精製する参耆剤。心血虚の改善により、精神安定作用
顔色が悪い、不安、不眠。心が過度の不安から燃え尽きた。→脾に影響する。脾と心が虚した状態にもちいる。くよくよした感じ。怒りが中に向いている状態(抑肝散は外に向く状態に) 帰脾湯に柴胡とサンシシ(抗炎症・鎮静作用)が加わるので熱があるものに用いる。不眠などの症状が長くなると熱が生成する。 酸棗仁湯との違いは、女性の出産後等の血の道症では酸棗仁湯、虚弱(血に加えて気の異常がある場合)では帰脾湯、半夏瀉心湯も使う場合がある。

確認表
138桔梗湯(キキョウトウ)【桔梗 甘草】
咽喉がはれて痛む次の諸症: 扁桃炎、扁桃周囲炎
桔梗、甘草が消炎作用を示す。軽ければ甘草湯。これでだめなら小柴胡湯加桔梗石膏だが、冷やす漢方であることに注意する。のどが痛いときは、お湯で溶いてうがいをしてから飲み込むとよりよい。甘い漢方。
311九味檳榔湯(クミビンロウトウ)【甘草 橘皮 桂皮 厚朴 呉茱萸 生姜 蘇葉 大黄 檳榔子 茯苓 木香】
心悸亢進、肩こり、倦怠感があって、便秘の傾向があるもの。 脚気、高血圧、動脈硬化、及びこれらに伴う頭痛。
314梔子柏皮湯(シシハクヒトウ)【山梔子 黄柏 甘草】
肝臓部に圧迫感があるもの。 黄疸、皮膚?痒症、宿酔。
319大柴胡湯去大黄(ダイサイコトウキョダイオウ)【柴胡 黄芩 半夏 枳実 芍薬 生姜 大棗】
みぞおちが硬く張って、胸や脇腹あるいは肝臓部などに痛みや 圧迫感があるもの。耳鳴り、肩こり、疲労感、食欲減退などを 伴うこともあり、便秘しないもの。 高血圧、動脈硬化、胃腸病、気管支喘息、黄疸、胆石症、胆? 炎、不眠症、神経衰弱、陰萎、肋膜炎、痔疾、半身不随。
320腸癰湯(チョウヨウトウ)【薏苡仁 冬瓜子 牡丹皮 桃仁】
盲腸部に急性または慢性の痛みがあるもの、あるいは月経痛の あるもの。
324桔梗石膏(キキョウセッコウ)【桔梗 石膏】
咳嗽あるいは化膿するもの。
401甘草湯(カンゾウトウ)【甘草】
激しい咳、咽喉痛の緩解
402茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)【茵蔯蒿 山梔子 大黄】
ツムラは135番で説明はそちら
501紫雲膏(シウンコウ)【胡麻油 紫根 当帰 白蝋 豚脂】
火傷、痔核による疼痛、肛門裂傷
紫根(シコン)の成分である、シコニンは血管透過性抑制による抗炎症作用と皮膚の際勢力を高める創傷治癒作用があり、アセチルシコニンは抗菌、肉芽形成促進作用があります。 当帰は前述の通り、肌表面に潤いを与えるとともに体表の血流を促進します。基剤は単軟膏(ミツロウ+ごま油)となっています。 その創傷治癒力のせいで、火傷、凍瘡に主として使われます。アトピー性皮膚炎で使うとき場合は、抗炎症作用は弱いので、創傷治癒力に期待して、 主に傷がある部位、もしくは顔に使用するとよいでしょう。

半表半裏

小柴胡湯の適応である半表半裏の特徴について羅列。

  • 半表半裏とは、表証と裏証の中間の、病邪が体内に入り込もうとしている途中の段階(綱引き状態)のこと。
  • 特徴的な症状は、往来寒熱(悪寒と熱感を繰り返す=綱引き状態)と胸脇苦満(肋骨弓下を押すと抵抗と圧迫がある)、発熱、口の苦み、悪心、嘔吐、口渇等が見られる。

