女性ホルモン関連薬

分類 成分名 商品名 規格・剤形・補足
アロマターゼ阻害 アナストロゾール アリミデックス 錠1㎎
閉経後乳がん
エキセメスタン アロマシン 錠25㎎
閉経後乳がん
レトロゾール フェマーラ 錠2.5mg
閉経後乳がん
エストロゲン受容体拮抗 タモキシフェン ノルバデックス 錠10㎎/20㎎
乳がん
トレミフェン フェアストン 錠40㎎/60mg
閉経後乳がん
フルベストラント フェソロデックス 筋注
乳がん
黄体ホルモン メドロキシプロゲステロン ヒスロンH 錠200㎎
乳がん、子宮体がん
エストロゲン製剤 エチニルエストラジオール プロセキソール 腸溶錠0.5mg
前立腺がん、閉経後末期乳がん
GnRHアゴニスト ゴセレリン ゾラデックス
ゾラデックスLA
デポ1.8mg/3.6mg、徐放デポ(LA)
ダウンレギュレーション。子宮内膜症(1.8mg)、前立腺がん/閉経前乳がん(3.6mg/LA)
リュープロレリン リュープリン
リュープリンSR
リュープリンPRO
注射用、徐放注射用(SR)
中枢性思春期早発症、過多月経、子宮筋腫、子宮内膜症、前立腺がん、閉経前乳がん、球脊髄性筋萎縮症
プセレリン スプレキュア MP皮下注用、点鼻液
子宮内膜症、子宮筋腫に基づく過多月経・下腹部痛・腹痛・貧血
ナファレリン ナサニール 点鼻液
子宮内膜症、子宮筋腫
ゴセレリン ゾラデックス デポ
子宮内膜症
GnRHアンタゴニスト セトロレリクス セトロタイド 注射用
調節卵巣刺激下における早発排卵の防止
ガニレリクス ガニレスト 皮下注
調節卵巣刺激下における早発排卵の防止
レルゴリクス レルミナ 錠40㎎
子宮筋腫に基づく過多月経・下腹痛・腹痛・貧血の改善
GnRH製剤 ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(HCG) HCGモチダ
ゴナトロピン
筋注、注
胎盤性GnRH(LH作用+弱いFSH作用)排卵誘発、精子形成誘導等
ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン(HMG) HMG 筋注、注射
(FSH活性)。排卵誘発
精製下垂体性性腺刺激ホルモン uFSH「あすか」
排卵誘発
ヒト卵胞刺激ホルモン(FSH) フォリスチム
排卵誘発
ホリトロピンアルファ ゴナールエフ 皮下注、皮下注ペン
精子形成誘導、排卵誘発
コリオゴナドトロピンアルファ オビドレル 皮下注、排卵誘発及び卵胞成熟等
抗ゴナドトロピン ダナゾール ボンゾール 錠100mg/200mg
子宮内膜症、乳腺症(100mgのみ)
卵胞ホルモン
(エストロゲン)
エストラジオール エストラーナ テープ0.09mg/0.18mg/0.36mg/0.72mg
更年期障害、閉経後骨粗鬆症、卵巣欠落症状等
下腹部or臀部に2日ごとに貼り換え。8分割OK
ル・エストロジェル
ディビゲル
ゲル
更年期障害
ジュリナ 錠0.5mg
更年期障害、閉経後骨粗鬆症
エストラジオール吉草酸エステル プロギノン・デポー
ペラニンデポー
筋注
月経異常、更年期障害、不妊症等
エストリオール ホーリン 錠1㎎、V膣用錠1㎎
更年期障害/老人性骨粗鬆症(内服のみ)、膣炎等
結合型エストロゲン プレマリン 錠0.625mg
更年期障害、卵巣欠落症状、膣炎等
黄体ホルモン
(プロゲステロン)
プロゲステロン プロゲホルモン 筋注
月経困難、子宮出血、切迫性早産、習慣性早産
ルティナス
ウトロゲスタン
ワンクリノン
ルテウム
順に膣錠、膣カプセル、膣ゲル、膣坐剤
黄体補充
ジドロゲステロン デュファストン 錠5㎎
プロゲホルモン+子宮内膜症、子宮周期異常
ヒドロキシプロゲステロン プロゲデポー 筋注
月経周期異常、子宮出血、不妊症、切迫性/習慣性早産等
メドロキシプロゲステロン ヒスロン
プロベラ
錠5mg(ヒスロン)、錠2.5mg(プロベラ)
適応:プロゲデポーと同じ
クロルマジノン ルトラール 錠2㎎
月経周期異常、月経困難症、不妊症等
ノルエチステロン ノアルテン 錠5㎎
クロルマジノン+月経周期変更
ジエノゲスト ディナゲスト 錠0.5mg/1mg、OD錠1㎎
子宮内膜症、子宮腺筋症に伴う疼痛、月経困難症
卵胞・黄体ホルモン配合剤 ヒドロキシプロゲステロン・エストラジオール ルテスデポー
機能性子宮出血
ノルゲストレル・エチニルエストラジオール プラノバール 配合錠
機能性子宮出血、月経困難、月経周期異常、子宮内膜症等
ヤッペ法が緊急避妊で使用されるが妊娠阻止率がノルレボに比べて30%位低い
エストラジオール・酢酸ノルエチステロン メノエイド コンビパッチ
3~4日毎に1回1枚下腹部貼付、更年期障害、卵巣欠落症状
エストラジオール・レボノルゲストレル ウェールナラ 配合錠
閉経後骨粗鬆症
卵胞・黄体ホルモン配合剤(LEP) エチニルエストラジオール・ドロスピレノン ヤーズ 配合錠、フレックス配合錠
子宮内膜症
エチニルエストラジオール・ノルエチステロン ルナベル 配合錠LD、配合錠ULD
月経困難症
エチニルエストラジオール・レボノルゲストレル ジェミーナ 配合錠
月経困難症
低用量ピル
(LEP)
(低用量OC)
エチニルエストラジオール・ノルエチステロン シンフェーズT28
避妊、鎮痛薬無効の機能性月経困難症
14歳~閉経まで投与可。
エチニルエストラジオール・レボノルゲストレル アンジュ21
アンジュ28
トリキュラー21
トリキュラー28

