悪心・嘔吐の症状と治療
悪心・嘔吐の症状
嘔吐は嘔吐中枢の興奮によって引き起こされますが、嘔吐中枢を刺激する経路には次の4つがあります。
反射性経路 | :肝臓、胃などの消化器刺激が求心性迷走神経を刺激→嘔吐中枢 |
反射性嘔吐 | :内耳迷路の刺激→嘔吐中枢 |
中枢性嘔吐1 | :延髄CTZの刺激→嘔吐中枢 |
中枢性嘔吐2 | :大脳皮質の興奮→嘔吐中枢 |
胃腸粘膜への機械的もしくは化学的な刺激は、内在性知覚ニューロン終末の5HT3受容体を刺激し(この際のセロトニンは腸クロム親和性細胞から供給)、自律神経とは無関係な内在性の消化管運動を亢進させるとともに、求心性の迷走神経を介して延髄網様体の嘔吐中枢を刺激して、延髄反射にて、遠心性迷走神経により再び胃腸管へ戻り、胃の逆蠕動運動や腹圧の上昇を引き起こし、結果として嘔吐反応を引き起こす。
嘔吐・下痢症の症状はその名のとおり、悪心、下痢、発熱、腹痛であるが、大半がウイルスを原因とする感染性胃腸炎であり、ロタウイルス(1~3月)、ノーウォークウイルス(10月~1月)が大半を占める。治療は、まず整腸剤でバランスの崩れた腸内細菌叢を元に戻し、ナウゼリンなどで嘔吐を抑える。
ウイルス性の下痢は、薬で無理にとめると回復が遅くなるので、止痢薬は下痢が続いて体力が極度に消耗した場合などに限り一時的に使用する。
嘔吐の治療法
反射性経路では、胃の消化不良などによる消化管刺激が原因となりますので、消化管の運動を助ける上に、CTZも抑制するD2ブロッカ-が第一選択となります。
反射性嘔吐はメニエール、めまいの1症状となります。前庭神経核のムスカリン受容体を遮断する抗コリン薬が第一選択となります。
中枢性嘔吐はCTZのD2受容体と5-HT3受容体を遮断するD2ブロッカー、5-HT3遮断薬が第一選択となります。
関連ページ
コメントor補足情報orご指摘あればをお願いします。
- << 前のページ
- 次のページ >>