ステロイドの種類と強さ(内服・外用)一覧

ステロイドの強さ

副腎皮質ステロイドは生体が分泌しているヒドロコルチゾン(コルチゾール)と同じ作用を持ち、その多くは作用がさらに強力になる(プロドラッグ:脂溶性を高くすることで皮膚への吸収率を高めるなど)ように合成されています。

ヒドロコルチゾン、プレドニゾロンは電解質代謝(鉱質コルチコイド作用)の副作用ががありますが、半減期が短いため内服で主として使われます。ベタメタゾン、デキサメタゾンは電解質代謝の副作用がない上に、糖質コルチコイド作用が強いため好んで使われますが、その作用の強さゆえに副作用も出やすくなります。

内服薬

商品名 一般名
リンデロン 吉草酸ベタメタゾン
レダコート トリアムシノロンアセトニド
プレドニゾロン プレドニゾロン
メドロール メチルプレドニゾロン
セレスタミン ベタメタゾン+マレイン酸クロルフェニラミン

内服薬は用量依存的に効果が増加するため、ランクの概念はない。

体内で作られるステロイドの量は5㎎/日。ステロイドの最高投与量は60㎎/日。セレスタミン1錠はプレドニン換算で2.5㎎。

ミネラルコルチコイド作用が強いと、Na保持、K排泄、心負荷増大等の副作用が起こりやすくなる。そのため、臓器移植後やパルス療法ではプレドニゾロンではなくメドロール(メチルプレドニゾロン)を使用する。

外用薬(軟膏・クリーム・ローション・テープ)

ランク 商品名 一般名 Oit Cr Lo
strongest
(最強)
デルモベート クロベタゾールプロピオン酸エステル
ジフラール
ダイアコート
ジフロラゾン酢酸エステル
very strong
(かなり強力)
フルメタ モメタゾンフランカルボン酸エステル
アンテベート ベタメタゾン酢酸プロピオン酸エステル
トプシム
シマロン
フルオシノニド
リンデロンDP ベタメタゾンシプロピオン酸エステル
マイザー
後)サイベース
後)スチブロン
ジフルプレドナート


×
×

ビスダーム アムシノニド
ネリゾナ
テクスメテン
ジフルコルトロン吉草酸エステル
パンデル 酢酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン
アドコルチン ハルシノニド
ブデソン ブデソニド
strong
(強力)
エクラー デプロドンプロピオン酸エステル
メサデルム デキサメタゾンプロピオン酸エステル
ボアラ
ザルックス
デキサメタゾン吉草酸エステル
リンデロンV(G) ベタメタゾン吉草酸エステル(ゲンタマイシン配合)
フルコート
フルゾン
フルオシノロンアセトニド
プロパデルム ベクロメタゾンプロピオン酸エステル
medium
(中等度)
リドメックス 吉草酸酢酸プレドニゾロン
ケナコルトA
レダコート
トリアムシノロンアセトニド
アルメタ プロピオン酸アルクロメタゾン
キンダベート
後)キンダロン
後)パルデス
酢酸クロベタゾン

×
×
×

ロコイド
プランコーン
酢酸ヒドロコルチゾン
強力レスタミンコーチゾン 酢酸ヒドロコルチゾン(ロコイドの10倍)+フラジオマイシン+ジフェンヒドラミン
オイラゾンD
グリメサゾン
デキサメタゾン配合剤 ×

×
×
×
テストーゲン ピバル酸フルメタゾン
weak
(弱い)
デキサメサゾン デキサメタゾン
プレドニゾロン プレドニゾロン
コルテス
テラ・コートリル
ヒドロコルチゾン
ドレニゾン フルドロキシコルチド
ダブベタ ベタメタゾン
セレスタミン ベタメタゾン+マレイン酸クロルフェニラミン
オイラックスH ヒドロコルチゾン

※テープ剤は、ドレニゾンとエクラーが該当。各ランク内の順位は大体この並びで問題ないと思われる。

※タクロリムス軟膏とデルゴシチニブ軟膏は大体strongと同レベル。

外用薬(点鼻液・粉末)

薬剤名 成分名 用法
アルデシンAQネーザル点鼻液
ナイスピー点鼻液
ベクロメタゾンプロピオン酸エステル 1日4回、1回1噴霧
(小児1日2回)
リノコートカプセル鼻用
リノコートパウダースプレー鼻用
1日2回、1回1噴霧
フルナーゼ点鼻液 フルチカゾンプロピオン酸エステル 1日2回、1回1噴霧
ナゾネックス点鼻液 モメタゾンフランカルボン酸エステル 1日1回、1回2噴霧
(小児1回1噴霧)
アラミスト点鼻液 フルチカゾンフランカルボン酸エステル 1日1回、1回2噴霧
エリザスカプセル外用
エリザス点鼻粉末
デキサメタゾンシペシル酸エステル 1日1回、1回1噴霧
コンドロンデキサ点眼・点耳・点鼻液 デキサメタゾンメタスルホ安息香酸エステルナトリウム 1日1~数回
リンデロン点眼・点耳・点鼻液 ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム 1日1~数回
リンデロンA点眼・点鼻液 ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム+フラジオマイシン 1日1~数回
オルガドロン点眼・点耳・点鼻液 デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム 1日1~数回

リノコートとエリザスは粉末製剤で他は液体製剤。

※エリザスの使用法補足:薬剤はポンプ内ではなくノズルのすぐ下の薬剤タンクに入っている。ノズルを回した後、噴霧器を立てた状態で2~3cmの高さから2~3回軽くトントンする操作により正確な薬剤が計量部へと順転される仕組みになっている。そのため、忘れてしまった場合通常よりも少ない量の薬しかセットされない可能性があるの。

外用薬(点眼・眼軟膏・点耳・耳科軟膏)

薬剤名 成分名 点眼 ハード ソフト 眼軟膏 点耳 耳軟膏
コンドロンデキサ デキサメタゾンメタスルホ安息香酸エステルナトリウム × × - -
サンテゾーン × - -
ビジュアリン × - -
酢酸プレドニゾロン
プレドニン
プレドニゾロン酢酸エステル - - - - -
リンデロン ベタメタゾンリン酸エステルNa × - -
リンデロンA ベタメタゾンリン酸エステルNa+フラジオマイシン × -
ネオメドロールEE メチルプレドニゾロン+フラジオマイシン - - - -
フルメトロン
オドメール
フルオロメトロン × × - - -
HCゾロン × × - - -

ソフト・ハードはコンタクトレンズ使用中の点眼薬使用の可否。不可の場合はコンタクトレンズを外して点眼後、15分空けて、ハメなおす。

なお、ソフトコンタクトレンズでもワンデーのものであればハードと同じ扱いで構わない。

外用薬(シャンプー)

薬剤名 成分名 使い方
コムクロ クロベタゾールプロピオン酸エステル 下記抜粋

成分がデルモベートと同じなので、ステロイドのランクはstrongestとなる。

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