上に同じ
デソゲストレル・エチニルエストラジオール マーベロン21
マーベロン28

上に同じ
緊急避妊薬
(アフターピル)
(ECP)
レボノルゲストレル(LNG) ノルレボ
レボノルゲストレル錠1.5mg「F」
錠1.5mg
緊急避妊(性交後72時間以内に1T服用)
ノルゲストレルの光学異性体で排卵を抑制。服用時間が遅れるほど阻止率低下
妊娠中は禁忌だが有害ではない。悪心の副作用があり、服用後2時間以内に嘔吐→処方医へ連絡→1錠追加OK。妊娠阻止率90.8%。
全額自費(相場は7000~8000円)
子宮内黄体ホルモン放出システム レボノルゲストレル ミレーナ システム(1個を子宮内に5年装着)
避妊、月経過多、月経困難症
女性・男性ホルモン配合 エストラジオール・テストステロン プロモジアン・デポー 筋注
更年期障害、卵巣欠落症状、骨粗鬆症
排卵誘発薬 シクロフェニル セキソビット 錠100㎎
第一度無月経、無排卵性月経、排卵誘発
クロミフェン クロミッド 錠50㎎
排卵障害に基づく不妊症の排卵誘発
麦角アルカロイド エルゴメトリン エルゴメトリンマレイン酸塩「F」 販売中止
メチルエルゴメトリン メチルエルゴメトリン 錠0.125mg、注
子宮収縮(胎盤娩出後等)
PGF2α ジノプロスト プロスタルモン・F 注射液
妊娠末期における陣痛誘発・促進・分娩促進、腸管運動促進
PGE2 ジノプロストン プロスタグランジンE2 錠0.5mg
妊娠末期における陣痛誘発・陣痛促進
プロウペス 膣用剤
妊娠37週以降の子宮頚管熟化不全における熟化の促進
PGE1 ゲメプロスト プレグランディン 膣坐剤
妊娠中期における治療的流産
β2刺激薬 リトドリン ウテメリン 錠5㎎、注
切迫流・早産(内服)、緊急切迫流・早産(注)
Mg剤 硫酸Mg・ブドウ糖配合 マグネゾール 静注
重症妊娠高血圧症候群における子癇の発症抑制及び治療
マグセント
切迫早産における子宮収縮の抑制、重症妊娠高血圧症候群における子癇の発症抑制及び治療
下垂体後葉ホルモン
(バソプレシン作動)
デスモプレシン デスモプレシン 注、スプレー2.5/10、点鼻液
中枢性尿崩症、夜尿症
ミニリンメルト OD錠25μg/50μg/60μg/120μg/240μg
中枢性尿崩症、夜尿症。食直後の投与は避ける
オキシトシン アトニン-O
分娩誘発、微弱陣痛、弛緩出血、流産など
漢方薬 当帰芍薬散
加味逍遥散
桂枝茯苓丸
桃核承気湯
女神散
更年期障害、月経不順

