シジュウム茶

シジュウムは、フトモモ科サイジュウム属に分類され、その葉には数々の薬理作用があると言われている。

シジュウムの葉の成分は、タンニン、ミネラル類(Caが多い)、水分、タンパク質、脂肪、食物繊維、糖分に大きく分けられ、 アレルギーに関する作用を担う成分はタンニン類だと考えられている。

ここでは、そのタンニン類が生体に及ぼす作用について簡単に述べる。

抗アレルギー・炎症作用

ヒスタミン、ロイコトリエン、セロトニンといったケミカルメディエータが肥満細胞から放出されるのを抑える。

これにより、ヒスタミンやセロトニンによる痒みの抑制、ロイコトリエン類による気管支収縮や血管透過性亢進作用の抑制、 プロスタグランジン類産生抑制による抗炎症作用とそれにより増強されるブラジキニンの発痛・NO(一酸化窒素)産生作用の抑制など、 総合的に炎症抑制作用を示す。

↓↓↓(シジュウムの各濃度におけるヒスタミン(His)、ロイコトリエン(LT)の抑制率)

濃度 His LTB4 LTC4 LTD4 LTE4
1g/ml none 91.0% 69.1% 92.1% 95.9%
0.1g/ml 96.87% 88.5% 48.4% 85.2% 80.0%
0.03g/ml 66.04% none none none none
0.01g/ml 36.67% 49.1% 49.2% 71.2% 76.6%
0.003g/ml 19.44% none none none none
0.001g/ml none 25.1% 33.8% 57.9% 54.8%

また、マクロファージの産生するNOも抑制する作用を持つ(0.03g/mlで40%阻害)。

抗菌作用

黄色ブドウ球菌、MRSA、白癬菌、大腸菌らでシジュウムの抗菌作用を実験した結果、 シジュウムの濃度0.3g/mlだと24時間後には、大腸菌、黄色ブドウ球菌、MRSAは99%死滅するが、白癬菌は90%抑制にとどまったという。

また、ブドウ球菌、MRSAに至っては、0.01g/mlというかなり薄い濃度においても、ほぼ100%死滅することが示されている。

Th1/Th2バランス調節作用

Th1/Th2バランスはアトピー素因に直接的に結びつく要因であるので、この作用は体質改善にとってもかなり有用な効果である。 ただし、この作用を期待するには濃度を厳密に調整する必要がある。

というのは、実験によると一定濃度(0.1g/ml)までのシジュウムはTh1細胞を活性化し、Th2細胞の働きを抑えてアレルギー体質を改善 させるが、これを超える濃度のシジュウムは逆にTh1細胞の活性を弱めて、Th2細胞を活性化するためである。
(この理由については現在は分かっていません)

さて、これらをアトピー性皮膚炎の治療ということに焦点を当ててまとめると、体内のシジュウム濃度を常に0.1g/mlに保っておく ことが最も高い効果が得られるということになる。


コメントor補足情報orご指摘あればをお願いします。

(件名or本文内でキーワード検索できます)



  • << 前のページ
  • 次のページ >>
ページトップへ