アシドーシスとアルカローシス

呼吸性アシドーシスはPaCO2(二酸化炭素分圧)が高いとき、呼吸性アルカローシスはPaCO2が低いとき

代謝性アシドーシスはHCO3-(重炭酸イオン)が低いとき、代謝性アルカローシスはHCO3-が高いとき

呼吸性

呼吸性アシドーシスと呼吸性アルカローシスと言われるもののこと。

血中のPaCO2が通常の血中pHである7.4よりも上がる、血中の二酸化炭素濃度が上昇すると酸性(アシドーシス)になり、PaCo2が減少するとアルカリ性(アルカローシス)になる。

血中の二酸化炭素が上昇するケースとしては、呼吸不全の患者さんに酸素を投与する場合で、呼吸不全により二酸化炭素の排泄ができていない状態の時に酸素を投与すると呼吸が抑制されてアシドーシスが進む。

血中の二酸化炭素が減少するケースとしては、過換気症候群で呼吸回数が増える場合で、呼吸が増えることで排泄される二酸化炭素が増えて、PaCo2が減るのでアルカローシスが進む。対策は密封されたビニール袋を口に当てて自分で吐き出した二酸化炭素を再度回収すること。

自覚症状は、吐き気、倦怠感、頭痛、眠気他。

代謝性

呼吸性以外(腎機能障害、消化器障害、糖尿病等)のアシドーシス、アルカローシスを指す。

重炭酸イオン(HCO3-)の減少or水素イオン(H+)の増加が起こると代謝性アシドーシスに、重炭酸イオン(HCO3-)の増加or水素イオン(H+)の減少が起こると代謝性アルカローシスになる。

糖尿病では、血糖上昇→アセチルCoA増加→ケトン体増加→ケトン体が酸性のため、代謝性アシドーシスを招く。

下痢では、腸液(アルカリ性物質)が排泄されるため、酸性側へ傾き、代謝性アシドーシスとなる。

嘔吐は、胃液(酸性物質)が排泄されるため、アルカリ性側へ傾き、代謝性アルカローシスとなる。

ループ利尿薬は、Na/K/Cl共輸送体を阻害してカリウムを排泄し、低カリウム血症を引き起こす。K+が少ないとNa/K交換機構が働かず、Na/HCO3-共輸送体が代わりに働いて重炭酸イオン(HCO3-)の再吸収が促進する→代謝性アルカローシスとなる。

アルドステロンの過剰も→低カリウム血症になるので、代謝性アルカローシスを引き起こす。

血中のカルシウムイオンは血漿蛋白アルブミンと結合する性質を持つ。アルブミンは酸性側で+荷電、アルカリ側で-荷電になるため、酸性側ではCa2+と反発しあう(高カルシウム血症)が、アルカリ側ではCa2+引き付け合う(低カルシウム血症)。つまり、酸化マグネシウムのような制酸剤によりアルカローシスの状態になると、カルシウムの再吸収が増えるが、この時に大量のCaの入った牛乳等を一緒に取ると高カルシウム血症(倦怠感やイライラ感)が出るおそれがある。

代謝性アルカローシスは生理食塩水の輸液で是正可能。

コメントor補足情報orご指摘あればをお願いします。

(件名or本文内でキーワード検索できます)



記事No345 題名:過換気症候群の対策 投稿者:医療関係者 投稿日:2016-09-07 22:29:59

過換気症候群の対策として、「密封されたビニール袋を口に当てて自分で吐き出した二酸化炭素を再度回収すること」と書かれていますが、これは今では禁忌とされています。低酸素の危険があるからです。ビニール袋ではなく紙袋を使う、とされた時代もありました(ペーパーバック法といいます)が、これも今では禁忌です。
正しい対策としては、過換気症候群は心因性なので、そばに寄り添って声をかけたりして落ち着かせることです。過換気症候群は非常に強い呼吸困難感を伴いますが、あくまで呼吸困難「感」であり、重症化することはありません。


  • << 前のページ
  • 次のページ >>
ページトップへ