目次
- 薬歴の書き方
- コメント
薬歴の書き方
薬歴は、基本的には薬剤服用歴管理料の算定基準に沿った書き方をすれば得に問題はない。
氏名・生年月日・性別・住所・電話番号は一応表書きの必須項目なので、必ず確認すること。住所を教えてくれない患者さんには薬剤服用歴管理料は算定できないことになる。
薬歴簿の表紙(頭書)での6項目
- 服薬指導での重要な患者情報の3点セット(アレルギー歴、副作用歴、体質)の項目があり、一目でその患者の情報がわかるようにしておくこと
- 定期的(例えば6ヶ月)でアレルギー歴、副作用歴、体質等については患者に確認更新を行い、確認した日時と薬剤師名を記載しておくこと。初回のアンケートのみで終わりにしないこと。
- 患者情報を収集した結果、記載すべき事項がない場合、空欄にしないで情報収集をしたことがわかる記載にすること(特になし、確認中、不明等)
- 患者の緊急連絡先(TEL、FAX等)の記載があること
- 患者から情報収集した「アンケート用紙」をもとに薬剤師が評価したものが記載されていること。「アンケートをそのまま貼って終わりではダメ」
- 新たな患者情報の収集があった場合、服薬指導に利用しやすいよう特記事項として追記しておくこと。
薬歴簿の指導内容記載のポイント8項目
- 処方内容
89項目の確認、指導内容、留意事項の4つのスペースがあること。薬歴簿のメインは指導内容である。指導内容という項目のスペースが余裕のあるものでなければならない。狭い備考欄に指導内容を記載しているようなものであってはならない。 - 具体的な患者指導内容になっていること
- 継続的流れの指導記載になっていること(Plan Do seeの徹底)
- 薬学的、保険面から疑義ある事項を根拠となる情報を収集した場合は、その情報元、エビデンスが記載してあるkと。患者に不利益でなく、疫学などの研究成果や実証的、実用的な根拠のあるものであること。
患者からの情報収集のもの(薬歴簿、処方箋の備考欄記載)
書籍、製薬会社学術文献等から収集したもの(薬歴簿に記載)
情報収集した薬剤師名 - 薬学的、保険面から、適切な疑義照会が記載されていること
- 患者からの相談、患者の情報の収集は第三者がわかる記載になっていること。患者情報収集確認
89項目(服薬状況、体調変化、副作用の発現、他科受診、併用薬、飲食物、合併症(既往歴)、後発品の意向、残薬確認)を○×、全て有無での記載をしている場合は改善すること- 毎回必ず確認しなければならない項目は、服薬状況、体調変化、副作用の発現の3項目、他の5項目は変化があった時のみ記載。
- 服薬状況:服薬状況とは患者が問題なく、しっかり服用しているかの確認。服薬状況と残薬確認とを同一視しての記載は認められない。
- 残薬確認:処方箋受付時に投薬歴から受診間隔、処方日数・数量を確認、患者に服薬状況と残薬の有無を確認。患者への聞き取りにより、残薬の原因(飲み忘れ、服用困難等)を把握。
不適切が疑われる場合は医療機関(処方医)に照会すること。経過についての記録を残す。 - 副作用:副作用はどのような副作用に着眼して聞きとったのかを記載。(無しと書いたなら、どんな副作用がないのか)
- 飲食物:飲食物は処方薬剤と相互作用が認められている飲食物等を添付文書で確認し、患者がその飲食物を摂取することがあるかどうかの収集。○×、有無では意味不明。
- 合併症:合併症の情報は、処方薬との疾病禁忌(アクトスとジゴシンなど)であり、なんでもかんでもではない。
- 後発品の使用に関する患者の意向:後発医薬品変更不可や変更可の処方箋を受け付けた場合でも、患者に変更希望はきかなければならない。
- 手帳による情報提供状況、指導内容の記載をした保険薬剤師名があること。だれが服薬指導をして記録したのか不明のないようにすること。
- その他の注意事項(訂正する部分を塗りつぶし、修正液、修正テープを使わない。薬歴簿記載での枠外記載は行わない。鉛筆は使用しない。余白がある場合は斜線等で抹消、日枚に区切りをつける。紙の上張りは認められない。書いた本人も判読不可能な記載は×。
コメントor補足情報orご指摘あればをお願いします。
記事No2232 題名:Re:橋詰 恵様 投稿者:管理人tera 投稿日:2022-08-02 22:01:43
はじめまして。
「R4年調剤報酬点数表の解釈」という本を持っていないので何とも言えませんが、ページと目次から類推するに、調剤管理料に記載された(移動した)3年保存のことを言っているのに過ぎないのかなと思います。
厚労省は立場的にはこの文章を曲げることはできないと思うので、こういう回答になるのかなと思います。
しかしながら、紙→電歴だけでなく、電歴→別の電歴というケースも数多く存在し、そこにリール契約等の問題も一緒に存在するので、実際のところは3年ないし、R2年からは5年としているところが多いのではないでしょうか。
個人的には廃棄してしまってよろしいと思います。
記事No2230 題名:紙薬歴の保管義務について 投稿者:橋詰 恵 投稿日:2022-08-01 10:11:31
いつもお世話になっております。
失礼いたします。
管理薬剤師.com様に、質問を上げさせていただくことが初めてです。こちらのボックスで質問させていただいて、よろしかったでしょうか?
