片頭痛の治療法

普通の頭痛と異なるとはいっても、脳内の血管が拡張することで痛みが起こるという結果は片頭痛も同じです。よって、血管を収縮する薬剤が選択されます。

急性期の治療には、トリプタン系薬剤、エルゴタミン製剤、NSAIDsが使用される。

これは片頭痛発症までの一般的な経過として、初めに緊張型頭痛のような予兆があり、どちらかわからないような頭痛を繰り返しながら徐々に悪化していき、2-3時間後に片頭痛になるためである(緊張型頭痛で終わる場合もある)。

軽度なものであれば、COX1.2阻害剤のバファリン、ポンタール、そして、脳内の視床と大脳皮質に作用しCOX3を阻害するアセトアミノフェン、漢方薬(呉茱萸湯、五苓散、釣藤散、川キュウ茶調散、葛根湯等)が使われます。

制吐薬(ナウゼリン、プリンペラン等)は作用機序は不明だが、予兆期に用いると頭痛発作を抑制するといわれる。もちろん嘔吐に対しても用いることもできる。

中等度以上の頭痛には、セロトニン作動性の血管収縮作用のあるエルゴタミン製剤やセロトニン作動薬が使われます。

トリプタン系の5HT1B,5HT1Dを選択的に刺激する薬は、脳血管の平滑筋に分布する5HT1B受容体を刺激して血管を収縮させ、また血管周囲の三叉神経終末上に存在する5-HT1D受容体を刺激して神経終末からの神経ペプチドの分泌を抑制することで、片頭痛発作を寛解させるといわれる。

これらの薬は予防使用はせず、月に10日以下目安(使い過ぎは薬物乱用頭痛)、頭痛が現れた時に使用する。また、血管収縮作用があるため、脳梗塞や狭心症、心筋梗塞の人には非推奨。

エルゴタミンはトリプタン無効例など積極的使用は進められていない。

予防療法

予防療法は、片頭痛発作を予防するために薬剤を継続的に服用するもので、塩酸ロメリジン(ミグシス)のみとCGRPモノクローナル抗体に保険適用がある。

ミグシスの有効率は50%程度で、効果発現まで数週間~数ヶ月かかる上に、副作用の発現頻度が高い。他カルシウム拮抗薬、抗てんかん薬のバルプロ酸、β遮断薬のプロプラノロール、抗うつ薬のアミトリプチリンなどがある。

2021年に販売されたCGRP関連抗体薬は片頭痛の原因のCRRPに直接作用するが、予防効果は100%ではない。これは、緊張型頭痛も混在しているためと説明されている。

自分でできる対策としては、冷たいタオルなどで痛む箇所を冷やすことや、静かな暗い場所で安静にし、可能なら睡眠をとることなどがある。

フィーバーユーは片頭痛予防効果が認められ、ガイドラインの中でもエビデンスレベルが1bで、二つの試験により片頭痛予防効果が示されている。

葉の主要成分であるパルテノライドが血小板凝集抑制作用、血小板からのセロトニン放出抑制作用を示すとされ、これらの作用が予防効果に関連するのではないかと考えられている。

ビタミンB2、マグネシウム(細胞膜の安定化、血管れん縮の抑制、血小板凝集抑制、ミトコンドリア機能以上の改善など)も同様

トリプタン系薬剤はセロトニンの誘導体であり、MAO-Aで代謝されるものが多く、MAO阻害薬の併用に注意が必要である。

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