片頭痛の診断
片頭痛は、筋緊張性頭痛、群発頭痛とともに、器質的疾患に起因しない一次性頭痛の一種で、痛みの程度が強く、悪心、嘔吐などの随伴症状を伴う。
診断はまず、一次性か二次性かを判別し、一次性だった場合は前兆があるかないかを見ます。
前兆があった場合は、その前兆がどのようなものかを確認し、該当する事項であったときに片頭痛ということになります。
少なくとも以下の1項目を満たす前兆がある
- きらきらした光・点・線や視覚消失を含む完全可逆性の視覚症状
- チクチク感および、感覚鈍麻を含む完全可逆性の感覚症状
- 完全可逆性の感覚症状
少なくとも以下の2項目を満たす
- 同名性の視覚症状または片側性の感覚症状(あるいは両方)
- すくなくとも1つの前兆は5分以上かけて徐々に進展するか、異なる複数の前兆が引き続き5分以上かけて進展する
- それぞれの前兆の持続時間は5分以上~60分以内
- 前兆のない偏頭痛の診断基準を満たす頭痛が前兆の出現中もしくは前兆後60分以内に起こる。
- その他疾患によらない。
前兆がなかった場合は次の事項について確認します。
- 持続時間が4~72時間である
- 片側性、拍動性、中~重度の頭痛、日常動作(階段上り下り等)で頭痛が増悪
- 悪心、嘔吐、光過敏
そして、
- 1行目を満たすこと
- 2行目の、片側性、拍動性、中等度~重度の頭痛、日常的な動作により頭痛が増悪するの4つのうち2項目を満たすこと
- 3行目の、悪心、または嘔吐(あるいは両方)、光過敏および音過敏の2つの項目のうち1項目を満たすこと
が「前兆のない偏頭痛」と診断されるための条件であり、これからわかることは、片側性、拍動性の2点がもし満たされていなかったとしても、残りの2項目(持続時間と悪心や過敏性のみ)を満たしていれば片頭痛と診断されうるということになります。
首振りサイン
頭を左右に振って頭痛がひどくなる時や、頭を心臓より下に下げると頭痛が悪化する場合は、緊張型頭痛ではなく、片頭痛であることが多い。これらの動作は、トリプタン製剤を服用するタイミングを示すサインとして、「首振りサイン」「お辞儀サイン」「息こらえ」などと言われている。
片頭痛では、動作により頭痛がひどくなることが一つの特徴だからである。
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