よろしくお願いいたします。
薬歴の最終記入日から3年経過しているの取り扱いについて、
紙薬歴から、電カルになって、来年で、3年目となる薬局を運営しております。継続して来局されている患者の紙薬歴の保管に苦慮しているところです。
管理薬剤師.comさんでは、以下のような文章があったので、最終記入日より3年以上前の紙薬歴については、廃棄してもよいのではないかと、解釈し、厚生局に問い合わせたのですが、紙薬歴と、電子薬歴の違い部分には触れられず、「R4年調剤報酬点数表の解釈という本の49ページ 7番 薬剤服用歴について書かれてます」という回答のみでした。
やはり、継続患者の紙薬歴は、最初からの保管は、しないといけないのでしょうか?
管理薬剤師.comさまより、ご回答いただけますと、幸いです。
↓管理薬剤師.com差までの記載より、抜粋しております。
継続してきている患者において、3年より前の薬歴部分を破棄して良いのか?それとも、最終記入の日からは3年経っていないので初回からの分全て保存して置かなければならないのかという問題。
紙媒体による薬歴の場合は、保存に要するスペースの確保が困難となるケースも出てくることから、最終記入日から一定期間(3年間)を経過した記録部分については廃棄しても構わないこととされています。ただし、廃棄にあたっては、それ以降の服薬指導に支障をきたさないことを前提として、必要な記録部分は転記したり、要約を作成するなど工夫すること。
記事No1857 題名:御礼 投稿者:薬剤師 投稿日:2021-12-12 22:15:46
ご丁寧にありがとうございました。
薬局内で統一することを目指しており、どこかに明示されていないか探しているんですが、なかなか見つからず…。
薬剤師が複数いると、考え方は様々で統一は難しいです。もう少し探してみます。
今後も参考にさせてください。
お忙しいところ、ありがとうございました!
記事No1856 題名:Re:薬剤師様 投稿者:管理人tera 投稿日:2021-12-11 17:56:35
まず、引用元については、忘れてしまい、確認できませんでした。確か、新規個別か診療報酬改定説明会か、そのたぐいの厚生労働省が行う説明会(栃木か埼玉)の資料のはずです。年度が替わると内容が更新されるため、最新の資料を参考にするとよいでしょう。
県により考え方が違うので、自分の地域の厚生局の「個別指導において保険薬局に改善を求めた主な指摘事項」などをみるとひとまずはいいかもしれません。(きちんとまとまっているのは説明会の資料ですが)
他科受診・併用薬の考え方は、本当にまじめにやるのであれば、②ですかね。
これについては指針となる資料が見つからないので、指導が入ったときに説明できる書き方ならよいのではないでしょうか?①でも②でも。また残薬の場所に書くのでも?
記事No1853 題名:出典と項目チェックの質問をさせてください 投稿者:薬剤師 投稿日:2021-12-09 19:51:24
いつも参考にしております。分かりやすくてありがたいです。
このページの出典はどちらでしょうか?それとも独自にまとめられたのでしょうか?
引用元があるようなら教えていただきたいです。
また、他科受診と併用薬の解釈について悩んでおります。ご教授ください。
例として、一人の患者様が、A病院に2週間ごと、B病院に4週間ごと通っており、どちらの処方せんも持参してくださるとします。A・B病院以外の受診はありません。
この場合、A病院の処方せんを調剤・投薬したとき
①当薬局以外で調剤している薬はないので、他科受診、併用薬は「無し」となる
②B病院の併用薬があるので、他科受診、併用薬は「有り」となる
①②のどちらが正しいのか分かりません。
薬局単位で考えるのか、処方せん単位で考えるのか。
こちらも、もし参照できるような文章記載がどこかにありましたから、教えていただきたいです。
よろしくお願いします。
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