個々の生薬の作用

生薬名 よみ 作用
阿膠 アキョウ 補血、滋陰剤。心の血を補う。牛のコラーゲン。コラーゲンで止血作用。温経湯(ウンケイトウ)、芎帰膠艾湯(キュウキキョウガイトウ)、炙甘草湯(シャカンゾウトウ)、猪苓湯(チョレイトウ)、猪苓湯合四物湯(チョレイトウゴウシモツトウ)
杏仁 キョウニン 咳止め。アンズの種子
茵蔯蒿 インチンコウ 寒、利水剤、抗炎症、胆汁分泌など。カワラヨモギというヨモギの仲間。。発熱性の黄疸、肝炎などに。湿が多い場合(吐き気や食欲不振があれば)因陳五苓散、熱が強い(口渇、のぼせ)の場合は竜胆瀉肝湯など。
威霊仙 イレイセン 温、鎮痛作用
延胡索 エンゴサク 温、活血(くお血)剤。下腹部等痛みを抑える
黄芩 オウゴン 寒、抗炎症、解熱作用。シソ科コバネバナの根。心窩部腹部膨満。黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)、柴朴湯(サイボクトウ)、柴苓湯(サイレイトウ)、小柴胡湯(ショウサイコトウ)
黄連 オウレン 寒、解熱、消炎、鎮静。心窩部つかえ、胸部の疼痛。黄連湯(オウレントウ)、黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)、荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)、三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)
黄柏 オウバク 寒、殺菌、抗炎症。黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)、七物降下湯(シツモツコウカトウ)、半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)、荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)
黄耆 オウギ 補気、利水剤。マメ科キバナオウギの根、体表の水のうっ滞、汗を止める作用。黄耆建中湯(オウギケンチュウトウ)、十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)、防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)、補中益気湯(ホチュウエッキトウ)
遠志 オンジ 温、安定剤、心虚、ため息に。心を補い精神を安定させる。心を補うので気血の循環も改善されて認知機能も改善する。加味帰脾湯(カミキヒトウ) 、帰脾湯(キヒトウ)、人参養栄湯(ニンジンヨウエイトウ)
艾葉 ガイヨウ 温、ヨモギ、止血剤
何首烏 カシュウ 当帰飲子
滑石 カッセキ 微寒、解熱、利尿作用。ケイ酸Alを主成分とする軟滑石という鉱物
葛根 カッコン 微寒、解表、発汗、鎮痛、こわばりにも。葛根湯(カッコントウ) 、葛根湯加川?辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ) 、参蘇飲(ジンソイン) 、升麻葛根湯(ショウマカッコントウ)
瓜呂根 カロコン 寒、清熱剤
乾姜 カンキョウ 温裏剤。しょうがを蒸して乾燥し暖める作用を強くしたもの。吐き気の強いのには生姜、冷えが強いものに乾姜
甘草 カンゾウ 補気、調和、脾を補い、胃をサポート。芍薬甘草湯分3が1日量6.0g。1日量1.5gの抑肝散でも偽アルドステロン(血圧上昇、だるさ)報告多数。1日量5.0g未満辺りを目安に。
桔梗 キキョウ 湿性化痰剤、消炎作用も
菊花 キクカ 微寒、消炎、解熱、解毒作用。
