徐脈性不整脈とは

心電図で、一定時間波形が観察されない病変を徐脈性不整脈という。約2~3秒でめまいが、5秒以上で失神を伴うことがある。

  • HR≦60回/min (大5マス)
  • HR≦50回/min (大6マス)→要治療(ただしスポーツ心等除く)

原因としては、高齢による動脈硬化、甲状腺機能低下症、抗不整脈薬やβ遮断薬といった薬による、洞結節or房室結節の異常。

甲状腺機能低下症は、チラーヂンのような甲状腺ホルモン剤、薬によるものは対象薬剤の中止、動脈硬化はβ以外の降圧剤、高脂血症治療薬、硝酸剤等の投与になるんでしょうか。これらでも治らないか、原因が特定しかねる場合は、ペースメーカーの埋め込みを選択することになります。

ペースメーカーは、バッテリーと電気を起こす本体部(携帯の半分位の大きさ?)と、それにつなぐケーブルからなり、本体を利き腕と逆の鎖骨の下に埋め込み、そこからケーブルを伸ばして洞結節につなぐということ。ペースメーカーは正常に心臓が動いているときは作動せず、停止した時のみ動くという代物。バッテリーは7年程度持ち、半年に1回くらいは点検をする必要がある。携帯電話・IH等の電磁波を発生する媒体は22cm離したり、埋め込んだ方の腕はなるべく動かさないなど制約はある。

心電図の変化

PQ間隔が長い→最も長いRR間隔にP波がないと洞結節、あると房室結節に異常

  1. 洞機能不全症候群(SSS)・・・P波がない
  2. 房室ブロック・・・P波はある
    • Ⅰ度:PQ間隔が長い(大1マス) ゆっくりでも毎回心室へは伝わる→放置
    • Ⅱ度:QRSが脱落 房室結節もしくはヒス束で命令が上手く伝わらない(伝わったり伝わらなかったり)
      • ①wenckebach型・・・QRSがない、前のPQが長い →放置
      • ②MobitzⅡ型・・・QRSがない、前のPQが同じ →経過観察
    • Ⅲ度:心房と心室がバラバラに興奮(房室解離) →基本的にはペースメーカー。薬物の場合はアトロピン他
  3. 無脈性電気活動(PEA)・・・洞結節から命令は出ているが心室がきちんと収縮しない、脈がふれない。特に決まった波形はない。心臓が弱っている。AEDは使わない。
  4. 心静止(asystole)・・・心房も心室も収縮しない。洞結節から命令が出ない。心電図はフラット。脈が触れないのが心停止で、VT、VF、心静止、PEAが含まれる。無脈性VT、VFはAED適応、心静止やPEAはAEDは使わない。

関連ページ

(参考文献/サイト/図引用元他)

コメントor補足情報orご指摘あればをお願いします。

(件名or本文内でキーワード検索できます)



  • << 前のページ
  • 次のページ >>
ページトップへ