乳がん
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サブタイプ分類 | ER | PR | HER2 | Ki-67値 | 治療法 |
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ルミナルA型 | 陽性 | 陽性 | 陰性 | 低 | ホルモン療法 (化学療法) |
ルミナルB型(HER2陰性) | 陽性or陰性 | 弱陽性or陰性 | 陰性 | 高 | ホルモン療法 化学療法 |
ルミナルB型(HER2陽性) | 陽性 | 陽性or陰性 | 陽性 | 低~高 | ホルモン療法 化学療法 分子標的治療 |
HER2型 | 陰性 | 陰性 | 陽性 | - | 分子標的治療 化学療法 |
トリプルネガティブ | 陰性 | 陰性 | 陰性 | - | 化学療法 |
乳がん細胞の核に現れる女性ホルモン受容体として、ER(エストロゲン受容体)とPR(プロゲステロン受容体)がある。
HER2はがん細胞表面に発現するタンパク質の一種で、多いと増殖が促され、再発のリスクも高い。
Ki67はがん細胞の増殖能、高いと増殖スピードが早い。
乳がんの術前薬物療法は、腫瘍が小さくなる、それにより乳房温存手術の適応が増える、化学療法の効果が予め確認できること等により推奨されている。術前薬物療法により2割弱はpCR(病理学的完全消失:がん細胞の消失)が得られたという。 術後の再発予防に術後薬物療法ももちろん行われる。
ルミナルA型
ルミナルA型は、乳がんの約6割を占め、予後は最も良い。
手術による切除(部分切除は4割)後に化学療法(抗がん剤)を行ってその後ホルモン療法へ移行する場合と、化学療法を行わないでホルモン療法へ移行する場合がある(オンコタイプDX検査=がん遺伝子を調べる検査等で判断)。
ホルモン療法のみの場合、閉経前の人は抗エストロゲン剤(タモキシフェン等)を5~10年使用する。閉経後はアロマターゼ阻害剤を使用する。アロマターゼ阻害薬はエストロゲン量が減るので骨粗鬆症のSEに注意。
化学療法をした閉経前の人はエストロゲンの分泌を抑えるLH-RHアゴニスト製剤を5年間併用する。 10年以上経ってから再発する晩期再発も有り。
ルミナルB型
ルミナルB型のHER2陰性では、リンパ節転移が多かったり、しこりが大きく部分切除を希望する場合のみ化学療法を術前に行う。それ以外は手術が先が一般的。
ルミナルB型のHER2陽性では、化学療法と分子標的薬に加えて、内分泌治療を行う。
HER2型
HER2型は、乳がんの1~2割を占める。 術前化学療法としてで腫瘍を小さくしてから部分切除、もしくは術後に1年ほど化学療法を行う。
HER2標的薬剤として、トラスツズマブやラパチニブ、ペルツズマブを、抗がん剤としてアントラサイクリン系とタキサン系を併用して治療する。
トリプルネガティブ型
トリプルネガティブ型は乳がんの1~2割を占める。
ホルモン受容体とHER2が陰性でそれらに拮抗する薬を使用できないため、抗がん剤が主体となる。術前または術後の化学療法としてアントラサイクリン系とタキサン系の順次投与(FEC療法、AC療法、EC療法等)が行われる。
トリプルネガティブ乳癌の周術期治療と1次治療におけるICIの活用(日経メディカル)
FEC療法の点滴では、生食→吐き気止め→エピルシン投与→シクロホスファミド投与→フルオロウラシル投与→生食の合計2時間を、3週間毎に4~6サイクル繰り返す。
以下乳がんの薬
- アリミデックス(アナストロゾール)・・・アロマターゼ阻害。閉経後乳がん
- アロマシン(エキセメスタン)・・・アロマターゼ阻害。閉経後乳がん
- フェマーラ(レトロゾール)・・・アロマターゼ阻害。閉経後乳がん
- ノルバデックス(タモキシフェン)・・・SERM(エストロゲン受容体拮抗薬)。乳がん。SERMなので乳腺と子宮には抗エストロゲン作用、骨と脂質代謝にはエストロゲン作用を示す。
- フェアストン(トレミフェン)・・・SERM(エストロゲン受容体拮抗薬)。閉経後乳がん
- フェソロデックス(フルベストラント)・・・エストロゲン受容体拮抗薬。閉経後乳がん
- ヒスロンH(メドロキシプロゲステロン)・・・黄体ホルモン。乳がん、子宮体がん
- ゾラデックス(ゴセレリン)・・・GnRHアゴニスト。子宮内膜症、閉経後乳がん、前立腺がん
- リープリン(リュープロレリン)・・・GnRHアゴニスト。子宮内膜症、子宮筋腫、閉経後乳がん、前立腺がん
- ゴナックス(デガレリクス)・・・GnRHアンタゴニスト。前立腺がん
- チオデロン(メピチオスタン)・・・エストロゲン受容体拮抗薬(競合阻害)。乳がん
- プロセキソール(エチニルエストラジオール)・・・エストロゲン製剤。前立腺がん、閉経後末期乳がん。
- プロスタール、ルトラール(クロルマジノン)・・・黄体ホルモン製剤。無月経、前立腺がん、前立腺肥大
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