枳実 キジツ 寒、理気薬。ナツミカンの未熟果実。消化を促進する作用や腹部の気を晴らして膨満感を改善。交感神経の緊張を和らげる。四逆散(シギャクサン)、大柴胡湯(ダイサイコトウ)、竹?温胆湯(チクジョウンタントウ)、通導散(ツウドウサン)
杏仁 キョウニン 胸に詰まった痰を排泄。鎮咳。五虎湯(ゴコトウ)、麻黄湯(マオウトウ)、麻杏甘石湯(マキョウカンセキトウ)、苓甘姜味辛夏仁湯(リョウカンキョウミシンゲニントウ)
羌活 キョウカツ 解熱、鎮痛作用
枸杞子 クコシ 補腎剤。クコの実、杏仁豆腐の上
荊芥 ケイガイ 温、体を温め、解表、抗炎症、発汗、鎮痛
桂皮 ケイヒ 桂枝湯なのに桂皮が使われていたり、ツムラの漢方は桂枝ではなく桂皮が入っている。
桂枝 ケイシ 血管を拡張し温裏・発汗・鎮痛作用、解表、気逆(気を下げる)
紅花 コウカ 理血(くお血)剤
香附子 コウブシ 理気薬、鎮痛作用、香蘇散
牛黄 ゴオウ 寒性化痰、強心、鎮静、
牛膝 ゴシツ 理血(駆お血)剤。血の巡りを良くする。肝腎を補う
呉茱萸 ゴシュユ 温裏剤、冷えを取り除く。鎮痙作用、鎮嘔吐作用
五味子 ゴミシ 湿性化痰剤、滋陰剤。肺虚、肺を温め咳、息切れに。咳とか痰とか下痢とか外に出るものを止める。
膠飴 コウイ 補気、補脾剤。微温。腹痛の軽減。コメなどのでんぷんに麦芽を加えて糖化。水あめ。
粳米 コウベイ 補気、補脾剤。うるち米
厚朴 コウボク 温、理気剤。モクレンホオノキの樹皮。気を下ろす作用にて、咳痰を抑える。交感神経の緊張を和らげる。胃の運動(脾胃)を促進、腹部膨満感を取り除く
柴胡 サイコ 寒、理気、清熱剤、向精神作用→ストレスへ。抗菌、抗ウイルス。ミシマサイコの根。胸脇苦満(胸から脇にかけてなんとなく重苦しい)時に。理気なので気虚には基本使えない?→実証に使用。
山薬 サンヤク ヤマイモの根茎。補脾胃、補肺腎作用にて消化吸収を高め、呼吸器、泌尿器症状を改善
山梔子 サンシシ 寒、清熱、鎮静、クチナシの果実。黄色。茵蔯蒿湯では温熱を尿から排泄したり利胆作用を期待
山茱萸 サンシュユ 温、滋陰剤。肝腎を補い、排尿を調節、頻尿を改善。牛車腎気丸
山椒 サンショウ 温性刺激
酸棗仁 サンソウニン 補血剤。心虚、ため息を改善し精神を安定させる。
地黄 ジオウ 補血、補腎、滋陰剤。肝の血を補う。体の水分を保持→頻尿治療。胃もたれを起こしやすかったり、消化器の働きを弱めるため、当帰芍薬散等からは外されている。
芍薬 シャクヤク 補血、鎮痙作用。肝の血を補う。
車前子 シャゼンシ 寒、利水剤
升麻 ショウマ 寒、体を冷やし、解表作用。発汗、解毒、清熱/消炎鎮痛。升提作用=下垂を持ち上げる作用=脱肛や子宮脱に。乙字湯、辛夷清肺湯、補中益気湯。
小麦 ショウバク コムギの種子、微寒、安定剤、鎮静
辛夷 シンイ 温、解表、排膿。鼻づまり(鼻粘膜の血管を収縮させる)、頭痛にも
生姜 ショウキョウ 温裏剤。吐き気を抑える(乾姜よりも生のほうが効果あり)
石膏 セッコウ 解熱、消炎剤。強力な熱冷まし。天然硫酸カルシウムの塊。高熱に使用される白虎加人参湯や熱性の湿疹に
川芎 センキュウ 活血行気。抗炎症、鎮痛。血行を促し血液を活性化(駆お血剤)し、気を巡らせる。2番は気を発散し頭痛を治す
前胡 ゼンコ 消炎、鎮痛、鎮咳去痰
川骨 センコツ 止血(PG阻害)
桑白皮 ソウハクヒ 消炎・鎮咳作用
蘇葉 ソヨウ 理気薬。紫蘇の葉。気を下ろし、吐き気を抑え、喉の違和感も治す。香蘇散では軽い発汗作用を期待
大黄 ダイオウ 寒、下剤。殺菌、瀉下(センノシドA)、活血=血液の流れをよくする=血小板凝集減少?(タンニン類)、消炎。子宮収縮作用があり妊婦には投与不可⇒承気湯類等注意。
大棗 タイソウ 補気、補脾剤。ナツメの実。甘草のような強すぎる作用を緩和する作用も。葛根湯、小柴胡湯、麦門冬湯他多数。
