癌の薬(抗がん剤)一覧

M期→G1期→S期→G2期→M→G1→G0でストップ(図引用元

M期(分裂期)関連薬

微小管阻害薬はタキソ環類、ピンカ・アルカロイド、その他に分類できる。

タキソ環類(一部)

タキソ環類は微小管を安定させ、重合を過剰に促進することで細胞分裂を阻害する。

  • タキソール/アブラキサン(パクリタキセル)

ピンカ・アルカロイド(一部)

ピンカアルカロイドは微小管と結合して微小関係性を阻害し、細胞分裂を停止する。

  • オンコビン(ビンクリスチン)

その他

  • ハラヴェン(エリプリン)

G1期(DNA合成準備期)関連薬

分子標的薬(一部)

通常増殖の必要がなくなるとG1期→S期へ入るのをストップさせるためにG0期にはいるが、サイクリン依存性キナーゼ4/6はG1期→S期への進行を促進させ無限増殖を促す。

これを抑制するのが分子標的薬であるCDK4/6阻害薬である。

CDK4/6とサイクリンDの複合体の活性を阻害し、網膜芽細胞種(Rb)タンパクのリン酸化を阻害することにより、細胞周期の進行を停止し、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。

  • イブランス(パルボシクリブ)

S期(DNA合成期)関連薬

代謝拮抗薬類(葉酸代謝拮抗薬、プリン代謝拮抗薬ピリミジン代謝拮抗薬、その他(ハイドレア))がある。

拡散やタンパク質合成の過程で生じる代謝物質と類似の構造を持つ化合物で、正常代謝物に変わって核内などに入り込んだり、代謝酵素と競合的に阻害することでがん細胞を傷害する。

S期に作用する薬は、RNAポリメラーゼによるDNA転写DNAポリメラーゼによるDNA複製に大きくかかわる。

葉酸代謝拮抗薬(一部)

  • メトトレキセート(メトトレキサート)

プリン代謝拮抗薬(一部)

  • ロイケリン(メルカプトプリン:6MP)

ピリミジン代謝拮抗薬(一部)

  • 5-FU(フルオロウラシル)
  • キロサイド、スタラシド(シタラビン)

その他)

  • ハイドレア(ヒドロキシカルバミド)

S期~G2期(分裂準備期)関連薬

主にS期~G2期にかけて作用する薬。

抗腫瘍性抗生物質(一部)

アントラサイクリン系の一部、ブレオマイシン類に分類できる。

  • ドキシル/アドリアシン(ドキソルビシン)・・・アントラサイクリン系
  • ブレオ(ブレオマイシン)・・・ブレオマイシン類

DNAトポイソメラーゼ阻害薬

DNAのリン酸ジエステル結合を切断し、再結合を触媒するトポイソメラーゼを阻害してDNAを傷害する。

  • カンプト/トポテシン(イリノテカン)・・・トポイソメラーゼⅠ阻害薬。生体内でカルボキシルエステラーゼにより活性代謝物(SN-38)に加水分解されるプロドラッグである。Ⅰ型DNAトポイソメラーゼを阻害することによって、DNA合成を阻害する。
  • ラステット/ペプシド(エトポシド)・・・トポイソメラーゼⅡ阻害薬

細胞周期非特異的関連薬

抗腫瘍性抗生物質(一部)

細胞周期非特異的なものは、アントラサイクリン系の一部(アクラシノマイシン)、アントラキノン系、その他(マイトマイシンC、アクチノマイシンD)が該当する。

  • アクラシノン(アクラルビシンorアクラシノマイシン)・・・アントラサイクリン系。
  • ノバントロン(ミトキサントロン)・・・アントラキノン系。
  • コスメゲン(アクチノマイシンD)・・・その他。DNAと結合して、RNAポリメラーゼによるDNA転写反応を抑制します。
  • マイトマイシン(マイトマイシンC)・・・その他。腫瘍細胞のDNAと結合し、二重鎖DNAへの架橋形成を介してDNAの複製を阻害し抗腫瘍効果を示すと考えられている。

アルカリ化薬(一部)

細胞周期非特異的。DNAと結合してDNAをアルキル化し、DNA複製やRNA転写を阻害する。

細胞周期非特異的。マスタード類、ニトロソウレア類、その他に分類できる。マスタード類はDNA架橋反応を阻害。ニトロソウレア類はDNAに加えてRNAや細胞内蛋白へも影響を与える。

  • エンドキサン(シクロフォスファミド)・・・ナイトロジェンマスタード類。
  • ギリアデル(カルムスチン)・・・ニトロソウレア類
  • ダカルバジン (ダカルバジン)・・・その他。

白金製剤(一部)

細胞周期非特異的。DNA鎖と結合し、DNA合成やそれに続くガン細胞分裂を阻害する。

CDDPの副作用軽減目的で合成された白金製剤がアクプラ(ネダプラチン)、パラプラチン(カルボプラチン)、エルプラット(オキサリプラチン)

  • ブリプラチン、ランダ(シスプラチン)・・・癌細胞内のDNAと結合し、DNA合成及びそれに引き続く癌細胞の分裂を阻害するものと考えられている。DNA2本鎖の間に架橋を形成。

分子標的薬(一部)

キナーゼ類(チロシンキナーゼ阻害薬、マルチキナーゼ阻害薬、セリン・スレオニンキナーゼ阻害薬)、mTOR阻害薬、プロテアソーム阻害薬、HDAC阻害薬、モノクローナル抗体に分類できる。

  • キナーゼ類阻害薬はシグナル伝達を阻害する。
  • プロテアソーム阻害薬はタンパク質分解酵素複合体であるプロテアソームを阻害しタンパク質を分解する。
  • HDACIはヒストン蛋白のアセチル化によるがん抑制遺伝子の活性化。mTOR阻害薬は薬剤耐性に関係するmTORを阻害する。
  • モノクロナール抗体はがん細胞に対する特異的な抗体として作用する免疫チェックポイント阻害剤。T細胞上に発現するPD-1、CTLA-4分子はがん細胞やがん環境内のマクロファージなどの発現しているPD-L1という膜タンパク質と結合して、T細胞の機能にブレーキを掛けてしまう。免疫チェックポイント阻害剤は遺伝子の変異が多いがんに効きやすい。
    • CTLA-4を標的とするモノクロナール抗体には、イピリムマブがある。CTLA-4とペアになるのは抗原提示細胞上のCD80/86分子である。
    • PD-1を標的とするモノクロナール抗体には、ニボルマブとペムブロリズマブがある。

補足

  • レナリドミドの使用にあたっては、製造販売業者が策定した適性管理手順に従って、調剤及び管理上の責任を担う、責任薬剤師の登録が必要
  • ダラツムマブを使用する前に、肝炎ウイルス感染の有無を確認する必要がある。

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