女性ホルモンの作用

視床下部から分泌されるGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)は脳下垂体前葉のゴナドトロピン受容体(LH-RH受容体)に結合して、ゴナドトロピン(FSHとLH)を放出させる。LH-RH(Luteinizing Hormone-Releasing Hormone)とGnRH(Gonadotropin-Releasing Hormone)は同じものを指す。

  • FSHは、卵巣内の卵胞細胞の発育を促し、卵胞はエストロゲンを分泌する。
    FSHは精巣内のセルトリ細胞からのインヒビンの分泌を促し、インヒビンは下垂体前葉に負のフィードバックをかけてFSH放出を抑制する。
  • LHは、卵胞内からの卵子の放出(排卵)を促し、卵子がなくなった卵胞は黄体へと変わり、黄体はプロゲステロンを分泌する。
    LHは精巣内のライディッヒ細胞からのアンドロゲン(主としてテストステロン)の分泌を促し、副腎皮質由来のテストステロンと共に脂肪細胞等でアロマターゼによってエストロゲンへと変換される。

GnRHは下垂体を刺激してFSHとLHを放出させるわけだが、FSHとLHの比率は月経周期で変化する。

月経周期

月経周期は通常21日から35日の範囲で、平均して約28日間続きます。

  • 月経期・・・期間:約3~7日。周期の最初の日(月経の最初の日)から始まり、子宮内膜(子宮の内側の層)が血液とともに体外に排出されます。これが月経出血(生理)です。この期間は、新しい月経周期の開始を意味します。
  • 卵胞期・・・期間:月経開始後約1週間から14日間。月経出血が終了すると、脳の下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)が増加し、卵巣内の卵胞の成熟を促します。この期間中に卵胞はエストロゲンを分泌し、子宮内膜を再び厚く、柔らかく、血管を豊富にするために再構築します。このフェーズは排卵に向けて体を準備します。(この時点は低温期)
  • 排卵期・・・期間:周期の中間(通常は最終月経開始後約14日)。FSHのレベルが比較的高くなり、大量のエストロゲンによる視床下部前腹側室周囲核への正のフィードバックが起こり、下垂体からのLHと一定程度FSHも)の急激な上昇が引き起こされ(これを「LHサージ」と呼ぶ)、LHサージが排卵の主要なトリガーとなり、成熟した卵胞から卵子が放出され、放出された卵子は卵管を通って子宮へ移動します。
  • 黄体期・・・期間:排卵後約14日。排卵した卵胞は黄体に変わり、プロゲステロン(およびエストロゲンを少量)を分泌します(この時点は高温期)。これらのホルモンは子宮内膜を維持し、受精卵が着床するための準備をします。

その後、エストロゲンの視床下部弓状核へのorインヒビンによる下垂体前葉への負のフィードバックによってFSHの分泌が抑制され、エストロゲンレベルが下がる。

受精が起こらない場合、黄体は退化し、プロゲステロンも負のフィードバックをかけてLHサージを抑制し、プロゲステロンレベルを下げ、体温を再度下げ、これにより、子宮内膜がはがれ、新たな月経周期が始まります。

妊娠していればプロゲステロンが維持され高温期が持続します。

つまり、エストロゲンは子宮内で子宮内膜の肥厚、プロゲステロンは肥厚後の子宮内膜の着床環境を整える等、妊娠準備を行うホルモンであり、着床しなかった場合、生理(子宮内膜の剥離)が起こる。

エストロゲンの作用

  • 20~40歳のエストロゲンが重要。エストロゲンが減少すると破骨細胞が活発になる。
  • エストロゲンは血中遊離脂肪酸の上昇を抑える(ホルモン感受性リパーゼ↑、リポ蛋白リパーゼ↓)
  • ピル(ヤーズなど)は血栓が起きやすい。40歳以上でリスク上昇。血栓予防にアスピリンを使うことも。
  • エストロゲンは子宮内膜を厚くする。更年期で性器大出血を起こすことも。最後には子宮を摘出することを考える。