沢瀉 タクシャ 寒、除湿、利水作用。オモダカ、水辺の植物の根。発熱や膀胱炎に。首から上の水滞(耳鳴り、めまいなど)、気を下ろす作用も。五苓散、柴苓湯、当帰芍薬散、牛車腎気丸
釣藤鈎 チョウトウコウ 寒、降圧、鎮静、解熱。抑肝散では気を下げる作用
猪苓 チョレイ 利水作用。主に下半身の水の偏在を緩和。チョレイマイタケ。熱を取り炎症を抑える効果もあるため、冷え性にはだめ。
知母 チモ 清熱剤、去痰、鎮咳作用も。
陳皮 チンピ 理気、鎮咳・去痰剤。心・肺にきく。温州みかんの成熟した果皮。胃腸の調子を整え、湿を除く作用もある。軽く蠕動を促し、粘膜の滲出性炎症を治す。
天南星 テンナンショウ 湿性化痰剤
天門冬 テンモンドウ 滋陰剤
桃仁 トウニン 活血(駆お血剤)
当帰 トウキ 補血、活血剤。血管拡張作用。肝の血を補う。
人参 ニンジン 補気、滋陰剤。ウコギ科オタネニンジンの根。黄耆合わさって参耆剤として気を生成する滋養強壮的な生薬。四君子湯では胃腸の働きをよくして吸収を高める
忍冬 ニンドウ 清熱、解毒作用
白芥子 ハクガイシ 湿性化痰剤
麦芽 バクガ 健胃、イネ科オオムギ、甘い
薄荷 ハッカ 理気、清熱、解表
麦門冬 バクモンドウ 寒、滋陰剤(水を補い、虚性の熱を制御する薬)、清熱作用、潤燥作用、鎮咳作用
半夏 ハンゲ 理気剤。気をおろし、吐き気を抑える。気があがると(吐き気、嘔吐、頭痛、気の回りを良くして自律神経を調節。薬性は燥であり、湿性の咳嗽に用いる。
百合 ビャクゴウ 鎮咳
白芷 ビャクシ 温、解表。体表の化膿症状などに用いる。荊芥(温)、連翹(微寒)、防風(温)も似た感じの解表作用で皮膚疾患に用いる。
白朮 ビャクジュツ 補気、利水剤。ツムラには蒼朮、クラシエには白朮が入っている。蒼朮は表の水毒(痛みや浮腫)、白朮は裏の水毒(健胃作用)に効くとされる。茯苓や猪苓とは異なり、単に水を外に出すのではなく、溜まっている水を移動させるイメージ。
枇杷葉 ビワヨウ 鎮咳・去痰
茯苓 ブクリョウ 補脾(消化機能を改善)、利水剤。マツホドの菌核。気を下ろす作用、胃腸機能を整え、水分の吸収を促す(脾虚による水分の代謝障害)。茯苓の利水作用はループ利尿系ではなくどちらかというとサムスカに似ている。
附子 ブシ 強力な温裏剤。心腎を補う。無毒化されたハナトリカブト。真武湯など
紅花 ベニバナ 活血(くお血)剤
防已 ボウイ 寒、利水剤。オオツヅラフジの根茎。体表の湿を取り除き、倦怠感やむくみ、関節痛を改善。
樸ソク ボクソク 消炎、解毒。ツムラの十味敗毒湯、治打撲一方
牡蛎 ボレイ カキの貝殻。炭酸Ca、鎮静、制酸、冷やす、利尿、収斂。竜骨牡蛎湯では気逆症状に用いる。
牡丹皮 ボタンピ 活血(駆お血剤)、熱を鎮める清熱作用も
芒硝 ボウショウ 寒、下剤。硫酸Na、カマと同じような作用。子宮収縮作用があり妊婦には投与不可。桃核承気湯、防風通聖散
防風 ボウフウ 温、発汗を促し、体表の邪気(かゆみなど)をとる
麻黄 マオウ 発汗作用(風邪では桂皮とともに使用されて強い発汗作用を発揮)、利水作用(越婢加朮湯など)、エフェドリンの気管支拡張、血管収縮作用)
麻子仁 マシニン 下剤。腸を潤わして便のボリュームを増やす。含まれる脂肪油・精油による便軟化作用。
木通 モクツウ 寒、利水剤。抗炎症作用。五淋散、消風散、当帰四逆湯、竜胆瀉肝湯
木香 モッコウ 理気薬、健胃作用
薏苡仁 ヨクイニン ハトムギ、利水、イボ、微寒。
竜骨 リュウコツ 微寒、炭酸Ca、リン酸Ca、安定剤(鎮静)、収斂、化石。桂皮とともに気を下げる作用=牡蛎らとともに気逆に用いる。
竜眼肉 リュウガンニク 補気剤。心の気を補う。
竜胆草 リュウタンソウ 寒、消炎解熱剤。疎経活血湯、竜胆瀉肝湯
連翹 レンギョウ 消炎、解毒作用
鹿茸 ロクジョウ 捕腎剤。強壮、強精。鹿の角

