前立腺がん
分類 | 成分名 | 商品名 | 規格・剤形・補足 |
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アンドロゲン受容体拮抗 | フルタミド | オダイン | 錠125㎎ 前立腺がん |
ピカルタミド | カソデックス | 錠80㎎、OD錠80㎎ 前立腺がん |
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エンザルタミド | イクスタンジ | 錠40㎎/80㎎ 去勢抵抗性/遠隔転移前立腺がん |
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アパルタミド | アーリーダ | 錠60㎎ 去勢抵抗性/遠隔転移前立腺がん |
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ダロルタミド | ニュベクオ | 錠300㎎ 去勢抵抗性前立腺がん |
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クロルマジノン | プロスタール | 錠25㎎ 前立腺がん、前立腺肥大 |
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アビラテロン | ザイティガ | 錠250㎎ 去勢抵抗性前立腺がん、ハイリスク前立腺がん |
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GnRHアゴニスト | ゴセレリン | ゾラデックス ゾラデックスLA |
デポ1.8mg/3.6mg、徐放デポ(LA) ダウンレギュレーション。子宮内膜症(1.8mg)、前立腺がん/閉経前乳がん(3.6mg/LA) |
リュープロレリン | リュープリン リュープリンSR リュープリンPRO |
注射用、徐放注射用(SR) 中枢性思春期早発症、過多月経、子宮筋腫、子宮内膜症、前立腺がん、閉経前乳がん、球脊髄性筋萎縮症 |
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GnRHアンタゴニスト | デガレリクス | ゴナックス | 皮下注 前立腺がん |
エストロゲン製剤 | エストラムスチン | エストラサイト | カプセル156.7mg 前立腺がん |
エチニルエストラジオール | プロセキソール | 腸溶錠0.5mg 前立腺がん、閉経後末期乳がん |
抗前立腺がん薬
- オダイン(フルタミド)・・・非ステロイド性抗アンドロゲン薬。前立腺に直接働いてアンドロゲンの作用を阻害
- カソデックス(ビカルタミド)・・・非ステロイド性抗アンドロゲン薬、アンドロゲン受容体に拮抗
- エストラサイト(リン酸エストラムスチンNa)・・・エストラジオール(女性ホルモン)とナイトロフェンマスタード(シクロフォスファミド)の化合物。
- ゾラデックス(酢酸ゴセレリン)・・・ゴナドトロピンアゴニストで、ダウンレギュレーションを起こしてゴナドトロピン分泌を低下
- 酢酸リュープレン(酢酸リュープロレリン)・・・徐放性ゴナドトロピンアゴニストで、ダウンレギュレーションを起こしてゴナドトロピン分泌を低下
- ランダ、ブリプラチン(シスプラチン)・・・DNA合成阻害および細胞分裂を阻害
新規アンドロゲン受容体シグナル阻害薬(ARSI)
アビラテロン(ザイティガ)は、アンドロゲンの生合成に必要な酵素であるCYP17を選択的に阻害することで抗悪性腫瘍効果を示す。アンドロゲンだけでなくコルチゾールも阻害するため、体内のコルチゾール量が減り、コルチゾールの量が減ると鉱質コルチコイドが合成されてしまうため、アルドステロン症の症状(高血圧、低カリウム血症、浮腫等)が出やすくなる。そのため、コルチゾールを補給する目的でプレドニゾロンを併用する必要がある。
エンザルタミド(イクスタンジ)とアパルタミド(アーリーダ)は、アンドロゲン受容体への結合を阻害するだけでなく、アンドロゲン受容体の核内移行と転写因子への結合阻害作用を持つ。
間欠的ホルモン療法
ホルモン療法を間欠的に繰り返すことによってホルモンに対する依存性を長期間維持し、同時に間欠的な治療によって起こる性機能障害を軽減できる。
- 導入期(治療期間):LHRHアゴニストやアンタゴニスト、抗アンドロゲン薬を使用してPSA値が目標まで低下するまで治療(通常6~9か月程度)。
- 休薬期(治療中断):PSA値が十分低下したらホルモン療法を中止。副作用軽減・QOL回復を期待。PSAが再上昇したら再度ホルモン療法を開始。
この「オン・オフ」を繰り返すことで、治療効果と生活の質(QOL)のバランスを取る。
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