赤ちゃん/乳児の薬物治療
多くの皮膚科、小児科、アレルギー科等で主流に行われている薬物治療は、ステロイドの外用と抗ヒスタミン/抗アレルギー薬の内服 ではないだろうか。
その一方で、 マスコミや本などにより植えつけられた恐怖感のせいで、ステロイド使用に関して神経質になっていて、薬局内で「この軟膏はステロイドですか?」 とか「ステロイドって大丈夫なの?」と質問してくるお母さんも少なからずいることも事実である。
子供に対して、一般的になされているであろう処方を以下に述べる。
<新生児(生後4週未満)>
ほとんどが、産婦人科からもらう亜鉛華軟膏やアンダーム軟膏などの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用していると思われる。
皮膚科、小児科では亜鉛華軟膏もしくはグリメサゾンなどが使用される。
乾燥に対しては白色ワセリン、プロペト、ヒルドイド、尿素軟膏らは使用される。
<乳児(生後1年未満)>
体重5kgを超えるあたりから抗ヒスタミン/抗アレルギー薬の内服が始まる。
シロップしか飲めないのであれば、ポララミンSr、ペリアクチンSr 、ザジテンSr、ゼスランSrあたりが使われ、粉も飲めるのであれば、ポララミン、ペリアクチン、ザジテンに加えて、アレジオン、セルテクト 、テルギンGらが使われる。
外用は、ロコイド軟膏単体か白ワセ、プロペトらで混合したものが主として使われ、ひどいときはリンデロンVGがでる場合もある。
<幼児(生後1年以上)>
乳児のものとほとんど同じである。strongレベルを超えるステロイドがでるのは虫刺されの時くらいである。
以上が主観的な処方傾向です。そして、これに関する僕の感想は”問題はない”の一言です。理由は、このレベルの薬剤でなおかつ 適正使用をしていればステロイドの副作用は全く気にする必要がないと思うからです。
アトピー関連の掲示板で「子供にリンデロンVGを使用していて、塗れば治り、やめると再発・・・を繰り返しているうちに効かなくなって しまいました。子供が痒そうにしています。どうすればよいでしょうか?」というコメントを目にしたことがあります。
リンデロンを超えるvery strongのフルメタを常用している僕に言わせればリンデロンくらいじゃ効かないのもしょうがないとかポロっと 出てしまいそうになりますが、この状態を脱するためにフルメタやアンテベートなどのvery strongレベルのステロイドに移行するのは 年齢的に見ても得策ではありません。かといってリンデロンを急にやめるのもよくないと思います。
このような状態に陥ったら、痒そうにしているからといって薬をべたべたつけないこと、そして、薬以外の面で改善策を見つけることが 必要となります。
フルメタを長年1日1回毎日夜使用している僕は薬が効かないと思うことは一度もありません。ステロイドはアトピーを治す薬ではなく、 コントロールする薬という認識が最も大切です。
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