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記事No2637 題名:Re:阿部武子様 投稿者:管理人tera 投稿日:2024-02-06 22:11:37

一般的によく目にするのは、疎経活血湯、桂枝加朮附湯とかも。
今検索してみると、
一般的には、体力がある方には越婢加朮湯、葛根加朮附湯など、体力が普通の方には疎経活血湯、麻杏ヨッ甘湯、桂枝二越婢一湯加附子、ヨク苡仁湯などを、体力がない方には防已黄耆湯、桂枝芍薬知母湯、桂枝加朮附湯、大防風湯、茯苓四逆湯などを用います。
ってでてますね。
いずれにしても芍薬甘草湯のような即効性は期待しない方がいいとは思います。


記事No2633 題名:リュウマチには何番がお奨めですか 投稿者:阿部武子 投稿日:2024-02-05 15:45:30

よろしくお願いいたします。


記事No2416 題名:漢方の適応違い 投稿者:甘麦大棗湯 投稿日:2023-03-10 00:40:54

お答えいただきありがとうございます。供給不安定とはいえ、完全に薬局側の都合で疑義し変えていただいたので(一回量も3g→2.5gに変更)もし病院側に迷惑がかかるようなことになったらいけないなと思い質問させていただきました。他の高齢患者様にも過去にツムラでヒステリー等の緩和目的で出ていた記録がありましたので、おそらく大丈夫かと思います。


記事No2414 題名:Re:漢方の適応違い様 投稿者:管理人tera 投稿日:2023-03-09 18:19:09

恥ずかしながら、甘麦大棗湯のメーカー違いで適応が異なることを初めて知りました。
ジェネリックの適応違いも含めて、こうした適応違いで返戻になった経験がないため、申し訳ないですが返戻にかかるかどうかを断定してお答えすることが出来ません。
おそらく適応が違うといっても使い方が異なる適応ではないので、レセはきられないと思っています。


記事No2412 題名:甘麦大棗湯 投稿者:漢方の適応違い 投稿日:2023-03-09 07:29:47

コタローの甘麦大棗湯とツムラの甘麦大棗湯では適応が夜泣き引きつけと異なるとのことですが、先日昨今の供給不安定のため処方した医療機関に更年期女性の方へ出されたコタロー製品をツムラへ変更依頼をしてしまい了承されたのですがレセ返戻にかかるでしょうか。


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