膵疾患(膵炎等)の薬

分類 成分名 商品名 規格・剤形・補足
蛋白分解酵素阻害薬 ガベキサートメシル酸塩 エフオーワイ 注射用
カモスタットメシル酸塩 フオイパン 錠100㎎
ナファモスタットメシル酸塩 フサン
コアヒビター
注射用
ウリナスタチン ミラクリッド 注射用
膵酵素補充薬 パンクリパーゼ リパクレオン 顆粒300㎎分包、カプセル150㎎

タンパク分解酵素阻害薬

膵臓から分泌される消化酵素は、糖質を分解するアミラーゼ、脂肪を分解するリパーゼ、タンパク質を分解するプロテアーゼの中でもトリプシンとキモトリプシン、エラスターゼ等がある。

蛋白分解酵素(プロテアーゼ)には、セリンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、Znプロテアーゼらがあるが、トリプシン、キモトリプシン、エラスターゼはいずれもアミノ酸であるセリンを活性化に必要とするセリンプロテアーゼに分類される。

それぞれが異なる基質特異性を持っていて、トリプシンは塩基性アミノ酸(リジン等)部位を、キモトリプシンは芳香族アミノ酸(フェニルアラニン等)部位を、エラスターゼはアラニンのような小さいアミノ酸からなるペプチドを切断する。

これらの蛋白分解酵素は酵素活性を持たないチモーゲンとして膵臓から分泌され、分泌後に自己消化されて活性化される。例えば、膵臓から分泌されるトリプシノーゲンは酵素活性を持たず、十二指腸でエンテロキナーゼと反応してトリプシンとなることでリジンとアルギニンのC末端側を加水分解し、キモトリプシンーゲンも十二指腸で活性体のキモトリプシンとなって芳香族アミノ酸のC末端側を加水分解する。

多すぎるトリプシンは自己を傷害してしまい膵炎が起こる。それを阻害するのがフオイパン。

膵炎は、アルコールと胆石、高脂肪食が主な原因。

機序としては、

  • 高脂肪食:膵腺房細胞内への脂肪滴貯留→血中リパーゼ、アミラーゼ増加
  • アルコール:膵腺房細胞も肝臓の1-2%であるがエタノールを酢酸に代謝するアルコール代謝の一端を担うため、大量のアルコールは膵臓にアルデヒドが蓄積。また、膵臓に存在するCYP2E1がアルコールにより誘導、CYP2E1は基質の代謝の際に活性酸素やフリーラジカルを生成する。
  • 胆石:胆石があると膵管狭窄が引き起こされ、膵液が逆流してしまい、トリプシノーゲンが活性化してしまう。

急性膵炎では膵臓の機能自体は保たれているため、痛み止めやタンパク分解酵素阻害薬で治療し、慢性膵炎で膵臓での消化酵素の分泌自体が減っている消化不良の状態(特にリパーゼ減少による脂肪便、体重減少)ではリパクレオンを使用する。

  • エフオーワイ(ガベキサートメシル酸塩)
  • フオイパン(カモスタットメシル酸塩)・・・蛋白分解酵素としてはトリプシンとエラスターゼを阻害し、膵炎で亢進するキニン類や凝固・線溶系も阻害する。他のプロテアーゼ(キモトリプシンや胃から分泌され疎水性アミノ酸を分解するペプシノーゲンとその活性体であるペプシン等)は阻害しない。
    ラジカルスカベンジャー作用による抗がん剤の口内炎予防に適用外治療
  • フサン、コアヒビター(ナファモスタットメシル酸塩)

急性膵炎の急性期や慢性膵炎の増悪期では膵液分泌抑制のための絶飲食が基本であり、非経口による栄養補給が望ましい。

回復期では水分補給から開始し、糖質を中心とした脂質が少ない食事を摂るが、こうすると脂溶性ビタミンが不足するので注意する。

膵酵素補充薬

  • リパクレオン(パンクレリパーゼ)・・・リパーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼを含み食直後に1日3回服用する。服用量は摂取した脂肪量(以下リパクレオン指導箋より)に応じて2~4カプセルあたりで調整する。通常1gの脂肪を分解するためには2000リパーゼ単位が必要といわれる。
    吸湿性が高く1月で70%ほど効果が減弱するため、一包化は不適

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