女性ホルモンの検査値

脳下垂体・視床下部ホルモンのページを参照。

HRT(ホルモン補充療法)

  • HRT(ホルモン補充療法);エストロゲン欠乏による血管作動性の症状(ほてり、発汗、性交痛、骨粗鬆症、集中力低下、コレステロール上昇等)を抑える。子宮を有する場合黄体ホルモン剤を併用(エストロゲンだけだと子宮内膜が厚くなるので)。内服、塗り薬(ル・エストロジェル等)、貼り薬がある。これらの治療は閉経後10年以上立ってからやっても、逆に心筋梗塞などの可能性が上がるためだめ。

子宮内膜症

  • 子宮内膜症:原因は不明だが、月経血が再度逆流するのが原因?卵巣にできると卵巣チョコレート嚢胞、直腸と子宮の間の腹膜腔にできるとダグラス窩。子宮内膜の組織が増殖(一般的に良性だが、ガンににてる)。卵巣、腹膜、腸管らで増殖し出血を伴う。毎回月経のために出血が起こり、痛みを伴う。1%が卵巣がんへ悪性化(Fe2+→Fe3+への酸化が原因?)。40歳以上、4mm以上はがん化の可能性のため手術。閉経前は、ホルモンで閉経に追い込む。LEP製剤、排卵抑制。
  • エストロゲンは子宮内膜を厚くする。更年期で性器大出血を起こすことも。最後には子宮を摘出することを考える。

女性ホルモン関連薬の使い方

エストロゲン受容体は、乳がんの原因となる乳腺細胞や骨粗鬆症の原因の破骨細胞等に発現している。

乳がんの治療の際は、閉経前の女性の場合、乳がん細胞のエストロゲン受容体に拮抗する薬を使用する。

閉経後の女性の場合は、副腎皮質由来のテストステロンからの経路で産生されるエストロゲンを抑える目的で、主としてアロマターゼ阻害薬を用いる。

その他、FSH分泌の大本になっているGnRHが下垂体前葉の受容体へと結合するのを抑える、GnRHアゴニストとGnRHアンタゴニストも用いられる。

アンタゴニストは単純に受容体拮抗薬であるが、アゴニストの方は継続的な受容体刺激によるダウンレギュレーションによって、FSHやLHの分泌が抑制されるという機序である。

黄体ホルモン製剤のヒスロンHは、プロゲステロンレベルを維持してエストロゲンレベルを下げて乳がんを抑える。

拮抗作用とは逆に、エストロゲンを出させたり、エストロゲンを補給したりする薬は、排卵誘発や更年期障害に用いて、プロゲステロンを補給する方は早産防止、両方の配合剤は月経異常や避妊用に用いる(プロゲステロンレベルが高ければ新たな排卵を抑えることができる)。

また男性ホルモンであるアンドロゲンの分泌を促すLHレベルを下げる効果のあるGnRHアゴニストやアンタゴニストは、アンドロゲン受容体拮抗する抗アンドロゲン薬とともに前立腺疾患にも用いられる。

エクエル(エクオール含有健康食品)

  • エクオール:エクオールはエストロゲン類似物質(クロミッドとかと同じ)であり1/500程度の作用。エストロゲン様作用、抗アンドロゲン作用、抗酸化作用(アンチエイジング効果)。不要な部分は尿へ、蓄積性がない。これから閉経を迎える女性に良い。やめるとまた戻る。12wでも効果実感(肩こり、ホットフラッシュ、シワ、コレステロール低下)。血中のホルモン濃度に変化なし。40代50代が適齢。1日量(エクエル4粒)は、納豆1パック、豆腐2/3換算だが、大豆イソフラボンと知られる3種(ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン)のうちダイゼインが腸内でエクオールを産生する腸内細菌によって代謝されてエクオールとなってその作用を示すため、エクオール産生菌が少ない人は、大豆イソフラボンを摂ったとしてもそのまま体内に吸収されてしまう。大塚製薬のエクエルは大豆のダイゼイン類を、エクオール産生乳酸菌(ラクトコッカス20-92)で代謝させてエクオールにし、エクオールを直接摂取できるようにしたもの。

(参考・引用元:クレデンシャル2017.10)

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